猫の耳

久し振りに友人が家に遊びに来ると言う。
年賀状を描きたいので、絵手紙の手習いをしたいと
私に声を掛けてくれたので（教えるなんておこがましいが）
一応、彼女がやって来る前に
図書館で絵手紙の本なんぞ貸りて来て（教える）準備をする事にした。
図書館へ行くまでの道のりは結構遠いが
歩くにはいい距離だ。猫に出会える路地もある。
いそいそと準備をして出掛けた私は
いつもの公園で『チビ』は何処から見ていたのか
私に向かって一目散に駆けて来る。
しこたま撫でて、用事を済ませる為足早に公園を後にした。



図書館で絵手紙の本を見つけ、家に戻ると友人からメールで
「少し遅れます」との事、貸りて来た本をめくりながら
彼女を待っていた。
漸く近所まで辿り着いたと連絡が入り、
表通りへ向かえに出た。
横断歩道の向こう側の彼女はなかなか私に気付いてくれない。
ブンブン手を振っている私にあんまり気付いてくれないので
携帯電話をかけようかと迷ったが
信号が青に変わって漸く気付いてくれた。



最近、髪を切った。
随分と長い事伸ばしっぱなしの私の髪は
腰まで届きそうな勢いだった。
美容室に年に数回しか行かない私は
いつも同じ髪型のままなので
彼女は無意識に髪の長い人を探していたのだろう。



ふと、不思議に思った。
さっき図書館へ行く途中、
『チビ』は私と知っていて近付いて来た。
一体猫はどうやって人を見分けているんだろう。。
見た目でないなら、匂いか足音か…。
猫は遠視と聞いた事がある。
近くは見えていないなら
やはり足音かも知れない。
でも、私は足が悪く片方引きずって歩いているとか
別段特徴がある歩き方をしている訳ではないのだ。
それでも猫は、自分に会いに来る人間の
独特のリズムと足音を聞き分けているのかも知れない。
そう思うと次はスキップでもして公園へ行ってみようかなとか
悪戯な気持ちを持つのが人の業…



いい大人がスキップしながら公園に走っていたら
それは、もしかしたら私かも知れません。






昨日は37位
　←立派な猫の耳に、クリック一つ。
村では９位
　←村にもスキップして行こう。