■(第8話)ひろがるスカイ!プリキュア「 飛べない鳥と、ふしぎな少年」感想
(「ひろがるスカイ!プリキュア」第8話より)
画面の端々に映りこんでいた謎の鳥ことツバサくんが正体を現しました。スカイランド原産の飛べない鳥だそうで。
彼の種族は飛べない代わりに人の姿と技能を得た。だけど彼の夢は飛ぶこと。
夢見ることは悪いことではない。しかしながら劇中でも明言されたように「適材適所」はあります。
アクシデントでこちらの世界に迷い込んだ彼は、航空力学の勉強をせっせと行い、飛ぶ夢に邁進されています。
てっきり「飛行機を作る」のかと思いきや、あくまで自力飛行に拘っていらっしゃる。
効率の面でいえば、明らかに悪手です。彼の強みは「人型になれること」「技能に秀でていること」なのだから、飛行機を作った方が良い。自分一人でなく、他の人々の「空を飛びたい」夢も叶えられます。
これはソラさんにも言える。私達的には感覚が麻痺していますが、本来でいえば10代の娘さんは肉弾格闘するヒーローには向いてません。子供を助けたいのなら、もっと別の道の方が「適材適所」だったはず。だけど彼女の夢はヒーローになること。
両者ともに非効率な夢を目指していらっしゃる。先の話でいえば、ツバサくんはプリキュアにも(これまでの常識でいえば)向いていません。ナッツポジションで支援アイテムを作ってる方が、おそらくは「適材適所」と思われます。
幾重にも非効率なことをしているのですが、そうはいっても「夢」に効率も何もない。彼は自分で飛びたいんです。鳥の矜持なのか、父への尊敬なのか、ただただ純粋にあの日の体験が忘れられないのかは分かりませんが、理由だって重要ではない。とにかく飛びたいのでしょう。
今回の話はほぼ家の中だけで進み、戦闘も次週に持ち越しというかなり特殊な構成。ラストで崖から飛び立ったツバサくんは、果たして飛べたのか。飛べてしまったら夢が叶ってしまうので墜落するのかなとも思うのですが、じゃあプリキュア能力で飛べたら彼は満足するんだろうか?満足しなかったとして、変身すれば飛べるのに、生身での飛行への夢を維持し続けられるんだろうか。
言い換えると、ソラさんはプリキュアになったことで満足できるのかとも。
現実世界でいえば、ある職業に憧れて晴れて就職できたとしても、それで目標達成ではない。職に就く(プリキュアになる)ことと、そこから何かを成し遂げる(ヒーローになる)ことはイコールではない。
この方向性でいくなら、最後はプリキュアを捨てて(プリキュアが通用しないとかで)生身で解決に向かう展開もあるかもしれない。
今までのプリキュアでは何となくスルーしてきた「留守中に襲われるかもしれない」もなかなかに深刻で、ソラさん一人ではどうにもなりません。
これも現実世界で言うなら、赤ちゃんを置いて働きに出るようなものか。現実だったら保育園や祖父母に頼るのですが、その役目をツバサくんがやるのかしら。
「ヒーロー」という直球のテーマを扱っている20周年作なのに、どんどん不穏な空気が漂ってる気がします。着地点がまるで見えない。オトナプリキュアやらオールスターズF等々、現実の方も超絶楽しみだけど何をやろうとしてるのか全容が見えない企画が待ち構えていて、お祭り感というよりザワザワ感が堪りません。どこに向かおうとしてるんだろう。
(「ひろがるスカイ!プリキュア」第8話より)
画面の端々に映りこんでいた謎の鳥ことツバサくんが正体を現しました。スカイランド原産の飛べない鳥だそうで。
彼の種族は飛べない代わりに人の姿と技能を得た。だけど彼の夢は飛ぶこと。
夢見ることは悪いことではない。しかしながら劇中でも明言されたように「適材適所」はあります。
アクシデントでこちらの世界に迷い込んだ彼は、航空力学の勉強をせっせと行い、飛ぶ夢に邁進されています。
てっきり「飛行機を作る」のかと思いきや、あくまで自力飛行に拘っていらっしゃる。
効率の面でいえば、明らかに悪手です。彼の強みは「人型になれること」「技能に秀でていること」なのだから、飛行機を作った方が良い。自分一人でなく、他の人々の「空を飛びたい」夢も叶えられます。
これはソラさんにも言える。私達的には感覚が麻痺していますが、本来でいえば10代の娘さんは肉弾格闘するヒーローには向いてません。子供を助けたいのなら、もっと別の道の方が「適材適所」だったはず。だけど彼女の夢はヒーローになること。
両者ともに非効率な夢を目指していらっしゃる。先の話でいえば、ツバサくんはプリキュアにも(これまでの常識でいえば)向いていません。ナッツポジションで支援アイテムを作ってる方が、おそらくは「適材適所」と思われます。
幾重にも非効率なことをしているのですが、そうはいっても「夢」に効率も何もない。彼は自分で飛びたいんです。鳥の矜持なのか、父への尊敬なのか、ただただ純粋にあの日の体験が忘れられないのかは分かりませんが、理由だって重要ではない。とにかく飛びたいのでしょう。
今回の話はほぼ家の中だけで進み、戦闘も次週に持ち越しというかなり特殊な構成。ラストで崖から飛び立ったツバサくんは、果たして飛べたのか。飛べてしまったら夢が叶ってしまうので墜落するのかなとも思うのですが、じゃあプリキュア能力で飛べたら彼は満足するんだろうか?満足しなかったとして、変身すれば飛べるのに、生身での飛行への夢を維持し続けられるんだろうか。
言い換えると、ソラさんはプリキュアになったことで満足できるのかとも。
現実世界でいえば、ある職業に憧れて晴れて就職できたとしても、それで目標達成ではない。職に就く(プリキュアになる)ことと、そこから何かを成し遂げる(ヒーローになる)ことはイコールではない。
この方向性でいくなら、最後はプリキュアを捨てて(プリキュアが通用しないとかで)生身で解決に向かう展開もあるかもしれない。
今までのプリキュアでは何となくスルーしてきた「留守中に襲われるかもしれない」もなかなかに深刻で、ソラさん一人ではどうにもなりません。
これも現実世界で言うなら、赤ちゃんを置いて働きに出るようなものか。現実だったら保育園や祖父母に頼るのですが、その役目をツバサくんがやるのかしら。
「ヒーロー」という直球のテーマを扱っている20周年作なのに、どんどん不穏な空気が漂ってる気がします。着地点がまるで見えない。オトナプリキュアやらオールスターズF等々、現実の方も超絶楽しみだけど何をやろうとしてるのか全容が見えない企画が待ち構えていて、お祭り感というよりザワザワ感が堪りません。どこに向かおうとしてるんだろう。