百合ヶ原公園のガリカ系のバラです。
白バラの起源がアルバ系なら、赤バラの起源がガリカです。
古代ローマ時代からあったという非常に古い歴史を持ちます。
百合ヶ原のガリカ系のバラを古いバラから順に並べてみました。
ラ・ベル・スルタンス(La Belle Sultane, Unknown Dutch origin, 1795以前)
ベルベットみたいな花弁に黄色いシベ。
とても上品なバラです。
コンプリカータ(Complicata,1800年以前)
交配親 Rosa gallica x Rosa canina
ロサ・ガリカとロサ・カニナの自然交雑種と考えられています。
ピンクの一重の花は花径がとても大きく、満開時は大変見事で非常に目を引くバラです。
エンプレス・ジョセフィーヌ(Empress Josephine, フランス,Descemet, 1815)
名前はナポレオン皇妃ジョセフィーヌからとったようです。
咲いている花がまだ少なくていい写真がないのですが、
外側の花びらが薄く、中心は濃く、このピンクの色がとてもきれいなのが印象的でした。
グロワール・ド・フランス(Gloire de France, フランス, 1819年以前, Laffay)
クォーターロゼットでボタンアイが見えました。
花びらの外側が淡いピンクで内側程濃く、グラデーションがとてもきれいです。
開ききった時の形がとてもいいですね。
ベル・ド・クレシー(Belle de Crecy, フランス, 1829年頃)
反り返って弓なりになって花形がとてもきれいです。
咲き始めは紫色のようなピンクで次第に灰色っぽく色が抜けてきます。
いいですね。こういうバラ好きです!
デュシェス・ド・モンテベルロ(Duchesse de Montebello, フランス, Laffay, 1829年)
名前はナポレオン1世の旗下で元帥をつとめた、モントベロー公にちなんでいます。
モントベロー公がご夫人に捧げたバラ。
ガリカというと赤というイメージですが、これは優しいピンク~白の雰囲気のバラです。
これも開ききったときの形がきれい~
カマイユ(Camaieux, フランス, Vibert, 1830)
白とピンクの絞りのバラもあるのですね。
ガリカの印象が変わっていきます。
デュセス・ダングレーム(Duchesse d'Angouleme, フランス, Vibert, 1835以前)
やさしいピンク、公爵夫人にふさわしくエレガントな印象。
枝が細く花はうつむいて咲くのですが、その表情がとても優しいです。
百合ヶ原でうつむいて咲くバラの中で一番好きですね。
クラムワジ・ピコテ(Cramoisi Picote, フランス, Vibert, 1834)
ポンポン咲きの形がいいですね。絞りが入っているようで、
グラデーションがきれい。花がとても引き締まってみえます。
ベル・イシス(Belle Isis, ベルギー, Louis-Joseph-Ghislain Parmentier, 1845年頃)
名前は「美しいイシス」。古代エジプトの豊穣の女神の名前です。
初代イングリッシュローズのコンスタンス・スプライの母親でもあり、
イングリッシュのミルラ香はこのバラから受け継がれたとか。
匂いをかいでみましたが、甘いコンスタンス・スプライとはまた違う感じがしました。
このバラも枝垂れて咲く優しい雰囲気を持ったバラです。
イシスという名前も素敵ですね。
アリカ(Alika,introduced from Russia, breeder unknown, 1906)
ロサ・ガリカは見たことがないのですが、こんな色をしているのかな~と
勝手に想像してしまいます。
原種の雰囲気を持つバラなのに、作出は比較的新しくびっくりしました。
シャーラヒグルト,シャーラッハグルート(Scharlachglut,ドイツ,1952)
交配親 Poisettia × Alika
上で紹介したアリカが親になっています。写真で見るとよく似ていますね。
この日は天気がよく、空気がからりとして暑い日でした。
こういう日はこんな色の花がとてもよく似合っていました。
ジェームス・メイソン(James Mason, ドイツ, Beales, 1982)
ピーター・ビールズが1980年に作出した比較的新しいバラです。
こういう色のことをクリムゾンレッドというのでしょうか。
まさにガリカ系のバラですね。
おわり
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