穴にハマったアリスたち

生きてれば楽しい事がいっぱいある!の証明の為のページ。ぴちぴちピッチを大応援。第三期をぜひ!
→新章開始!ありがとう!

感想:「映画プリキュアミラクルユニバース」

2019年03月18日 | プリキュア映画シリーズ
■映画プリキュアミラクルユニバース

今年のテーマ「多様性」。良くも悪くもそれが残酷なまでに描写された映画だったように思う。

多様性は一歩間違えればただの自己主張。傍迷惑な存在に過ぎず、全体の和を乱してしまう。
そのバランス具合が難しいわけですが、テーマ的には「他者への思いの有無」を重視しているみたい。
本編でいえば星奈さんとララさんのすれ違いとか、共同作戦とか。

これ自体は「ドキドキ」等でも描かれています。が、今作はそれをかなり徹底なされてるというか、非常にエグい。
具体的には、「多様性の象徴たるプリキュアたち」が役に立っていない。

非常に雑に呼び出され、非常に雑に戦線投入されたオールスターズの皆々様は、あっさりと退場なされています。
現場に辿り着いた3チームも、名もなき集団に制圧されてしまってる。
このあたり本編も連想します。今作はいわゆる「ザケンナー」が1ヶ月も登場せず、名もなき戦闘員相手に苦戦を強いられてる。
いわば多様性の敗北。

本来はプリキュアさんたちも「他者を思う」気持ちがパワーになってるのに、今回の映画ではそれも封じられています。
何せ本当に呆れるほどに雑に呼ばれてるものな…。これで「ピトンのために!」とか盛り上がるのは無理です。
ホイップ組以外は現地人との交流すらなしですよ。思いの力とか出せるか。

更にきついことに、この枷が「ふたりは」にもかかってる。

個人的に、劇中で描かれていることは全て「正解」で、製作者様が全て意図して行っている、と思う派なのですが、今回の映画はさすがに迷う。
マカロン・ショコラ組とマシェリ・アムール組のアレは、意図した演出なのかそれとも失敗なんだろうか。

2組とも「お互いを思う気持ち」で連携し、一度は敵を退けます。
エゴのような多様性ではなく、協調性も兼ね備えた多様性の勝利。
しかしその後、数の暴力で屈します。

素直にそのまま見れば、「特定個人との閉じた協調性では通用しない」。
テーマとしては理解できるが、意図したものだとしたら残酷すぎる。
マカロン・ショコラや、マシェリ・アムールの思いあいが、社会には通じない。特に後者は存在の全否定に近い。
これ「思いの力で逆転」を演出したかっただけなのに、その後のストーリーの都合で「負けた」ようになっちゃっただけなのか、狙ってやった演出なのか本当に難しい。マシェリさんは過酷なお仕事が多いな…。

一方で、ハリーの単なる体当たりは、3チーム総がかりで破れなかった檻の破壊に成功しています。
特定個人に対する思いではなく、もっと広い範囲での思い。
気絶から覚めたハリーが(お子様には分かりにくい)誤解をわざわざしていたのも象徴的です。
個人技ではダメ。「ふたり」でもダメ。もっと広い意味での「思い」がいる。
(今こそ思い出そう、メルポの雄姿を…!)

思えば今回の先輩枠2組は、どちらも超個人主義。
「大好きを諦めない」の「アラモード」は激烈なまでの覚悟を決めた人たちだし、「こんなの私のなりたい私じゃない…!」の逆ギレで立ちあがる「ハグプリ」は完全な自己陶酔です。
最強完ぺきと思われた二つの理論が、「でもそれ他人には関係ないよね」「何を勝手に盛り上がってるの」であっさり一蹴された気分。
う、うん。確かに関係ないな。なんか空回りしてゴメンナサイ…。

なんというか、ようやく15年の課題を乗り越えて解決に至ったと思ったのに、見事にちゃぶ台返しを喰らったみたいだ。
なぜにこうも次々と新手の「絶望」を思いつくのか。

一緒に見に行ったうちの子は、後半では怯えて泣いていました。
さすがは我が子。恐怖を感じ取るポイントが私に似ている。
今回の映画は、いわばプリキュアさんの敗北を描いてるわけで、とてもとても怖い。
表面的なギャグ調はそれを誤魔化すためとしか思えない。

今作は一見能天気なシリーズに見えますが、それすらも罠に思えてきた。
実際、どう見てもアホの子にしか思えない星奈さんは、これまでの話数を客観的にみるに常識人、むしろ理知的とすら言えます。
「媚びてるような話し方は自動翻訳の都合で、実際には頭脳派」のララさんとか、「おっとりしているように見えるけど、性格はむしろ苛烈」な香久矢さんとかも含め、「表面だけ見て判断するな」の演出にすら思える。この分だと太陽さんも「素の性格は内向的」とか普通にありそうだ。。
大丈夫だろうか今年は。何か凄くヤバいことをされそうな気がする…。


(左画像)映画プリキュアミラクルユニバース主題歌シングル (初回限定盤 CD+DVD) [ 北川理恵 ]

(右画像)映画プリキュアミラクルユニバースオリジナルサウンドトラック [ 林ゆうき ほか ]

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


【マカロン・マシェリ】

見ようによっては惨い役割を任されたマカロンさんですが、非常にノリノリだったのが素敵でした。
あれ絶対、台本にないことまでやってますよ。マカロンさんだけ完全に別世界で遊びまくってる。

マシェリは何というか、相変わらずとても仕事熱心で安心ですね。
ダンスの時の謎ポーズの気合の入り方とか、「あ、この子また雇おう」という気がしますよね。
だからまたマシェリ出してください。マシェリもっと見たい。

【今年の鳥】

なんとびっくり、美翔さんに出番があった…!

凄いです。今や「ミラクルライトと関係ない唯一のプリキュア」の名を欲しいままにしているのに、ちゃんと呼んでもらえました。
そして同時に突き付けられる現実。プリキュア界の常識「鳥は敵」。何かもう居たたまれない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感想「映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」 :リワインドメモリーと歴代様

2019年03月09日 | プリキュア映画シリーズ
届いたので再度感想。

■感想「映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」

【リワンドメモリー】

小さかった15年前のあのとき。初代プリキュアに無邪気に憧れていたあのとき。

あれから15年がたった。現実の辛さに直面した「ハピネス」を経て、それを乗り越えて15年。
だけど。いよいよ社会に出ようという今。
今までの比ではない理不尽に左右され、これまでの努力もあっさりと無に帰す。
学生としては最年長でも、社会に出たら最年少。子供に戻されたようなどうしようもない無力感。

もう一度立ち上がれるのか。これまでやってきたことが無駄だったのに。
また再び理不尽に破綻すると分かっていても、それでもまた立ち上がれるのか。

そんなどうしようもないとき。
不意に現れたミラクルライト。
「ハピネス」のあの時、「こんなものは現実の不幸の前には役に立たない」と限界を思い知らされた。そんなただの玩具が、子供に戻された今、もう一度だけ夢を与えてくれる。
握りしめればこれまでの15年も思い返せる。確かに無駄だったのかもしれない。でも歩んできたんだ、この15年。
ミラクルライトを振ってプリキュアを応援した記憶と共に、これまでの自分の15年も思い返せる。15年前の無力な子供ではない。ずっと踏みとどまって頑張ってきたんだ。

ふと顔を上げると、そこには15年前に憧れたプリキュアの姿が。こんなところで挫けるなんて、なりたい私じゃない。私が憧れたのは、あの姿だ。
子供に戻された仲間たちからの応援は、そのまんま、かつての自分からのエール。だから踏ん張れる。15年の思い出があるから。

このシーンは本当に凄い。
「初代から15年」を見事に昇華しているし、何よりミラクルライトの説得力に涙が出ます。
子供の頃のガラクタに励まされる気持ちはとてもよく分かる。
あの時これに夢中になっていた、かつての自分を裏切らないためにも、顔をあげて踏ん張るんだ。
これしきのことで心が折れるなんて、私のなりたい私じゃない!


【歴代バトル】

過去プリキュアの皆々様の戦い。
単なる「全員集合」「懐かしい」で終わらせず、あの短い尺でそれぞれがきっちりとミデンに回答を提示している。
「思い出があるから踏ん張れる」に対する致命的な課題:「活躍の機会すら与えられず捨てられ、思い出を持たない」ミデン。
それに対するお歴々の回答…!

『アラモード』

「大好きの中にも辛いことがある」から転じて「辛いことがあっても大好きを諦めない」。
その象徴たるジャンピエール氏の雄姿は忘れられません。
「スイーツ作りには視覚や聴覚も大事だ」と力説した直後、光源喪失・大家からのプレッシャー・騒音と悪臭・カラスの物理攻撃と、もう菓子どころではない状況に追い込まれながらも、それでも菓子を作る。パティシエたるもの、いかなる状況でもスイーツを作るのだ!

そんな信念のアラモード組は、やっぱりスパルタです。
何もない?だから何だ。たかがそんなことで、大好きを諦めるな。
生産中止だろうが倒産だろうが、カメラたるもの思い出を記録するんだ!

『魔法つかい』

校長先生はおっしゃった。
「言葉は願いを、願いは魔法を、魔法は奇跡を起こす」。

言語化されたミデンの願いを魔法つかいさんらは受け取った。
願いが伝われば、魔法をかけられる。
だから彼女たちは魔法をかけた。ミデンの心が救われますように。

おそらく彼女たちは直接的な解決策を持っていない。
できることはあくまで「ミデンの願いが叶いますように」と魔法をかけるだけ。
そしてその「魔法」もおそらく意味はない。「願いが伝わること」、コミュニケーションこそが魔法なんだから。
願いを言葉にし、他者に伝える。それ自体が魔法であり奇跡。

この1シーンのおかげで、本編でのキーフレーズ「魔法にルールがある」「敵を遠くに飛ばす」を、ようやく消化できた気がする。
「異文化交流」から「私の中にも複数の自分がいる」。そして「複数の私や他者を結び付け、次々と広げていくのが魔法(言葉)」。では交流することが出来ない相手は?
現時点での解では叩きのめすしかない。だけどそこに少しの猶予を持たせない。だから「あっちに行きなさない」「虹の彼方へ」。いつかきっと分かり合えると願って。

『プリンセス』

夢への道は果てしない。未来永劫、果てなく続く。
それでもプリンセスは突き進む。その姿を見て、民もまた奮起する。
自身が強いのはもちろんのこと、周囲に影響を与える。それがプリンセスだ。

悩み、絶望の檻に閉じこもったミデンに、姫様は高らかに宣言なさった。
今からその檻をぶち壊す。そして檻から放たれたなら、夢へと続く絶望の道が待っている。
あるいはそれは、檻に閉じこもっていた方が幸せかもしれないぐらいに。
だから宣告する。さあ、「お覚悟はよろしくて」。

本編ではディスダークに強制的に閉じ込められてたのを解き放っていた。「お覚悟」は敵に向けての台詞だった。
今回は違う形で使っているけれど「本来はこうだったのでは」と思いたくなるほどハマってる。
民よ、覚悟を決めよ。私の後をついてこい…!

『ハピネスチャージ』

フォーチュンさんの発した「まだまだ!」は、「人形の国」の一幕を思い起こさせます。
10年を記念した「ハピネス」チームがぶつかったのは、「プリキュアなんて所詮はアニメ。現実の不幸の前には役に立たない」という残酷な壁。
初代を見ていた子供たちが中学生・高校生になり、世界はキラキラしたものばかりではないと悟った時代。無力に踏み潰される子供時代の大切な宝物たち。
あの時、ラブリーさんたちは「無力だけど、そばにいるよ」「だから頑張って」としか言えなかった。

それから5年。現実を知り、それでも歩んだ5年。
改めて発せられた「まだまだ」。あの時は「つむぎちゃんが味わった現実の苦しみはまだまだこんなものじゃない」。
今回は逆。ミデン=立ち上がれなかった つむぎに対し、「現実の苦しみはこんなものじゃない。だから踏ん張れ」。

ラブリーさんの「あなたも幸せにしたい」は、あの時はつむぎさんに言えなかった。
確かに思い出を得られなかった。でも思い出に憧れたイノセントな気持ちは嘘ではなかったはず。
それなら、思い出を自分で汚すような真似はやめよう。そんなの、ラブじゃない。

あの時通じなかったハニーソングや、空振りしていたハワイアンアロハロエを、さりげなくぶっ放してるのも熱い。この5年で、彼女たちも成長なされた。

『ドキドキ』

ただ一言「愛を知らない悲しいカメラさん。あなたのドキドキ、取り戻して見せる」。
聞きようによっては無神経。だけど彼女たちには、それを言う覚悟がある。
何せミデンと同じく、切り捨てられた側の人たちだから。

国民と娘を天秤にかけ、国王は民を切り捨てた。
もしも王女様が平和を選んでいれば、戦いもあっさり終わっていた。
「幸福の王子」に切り捨てられたツバメのように、ドキドキさんは切り捨てられた。

ドキドキさんの戦いは最初からチャンスはなく、守りたい人から選ばれなかった。
それでもソードさんは言った。「愛に罪はない」。
ミデンを捨てた会社の人たちだって、ミデンを憎んでのことではない。守りたいものがあったんだ。
だから「愛に罪はない」。

『スマイル』

多分ハッピーさんらは「ミデンの絶望は救われない」と悟っている気がする。
未来には破綻が待っている。どんなに努力をしても、破綻そのものは回避できない。
夏休みはいつか終わるし、12時の鐘がなれば魔法は解ける。
でも、いざその破綻が訪れても、それでもキラキラ輝く明日を信じて笑顔でいよう。だから私たちはスマイルプリキュアだ。

象徴的なことに、マーチさんの放った攻撃はほとんど何の効果も持たずに飲み込まれています。
他の面々も派手に応戦してはいたけれど、スタミナ的に戦力としては一番先に脱落すると思う。
それでも「気合いだ」と叫ぶ。どうしようもないと分かっていても、それでも信じる。
奇跡が起きるから信じるのではなく、信じることそれ自体が奇跡。
「破綻する」と分かっていても未来を目指してウルトラハッピーと叫ぶ。それができたなら、確かに未来はウルトラハッピーだし、その姿はミデンに絶望に立ち向かう希望を与えるはずだ。

『スイート』

他のチームが「ミデンは何もない」と認識している中、スイートチームは違う。
ミデンは「何もない」ことを「悲しい」と感じていた。
「何もない」じゃない。「悲しい」なんだ。そして「悲しい」なら分かる。それは私たちも経験したことだから。

「プリキュア」史上に残る大どんでん返し「ノイズの正体は「悲しみ」だった」と同じ。
ミデンの目的が「世界から全てを無くしてしまおう」だったら理解できなかった。
でも「何もないのは悲しい」なら理解できる。この瞬間、正体不明のお化けではなく、私たちと同じ存在になった。「悲しい」なら分かり合える…!

これをここで持ってきてくれたのは本当に嬉しい。
蛇足ながら、本編では一番状況を理解してなさそうだったリズムさんが、その言葉を言ってるのも良いですね。私にも聞こえる…!

『ハートキャッチ』

花咲さんは、まず間違いなく状況を把握していらっしゃらない。
でもいいんです。そもそも人様の事情なんて分からない。

プリキュアが頑張って敵を倒したところで、個々人の悩みは解決しない。
服を変えても内面が変わらなければ意味がないように。変身しても本人が変わらなければ弱いままなように。
でもそれでいいんです。
服を変えれば気持ちだって変わるじゃないか。本質的な解決ではなくても、それでも助けになるのも確かなんだ。

かつてパリの人たちが、何の事情も分からぬまま差し出してくれた花は、確かに花咲さんを勇気づけた。
突然現れたデカいトカゲに、事情なんぞさっぱり分からぬまま振ったミラクルライトは、ブロ子さんたちを助けてくれた。

だから花咲さんは状況をいまいち分らぬままに、おしりパンチとかやりながら、それでも啖呵をきる。
何もないミデンにだって花は咲く。だって砂漠や宇宙にだって花は咲くんだから。

『フレッシュ』

人生山あり谷あり。されど辿り着く先は一つ。
ルーレット伯爵の重い言葉。絶対的な事実。物事には終わりがある。

やり直しも何も、ミデンは生産中止されて廃棄されているのですから、もう詰んでいます。
失敗とかそういう問題ではない。全ては終わったのです。

でもそれでも桃園さんは叫ぶ。やり直せると。
トイマジンがクマさんとして第二の人生を歩んだように。イース様がパッションさんに蘇ったように。
実際、野乃さんがとった救済策は、正にトイマジンと同じです。
どんなに終わったかに見えても、やり直せるんだ。

あの時トイマジンに通じなかった技を出しているのも熱いです。
今の桃園さんなら、伝えられる。

『5・GoGo』

人は最終的には一人だ。でもどこかで友が歩んでいるなら、自分も頑張れる。
一方、価値観の異なる相手はどうにもならない。こちらの夢を守るため、問答無用で叩き潰すしかない。
こちらから話しかけたり答えたりする暇はない。だって夢が呼んでるんだから。
もし分かり合いたいのなら、私たちと同じステージに上がってこい。
無茶だ、どうしようもないと思うかもしれない。でも私たちもそうだった。そして立ち上がってここまできた。

夢原さん:
 「だから、大丈夫」

問答無用の説得力です。他の5人が何かを補足するまでもない。
私たちの夢が「大丈夫」といった。だから大丈夫だ。

プリンセス組が「先を行く背中に励まされる」のに対し、GoGo組は「横のどこかにいてくれる」ことに勇気づけられます。
この後の遠景に、巨大なバラが直立出現してるのが非常に素晴らしいです。あの爆心地に夢原さんがいる。なんと心強いことか。

『SplashStar』

「全てのものに、命が宿る!」

無機質な死に絶えたかのように見える世界にだって、土や空がある。
そこから生命は生れ出るのです。
だから何もないかに見えるミデンだって、命を生み出せる。
無機質な物質に過ぎなくても、そこから命や思い出が生まれるんです。

「いっそ諦めた方が楽になるのに」と言われ続けた美翔さんらの必殺の台詞が、12年の時を経て再び木霊する。
「絶対に、諦めない!!」。

『MaxHeart』

先輩方はもはや語るまでもない。エキストリームルミナリオ!
15年かけて積み重ねてきた数々の回答。
そしてそれらを最後に使うのは、

美墨さん:
 「最後の一押しは、あなたにかかってるよ」

プリキュアなんて現実の不幸の前には役に立たない。
重く付きまとってきた呪縛を、15年の積み重ねそれ自体が力技でぶち破る。
今まで苦しみながら歩んできたこと自体が回答に繋がっている。
だからこれからの15年も歩ける。まず間違いなく苦しい15年だし、15年後は今以上の絶望が待っていると思う。
それでも「15年を歩んできた」ことそれ自体が回答になったように、これからの15年の苦しみもそれ自体が回答になるはず。
未来の自分を裏切らないために、過去の自分を裏切らないために、だから今立ち上がるんだ。


僅か1分程度の短い時間に、それぞれのシリーズの1年2年が強烈に圧縮されています。情報量が凄まじすぎる。
しかも単に昔の総まとめをやってるだけでなく、「その後」を感じます。
プリンセス組の昇華やハピネスさんのいわば「リベンジ」、美翔さんだって「移動しながらバリア的精霊パワーで周囲を吹っ飛ばす」とか新技出してるんですよ。
(そして「ピンクトルマリン」やら「みーてぃあはみんぐ!」やらも捻じ込んでくる。あの子らのこの執念はなに…)

先日のプリキュアライブの「リワインドメモリー」も、これを更に高めていました。
声優さんたちによる名乗りとポーズ。そこからのリワインドメモリー。
単なる「声優さん格好いい」じゃない。あの変身セリフには、上に書いたようなことが強烈に詰め込まれている。
プリキュアライブの感想相羽さんがまとめてくれました。ありがとうございます)

これまでの15年が救われたような、本当に素晴らしい映画、素晴らしい1年だったと思う。
思えば白黒先輩も「色々あったんだから!」と叫びながら立ち上がった。あの時と精神は何も変わらない。
立ち上がれるし、立ち上がってみせる。
ほとんど逆ギレのように叫びながら踏みとどまった野乃さんの精神を、15年前からの思いを忘れないようにしたい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする