路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

ア コ

2008-02-13 | ★フォトログ

優しい奴はいくらでもいるけど、

お前程良い奴はやっぱり居ない気がする。

おばちゃん(女店主)が心配だから、

何時までも何時までも

煙草屋の城の用心棒でいて欲しい。


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訪問者

2008-02-12 | 『栗』

まだ団地に住んでいた頃、

階段下の植え込みの中から栗色の猫が現れた。

もうすっかり日も暮れて暗かったので野良猫と思っていたら、

黒い皮のお洒落な首輪が見えた。

飼い猫なので付いては来ないだろうと思い階段を上ると、のこのこ付いて来る。

玄関を開けると、慣れた様子で部屋の中迄入って来た。

人以外のお客さんがやって来るとは思っていなかったので、

取り合えず飲み物をと思い、小皿に水を入れてやった。

ペロリと飲み干した後、狭い部屋の中を見学し納得したのか

カーペットの上でゴロリと横になってくつろぎ始めた。

…ここが気に入ったらしい。

「猫は七つの家を持つ」と言われる位だから、我が家を七件目にされては困る。

そうだ、私が家を出れば付いて外に出るかと思い玄関を開けて外へ出る。

しかし、玄関まで見送りに来て、まるで飼い主を見送る様に玄関マットの上で寝そべるのだ。

違う、違う。慌てて猫を抱え、階段下まで連れて行った。

仕様が無いので、家を探してやる事にした。

川沿い迄出ると、 『小鉄』が心配そうにこっちを見ている。

「お前も一緒に『栗』を家迄送る?」と聞くと、『小鉄』も付いて来た。

二匹と一人で橋を越え、川向こうの猫を飼っていそうなお宅へ行ってみた。

ある一件の家に付くと『栗』は慣れた様子ですいすいと中へ入っていった。

ここが家か。『小鉄』と顔を見合わせ、ダッシュで橋まで走った。

すると、後ろでまるで「置いてくな~!」とでも言いたげな猫の鳴き声が響いた。

息を切らせて走っている自分と、何故か付いてきた『小鉄』が妙に可笑しく思えた。



秋の夜長は、「日本昔話」のように夜が更ける。

夜の訪問者には気を付けた方が良い。


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感謝の菜園

2008-02-11 | ★Comment Thanks!

ほうれん草とミニ蕪のベランダ菜園に挑戦。

これはミニ蕪の収穫。

ほうれん草は食べられる量は採れなくて、

友達と二人で蕪とロールキャベツをコンソメで丸ごと煮込んで食べました。

誰かと食べると美味しいですね。

料理(上手じゃないので…)は、やはり何を食べるかでなく、誰と食べるか。



いつも訪問、あったかいコメント、ありがとうございます。

猫が縁で知り合った近所の方々、ありがとうございます。

写真を撮らせてくれた猫達にも、ありがとうございます。

本当に本当に、感謝です。

あ、猫草も栽培しとこうね。


 ←食卓は好きな人と囲むべきだと思う方、ここをクリックしてお箸を持ちましょう。
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宇宙人

2008-02-10 | ★フォトログ

何故か、出会うはずのないものに出会うと

意識がフィードバックしてしまう。

何時か見た風景。何時か歩いた場所。

短いデ・ジャヴに立ち竦む私を、

『宇宙人』は何処に連れて行くのか。



 ←何処にでも『宇宙人』は居る気がする方、ここをクリックしときましょう。
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椿三十郎

2008-02-08 | ★ほんの日常

昔観た、椿の花だけがカラーになるモノクロ映画があった。

一部の印象的なシーンにも拘らず、全体がカラーだったかの様な印象を受ける。

フルカラーが「総天然色」と呼ばれた時代。

色が氾濫している今、何とも粋な演出だと思う。

浪人『影虎』に無性に会いたくなった。


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小 鉄

2008-02-07 | ★フォトログ

良く団地の階段前や駐輪場で私の待ち伏せをした『小鉄』。

気が付いたら、うっかり眠ってしまってて

茂みの中から、こっそり後頭部だけ見えていたりする。

とても可愛い。

そぉっと近付いて、ビックリさせてやる。


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橋の下の貴婦人

2008-02-06 | 『華』

休日、『小鉄』の居る納骨堂の近くを通った。

橋の下に白黒の小さな背中が見えた。

日陰に避難している、小さな貴婦人だ。

この辺りではあまり見掛けない猫ではあったし、

警戒されるとまずいので静かに静かに橋の上からキャットフードを落としてみた。

むむっと気付いた猫は、もぐもぐと食べている。

少しづつ、橋の上からのプレゼントだと言う事に気付いてもらうべく

猫に分かる様に投げてみた。

気付いた猫は私の心配をよそに、ぐんぐん近付いて来た。

どうやら飼い猫の様で、人を怖がらない。

河の土手を登って来た猫と遊んでいると、日傘を差した年配の女性に声を掛けられた。

「まぁ、変わった柄の子ね。珍しいわ。連れてお帰りなさいよ、何万匹かに一匹の猫かもよ。」

確かに駄猫には珍しい柄が多い。三毛猫の雄位なら珍しいと言えるかもしれないが、

この子はどう見ても、普通の猫だし飼い猫だ。連れて帰る訳にはいかない。

少し話しているとどうやらかなりの猫好きの様で、自分の愛猫の写真迄見せてくれた。

まるで恋人の写真を見せる様に、毛長種の高そうな猫の写真を差し出す。

「これがレオ、こっちがルナ。」



ふと、亡くなったご主人の名前は痴呆で忘れても愛猫の名前はしっかりと覚えていた老女の話が頭に浮かぶ。

近所の野良と触れ合ううちに、老女はご主人の名前も癖も思い出すのだ。

記憶と言うものの儚さよ。

忘れえぬ愛を教えてくれるものが、人でなく猫でもいいのではないかと思う。

他生の縁も、永遠の愛…。



「この子の名前は『華』ちゃんが良いわ。うん、そんな感じ。」

愛猫の写真を大事にしまいながら、彼女は言う。

視線を落とすと、橋の下の貴婦人『華』が

私達二人を静かに見上げていた。


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髭男爵

2008-02-05 | ★フォトログ

とてもとてもシュールな一日。

猫が連れて行く不思議な空間、不思議な時間。

『髭男爵』にはあれ以来、

一度も出会えない。


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ミ ロ

2008-02-04 | ★フォトログ

これが自慢の野菜箱のベッド。

こんなに賑やかな商店街の真ん中で、

良く眠れるものだ。

不思議で仕方ない。


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虐 待

2008-02-03 | 『小鉄』

明るい内に写真を撮りたかった。

逃亡者、『小鉄』の元(犬の散歩のおばさんの所)へ急いだ。

が、 『小鉄』の姿は無い。

仕方なく帰ろうとしていると、犬の散歩のおばさんが仲間を引き連れて帰って来た。

「小鉄やろ、さっき一本裏の通りの駐車場におったよ。」

と、一つ裏の通り迄聞こえる声で『小鉄』の名を呼んでくれた。

なかなか出て来ない。

暫くして、私も『小鉄』の名を呼んだ。

一本裏の通りから、家と家の隙間を抜けて『小鉄』が姿を現した。

「やっぱり、貴方の声は聞き分けるとよ。出てきたやん。」

関心しながらおばさんは言う。

一週間振りの再会に撫でていたら、ザラっとした感触が手に残った。

怪我をしている。

「最近ね~、小鉄は怪我ばっかりよ。喧嘩して帰って来るけんね。

 …それに、猫嫌いの人に虐待されとるみたいでね…可哀想に。」



そう言えば、川沿いに居た頃も散歩の人達から聞いた事がある。

納骨堂の裏で煙草を吸うおじさんの中には猫嫌いが居て、

皆に可愛がられる『小鉄』を目の敵にしている輩が居るらしい。

歳を取り、家族に相手にもされないので小動物をいじめて憂さを晴らしているのだ。

小さな命を傷つける権利は誰にもない。

下等動物と彼らが言う猫達ですら、自らの子供では無くとも幼い命を傷付ける行為はしない。


もしかしたら、『小鉄』は虐待が嫌で川沿いから逃亡したのかもしれない。

犬の散歩のおばさんのお向かいさんは大の猫嫌いで有名だ。

逃亡先でも試練の道が待っている。

まるで、「逃げても同じ」と神に言われている気がした。


 ←「ちっちゃなダイヤモンド」を口ずさんで、ここをクリックしときましょう。















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路上の南国

2008-02-02 | ★ほんの日常

この花(仏桑華)を見ると、

何故かハワイとか沖縄とか勝手に想像してしまう

南国の常套句のような花。

『宇宙人』に出会ったマンションの駐車場から近い

脳神経外科病院の花壇。

患者達はこの花に迎えられ

そして、見送られる。


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巌窟王

2008-02-01 | 『尚人・直人・チビ』


一週間前に公園へ行った時、『直人』が駐輪場で蹲っていたので暫く一緒に遊んでいると、

何処から見ていたのか「私も入れて!」とばかりに『茜』がやって来た。

でも、いつも懐こい『尚人』の姿が見えなかった。



また一週間が過ぎて、同じ道を通って買い物へ行った。

公園へ差し掛かると、『直人』が訳知り顔で私の前を横切った。

後を追うと、何処から聞こえるのか猫の鳴き声がする。

そこには、団地の通風孔に迷い込んで出られなくなった『尚人』がいた。

暗闇の中から『尚人』は必死にSOSを発していた。

鉄格子の隙間に、誰かが猫缶を押し込んだ後が残っていて少し安心した。

持っていたドライフードを隙間から指で摘んで一個一個押し込んでやる。

慌てて食いつく『尚人』に指ごと噛み付かれたりした。

噛まれた指よりも、胸が痛かった。

一体何時からここに居るのだろう…

急いで友人にメールで応援を頼む。 「面影」に登場した獣看護学生の彼女だ。

直ぐに返信が入り、翌日は雨の中、二人でご飯を食べさせた。

明日は学校が休みなので、彼女が様子を見に行ってくれるとの事。

そして翌日には団地住人の連絡で、公団と業者の方が来て鉄格子を切り、

『尚人』を出してくれたと彼女からの報告が入った。



人の勝手で拾われては、また捨てられて、

寒さしのぎに入り込んだ先は、出口の無い牢獄。

それでも鳴き続けた『尚人』は今、自由を謳歌し元気に走り回っている。



親友の手による冤罪で牢獄へ送られたエドモン=ダンテスは、復讐の旅へ出た。

猫もいつか復讐の旅に出るのだろうか。


 ←「復讐するは、我にあり…」と静かに唱えて、ここをクリックしときましょう。


















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