熊本県と大分県の県境、麻生釣(あそづる)温泉「亀山の湯」に行ってきました。前回はもう一年以上前になってしまいましたが、その間、色々と温泉地を訪ねてみたものの、やはりこちら亀山の湯のコスパは最高だと再認識することになりました。
九州各地に存在する「日帰り温泉」「家族風呂」。こうした貸切湯に宿泊棟を併設して素泊まりで温泉を楽しめるお宿がこの周辺にはいくつかあります。いわゆる「温泉旅館」とはまた違って、温泉そのものを楽しむために泊まることもできる温泉施設という形になります。
ですから、上げ膳据え膳の料理や、女将さんや仲居さんのおもてなしは全くありません。逆にチェックインしてしまえば、自分たちだけでいつでも自由に温泉を楽しむことができる、そう、いわば現代版スタイリッシュ湯治なのです(笑)
こちら亀山の湯は、旧館「離れ」が5棟、新館「離れ」が5棟、都合10棟の宿泊施設があります。もとは「日帰り温泉」なので別に8部屋の貸切温泉があり24時間営業されています。
泊まるならば新館「離れ」がベストチョイスです。
旧館「離れ」14,000円 広めの檜風呂でサッシに囲まれており寒くない
新館「離れ」18,000円 檜の屋根付き露天で別にユニットバスがある
※土曜日泊おとな二人料金(2020年10月時点)
ここは総合的に新館をお薦めしておきますが、旧館も趣きがあって悪くはないです。特に寒い時期には旧館の風呂場のほうが安心です。新館のユニットバスは温泉ではありませんので積雪するような天候だと新館の露天風呂は寒くて耐えられないかもしれません。
近くに似たようなスタイルの「守護陣温泉」があります。こちらの新館は部屋の設備が素晴らしいお籠り宿です。温泉の質はどちらもほぼ同じ感じで甲乙付けがたいところですが、価格を考慮すると自分的には「亀山の湯」がベストチョイスだな、と再認識しました。
重ねて申し上げますが、このようなスタイルの温泉宿は、一般的な日本旅館、温泉旅館とはまた違った文化だと認識しておかなければなりません。
受付では「おもてなし」とかありません、ただ名前を書いて鍵をもらって終わりです。分からないことがあれば尋ねる、それに答えるお母さん。そういうシステムですから「さぁこれからどうするんですか?どちらに進めばいいのですか?」という待ちの姿勢だと何の案内もなく戸惑う羽目になるでしょう。
私たちはもう10回ほど通っていますが、何か新しいことを聞いたり聞かれたりすることもなく、いつもの通り万人に同様に接するフロントのお母さんです。
今回はGotoトラベルキャンペーンを利用しました。18,000円が11,700円(プラス入湯税150円x2)、ちゃんと地域共通クーポンも付いてました。まったくアナログなこちらのお宿のシステム、「お母さん、QRコードとかちゃんと読めるんかなぁ」と心配していましたが、名前を書いた付箋がクーポンに貼ってあり、それを「はい」と手渡されました。QRコードスキャンすら要らんのか(笑)
こちら、受付棟が熊本県に位置しますが敷地のほとんどは大分県になります。お宿の所在地、熊本県に隣接する各県で地域共通クーポンを利用できますが、なんと海を挟んだ長崎県も「隣県」になっており利用可能なようです。九州7県のうち、唯一佐賀県だけが適用範囲外になっておりました(笑)
クーポンは宿泊日当日と翌日が有効期限。チェックイン後に受け取ったクーポンは近隣施設とお宿でも利用可能です。こちらは素泊まりの宿ですが、敷地内に「地獄蒸し」の蒸気カマドが8基用意されています。日帰り温泉と宿泊者は自由に使って構いません。食材の持ち込みも自由、頼めばザルも貸してくれます。
せっかくの地域共通クーポンですから、「地鶏の地獄蒸しセット3,000円」でも用意すれば自分のお宿にお金が落ちるのに、そうしたメニューはありませんでした。
私は面倒なので地獄蒸しは利用したことがありませんが、いつか温泉たまごとか失敗しても晩飯に影響しない程度で使おうかなと思ってます。
今回もお弁当を持ち込みました。あと、お酒もたんまり(笑)
いつものMy DVDプレイヤーとお気に入りの映画。
そして、今回初めて気が付きました。いつの間にやら無料のWi-Fiが流れています。お部屋の名前のSSID「Nadesiko」が飛んでいることに。
最初に来た頃にはWi-Fiどころか、docomoの3Gすら危うく圏外だったのですが、いつからWi-Fiサービスやってるんでしょう、Wi-Fiステッカーも無ければお部屋の案内書きにも全く記載されていません。「無料Wi-Fiはありますか?」とお母さんに聞かないといけなかったのでしょうか(笑)
スピ速はやってませんが結構、快適な速度が出ていましたので、次回はFire TV Stickでも持ち込んでみるかな。
アナログ的なお宿と思い込んでいましたが、言わないだけで実は色々と進化させているのかもしれません。そういえば改めて見たら、こちらのお宿は敷地に電柱がありません、電気もLAN回線も温泉配管もすべてが地中化されているのです。眺めて景色がいいなぁと思ってはいたのですが、すべてが地中化されているある意味最先端なお宿だったのかもしれません!
翌日は10時にチェックアウト(これが11時ならなお良いのですが)
頂いた地域共通クーポンですが、近隣のお店では人気のある「そば処よしぶ」や「岡本とうふ店」「そらいろのたね」は対象外でした。※2020年10月時点
私たちは3,000円分のクーポンを持って、道の駅小国まで出てお土産物を買います。レジで会計してもらったら2,920円(税込)、店員さんが「あと80円あるから阿蘇ジャージー牛乳をおひとつどうぞ」とぴったり3,000円に調整してくれました、がっちり買いまショウ(昭和感)
昼食は、久しぶりに南小国の蕎麦街道「手打ちそば美原」に行ってきました。こちらのお父さんお母さんもだいぶお歳を召されてきましたがまだまだ現役で頑張っておられます。玄関脇にあった小さな水車が取り除かれてプレハブの現代的な建屋が増設されていました。お尋ねしたところ「私たちの休憩室です」とのこと。ごゆっくりマイペースで長く続けて頂きたいと思いました。
相変わらず十割蕎麦が旨い! そして「膳」に付いてくる天ぷらがまた美味しい! 今日はブドウとキンカンの天ぷらが入ってた!
客席で「おっ、これブドウの天ぷら?」と声があがるのを、厨房でそっと聞き耳を立ててているオヤジさん(笑) また意外な食材で楽しませてください。ごちそうさまでした。
旅行日:2020年10月17日
<追記>
後日、「手打ちそば美原」の娘さまよりメールを頂戴しました。季節の天ぷらはお母さまの担当だそうです。ごちそうさまでした。またぜひ訪れたいと思います。
<追記>
新築二間にも泊まってきました(2021年4月)
あらためてgoogleマップを見てみると、受付棟の真上に県境が引かれていますね。全ての離れと敷地の大半は大分県側ですが、日帰り温泉の部屋は熊本県ですから、もともと熊本で初めて大分側に越境していったのでしょうか(笑)
記事にあります通り、これでロングステイプランでも出してくれればもう言うことないですね!
入湯税は、100円や300円のところもたまにありますね。
長門湯本温泉が300円に値上げしたのは個人的にショックでした。
細かくてすみません(^^;)