穴にハマったアリスたち

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感想:映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日

2020年11月07日 | プリキュア映画シリーズ
今回の映画は、何というか全編に「凄い」感が溢れていました。面白い面白くないを飛び越えて「凄い」。
なので、何をどう「凄い」と感じたのかの視点で書いてみる。

■感想:映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日

【現役と先輩方】

本映画は本来、春の公開だった。それが秋に延期になったわけですが、いざ見てみると、ヒープリ単体の秋映画としても成立していた。
言うまでもなく狙ってのことではないのだから、奇跡的な巡り合わせだったように思う。

従来の春映画の場合、基本路線は「未熟な新人さんが、頼もしい先輩方に触れて成長する」といった内容。
今回も部分部分ではその要素はあるものの、全体としては、むしろヒープリチームが救援にまわっています。
「これまでと大きく印象を変えたかった」「ストーリーを練りこんだら、たまたまそうなった」等々の理由は分かりませんが、この偶然そのものに妙に感動しました。

OPがテレビ版そのままだったのも、偶然とはいえ出来過ぎです。昨年の春映画「ミラクルユニバース」が、OPを限界ギリギリ以上に削っていたのとは対照的。
何故、春映画でテレビ版OPを採用したのか、もしかしてそこだけ差し替えたのか。色々と不明なれど、おかげで「ヒープリ映画」だとすんなり受け入れられた。

あまりに秋映画として違和感がなかったせいで、先輩方が救援に来てくれた時、ちょっと驚きすらしました。あ、そういえばオールスターズだった、この映画。

【敵が、強い】

今回の敵・リフレイン。恐ろしく強い。
彼の目的は、自分が取り壊されるのを防ぐこと。歴代シリーズと比べ、非常に小さく、ささやかな願いです。でもそれが故か切実さが違う。

前述のとおり、オールスターズ映画であることを素で失念していたので、先輩方が来てくれた時には「リフレインも気の毒に」とすら思いました。
先輩プリキュアというだけでもシビアなのに、よりにもよって時間戦に長けたハグプリ・スタプリチームです。あまりに運が悪すぎる。

が、そんな同情など何のその。リフレインは真っ向から撃退。強い。
時計の長針・短針が化けたような下っ端どもは、下っ端とは思えぬほど一撃一撃が速く、重い。あれって攻撃型ミニッツやアワーズだと思うんですが、奴らあんなに強かったのか。
上空からの飛び道具も怖いです。何人にも止められぬ時間の進みを象徴するかのような、えげつない射撃が襲い来る。
戦い方も上手い。的確に分断、防御、退く時は退く。きっちり学習し、対策を立ててくる。

実際、リフレインも内心ではそれなりに焦っていたんだろうとは思います。
あちら視点でいえば、倒しても倒しても、ひたすらプリキュアと戦う日々を繰り返し、一度でも負けたら終わり。連戦連勝を繰り返さねばならない。
だからこそ戦い方を覚え、きっちり対策を練った。だから強い。

一方のプリキュア側も、懸命の抵抗を試みてるのが熱い。

1回目の戦い。ヒープリ組もちゃんと見せ場の反撃をしている。でも負ける。
2回目の戦いも、普通ならあれで終わっています。「記憶がないのに助けに来てくれた」という感動があったにも関わらず、敗北。
3回目。これまた記憶がないのに、先輩方は即座に対抗策を打っている。「覚えていないけど、私たちは過去に2回、この敵に負けている」「いつもと同じことをやったら勝てない」。これをすぐさま判断し、咄嗟にチーム分けを変えている。オールスターズ的見どころと合致した素晴らしい展開。でも敗北。

この流れだとまた4回目のループに突入するんじゃ…?と本気で思うほどの苦闘ぶり。次がちょうど100回目ということも不安に拍車をかける。
そりゃ最後は勝つのが分かり切ってはいますが、ここまで先が見通せなかったのは初めてかも。

【日常化する伝説】

「飛び出した子供を事故から救う」シーン、もしかしたら初の「敵と関係ないトラブルを、プリキュアで解決する」でしょうか。
すぐに思い出せる過去事例が「部屋の掃除のために変身」ぐらい。他にもありそうな気はしますが、何にせよ珍しいのは確かです。花寺さんは、そういうの躊躇しない子。

ストーリー的には、おそらくはこの場面を(86回目のループの最中とかに)ミラクルンが目撃、そこからラビリンたちを探し出し、コンタクトを取ったんじゃないかと思われます。
ミラクルンの孤独な戦いに、涙を禁じえません。時間制限がある以上、行動範囲は限られる。その範囲の中でたまたま遭遇した、リフレインに抵抗しうる存在・プリキュア。
追撃をかわし、時間切れで振り出しに戻され続けながら、じわじわと少しずつ少しずつプリキュアに近づいたのでしょう。

今回の話で一番怖かったのは「実は既に98回ループしている」と明かされた場面。
96回目でラビリンと接触、ライトを託して一歩前に進む。97回目、ようやくプリキュアに到達。98回目でやっと花寺さんは事態を把握します。
そこに行き着くまでの無数のループをプリキュアは認識できていない。
ハグプリ、スタプリの面々に至っては、最後の1回しか感知できず。かつて時間戦を経験していたはずなのに、こうもあっさり時間の牢獄に捕らわれた。怖い。

「日常生活でプリキュアに変身」「プリキュアが(事態の認識すらできずに)既に負けていた」のは、結構な衝撃でした。

あと3回目のループの際の、平光さんの台詞が何か良い。

(星奈さんからの「どうしてプリキュアだと知ってるの?」に対して)
平光さん:
 「ていうか、私もプリキュアだし!」

生々しいというか、「あ、プリキュアってそういうものなのか」「まぁそういうものだよな」的ななんともいえぬ感じ。部活か何かのノリですかね。

【撮影協力:すこやか市】

テレビ本編でも再三描写されているように、舞台となった すこやか市は観光地。
今回たまたまハグプリ・スタプリの面々が来ていたのも、そのおかげです。すこやか市が観光地でなかったら詰んでた。
「たまたま偶然」他のプリキュアが通りかかってくれないと、花寺さんたちは「他にもプリキュアが居る」とは知りえませんから、助けを呼ぶ発想には至らないでしょう。
結果、7時30分から12時までで移動できる範囲にいないプリキュアは、この戦いに参加できず。ヒープリ単体では勝算が全くありません。

更に言うなら、ハグプリとスタプリは「たまたま偶然」同じ日にやってきただけで、示し合わせてではなさそうです。行動スケジュールがあまりに違い過ぎる。すこやか市の訴求力高いですね。

1回目の街中の戦闘シーンも臨場感あってとても良かった。花咲さん達のパリ市街での戦いを思い出しました。
この辺も「秋映画の定番・異世界旅行をやっていないのに、秋映画っぽく見えた」原因な気がする。パリと並ぶ すこやか市。凄い。

あと、角の生えたデカいぬいぐるみやクラゲを連れて、ルンルンニャンニャン言ってる謎の異星人集団に対し、誰も何のツッコミを入れてないのがちょっと面白い。
観光地なので、色んな人が来るんです。一々反応しない。

【先輩方】

先輩方も埋もれていたわけではない。
前述のとおり、引き立て役的にやられまくっていたのでもなく、要所要所で凄みを発揮しています。(そしてだからこそ、勝てないことに恐怖を覚える)

星奈さんの変身シーンは懐かしさが堪らなかった。「唄う」という特徴的なバンクなだけに、頼もしさというかインパクトが違う。
野乃さんは、改めて考えてみれば、それまでの15年の代表者です。そういう意味では、今作は17年分の全チームの総力戦ともいえた。

ヒープリのテーマは、これまでを見るに「繰り返すことで学習し、強くなる」だろうと思われます。
この内の「学習し」が欠けると、偉大なる先輩方でも勝てない。録画したものをただただ繰り返し再生しても、彼女たちはどこにも進んでいかない。
学習してよりよくしていくというのは、今後続々と行われる(と思われる)「15周年企画」にもつながりそう。

【15周年】

次回の春映画は、夢原さんとの共演です。凄い。
無印5から15周年なので、「2021年にプリキュア5絡みで何かをやる」のは、元々予定されていたと思われます。
ただ「ヒープリと合同で春映画」はどこまでが予定通りだったんだろう?

真相は分かりませんが、元々は「ヒープリの秋映画で、スプラッシュスター(15周年)と何かをやる」だったのかも。
ヒープリのテーマと、スプラッシュスターのテーマは近いものがある。暴論を言ってしまえば、それも念頭にヒープリでは「病気」がギミックに選ばれたんじゃないかとも。
ただこういう世の流れになってしまったので、スプラッシュスターはスキップし、夢原さんを採用したとか。
さすが公式様は美翔さんに求められているものを分かっていらっしゃる。往年のSSファンとしては、にやにや笑いが止まらない。今回の映画でも「ぴきゅるーん!」の効果音が出たときには思わず心の中で喝采ですよ。とても良いものを見た。

「プリキュア5」や「GoGo」のテーマと、ヒープリをどう絡めるのか。「繰り返すことで学習する」を、「夢に向かって進む」にリンクさせるのかしら。
夢原さんという強力な「指針」が存在すると、繰り返しの日々でも目標を見失わなさそうなので、これはこれで相性として面白いかもしれない。
SSと組んだ場合は「生命や生物といった広い概念での成長」にフォーカスが当たりそうなのに対し、夢原さんだと「個の目標」が強調されそう。ヒープリ本編は今のところ前者よりだと思うのですが、夢原テイストが入ることで印象が変わりそう。
今後15周年企画が続くなら「15年前のシリーズのテーマが何だったか」によって現役シリーズの印象も変わり、新しい見どころになりそうです。

【テレビ本編】

今作の大きな特徴の一つとして、「敵側もプリキュア側と同様の思考をする」。
「実験して試行錯誤して強くなる」は正に「繰り返すことで学習して強くなる」そのまんま。
リフレインも同様です。きっちり前回の経験をもとに対策を練っており、だから強い。

じゃあプリキュア側と何が違うんだろう?

映画から類推すると、「先に進むための学習」なのか「現状維持のための学習」なのかが違いそうです。
前者は必然的に試行錯誤が必要で、常に変えていく要素がある。後者は(局所最適な)必勝パターンが確立したら、そこから先には進まない。
ビョーゲンズとの戦いも、そういう要素が出てくるのかもしれない。

【時間の考察】

半年かけてハグプリの考察をやってきました。(参照:「愛崎えみるの研究室訪問問題」
その観点でも面白い映画だったので、考察の続きをその内書きたい。

●感想2周目

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鏡の国のプリキュア5

2020年07月05日 | プリキュア映画シリーズ
久しぶりに聴いた「夢みる女の子」が相変わらずの名曲で感動したので、今更ながらプリキュア5のことを「鏡の国」やカワリーノさんが見せた悪夢を軸に考えてみた。

【春日野うらら】

「プリキュア5」の基本テーマは「夢を叶えることに意味はあるのか」だと思ってる。デスパライア様がまさしくそうで、望みを叶えてもその先がなかった。
その意味で、レモネは最も分かりやすい象徴的な立ち位置だと思う。

闇レモネは言った。女優になって何になるのか。
カワリーノさんによる悪夢も「女優になったけど、だから何だったのか」と目的を見失うものだった。

「女優になれない」ではなく「なっても意味がない」。
これに対するレモネの回答は凄まじい切れ味なのですけれど、何にせよ彼女の抱えている問題は「夢を叶えることに意味があるのか」。

後世のプリキュアで考えると、「ゴープリ」の春野さんがかなり近いテーマを扱ってます。
「ゴープリ」では「夢を叶えても次の夢と続く」「夢への道は果てがなく、いずれ心が折れて絶望する」。使っている言葉は違えど、根っこの問題は同じです。
奇しくも「プリンセス」=「民衆を勇気づけて影響を与える存在」は、「女優」のイメージとも被る。

レモネが「ゴープリ」に出演していても、かなりしっくりとくるんじゃないかしら。

【夏木りん】

夏木さんの場合は「親友に尽くすのは馬鹿げている」。彼女の夢は他者依存の要素が強い。
例の台詞「他に友達いないの?」は、彼女自身にも向けられた一種の自虐ともいえます。
皮肉なことに、夢原さんは夏木さんの助力をそこまで必要とはしていません。夢原さんは最終的に自力で立つ…というか、ココという強い拠り所を見出したので、夏木さんの存在がそこまで大きくない。

後の世のプリキュアでいえば、愛乃さんが近いのかなと思う。
愛乃さんの直接的な原動力は、プリカードにより母親の病気を治すことだった。でも母自身はそんなに切羽詰まっておらず、結果として空回りだった。
その後、彼女は初恋にも破れたわけで、「子供時代のキラキラした想いは、現実の前には無力」に直面し続けた。

仮に「プリキュア5」で「ハピネスチャージ」をやると、「夢原さんと違う道を歩む夏木さん」な展開になりそう。
子供時代の無邪気な「あたしがのぞみを守る」から卒業し、前に進む。ただそれはそれとして、苦しいときはいつでも呼んで、あたしは傍にいるから、みたいな感じで。

【水無月かれん】

かれんさんは「菱川さんらが居ないマナさん」かなと。
一人でできる。しかも一人の方が早くて確実。でもそれではいずれ限界が来る。

仮にかれんさんが「ドキプリ」に出演していたなら、マナさんとライバル的関係にあたる他校の生徒会長とかだったんじゃないかしら。
能力的にはマナさんと互角。でも腹心の菱川さんらの存在の差で負け、仲間の大事さに目覚める、といった感じ。
これだと追加戦士枠での参入ですけど、亜久里さんよりむしろ整合性のとれた流れな気がする。

【秋元こまち】

奇奇怪怪な「大量のこまちちゃん人形に埋もれる夢」は、闇ミントとの対話から推察するに、多分、姉の影響だと思う。
姉・まどかさんは豪放な性格をなさっており、その反動でこまちさんは落ち着いた性格にならざるを得ず、「気ままな姉と、良い子の妹」の役割分担に自然となってしまった。
こまちさんとしては、それを憎んでいるのではないけれど、物心つくころから選択の余地なく役割分担としてそうなってしまったことに、思うところがなくもない。
人形の持つ「自我がない、空洞」等のイメージや、闇ミントの語る「不公平、損」はそういったことじゃないかしら。

これを踏まえると、後のプリキュアで似ているのは いつきさんだと思う。彼女も、兄が病弱だったので結果的に「男っぽい(という表現は色々と厄介ですがあえて使うなら)」人生を歩んだ。
が、「男になりたい」のではないし、かといって「こんな自分が嫌」でもない。「可愛いものを好きになってはいけない」と誰かに言われたのでもない。
ただ、あくまで「結果としてこうなった」だけ。そして色々と葛藤はあったものの、今はそれを受け入れている。

表面のイメージは随分と違うけど、「ハートキャッチ」の追加戦士がキュアミントだったとしても意外に違和感はないかもしれない。

【夢原のぞみ】

彼女の問題は、自分の夢を持っていなかったこと。漠然とした憧れはあるし、他人の応援もしているけれど、自分の夢がない。何も知らないし、何も分からない。

当時「教師になる」の夢は随分と唐突に思えたのですが、「主体的な夢がなく、他人に全乗っかりしている」闇ドリームを見るに、「ココ以外の夢を持っている」ことは重要だったんだろうと思う。
ココに憧れて応援している内に、ココに影響を受けて「教師」という次の夢ができた。「パルミエ王国再建の夢を叶えた後、どうするのか(夢を叶えても意味がないのではないか)」への回答が、「夢を叶える過程で、次の夢が見つかる」。

他のプリキュアでいえば、近いのは星奈さんかもしれない。
「知りたい」から始まって、「知った」ことを元に変わっていく面で似通ってます。初めから目的を定めるのではなく、自分の思うままに進み、その過程で道を見つける。
(春野さんだと「プリンセス」の夢が強固に定まっているので、ちょっと違う)

もしも夢原さんが「スタプリ」に出演されていたなら、ノットレイダーの皆様をまぁ問答無用で殴り倒していらっしゃったろうと思う。
カッパードやテンジョウとは、下手に会話するより適切に殴り倒し続けた方が早期に分かり合えた気がしないでもないので、これはこれではまり役だった気がする。

【プリキュア5】

そんなことをとりあえず考えてみた。
逆に言えば「スター(ドリーム)・ラブリー(ルージュ)・フローラ(レモネード)・サンシャイン(ミント)・ハート(アクア)」で「プリキュア5」をできたんだろうか。

…できる気がする。細部は変わるにしても、元のシリーズのテーマと整合性をもったまま、ちゃんと「プリキュア5」になりそう。何か妄想の新しい領域を開拓した感がある。

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感想:映画「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」

2019年10月19日 | プリキュア映画シリーズ
■映画「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」

【謎生物】

冒頭。強烈な既視感があると思ったら「NS1」だった。
考えてみれば、「謎生物と出会って成長を見守る」展開は、正に坂上さんとふーちゃんのそれと同じ。
出会ったのがスタプリ組だったから、この話の流れになっただけで、もしユーマと会っていたのが坂上さんだったなら、沖縄が闇に沈んでいたのかもしれない。
もしくは、ふーちゃんと出会ったのが星奈さんだったら、スタプリVSスイートのガチ戦闘になってたんでしょうか。
「即、引き渡せ」と詰め寄ってきてたミューズさんとか、星奈さん視点で見たらハンターの皆様と変わりないもの。実にキラやばいですね。

その後の展開は「NS1」と随分と違いましたが、「スマイル」さんと「スタプリ」さんのテーマの違いのように思う。
「スマイル」当時は自身の成長(プリキュアになれるか)だったのが、現在は他者も含めた成長になっている。全人類プリキュア化の前の人間たる坂上さんには、ちょっと荷が重いな…。

【ノルマ】

冒頭の数分でやるべきことをやってしまうパワフルさに圧倒されました。
お約束の戦闘や必殺バンク。果てはコスモグミの販促まで。
ユーマの正体を知っていてストーリー上邪魔になるユニとAIを極めて合理的に排除し、話が拡散しないように香久矢さんらも除外。
手際の良さが恐ろしい。この数分だけで「めでたしめでたし」が流れても納得してしまいそうだ。

アン警部補も、ユニを遠ざけるとともに、ハンターを殺戮したことにしないための役回りですね。
ていうか普通に爆死したかと思った、ハンターさん方…。

【星奈さん】

予告でも頻繁に流れていた「各地の不思議スポットを回る」。
やや意外だったことに、圧倒的に自然系に偏ってた。人工物はモアイ・ストーンヘッジ・ナスカの地上絵ぐらい。
まぁ映画映えする人工物が他にあるかというとピラミッドとかしか思いつきませんが、「この子は本当に自然現象やUMAが好きなんだな」と何かしみじみ思った。
オーパーツとか疑似科学には興味を示さない感じだろうか。

あとハンターの戦闘シーン。
肝心要の変身アイテムを弾かれる大失態は、彼女のUMA好きが仇になったんだ。
ついつい警戒心が薄かったんだろうな。。

【vsハンター】

ある意味、この映画を象徴する一言。

ハンター:
 「プリキュア?知らんな」

伝説の戦士といったところで、所詮はド田舎のマイナー信仰。
ハンターさんも「世界征服を狙う何ちゃら」とかでもなく、単なる金目当てなのが非常に「らしい」です。
世界の命運を賭けてるわけではないけど、でも地球の命運はかかってるけど、星奈さんらはそれはあんまり気にしてない。
彼女らにかかれば「DX3」のブラックホール戦も、ただの局地戦になるのかもしれない。
世界は、広い。

【vsハンターその2】

強い。
それも個々の強みを封じたり逆手に取ったり正面から破る強さ。
伝説の戦士が、一介の犯罪者に後れを取る現実。しかもそんな敵が大量にいる。

スペシャルフォームを発動しても尚、圧勝モードにならないのがシビアです。
逆転手段がフォーム性能というより、「連携」や「相手の連携のなさ」なのは、それはそれでカタルシスですが。

【vsハンターその3】

フワやペンすらハンターの眼中になし。本編の戦いは何だったんだ…。
星座フォームの覚醒は、放置されたプリンセス様方の矜持を感じる。

【ユニさん】

冒頭のはしゃぎっぷりは何なんでしょうか。
明らかに銀幕出演に浮かれまくってます。カメラ意識しすぎ。

ハンター戦で星奈さんが即座にペン4本を投げ渡したのはファインプレー。
いつもなら戦闘中に貸し借りしているし、コスモパフュームだけを考えるなら1本あれば良かったはず(属性違いのような使い分けは今のところない)。
が、それでも4本渡したのは、直前に「変身ペンを弾かれる」失態をして、危機感を覚えたからかしら。反省と学習能力の高い女。
しかも「4本」。12本のペンを5人で配分するにしては明らかに多い。コスモは単独戦闘するだろうと想定していた(言い換えれば自分たちはチーム戦をするつもりだった)としたら、戦況の読みが鋭い。
そして結果的に、単独戦闘を任せられるはずのコスモが破れ、しかも自分らはチーム戦に持ち込めなかったので序盤は劣勢になったと。

不発に終わったこの策も最終局面では活きた。というか、ふたご座ユニ可愛い。

【香久矢さん・天宮さん】

本作の特徴「年長組には年長組の生活がある」を地でいかれていた。
いわゆる「あんた他に友達いないの?」問題の回避というか、この子ら、そんなに仲良しべったりじゃないんですよね。。

それ故にクライマックスの「ユーマに声を届けられるのは、ひかるとララだけ!」の呼びかけが真に迫っています。
ぶっちゃけ、ユーマに思い入れないですね、先輩二人は。一緒にいた時間がほとんどない。

同じくクライマックスの「どうして(ユーマはあらぶってるの)!?」も、なんとも説得力があります。
いや、お姉さま方の攻撃で大穴開いてるじゃないか…。それが原因では。

【スターカラーペンダント】

ユーマと遊ぶ星奈さんらはペンダントを首から下げてる。
いつものスタイルな気もするけど、途中から下げ始めていた(と思う)あたり、「念のため警戒」はしていたのかもしれない。
ユーマに対してなのか、ユーマ能力で転移した先で死にかけないためなのかは別として。
途中合流した天宮さんらが未装備で、対比がちょっと面白かった。

そして星奈さんのこの警戒心は、ハンター戦の初撃回避に極めて有効に機能しました。返す返すも、その後の変身までのラグが悔やまれる。

【お歌】

大画面で聞く「きーらーめーくー」は圧巻。これは「EDダンス」「ミラクルライト」に続く「発明」だと思うので、次回作にも継承して欲しい。

EDとして紹介されてていた「Twinkle Stars」が劇中ソングとは思わなかった。使い方が上手い。
確かにこのストーリーだと、EDダンスでは唐突感がある。(オールスターズメモリーズの時も「ミデンのあの空間で脱出前に(思い出つくりのために)踊ったんだな」とは分かるが、ストーリー的には不自然)
事前公開で謎だった「箱から出てくる」も、「幼年期の終わり」的意味だけでなく、オルゴールにかけてたのか。

あえて難癖をつけるなら、歌のシーンで変身を再起動したあたり。テーマ的には「変身を解く(自分を晒す)」方が自然には思える。
想いを伝える云々以前に、酸素の壁は厚かったか…。

お歌の捻じ込み方は、一時期のミュージカルシリーズを想起します。
狙ったのかたまたまなのか分からないけど、「DX」「NS」「ミュージカル」と歴代オールスターズのエッセンスを感じた映画だった。

【ララさん】

「ひかるみたいな人ばかりではない。もしも…」。
飲み込んだ言葉は重い。
最近はのほほんとしているように見えましたが、言葉に出さない警戒と不安はやっぱりあった。

警戒心を吐露することが、相手からの警戒を解くことにつながるのは何とも皮肉。
でも現実は確かにそうかもな。
何故怒っているのか。何故距離を置いているのか。何故反発するのか。
それらを伝えることが、相互理解の一歩なのかもしれない。

「スタートゥインクルプリキュア」のテーマは、

星と星は近くに見えるが、実際には天文学的に遠い。
あまりにも遠すぎて、想いやミラクルパワーでも届かない。
「星座」はあくまでイマジネーションの産物で、現実には存在していない。

から転じての、多様性を認めると必然的にぶつかる人と人との距離の壁の問題だと思ってる。

「HUG」で扱った「私が生きてきた15年を舐めるな」「こんなことで心折られるなんて、私の成りたい私じゃない」という逆ギレにも似た覚悟も、第三者からすれば「何ひとりで熱くなってんの?」の一言でぶった切られてしまう。
終始やる気も可愛げもないピトンしかり。「イマジネーションがないのはお前らだ」と吐き捨てるノットレイの皆様しかり。
そんな彼らと分かり合う第一歩は、逆説的だがこちらを分かってもらうことなのか。
確かに、相手を理解するより、自分を理解させる方が、とりあえず自分からアクションを起こせる(事情を説明できる)のだから正論か。

【ユーマ】

アン警部補曰く「周囲の感情を受けて変化する。ミラクルライトに似た性質」の存在らしい。
何かさらっと怖いこと言ってますけど、じゃあミラクルライトは悪意あるものが使ったらヤバイ兵器と化すんでしょうか。
何気に今までの概念を覆す発言じゃないか、これ。いやでも振り返ってみれば、春映画が正にそうだったか。

「スタプリ」のこれまでの話ではあまり強調されていなかった気もするけれど、一種の子育て話。
「他者の影響でどうとでも変わる」のは正に子供そのもので、最も身近な多様性「親と子」を扱っていたのかもしれない。
「これまで強調されていなかった」と書いたけど、改めて考えてみればフワの育成はそういうコンセプトだったのかもな。

ユーマの「一緒に廻った場所をコピーする」のは、親と子の関係で考えると感慨深い。
子供の頃に親に経験させてもらったことは、確かに自分の中に息づいているし、人生に影響を与えている。
「多様性」というのは訳の分からぬ無尽蔵の何でもありではなく、それぞれの親や育った環境の反映。

あと、出会ったのが自然大好きな星奈さんで良かった。これが宇佐美さんだったら、ラストシーンでパリ市民がコピーされたりしかねなかった。

【16年目】

星奈さんらは現時点での最新プリキュアで、その観点では「子供」のイメージがある。
が、劇中では「子供」のユーマを見守る立場だった。
今から15年後の30周年のときに(つまりは今でいう美墨さんらの立場になったときに)この映画を見返すと、色々と発見があるように思う。


(左画像)『映画スター☆トゥインクルプリキュア 〜星のうたに想いをこめて〜』主題歌シングル (CD+DVD) [ キュアスター(CV:成瀬瑛美)ほか、吉武千颯、知念里奈 ]

(右画像)『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』オリジナル・サウンドトラック [ 林ゆうき・橘麻美ほか ]

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


【先輩プリキュア】

本来は当たり前のことですが前シリーズの先輩方の出番はなし。
これでミラクルさんの連続映画出演記録は途絶えました。たぶん、今後破られることはないと思う。

ですが映画キャンペーンのクイズ企画には、ちゃっかりとミラクルさんの名前が。
次回の春映画はどうなのかしら。

【お子様】

一緒に見に行った我が子は、中盤の戦闘から泣き出し、終始涙モードで終演後も著しく機嫌が悪かった。戦闘は怖かったし、切ない別れのラストだったものな。
でも「つまらなかった」かというとそうでもなく、もう1回見に行くか聞いたところ「ぜったいにいく」と言い張られた。
なんか終演後の周囲を見てると、似た感じの子が多かった気がする。

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感想:「映画プリキュアミラクルユニバース」

2019年03月18日 | プリキュア映画シリーズ
■映画プリキュアミラクルユニバース

今年のテーマ「多様性」。良くも悪くもそれが残酷なまでに描写された映画だったように思う。

多様性は一歩間違えればただの自己主張。傍迷惑な存在に過ぎず、全体の和を乱してしまう。
そのバランス具合が難しいわけですが、テーマ的には「他者への思いの有無」を重視しているみたい。
本編でいえば星奈さんとララさんのすれ違いとか、共同作戦とか。

これ自体は「ドキドキ」等でも描かれています。が、今作はそれをかなり徹底なされてるというか、非常にエグい。
具体的には、「多様性の象徴たるプリキュアたち」が役に立っていない。

非常に雑に呼び出され、非常に雑に戦線投入されたオールスターズの皆々様は、あっさりと退場なされています。
現場に辿り着いた3チームも、名もなき集団に制圧されてしまってる。
このあたり本編も連想します。今作はいわゆる「ザケンナー」が1ヶ月も登場せず、名もなき戦闘員相手に苦戦を強いられてる。
いわば多様性の敗北。

本来はプリキュアさんたちも「他者を思う」気持ちがパワーになってるのに、今回の映画ではそれも封じられています。
何せ本当に呆れるほどに雑に呼ばれてるものな…。これで「ピトンのために!」とか盛り上がるのは無理です。
ホイップ組以外は現地人との交流すらなしですよ。思いの力とか出せるか。

更にきついことに、この枷が「ふたりは」にもかかってる。

個人的に、劇中で描かれていることは全て「正解」で、製作者様が全て意図して行っている、と思う派なのですが、今回の映画はさすがに迷う。
マカロン・ショコラ組とマシェリ・アムール組のアレは、意図した演出なのかそれとも失敗なんだろうか。

2組とも「お互いを思う気持ち」で連携し、一度は敵を退けます。
エゴのような多様性ではなく、協調性も兼ね備えた多様性の勝利。
しかしその後、数の暴力で屈します。

素直にそのまま見れば、「特定個人との閉じた協調性では通用しない」。
テーマとしては理解できるが、意図したものだとしたら残酷すぎる。
マカロン・ショコラや、マシェリ・アムールの思いあいが、社会には通じない。特に後者は存在の全否定に近い。
これ「思いの力で逆転」を演出したかっただけなのに、その後のストーリーの都合で「負けた」ようになっちゃっただけなのか、狙ってやった演出なのか本当に難しい。マシェリさんは過酷なお仕事が多いな…。

一方で、ハリーの単なる体当たりは、3チーム総がかりで破れなかった檻の破壊に成功しています。
特定個人に対する思いではなく、もっと広い範囲での思い。
気絶から覚めたハリーが(お子様には分かりにくい)誤解をわざわざしていたのも象徴的です。
個人技ではダメ。「ふたり」でもダメ。もっと広い意味での「思い」がいる。
(今こそ思い出そう、メルポの雄姿を…!)

思えば今回の先輩枠2組は、どちらも超個人主義。
「大好きを諦めない」の「アラモード」は激烈なまでの覚悟を決めた人たちだし、「こんなの私のなりたい私じゃない…!」の逆ギレで立ちあがる「ハグプリ」は完全な自己陶酔です。
最強完ぺきと思われた二つの理論が、「でもそれ他人には関係ないよね」「何を勝手に盛り上がってるの」であっさり一蹴された気分。
う、うん。確かに関係ないな。なんか空回りしてゴメンナサイ…。

なんというか、ようやく15年の課題を乗り越えて解決に至ったと思ったのに、見事にちゃぶ台返しを喰らったみたいだ。
なぜにこうも次々と新手の「絶望」を思いつくのか。

一緒に見に行ったうちの子は、後半では怯えて泣いていました。
さすがは我が子。恐怖を感じ取るポイントが私に似ている。
今回の映画は、いわばプリキュアさんの敗北を描いてるわけで、とてもとても怖い。
表面的なギャグ調はそれを誤魔化すためとしか思えない。

今作は一見能天気なシリーズに見えますが、それすらも罠に思えてきた。
実際、どう見てもアホの子にしか思えない星奈さんは、これまでの話数を客観的にみるに常識人、むしろ理知的とすら言えます。
「媚びてるような話し方は自動翻訳の都合で、実際には頭脳派」のララさんとか、「おっとりしているように見えるけど、性格はむしろ苛烈」な香久矢さんとかも含め、「表面だけ見て判断するな」の演出にすら思える。この分だと太陽さんも「素の性格は内向的」とか普通にありそうだ。。
大丈夫だろうか今年は。何か凄くヤバいことをされそうな気がする…。


(左画像)映画プリキュアミラクルユニバース主題歌シングル (初回限定盤 CD+DVD) [ 北川理恵 ]

(右画像)映画プリキュアミラクルユニバースオリジナルサウンドトラック [ 林ゆうき ほか ]

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


【マカロン・マシェリ】

見ようによっては惨い役割を任されたマカロンさんですが、非常にノリノリだったのが素敵でした。
あれ絶対、台本にないことまでやってますよ。マカロンさんだけ完全に別世界で遊びまくってる。

マシェリは何というか、相変わらずとても仕事熱心で安心ですね。
ダンスの時の謎ポーズの気合の入り方とか、「あ、この子また雇おう」という気がしますよね。
だからまたマシェリ出してください。マシェリもっと見たい。

【今年の鳥】

なんとびっくり、美翔さんに出番があった…!

凄いです。今や「ミラクルライトと関係ない唯一のプリキュア」の名を欲しいままにしているのに、ちゃんと呼んでもらえました。
そして同時に突き付けられる現実。プリキュア界の常識「鳥は敵」。何かもう居たたまれない。

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感想「映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」 :リワインドメモリーと歴代様

2019年03月09日 | プリキュア映画シリーズ
届いたので再度感想。

■感想「映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」

【リワンドメモリー】

小さかった15年前のあのとき。初代プリキュアに無邪気に憧れていたあのとき。

あれから15年がたった。現実の辛さに直面した「ハピネス」を経て、それを乗り越えて15年。
だけど。いよいよ社会に出ようという今。
今までの比ではない理不尽に左右され、これまでの努力もあっさりと無に帰す。
学生としては最年長でも、社会に出たら最年少。子供に戻されたようなどうしようもない無力感。

もう一度立ち上がれるのか。これまでやってきたことが無駄だったのに。
また再び理不尽に破綻すると分かっていても、それでもまた立ち上がれるのか。

そんなどうしようもないとき。
不意に現れたミラクルライト。
「ハピネス」のあの時、「こんなものは現実の不幸の前には役に立たない」と限界を思い知らされた。そんなただの玩具が、子供に戻された今、もう一度だけ夢を与えてくれる。
握りしめればこれまでの15年も思い返せる。確かに無駄だったのかもしれない。でも歩んできたんだ、この15年。
ミラクルライトを振ってプリキュアを応援した記憶と共に、これまでの自分の15年も思い返せる。15年前の無力な子供ではない。ずっと踏みとどまって頑張ってきたんだ。

ふと顔を上げると、そこには15年前に憧れたプリキュアの姿が。こんなところで挫けるなんて、なりたい私じゃない。私が憧れたのは、あの姿だ。
子供に戻された仲間たちからの応援は、そのまんま、かつての自分からのエール。だから踏ん張れる。15年の思い出があるから。

このシーンは本当に凄い。
「初代から15年」を見事に昇華しているし、何よりミラクルライトの説得力に涙が出ます。
子供の頃のガラクタに励まされる気持ちはとてもよく分かる。
あの時これに夢中になっていた、かつての自分を裏切らないためにも、顔をあげて踏ん張るんだ。
これしきのことで心が折れるなんて、私のなりたい私じゃない!


【歴代バトル】

過去プリキュアの皆々様の戦い。
単なる「全員集合」「懐かしい」で終わらせず、あの短い尺でそれぞれがきっちりとミデンに回答を提示している。
「思い出があるから踏ん張れる」に対する致命的な課題:「活躍の機会すら与えられず捨てられ、思い出を持たない」ミデン。
それに対するお歴々の回答…!

『アラモード』

「大好きの中にも辛いことがある」から転じて「辛いことがあっても大好きを諦めない」。
その象徴たるジャンピエール氏の雄姿は忘れられません。
「スイーツ作りには視覚や聴覚も大事だ」と力説した直後、光源喪失・大家からのプレッシャー・騒音と悪臭・カラスの物理攻撃と、もう菓子どころではない状況に追い込まれながらも、それでも菓子を作る。パティシエたるもの、いかなる状況でもスイーツを作るのだ!

そんな信念のアラモード組は、やっぱりスパルタです。
何もない?だから何だ。たかがそんなことで、大好きを諦めるな。
生産中止だろうが倒産だろうが、カメラたるもの思い出を記録するんだ!

『魔法つかい』

校長先生はおっしゃった。
「言葉は願いを、願いは魔法を、魔法は奇跡を起こす」。

言語化されたミデンの願いを魔法つかいさんらは受け取った。
願いが伝われば、魔法をかけられる。
だから彼女たちは魔法をかけた。ミデンの心が救われますように。

おそらく彼女たちは直接的な解決策を持っていない。
できることはあくまで「ミデンの願いが叶いますように」と魔法をかけるだけ。
そしてその「魔法」もおそらく意味はない。「願いが伝わること」、コミュニケーションこそが魔法なんだから。
願いを言葉にし、他者に伝える。それ自体が魔法であり奇跡。

この1シーンのおかげで、本編でのキーフレーズ「魔法にルールがある」「敵を遠くに飛ばす」を、ようやく消化できた気がする。
「異文化交流」から「私の中にも複数の自分がいる」。そして「複数の私や他者を結び付け、次々と広げていくのが魔法(言葉)」。では交流することが出来ない相手は?
現時点での解では叩きのめすしかない。だけどそこに少しの猶予を持たせない。だから「あっちに行きなさない」「虹の彼方へ」。いつかきっと分かり合えると願って。

『プリンセス』

夢への道は果てしない。未来永劫、果てなく続く。
それでもプリンセスは突き進む。その姿を見て、民もまた奮起する。
自身が強いのはもちろんのこと、周囲に影響を与える。それがプリンセスだ。

悩み、絶望の檻に閉じこもったミデンに、姫様は高らかに宣言なさった。
今からその檻をぶち壊す。そして檻から放たれたなら、夢へと続く絶望の道が待っている。
あるいはそれは、檻に閉じこもっていた方が幸せかもしれないぐらいに。
だから宣告する。さあ、「お覚悟はよろしくて」。

本編ではディスダークに強制的に閉じ込められてたのを解き放っていた。「お覚悟」は敵に向けての台詞だった。
今回は違う形で使っているけれど「本来はこうだったのでは」と思いたくなるほどハマってる。
民よ、覚悟を決めよ。私の後をついてこい…!

『ハピネスチャージ』

フォーチュンさんの発した「まだまだ!」は、「人形の国」の一幕を思い起こさせます。
10年を記念した「ハピネス」チームがぶつかったのは、「プリキュアなんて所詮はアニメ。現実の不幸の前には役に立たない」という残酷な壁。
初代を見ていた子供たちが中学生・高校生になり、世界はキラキラしたものばかりではないと悟った時代。無力に踏み潰される子供時代の大切な宝物たち。
あの時、ラブリーさんたちは「無力だけど、そばにいるよ」「だから頑張って」としか言えなかった。

それから5年。現実を知り、それでも歩んだ5年。
改めて発せられた「まだまだ」。あの時は「つむぎちゃんが味わった現実の苦しみはまだまだこんなものじゃない」。
今回は逆。ミデン=立ち上がれなかった つむぎに対し、「現実の苦しみはこんなものじゃない。だから踏ん張れ」。

ラブリーさんの「あなたも幸せにしたい」は、あの時はつむぎさんに言えなかった。
確かに思い出を得られなかった。でも思い出に憧れたイノセントな気持ちは嘘ではなかったはず。
それなら、思い出を自分で汚すような真似はやめよう。そんなの、ラブじゃない。

あの時通じなかったハニーソングや、空振りしていたハワイアンアロハロエを、さりげなくぶっ放してるのも熱い。この5年で、彼女たちも成長なされた。

『ドキドキ』

ただ一言「愛を知らない悲しいカメラさん。あなたのドキドキ、取り戻して見せる」。
聞きようによっては無神経。だけど彼女たちには、それを言う覚悟がある。
何せミデンと同じく、切り捨てられた側の人たちだから。

国民と娘を天秤にかけ、国王は民を切り捨てた。
もしも王女様が平和を選んでいれば、戦いもあっさり終わっていた。
「幸福の王子」に切り捨てられたツバメのように、ドキドキさんは切り捨てられた。

ドキドキさんの戦いは最初からチャンスはなく、守りたい人から選ばれなかった。
それでもソードさんは言った。「愛に罪はない」。
ミデンを捨てた会社の人たちだって、ミデンを憎んでのことではない。守りたいものがあったんだ。
だから「愛に罪はない」。

『スマイル』

多分ハッピーさんらは「ミデンの絶望は救われない」と悟っている気がする。
未来には破綻が待っている。どんなに努力をしても、破綻そのものは回避できない。
夏休みはいつか終わるし、12時の鐘がなれば魔法は解ける。
でも、いざその破綻が訪れても、それでもキラキラ輝く明日を信じて笑顔でいよう。だから私たちはスマイルプリキュアだ。

象徴的なことに、マーチさんの放った攻撃はほとんど何の効果も持たずに飲み込まれています。
他の面々も派手に応戦してはいたけれど、スタミナ的に戦力としては一番先に脱落すると思う。
それでも「気合いだ」と叫ぶ。どうしようもないと分かっていても、それでも信じる。
奇跡が起きるから信じるのではなく、信じることそれ自体が奇跡。
「破綻する」と分かっていても未来を目指してウルトラハッピーと叫ぶ。それができたなら、確かに未来はウルトラハッピーだし、その姿はミデンに絶望に立ち向かう希望を与えるはずだ。

『スイート』

他のチームが「ミデンは何もない」と認識している中、スイートチームは違う。
ミデンは「何もない」ことを「悲しい」と感じていた。
「何もない」じゃない。「悲しい」なんだ。そして「悲しい」なら分かる。それは私たちも経験したことだから。

「プリキュア」史上に残る大どんでん返し「ノイズの正体は「悲しみ」だった」と同じ。
ミデンの目的が「世界から全てを無くしてしまおう」だったら理解できなかった。
でも「何もないのは悲しい」なら理解できる。この瞬間、正体不明のお化けではなく、私たちと同じ存在になった。「悲しい」なら分かり合える…!

これをここで持ってきてくれたのは本当に嬉しい。
蛇足ながら、本編では一番状況を理解してなさそうだったリズムさんが、その言葉を言ってるのも良いですね。私にも聞こえる…!

『ハートキャッチ』

花咲さんは、まず間違いなく状況を把握していらっしゃらない。
でもいいんです。そもそも人様の事情なんて分からない。

プリキュアが頑張って敵を倒したところで、個々人の悩みは解決しない。
服を変えても内面が変わらなければ意味がないように。変身しても本人が変わらなければ弱いままなように。
でもそれでいいんです。
服を変えれば気持ちだって変わるじゃないか。本質的な解決ではなくても、それでも助けになるのも確かなんだ。

かつてパリの人たちが、何の事情も分からぬまま差し出してくれた花は、確かに花咲さんを勇気づけた。
突然現れたデカいトカゲに、事情なんぞさっぱり分からぬまま振ったミラクルライトは、ブロ子さんたちを助けてくれた。

だから花咲さんは状況をいまいち分らぬままに、おしりパンチとかやりながら、それでも啖呵をきる。
何もないミデンにだって花は咲く。だって砂漠や宇宙にだって花は咲くんだから。

『フレッシュ』

人生山あり谷あり。されど辿り着く先は一つ。
ルーレット伯爵の重い言葉。絶対的な事実。物事には終わりがある。

やり直しも何も、ミデンは生産中止されて廃棄されているのですから、もう詰んでいます。
失敗とかそういう問題ではない。全ては終わったのです。

でもそれでも桃園さんは叫ぶ。やり直せると。
トイマジンがクマさんとして第二の人生を歩んだように。イース様がパッションさんに蘇ったように。
実際、野乃さんがとった救済策は、正にトイマジンと同じです。
どんなに終わったかに見えても、やり直せるんだ。

あの時トイマジンに通じなかった技を出しているのも熱いです。
今の桃園さんなら、伝えられる。

『5・GoGo』

人は最終的には一人だ。でもどこかで友が歩んでいるなら、自分も頑張れる。
一方、価値観の異なる相手はどうにもならない。こちらの夢を守るため、問答無用で叩き潰すしかない。
こちらから話しかけたり答えたりする暇はない。だって夢が呼んでるんだから。
もし分かり合いたいのなら、私たちと同じステージに上がってこい。
無茶だ、どうしようもないと思うかもしれない。でも私たちもそうだった。そして立ち上がってここまできた。

夢原さん:
 「だから、大丈夫」

問答無用の説得力です。他の5人が何かを補足するまでもない。
私たちの夢が「大丈夫」といった。だから大丈夫だ。

プリンセス組が「先を行く背中に励まされる」のに対し、GoGo組は「横のどこかにいてくれる」ことに勇気づけられます。
この後の遠景に、巨大なバラが直立出現してるのが非常に素晴らしいです。あの爆心地に夢原さんがいる。なんと心強いことか。

『SplashStar』

「全てのものに、命が宿る!」

無機質な死に絶えたかのように見える世界にだって、土や空がある。
そこから生命は生れ出るのです。
だから何もないかに見えるミデンだって、命を生み出せる。
無機質な物質に過ぎなくても、そこから命や思い出が生まれるんです。

「いっそ諦めた方が楽になるのに」と言われ続けた美翔さんらの必殺の台詞が、12年の時を経て再び木霊する。
「絶対に、諦めない!!」。

『MaxHeart』

先輩方はもはや語るまでもない。エキストリームルミナリオ!
15年かけて積み重ねてきた数々の回答。
そしてそれらを最後に使うのは、

美墨さん:
 「最後の一押しは、あなたにかかってるよ」

プリキュアなんて現実の不幸の前には役に立たない。
重く付きまとってきた呪縛を、15年の積み重ねそれ自体が力技でぶち破る。
今まで苦しみながら歩んできたこと自体が回答に繋がっている。
だからこれからの15年も歩ける。まず間違いなく苦しい15年だし、15年後は今以上の絶望が待っていると思う。
それでも「15年を歩んできた」ことそれ自体が回答になったように、これからの15年の苦しみもそれ自体が回答になるはず。
未来の自分を裏切らないために、過去の自分を裏切らないために、だから今立ち上がるんだ。


僅か1分程度の短い時間に、それぞれのシリーズの1年2年が強烈に圧縮されています。情報量が凄まじすぎる。
しかも単に昔の総まとめをやってるだけでなく、「その後」を感じます。
プリンセス組の昇華やハピネスさんのいわば「リベンジ」、美翔さんだって「移動しながらバリア的精霊パワーで周囲を吹っ飛ばす」とか新技出してるんですよ。
(そして「ピンクトルマリン」やら「みーてぃあはみんぐ!」やらも捻じ込んでくる。あの子らのこの執念はなに…)

先日のプリキュアライブの「リワインドメモリー」も、これを更に高めていました。
声優さんたちによる名乗りとポーズ。そこからのリワインドメモリー。
単なる「声優さん格好いい」じゃない。あの変身セリフには、上に書いたようなことが強烈に詰め込まれている。
プリキュアライブの感想相羽さんがまとめてくれました。ありがとうございます)

これまでの15年が救われたような、本当に素晴らしい映画、素晴らしい1年だったと思う。
思えば白黒先輩も「色々あったんだから!」と叫びながら立ち上がった。あの時と精神は何も変わらない。
立ち上がれるし、立ち上がってみせる。
ほとんど逆ギレのように叫びながら踏みとどまった野乃さんの精神を、15年前からの思いを忘れないようにしたい。

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感想「映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」

2018年10月27日 | プリキュア映画シリーズ
■映画「HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」

大切なものに別れを告げて、先に進むことを選んだ「ドキドキ」。
子供時代の大切な宝物の無力を思い知った「ハピネス」。

あれから5年。

大人になった、かつての子供たちは、いよいよ社会に乗り出していく。

この15年、はっきり言って辛かった。そしてそれらを懸命に乗り越えようと、今の自分に成長してきた。
だけどそんな歩みも、唐突に表れる純然たる不運の前に、あっさりと奪われ掻き消えてしまう。

ミデンその人には落ち度はない。単なる不運により、存在を抹消され、在庫置き場の刑に処されてしまった。
なんか美翔さんが「その気持ち、わかる」とかそんな顔してそうな気もしますが、売れなかったのは別にミデンのせいではないのです。鳥と違って。

実際のところ、世の不幸や困難の大半は、そういった不運なんだろうとも思う。
そしてそれら不運に、私たちの努力や苦労は無力だ。
懸命に歩んだこの15年も、育児を頑張った半年も、あっさりと失われてしまう。
もう一度、やり直し。
全否定されたその上で、もう一度立ち上がるのは生半可なことではない。

だけど。全てをもう一度やり直すのなら、子供時代のあの思いだって、もう一度思い出せる。
胸からあふれ出すミラクルライトの煌めきが眩しすぎます。
かつてプリキュアを応援したあの日々。あれから歩んだこの歳月。

歴代プリキュアの能力に立ち向かう、黒白先輩のなんと偉大なことか。
もう一度、やり直し。これから起きるであろう困難に、単純腕力が雄たけびを上げる…!

それを見た野乃さんも立ち上がる。
目を閉じれば、思い出はいつだってそこにある。
辛い現実に見失いそうになるけれど、思い出はいつもそばで支えてくれる。
もう一度、やり直し。そう思いたくなるほどの苦難でも、以前と同じじゃない。ちゃんと前に進んでいる。

そして思い出に救われるのは、何も自分だけではない。

ハリー:
 「映画を見ているみんな!好きなプリキュアの名前を呼んで!」
 「楽しかったこと、可愛かったこと」
 「一人じゃなくていい。みんなが好きだったプリキュアを大きな声で呼んで欲しい」

私たちが忘れなければ、止まってしまった思い出たちも再び動き出す。
思い出に助けられ、思い出を助け。
5年前の「ドキドキ」「ハピネス」のときには諦めて割り切るしかなかったことが、今ならできる。

思い出を持たぬミデンに対し、各シリーズの皆々様からの、それぞれのシリーズを反映した言葉がとてもとても力強いです。
15年の月日を経て積み重ね続けた様々な解法が、現実の困難を切り開いてくれる。
「いろんなことがあったんだから」。かつて美墨さんらが発したこの言葉の、何と重いことか。本当にいろんなことがあった15年なんだ。

そして思い出を奪ってくる純然たる不運も、いつかは思い出として自分たちを助けてくれる。
今この苦難を乗り越えることは、決して無駄にならない。苦難そのものも、いつかの自分たちの力になる。
辛かった15年間、プリキュアさんが居てくれたおかげで、こうして思い出として振り返れるように、これからの15年もきっとそうだ。だから思い出と共に、もう一度歩き出そう。

プリキュアを見続けてきて、本当に良かった。ありがとう、プリキュアさん。


(左画像)映画「HUGっと!プリキュアふたりはプリキュアオールスターズメモリーズ」主題歌シングル (初回限定盤 CD+DVD) [ 五條真由美、宮本佳那子 ]

(右画像)映画「HUGっと!プリキュアふたりはプリキュアオールスターズメモリーズ」オリジナルサウンドトラック [ (V.A.) ]

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


【ミラクルライト】

「ハピネス」以降、影の薄かったミラクルライトですが、今回の使い方は正にそれを逆手に取ったかのように強烈。

押入れの奥底にしまい込んでいたミラクルライトを、思い出と共に引っ張りだしたような。
あるいはジョークのように言われていた「心のミラクルライト」そのものです。
「ハピネス」で力を振り絞ったミラクルライトよ、あのキラキラした想いよ、再び。

しかも次回はミラクルライト最終章でしょうか。エールさんの(メインとしては)最後の映画でそれをやるのだとしたら、これまた強烈ですね。

【ダンス】

これまで何度も流れていたEDダンス、踊ってる場所はミデンの城。
キラキラしてるけど寂しい場所…だったのが、こうして踊ることで一変。
プリキュアさんが居てくれれば、思い出だって輝きだすんだ。

【今回の敵】

歴代プリキュア VS 最新鋭プリキュアとか、歴代プリキュア VS 初代は、やっぱり燃えるものがありますね。
特に初代が歴代と戦うって、他のコンテンツではあまり見かけないような。

ハーティエルアンクションやらホイップデコレーション、ダイヤモンドエターナルを敵が放つ恐怖。
吹っ飛ばされたマシェリさんが、即座に起き上って戦線に参加しようとするものの、再度押し出されるとか、細かいところも熱いです。
描写されてないですけど、要所要所で各種バリア能力やら移動スキルも使われてるんですよね。どうやって勝つんだこれ。
まぁ、どうやっても何も、黒白先輩は腕力オンリーですけれど。ぶん殴ろう。

【今回の敵2】

ミデン:
 「なぎさの靴下は、ちょっと臭い」

余りにも残酷なこの演出。
印象深いその台詞を、他者が軽々しく口にするなんて。

他の数々の決め台詞や口癖も、神経がざわつくほどに安っぽく軽々しく響きます。
表面的な物まね(子供のごっこ遊びではなく、大人の)を揶揄しているのだとしたら、恐ろしく胸が痛い。

【先輩プリキュア】

ルミナスさんの物理攻撃!
世にも珍しいそれが、15周年記念のこの映画で!
しかも二段構えです。「あ、コケた。これだからルミナスは…」と思わせてからの一撃ですよ。
いやよく見たら、2回目もコケてるのかもしれないですけど!

【先輩プリキュア2】

ピンクトルマリンとミーティアハミングは、もはやお約束の芸ですね…。
隙あらば出します的な。そこに捻じ込んできたか的な。

あと、ビートさんの音符展開からの射撃が見られたのが、ちょっと嬉しい。

【先輩プリキュア3】

「ぶっちゃけ決め技をぶっ放すだけだろう」と舐めてました。まさか各シリーズで、それぞれの戦いを見せてくれるとは。
「もしこの敵とこのシリーズのプリキュアが当たったら、どうやって解決するのだろう」は、たまに考えるネタだったのですが、まさにそれを見られた。

「あなたの音楽が聞こえた」「砂漠にも花は咲く」「何度だってやり直せる」…。
少しずつ違う着眼点で、それぞれにきっちり回答を提示している。

そして様々な言葉が続いた後の、夢原さんのこの一言。

夢原さん:
 「だから、大丈夫」

問答無用。夢原さんがそう言うなら間違いない。大丈夫だ。

【先輩プリキュア4】

どうしようもないかに思えるミデンの苦悩に対する、先輩方の、すなわち私たちがこれまで経験した思い出たちの各種回答。本当に圧巻です。
「思い出が支えてくれる」の野乃さんのお言葉のまさにその通り。

「美味しいスイーツにも辛いことがある」から転じて、「辛いことがあってもスイーツを作れ」のアラモードさんはスパルタだし、他者も異なる自分も全てが同一時間軸につながっている魔法つかいさんはとてもとても優しい。
「何もない」と評されていたミデンに対し「音楽が聞こえた」と語りかけるスイート組。「破綻」を知りながらも「明日はキラキラ輝いている」と言い切るスマイル組。

それぞれの1年間を経ての言葉が、あの一瞬に詰まってる。情報量の凄まじさに、涙が止まらなかった。

【鳥】

花鳥:
 「全てのものに、命は宿る!」
 「私たちは、絶対に諦めない!!」

嗚呼そうだ。美翔さんたちならそう言う。

対ミデンでいえば、捨てられた無機物のミデンにだって命はあるし、何も思い出がなくても諦めない。
私たちでいえば、これまで歩んできたこの人生は生きているし、苦難にも諦めない。
美翔さんたち自身でいえば、時が止まって忘れ去られてたって、まだちゃんと生きてるし、諦めないんです。
黒白先輩が脚光を浴びた横で、すごく割を食ってる感はありますけど、ちゃんと生きてるし、諦めないんです。おかえりなさい美翔さん。この13年間、ありがとう。

【現役お子様】

うちの子の感想は「怖かった」。基本、怯えて泣いていた。
(「ウケが悪かった」のではなさそう)

ミデンの放つザワザワした恐怖は、過去キュアを知っているからこその面もあると思うのですが、「何かがおかしい」ことはお子様にも伝わったらしい。

【現役お子様2】

お土産にクッションキーホルダー買いました。私は「SplashStar」、子供は「アラモード」選択。
最古から一つ後と、最新から一つ前か。親子で鏡写し。年の差は15歳じゃきかないが、ちょうど挟んでプリキュアさんを見てるのかもしれない。

【HUGプリ】

「「HUGっとプリキュア」の映画ではない」的な声も聞こえたけど、ハグプリさんのテーマ的に、これこそ「ハグプリ映画」だと思う。
思い出の無力を知りながら、思い出を握りしめて立ち上がる。立ち上がることで思い出が救われ、かつての自分も救われる。
初代放送時に5歳だった今の20歳と、現役5歳をつなぐこの絆。

「ドキドキ」映画のマシュマロや、「ハピネス」映画のジーク役を務めるのに、歴代プリキュアほど適切な人選はないと思う。

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感想:プリキュア感謝祭上映会vol.2

2018年04月29日 | プリキュア映画シリーズ
■プリキュア感謝祭上映会vol.2

日時:2018年04月29日(日)開演15時00分
場所:丸の内TOEI
出演:三瓶由布子、沖佳苗、小村敏明、前川淳、鷲尾天、梅澤淳稔
演目:
 01. オープニング
 02. 映画Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!
 --. 休憩
 03. 映画Yes!プリキュア5GoGo! お菓子の国のハッピーバースデイ♪
 04. トークパート①
 --. 休憩
 05. 映画フレッシュプリキュア! おもちゃの国は秘密がいっぱい!?
 06. トークパート②

(本記事は私の記憶・主観に基づいたものであり、実際の演者の意図・言動とは異なる場合があることをご了承ください)

15周年企画の上映祭第2弾。お誘いをもらって参加してきました。

折角なので、イベント前に原宿のなぎほのショップにも行ってみることに。
正直なところ、プリキュアさんからはここ1、2年若干の距離があったのですが、知らぬ間にゴリゴリと新たな領域に入っていらっしゃる。
以前言っていた「大人向けの商品が欲しい」が実現しているとか、商品や企画の方向性が進化してきたというか。

上映会の客層も、なんだか妙に若くて新鮮でした。20台ぐらいの女性がやたらに多い。
というか要はリアルタイムで見ていた女児層が、15年たって20台になってるのか。
ハピネスさんから更に5年だものな…。15周年のタイミングでのこの展開戦略は、新時代の幕開けとして物凄く重要なのかも。
美墨先輩と雪城先輩の、第2の戦いが始まる。

キャッチコピー「ふたりの勇気は、わたしたちの「夢」でした」はとても胸に響きます。
夢を見ていたこどもは、いまや大人になった。あの時の勇気よ、もう一度。苦しいときも、めげずに立ち上がろう。

【鏡の国】

「夢を叶えることに意味はあるのか」。

改めて見ると、前半のお姫様ランドにも色濃く表れてます。
お姫様ごっこに何の意味があるのか。花畑で追いかけっこして何がしたいのか。
秋元先輩の「でも楽しいんだからいいんじゃない」の台詞は、なかなかに身も蓋もなくて素敵だと思う。
後年のゆうゆうの台詞「物語は変わってしまったけれど」にも通じますね。

扱っているテーマは、現在の「HUGプリ」さんにも直撃しているように思えます。
苦難を乗り越えて、夢を叶えて何になるのか。結局のところ、問題はいつでもどんな形でもわいてくる。
それでも尚、夢に向かって進めるのか。

レモネの「そろそろ失礼しますね。ドリームが呼んでいるので」は、相も変わらず涙が出るほど熱い。
ごちゃごちゃと細かい話はいい、だって、夢が呼んでいるのだから。しょうもないことに関わっている時間なんてない。

あれから10年。いわば、劇中で悪夢として見せられた「夢を叶えた後の未来」に私たちは生きている。
野乃さんがどういう回答を示すのか、楽しみです。

あと、戦闘シーンがひたすらに怖い。
最初の双頭コワイナー戦も、開戦早々初手でホーミングバタフライですよ。物理攻撃に耐性のあるコワイナーに対し、効果の薄い打撃を徒に重ねることなく、躊躇なく仮面の一発狙い。えげつない軌道で急所を貫くバタフライ。
その後の戦闘でも問答無用で目を狙ってるんですよね。怖い。

闇夢戦の反撃シーンでも、何気に初撃は顔面狙いで、それに続く攻撃も全弾急所を狙ってるように見えてなりません。
しかもガードしたはずの闇夢さんが、一拍遅れてダメージが炸裂してるとか、浸透系の何かですか。怖い。
シャドウ戦でも躊躇いもなく背後に回り込んで殴りかかってるし、夢原さんの「心を読む」「本質を突く」が戦闘に転化されて恐ろしいことに…。

一方の敵さんも怖い。シャドウの初撃は迷いなく闇夢さん。まぁイレギュラー要素を先に排除したいものな。
そして取り巻きを効率よく吹き飛ばして陣形を崩し、中心人物の夢原さんだけ拘束して、一撃必殺。狙うは胸のブローチ。闇夢さんが庇ってなかったら普通に破壊されていたんじゃなかろうか。

コワイナーですらも、バリアで攻撃を防がれたとみるや、即座に圧殺にかかるとか。
確かにミントさんの弱点だものな、動けないの。
ダークミント戦でもそこをやられかけたけど、戦闘中にバリア置いて戦う小技を見せてるんですよね。夢原さんがおっしゃるように、昨日の私より進化なされてる。
(ダークミントが「過去の自分」だとすると、「あなたも守りたかった」は色々と考えてしまう。カワリーノさんに見せられた悪夢といい、彼女は何かを我慢し続ける半生だったと思われます。まぁ姉があんなだし)

なんかもう戦闘がいちいち怖いです。
シャドウ様がわざわざ「変身して戦え」と促したのは、闇キュアに戦闘経験を積ませるためとかでしょうけど、仮に武闘派の5組が敗北していたら、世界各国のプリキュアさんもやばいことになっていたんじゃなかろうか。


【お菓子の国】

「心のない相手と、コミュニケーションは成立しない」。

ムシバーンの望み「おいしいお菓子を食べたい」は表面的には滑稽だけど、中身はとにかくひたすらに重い。
駄菓子が旨いといわれても、理解できないんです。何故これで満足できるのか。
ご丁寧に「デザート王国のお菓子では太らない」とまで念を押されています。腹を満たす効果もなし。
おまけにそこら中から生えているから、希少性は皆無。おいしいお菓子はどこにあるんだ、いやもう本当に!

皆で食べれば美味しいという理屈の存在は分かっても、理解できないものは理解できない。
そして残念ながら、理解できないのであれば、戦うしかない。

直近でいえば「魔法つかい」さんのテーマにも繋がっているように思う。
「魔法」とは「言葉」であり、違う自分や他者を繋ぐもの。
そして「魔法」を否定する相手とは、コミュニケーションは成立しない。遥か彼方に追いやるしかない。

その点でいえば、ゲスト出演のブンビーさんはちゃんと通じ合ってるんですよね。ケーキを奪えば夢原さんらがどう動くか理解している。
チョコラ姫とのアドリブも素晴らしいです。おそらく元の計画としては「プリキュアを撃破して拉致」「無理ならチョコラ姫を奪ったことにして、プリキュアをおびき出す」だったんでしょうけど、敗戦するやすぐに発想を切り替えてケーキを奪取。察したチョコラ姫が、極めて自然にデザート王国にご案内。見事な連携プレーです。

あとやっぱり戦闘が怖いです。
ホシイナー戦なんて芸術の域ですね。一撃たりと無駄にせず、詰将棋の如き連続打で完封。拘束してブンビーさんの方にぶん投げ、諸共に大技で始末しようとか。完全に殺る気ですよ、あれ。巨大薔薇の禍々しさが半端ないです。撃ち込まれたら死ぬ。逃げないとヤバイ。
ミルミルVSムシバーンの連打戦も凄い。互角のようでいて、僅かにミルミルさんが押され出し、クリーンヒットが微妙に増えて押し負けるとか。一方的に負けるより悲壮感が強いです。ミルミルさん、格好いい。

【おもちゃの国】

「必ず終わりはやってくる」。

ルーレット伯爵の名セリフ「人生山あり谷あり。されど行き着く先はただ一つ。ゴール」。

日常の小さな幸せをいくら見つけたところで、必ず終わりは来る。人は絶対に死ぬし、退職や老後でもそう。
実際、小さな幸せ探しは欝に弱いです。積み重ねた小さな幸せは、絶対的な終わりの前には無力だ。逆効果とすら言える。

玩具たちの嘆きは、もうどうにもならない。どれだけ言葉を尽くそうと、現に捨てられたことは事実。
現実問題として、いつかは捨てるのは確かなわけで、この問題はもはや詰んでます。

それをミラクルライトの光で突破するのは本当にずるいし、本当に美しい。
今日のイベントでは見られなかったけど、劇場一杯に光るライトはとてもとても綺麗で、確かにこれは信じたくなる。
現に捨てられたことは何も変わらなくても、それでも昔の楽しかった思い出を抱えて次に進もうと思えます。

「ハピネスチャージ」の玩具サイドの話ともいえそう。ミラージュ様はトイマジンと意気投合できそうな気が。
あるいは「アラモード」さん。辛いことや悲しいこともあるけれど、それらも糧にして生きていくしかない。

戦闘シーン。
「おもちゃの国」はうちの子供とも見たことがあるんですけど、ブッキーVS恐竜で、呆然と蒼白になってた。

子:
 「なんできょうりゅうさんを、けったの?」
 (うちの子は恐竜好き)

結果的にブッキーは恐竜のトゲを抜いてあげただけ。それを知って安堵するうちの子。プリキュア全体への評価に関わる、地味に一大事でした。
公開当時は「殴れ、ブッキー!一人だけずるい!」とか思ってましたけど、鉄拳制裁しなくて本当に良かった。
まさか10年後に、この温いシーンに救われるとは…。ブッキーや製作者様の凄さに恐れ入る。

【トーク】

イベント開始時に皆様揃って。
および「5」「GoGo」の後と、「フレッシュ」の後に1回ずつ。

それぞれのシリーズでは、事前のアンケートで選ばれた「お気に入り回」の上映も。
「5」「GoGo」からは、「5」の6話・49話と「GoGo」の48話。
「フレッシュ」からは、23話・27話・45話。

鉄板の回の中、フレッシュ27話が異色です。選んだのは沖さん。さもありなん。

トークの内容は頻繁に「ここだけの話」を連呼されていたので、何をどこまでマジに受け取って控えるべきか、よくわかりません。
が、夢原さんを敵に回すことだけは避けたいので詳細は省きます。夢原さん、怖い。

一番印象に残ったところとしては「フレッシュが成功したらプリキュアシリーズはずっと続く。失敗したらここで終わり。当時そういわれた」。
泥沼の状況から突き進んだ夢原さんと、そこから新境地を切り開いた桃園さん。
この2シリーズは、ある意味、初代以上の重要局面ですね。まぁ美翔さんが失敗しただけといえば、それまでなんですが。

「のぞみがどんな子か分かっていなかった」という話も面白かったです。
6話をやって、ようやく人物像が固まったとか。

三瓶さん:
 「コワイナーは本当に怖いデザインで」
 「あれはデスパライアの感じていた恐怖の象徴だったのかも」
 「だからのぞみが話しかけたことで、コワイナーが消えた」

三瓶さんいわく「演じていると知能指数が下がる子」「でも時々本質を見抜いて、突然に大人っぽくなる子」。
オーディション時点ではそんなキャラとは思わず、もしも今の知識でもって当時のオーディションを受けたなら、夢原さんは違う子になっていたかもしれないと。

トークの最後ではありがたいお言葉も。

三瓶さん:
 「左手でポーズをつけて、皆さんで言ってください」
夢原さん:
 「これからもプリキュアを応援すること!」
一同:
 「けってーい!!」

夢原さんから指示されたら仕方がない。これからも応援しよう。
(ちなみに「左手でやる」のは重要ポイントらしい。「何度言っても右手でやるやつがいる」「右手でやるのは偽物」らしい。これでもうシャドウ様にも騙されない)

あと、いつもの司会のお姉さんは、特にフレッシュ好きなんでしょうか。
素で涙ぐまれていたというか、感極まっていたような。
会場内もフレッシュ好きは多数いたようで、特にパッションさんへの反応がやたらに熱い。
10年の時を経ても尚残る、あの時のパッション旋風。

司会の方からの直接のリクエストで、桃園さんからも。

桃園さん:
 「幸せゲットだよ!!」

「5」「GoGo」パートも「フレッシュ」パートも、どちらも話が終わる気配がなく、皆様とても楽しそうでした。
トークイベント自体は何度かあっているし、そもそも10年も前の番組だというのに、話が尽きないのは凄い。
「2日前にフレッシュメンバーで飲んだばかりで、10年もたった気がしない」とおっしゃられていましたが、見ているこちらも10年といわれてもピンとこない。

ただ、映画を見るとやっぱり年月は経ったなと思う。
10年前とは見え方が細かいところで違う。今このタイミングで改めて見ることができたのは、思いがけない刺激になりました。
次回も行きたい…のだけど、次回はHUGプリライブと日程が被るようです。何故にそんなタイミングに。。

【蛇足】

「5」「GoGo」といえば、くどまゆさん。お唄を聞くだけで、涙が。
しかもピンキーとしてもご出演です。また大画面で、くどまゆさんに会えただけでも幸せでした。

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感想:映画プリキュアスーパースターズ!(追記)

2018年04月02日 | プリキュア映画シリーズ
書き忘れていたので追記。

自身が育児をするようになって思ったことの一つは、「育児は楽」でした。
楽だし、楽しい。
子育て支援も公的・私的なものが様々あり、実際かなり驚いた。

ただ、もしも一人で閉じこもっていたら、相当きつかっただろうなとは思う。

「HUGプリ」さんで「お母さんの経験知で、鼓動の音を聞かせたら赤ちゃんが寝た」というシーンがあるけれど、そんな知識は今どきはネットで調べればすぐに出てきます。
Youtubeなんかでも、胎音を模した音を延々流すような動画が、幾つもある。効果は結構高いです。我が子なんて即座に昏倒し、なんだこの催眠音波はと笑ったぐらい。

無料で遊べる場所や、子供をターゲットにしたイベントや謎の便利グッズ。夫婦での協力はもちろん、祖父母からの支援。
職場の制度や、自身の体力アップやスキル向上、生活習慣の変更等々。できることや使えるものは、とてもとても沢山ある。
が、そういったことって、自分からアクセスしないと得られないんですよね。
もっと言えば、「子育ては地獄の苦しみである」「育児は誰も助けてくれないものだ」と思い込んでいると、仮に助けの存在を知ってても、否定に走ってしまう。
(上記のような「楽だ」発言すると、「楽なはずがない」「手抜きしてるだけだ」「あれはどうだ、これはどうだ」と猛然と食って掛かってくる人は、リアル・ネット問わず結構いる)

鬼火と共に、ただじっと待っていたクローバーくんの状況は、かなりまずい。
安易な約束をした野乃さんにも責任があるとはいえ、それなら自分から外に出ればよかった。
「鬼火と離れると死ぬ」の思い込みは、「子供と離れると死ぬ(育児が楽になるのはおかしい)」に通じているように思う。

それに対し、野乃さんは自分から助けを求めに走った。座り込んでいても助けは来ない。自分で坂を上ろう。

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感想:映画プリキュアスーパースターズ!

2018年03月31日 | プリキュア映画シリーズ
■映画プリキュアスーパースターズ!

幼少のみぎりにお約束を破った野乃さんの元に、復讐の鬼が現れるお話。
何を血迷ったかその鬼は、プリキュア全撃破を図り、案の定というか3チーム目で敗退。頑張った。
仮にそこを抜いてもプリンセス組が立ちはだかり、それをどうにかした後のハピネスチームの物量に絶望したことでしょう。
こうしてみると、改めて歴史と戦力の厚さを感じます。15周年、万歳。

今回の映画、最も印象に残ったのは「坂を上る」だった。

新人の非力さで敗退した野乃さん、赤ちゃんを抱えて、えっちらおっちらと坂を上ります。
この坂を越えればプリキュアがいる。それだけを頼りに、とにかく上ります。
そして絶望するのです。坂の上から転落する赤ちゃんを見て。

シチュエーションとして、これはとてもよく理解できる。
終わりのない坂。苦しい状況。待っていても助けはこない。
何せ周りにいるのは赤ちゃんと謎生物です。立ち止まっていてもどうにもならない。
しかし上ったところで、それ自体は解決にはならない。
上って、それから友達を助けにいく。問題は山積みです。

でも。それでも上る。上った先に、プリキュアがいると信じて。

薬師寺さんや輝木さんの過去エピソードからも分かるように、今作は失敗からの立ち直りをテーマにしているようです。
そしてその「失敗」は、単なる一過性の失敗ではなく、繰り返し起こるタイプのもののように思う。
平たく言えば「振り出しに戻る」に立ち向かえるかがあるように思えます。

10周年のハピネスさんでの、それまでの集大成として立ち向かったテーマは「プリキュアは無意味だ」だった。
プリキュアさんの描く未来は、娘さんらの台詞とは裏腹に妙に暗い。
世界はいずれ滅びるし、夢は叶えても意味がなく、人生山も谷もあるが最終的には死ぬ。
夏休みはいずれ終わり、子供のころに夢見たキラキラしたあの気持ちは、現実の前には無力だ。

そして新しい10年。いわば、無力と分かっていることに、もう一度挑むわけです。
これは1回目よりもかなりきつい。

薬師寺さんらは、「ハピネス」のつむぎさんらと同じ経験をしている。その上でまた立ち上がっているわけですが、困ったことに、彼女らの課題は繰り返し起きる。1回乗り越えれば、それで解決する類の問題ではない。
仮にここを突破しても、また怪我なり何なりすれば振り出しに戻ってしまう。その時に、また立ち上がれるか。

本編で今まさに対峙しているのバブルさんなのも象徴的です。
正に、過去に一度やらかした失敗そのもの。
あの時代は様々な問題が大量にあり、間違ってもそのまんまあの時代に戻ってほしいとは思いませんが、経済的なものや勢いでいえば「バブルよもう一度」の気持ちは分かる。ですが仮にバブルが起きたなら、その後の悲惨な時期もセットで思い起こされるし、それを分かっていて、あの当時のようにがむしゃらな働き方はできない。

宮本佳那子さんのED「七色の世界」は胸に染みました。
クローバーくんが外に踏み出せなかったのは、結局のところは自分の問題だった。
彼の絶望のトリガー自体は、「この世界から抜け出せるかも」という希望から、「やっぱりなし」と振り出しに戻され、改めて孤独に立ち向かわねばならなくなったから。だけど、そこを乗り越えて自分でもう一歩踏み出していれば、未来は変わっていた。少なくとも、プリキュア全チーム撃破なんて、自暴自棄な夢に突き進むことはなかった。

ただそうは言っても、自力でその一歩を踏み出すのは、実際のところかなり厳しい。
だからプリキュアさんがいる。
この坂を上れば、この扉を開ければプリキュアさんがいる。いたところでどうなるものでもないんですけど、とにかくいる。
そう信じられれば、その一歩が踏み出せる。

正直なところ、野乃さんの言う「応援」はいまいちピンと来ていなかったのですけど、あの坂を上るシーンで胸に刺さりました。本当に、あの気持ちは良く分かる。
個人的にここしばらく、仕事やら何やらで「振り出しに戻る」に直面し続けていただけに、「それでも、もう一度」の勇気を出せるかは課題だった。この坂を上れば、プリキュアさんがいる。それならもう一度、歩みだせる気がする。


(左画像)CD 北川理恵・宮本佳那子 / 「映画プリキュアスーパースターズ!」主題歌

(右画像)映画プリキュアスーパースターズ! オリジナルサウンドトラック [ 林ゆうき ]

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


【お子様1】

子供と一緒に見に行きました。
前回の「パリ」映画も一緒に見に行きましたが、さすがはお子様、数ヶ月で成長なさってる。
以前は敵が出るたびに怯えていたのに、今は少なくとも画面は直視できるようになった。

でも不思議なことに、クローバーくんとの対話シーンでは泣いていた。
多分、悲しいとか可哀そうではなく、怖いの感情で。
まぁ「ごめんなさい」をしても許してもらえず、暴走したわけだから、「怖い」と感じるのは分からないでもないけれど。
それを「怖い」と認識できるとは、我が子も成長したな…。

もしくは「魔法つかい」組が敗退したのがショックだったのかもしれない。そのせいで、直後の暗いシーンに耐えられなかったのかも。
うちの子、ミラクルさんへの信頼は異常に高いです。理由はおそらく、ミラクルさんのイベントでは敵が出てこないから。

年齢的な問題で、ミラクルさんのミュージカルとか映画には行けず、握手会とかでしか会っていないのですけど、その手のイベントには敵がやってこない。

子:
 「きょうはどうして、こわいのがでてこなかったの?」
 (ホイップのイベントでは執拗に敵が出てくるのに)

私:
 「ミラクルさんが悪いのを全部叩き潰したからだよ」
 「石の下にいるのや、壁の裏に隠れてるも見つけ出し、全部やっつけたんだ」

子:
 「みらくるさんは、つよいんだね!」

それ以降、彼女への信頼は著しく高い。そのミラクルさんが敗退したのは、結構ショックだったみたい。
「よりにもよってサファイアに変身したからだ」とフォローしたが、通じたかは疑問だ。
あと、とりあえず「みんなで歌う 奇跡の魔法」は当面封印しようと思う。

【お子様2】

うちの子は青いプリキュアが好きらしい。
マリンもジェラートもアンジュも、「青い」というただ一点で同系列に扱う剛腕っぷりですが、とにかく青いのが好きらしい。
人格とか、完全に無視ですね。色至上主義。

(ミラクルさんを一番信頼しているっぽいのに、ミラクルさんが一番好きなわけではないのが不思議なところ。
ちなみにマジカルさんの評価はやたらに低い。低いどころかディスられてる。リコさんが何をしたっていうんだ…)

映画を見た直後は、まだ「キュアアンジュ」の名前が分からず「青いキュアエール」とか呼んでました。ひどいにもほどがある。
最近ではパンフレットを片手に勉強し、3世代まではプリキュア名を言えるようになった。記憶力の黄金時代を、残念なことに空費させてしまった感はある。

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感想:映画「魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!」

2016年10月29日 | プリキュア映画シリーズ
ここしばらく諸々あって、リアルタイム視聴できず。それでもどうにかこうにか、最速上映には参加することが出来ました。
行ったのは我らの大泉学園。絶賛建設中の東映アニメ様の真ん前で、恒例の展示も賑やかに。
行く前は多少迷っていたのですけど、やっぱり行って良かった。来年の春も、また行こう。

■感想:映画「魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!」

開始早々、変身バンク起動。おそらくは最速記録。
そしてすかさず殴る殴る殴る必殺技バンク発動、勝利。
極めて淡々と、開始数分もしない内に、やるべきことを済ませてきました。
短くなった放映時間に適応し、実に実に手際よく、ノルマを消化された気分だ…。

さて一通りやることやって、すっきり爽やかに空を見上げると、あらそこには流れ星が。
「流れ星に願い事をすると叶う」。朝日奈さんの言葉に、魔法つかいの二人は超反応。
どうやら魔法界にはそのような風習はないようです。ですがすぐにこの迷信に飛びつき、すぐに願い事を連呼。
「魔法の本欲しい魔法の本欲しい魔法の本欲しい」。物欲にまみれていらっしゃる。

しかし言い出した本人である朝日奈さんは、若干、挙動不審。
改めて願い事と言われると、はて何を願ったものか。
もんやりと考えにふけっていると、夜空を割いて何かが飛来。朝日奈さんの顔面を痛打してきました。

もんどりうって倒れこむ中、目に入ったのは超兵器・ミラクルライト熊ver。それと校長先生からのお手紙。
なんでも100年に一度のお祭りをやるそうで、そのご案内だったようです。
何故それを朝日奈さんの顔面めがけて投げつけてきたのかは分かりませんが。

呼ばれて行かないわけがなく。すぐに列車に飛び乗って、意気揚々とお祭りを満喫します。
ですが。楽しい時間の端々で、不意に朝日奈さんは黙り込み、考え込みます。
このお祭りは、100年に一度出現する「願いを叶える宝石」を拝む祭り。
必然、「願い」ワードがそこかしこで頻出するのですが、その度に朝日奈さんは悩みます。私の願いは何だろう?
まぁいきなり魔法つかいになって、おまけにプリキュアにもなれて、これ以上何を望むかと言われても、難しいのかも。

そうこうする内に、100年に一度の願い石の出現タイムがやってきました。
叶えられる願いは一つだけ。観客みんなにミラクルライトが配られ、それを通じて願いを申告、一人が選ばれる方式だそうです。
大盤振る舞いのビッグイベントのはずなのに、参加者は妙に少ないです。これ、何かの罠なんじゃ…。

めでたく当選したのはモフルン。なんでも最も純真な願いが採用される傾向にあるとか。
モフルンの願いは「仲良し3人の願いが叶うこと」。なるほど、純真だ。
そして校長先生、はたと膝を打つ。そうか、その手はありなのか。多分、次の100年後、「この場の皆の願いを叶えてくれ」といったお願い事が蔓延するに違いない。

何はともあれ願いの権利を手に入れた3人。朝日奈さんはやっぱり悩みます。私の願いって、なに?
その横で「魔法の本魔法の本魔法の本」と物欲にまみれまくった声が響きますが、まぁそれはともかく。
そうこうしている内に、なんか突然クマがやってきて、願い石とモフルンを奪おうとしてきました。

もちろん朝日奈さんらは応戦する。お空を飛べるサファイアモード。でも、2/2のクマさんは意外に強かった。
というかサファイアさんは選択ミスだったんだと思う。火力も手数も全然足りていない。
何かサファイアさん、かませの役回りで定着してしまってるようで、ちょっと悲しい。。

モフルンを奪われた朝日奈さんは失意のどん底。「あとは私たちに任せて」と励ます、魔法界の人々の声も届きません。
うん、微妙に盲点だったんですが、普通に魔法界の警察的なものが機能してるんですね。
ちゃんと国として成り立ってることが、こんなにもありがたいなんて。今までは、半壊したり滅亡したりしてる国ばっかだったものな。

しかし朝日奈さんはじっとしていられない。夜を徹して探し続け、半死半生になりながらも探し続け、とにかくひたすら探します。
モフルンは、どこ?
そして悟ります。私の願いは、モフルンとずっと一緒にいること。

その願いに石が応えたのか。モフルンがいると思しき場所が指し示されました。
なお物欲娘が願った「魔法の本山盛り」は発動していないところを見ると、朝日奈さんのこれは単なる偶然な気がしないでもないです。
もしくはいくら「願いを叶える」とはいっても、石にも願いを選ぶ権利くらいはあったのか。

早速その場所を目指して突き進むと、例のクマが立ちふさがります。
立ち去れ。そうすれば危害は加えない。
もちろん無視です。プリキュアさんに会話は通じない。

ところが困ったことに、朝日奈さんらはプリキュアになれません。モフルンがいないから。
そこで物欲娘のみが応戦に出ますが、なんかあっさり敵の呼んだドラゴンに引き付けられて、どっかに行ってしまいました。
「ここは私に任せてください」とか何とか言ってましたけど、それむしろドラゴン側の台詞ですね。

変身できない生身のまま、対峙するはデカいクマとその使い魔。しかしながらリコさんは即座に杖を掲げます。
変身できなくても普通に武装している。それが今作の娘さん。
朝日奈さんを送り出すと、生身で立ち向かいます。さすがは魔法つかい。すぐに捕まってはしまったけれど。

リコさんの尊い犠牲を無駄にせず、朝日奈さんはモフルンとの再会を果たします。
だけどモフルンは「帰ってくれ」の一点張り。どうやらクマさんに、モフルンが残るならプリキュアには手を出さないと提案されたようです。
押し問答をしている内に、リコさんを制圧したクマさんもご帰還。朝日奈さんに立ち去るように通告します。
春の映画では執拗に涙を狙われたのに、今度は眼中になし、か。浮き沈みの激しい子です。

その言葉に、朝日奈さんは言う。彼女の望みは、モフルンと一緒にいること。
その言葉に、モフルンも答える。もちろんモフルンだってそうしたい。
2人はお互いに呼び合いながら駆け寄り、抱き合おう…としたところで、クマさんが朝日奈さんをキャッチ。引き離してしましました。
まぁむしろクマさんが捕まえてくれなかったらヤバかったんだけど。
朝日奈さん、無茶なジャンプしてたから、普通に床に叩きつけられて凄惨なことになるとこだった。

捕まった朝日奈さんを見て、モフルンの想いが炸裂、それに願い石が応え、あれよあれよとモフルンがプリキュア化なさいました。
ミルクさんという前例があるのでプリキュアになれても不思議はありませんが、そもそも女の子だったことが意外。
いや、男の子ではないという確証もないですけれど。

いきなりの実戦にもひるまず、モフルンは果敢に戦います。
単純パワータイプかと思いきや、魔法の箒を駆使し、武器戦闘としては歴代No.1ともいえるテクニカルさも。
その間に、朝日奈さんはリコさんを救出。更には物欲娘も、ドラゴンを逆洗脳して戻ってきました。クマさんが少し気の毒になってきた。

劣勢のクマさんは嘆く。やはり自分は受け入れられないんだと。
生まれながらに体がでかく、しかも魔法を使えたクマさんは熊仲間からも浮いた存在。
人助けをしようと人間に近づいても、恐れられ虐げられる日々。
身の丈数メートルはあるクマが、手から炎や水をドバドバ流して近づいてきたら逃げて当然なのですが、畜生の悲しさ。そこまで考えが回りません。
今回の暴挙もその歪んだ嘆き故。
願い石で叶えたいのが「魔法使いを消す」だったのも、彼の哀しみがにじみ出ています。この条件だと、自分も消えちゃうんですよね。己の存在も、否定したかったのか。

その訴えにモフルンは手を差し出します。が、クマさんの攻撃は勢い止まらず、モフルンを直撃。
胸元の何かが砕けちり、モフルンは元のぬいぐるみに戻ってしまいました。
駆けよる朝日奈さんも呆然。やっちゃったクマさんも呆然。

元々悪人ではないクマさん、この事態に戦意を喪失、有耶無耶の内に戦闘は終了しました。
でもクマさんから抜け出した魔法は止まらない。何だかよく分からない魔法が発動し、魔法つかいの殲滅にかかります。
止めようにも強大すぎてどうにもならない。どうにもならないけれど、それでも朝日奈さんは立ち上がった。
物言わぬモフルンを抱きしめながら。確かに聞こえたモフルンの想いを汲み取って。

無力を知りながらも必死に杖を振る朝日奈さんの姿に、リコさんも立ち上がる。
そういえば最初に会った時もそうだった。二人並んで、あの時のように必死に叫ぶ。
今なら謎の物欲娘も一緒です。ていうかこの子、伝説のエメラルド保有者ですよね。もう少し仕事して欲しい。

懸命に抗う三人娘の姿に、それを見ていた校長先生も動きます。この様子を全国中継し、国民総動員で願いをかける。魔法界怖い。
そしてその願いが通じたか。モフルンは再び動き出し、朝日奈さんらのプリキュア能力も再起動。
しかしながら暴走するクマ魔法自体はそのままです。プリキュアさんが復活したのに、あんまり安心感がない…。
中継している校長先生も冷汗が止まりません。プリキュアは復活した。しかし問題は、このプリキュアが通用するか、だ。
安心するどころか中継を増やし、いざというときの支援を固めます。地味ながらも良い仕事をなさる。

その不安は見事的中。魔法を止めるべく突入した中にいたのはクマさんの影。恐るべき強さで応戦に出てきます。
本当に、恐ろしいほど強いです。常に高速機動で空中を飛び回り、多量の弾幕を貼りつつ、接近戦もすこぶるレベル高い。
歴代のプリキュアさん達でも、これ相手では勝つどころか善戦すらおぼつかないような。

しかし朝日奈さんらも負けてはいない。サファイアモードで高速追尾しつつ、トパーズさんが弾幕を反射しながら、ダイヤが足止めしている間に、ルビーが重い一撃を叩き込む…!
手数が足りなければ増やせばいい。各種宝石が同時発動し、全方位からクマさんに襲い掛かる。
物欲娘も良い仕事しています。基本的に防御に専念していますが、単に守っているだけでなく、ここぞというポイントに自ら飛び込んで、クマの反撃の芽を確実につぶしています。アグレッシブルミナス。
そしてついに。ダイヤ達によって叩き落されたクマの土手っ腹に。猛り狂うルビーの打撃が、剛烈に突き刺さりました。嗚呼、これは、終わった。魔法力のブーストも込めた一発が、カウンターで完全に入った。
更には勝機とばかりに二段変身まで起動。ここまでくると、さすがにこのクマが可哀想になってくる。相手が朝日奈さんでなければ勝ってたろうに、相性が悪すぎた。

影が倒され、魔法も停止。クマの脅威は去りました。
クマ仲間にも受け入れてもらえたし、とりあえずは一安心。なぜ受け入れて貰えたかは謎だけど。魔法力を失ったからか?
だとしたら、根本の解決にはなってはいないような気も。

また、願い石は再びただの石に。
結局のところ魔法の本はどうなったんだろう。聞かなかったことにしたんだろうか。
次に目覚めるのはまた100年後。物欲娘の次なる物欲が目覚めたところで、めでたしめでたし。


(左画像)プリキュア オープニングコレクション 2004〜2016 (CD+DVD) [ (アニメーション) ]

(右画像)Dokkin◇魔法つかいプリキュア! Part2/魔法アラ・ドーモ! [ (アニメーション) ]

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


例年、プリキュアさんは序盤で感じた違和感が、テーマに繋がっているように思います。
今作の最初の疑問は、街の人々の存在感がないことだった。
これまでは「いかに主人公が愛されているか」を描写していたのに、今回はそれがなし。
街の人たちは書割状態。

ところが回が進むと様子が一変。特に象徴的なのは第16話です。
魔法界という超絶異文化を経験した、そしてそれらと仲良くなった。
が、そもそも論として。
この異文化は既に日常に溶け込んでいた。改めて周囲を見渡せば、そこかしこに魔法界の出身者が。

今のご時世、グローバル化とか、文化を受け入れようとか尊重しようとか、何かにつけて言われます。
でも既にその発想は古いのだと思う。そんなものはとうに日常になっている。
むしろグローバルやら多様性やらの言葉により、個人の価値観が踏みにじられることが問題なくらい。

一方で、最も身近にいるモフルンのことは良く分からない。
なぜ動くのか。それすら分からない。

魔法という超異文化まで習得した朝日奈さんが願ったのは、モフルンと一緒にいること。
劇中で変身能力や魔法を使えない状況になっているのは、意図的な演出だと思う。
グローバル化し、様々なものに触れた。技術や手段を習得もした。
でもそれらは目的そのものではない。あくまでローカルな幸せを守るための、手段なんだよな。

森のクマさんたちが、外からやってきたモフルンをすぐに受け入れたのに、ずっと近くにいるクマタを拒絶していたのは、なかなか切ないです。
なぜクマたちがクマタを受け入れたのか、明示はされていませんが、モフルンの影響があったのは確かでしょう。
グローバルなのに、排他的。本当に異質で意外なものは、実は身近にある。
そして外部との交流で、その身近な不思議に目が向く。うまくまとまらないけど、そんな感じなのかなと。

【今年の短編】

はるはるの強権ぶりを思い知りました。
あの方、楽屋では無茶苦茶厳しそうですものね…。
それとも単に、朝日奈さんが、はるはるをリスペクトされてるんだろうか。

あと朝日奈さん、短編だから何をやっても許されると思ってるのか、堂々と下ばきを晒して見せてくれます。
本編でもお胸の自己主張が激しかったりと、朝日奈さんはご自分の売りを理解なさってる感がある。

【今年の鳥】

一つだけ声を大にして言いたいのですが、スタントマンさん勢ぞろいで分裂して見せるのは、かつて美翔さんがやったことです。
美翔さんだってね、やろうと思えばできるんですよ。魔法がどんだけ偉いのか知りませんが、精霊パワーを舐めて貰っては困る。
その気になりさえすれば、ウィンディで動きを封じ込めている間に、イーグレットが脳天に踵落としとかもできるんです。多分。

【来年の鳥】

来年の春映画は、「オールスターズではない」と宣言されてしまいました。クビなんでしょうか美翔さん。年に一度のお仕事が…。
単純に人数を絞るのか、新シリーズのプリキュアさん+前年のプリキュアとかの規模になるのか、それとも全くの独立した映画専用シリーズになるのか。
何はともあれ、来年も何かがあるのは喜ばしいです。

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