穴にハマったアリスたち

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Go!プリンセスプリキュア 第50話(最終回)「はるかなる夢へ!Go!プリンセスプリキュア!」

2016年02月06日 | Go!プリンセスプリキュア感想
■Go!プリンセスプリキュア 第50話(最終回)「はるかなる夢へ!Go!プリンセスプリキュア!」

前回。ディスピア様を屠ることに成功しました。さらば絶望。
最後に何か言ってた気もしますが、聞き取れなかったので気にすまい。
血濡れた拳を高く掲げるプリンセスの姿に、民衆共の勝鬨の声が呼応します。

が、戦勝の宴はすぐに中断。空気を読まずに、即座にクローズさんが襲ってきました。
絶望は何度でも蘇る。ディスピア様の遺志を継ぎ、クローズさんは颯爽と空を舞う。
最初の頃はいかにも雑魚っぽい初期幹部だったのに、ここまで出世なされたか。

プリンセスどもも勿論すぐに迎撃に入ります。
グランプリンセスの名の元に、理不尽な暴力が絶望に襲い掛かる…!
しかしクローズさんはへこたれません。この圧倒的な絶望の中、それでも絶望しないのです。
絶望の権化のはずなのに絶望しないというのも変な話ですが、絶望を信じているからこそ絶望していて、だからこそ絶望せずに立ち向かって、でもそれこそが絶望で、良く分からん!!

夢と絶望は対。
グランプリンセスとディスダークも対。
春野さんが絶対に夢を捨てないように、クローズさんもまた絶望を諦めない。

絶望があったからこそ、夢も成長できた。
夢があったからこそ、絶望も成長した。
一介の幹部に過ぎなかったクローズさんが、立派な首領になられたように。
名もなきモブでお馴染みだった春野さんが、立派なプリンセスになれたように。

不毛の殴り合いの末、両者ともに気が付きました。
自分が諦めないように、こいつも絶対諦めない。
だからといって共存できる相手ではない。が、殲滅もまた不可能。

悟りと共に双方が拳をおろし、戦いは終わりました。
おろした拳で握手はしない。敵は、敵だ。
でも「なくすことはできない」ことはお互いに認めた。

だから笑顔で両者はしばしの別れを告げる。

はるはる:
 「ごきげんよう」

勝利宣言としては微妙なこの決め台詞は、こういう展開のためだったんだなぁ。。

こうして戦いは終わりました。一時的に。
絶望はなくならない。今の自分たちの生活も関係も、いずれ変わっていく。
でも同じように、希望や夢もなくならず引き継がれていくのです。
未来のどこかで絶望が再びやってきも、きっとその時代の人たちが立ち向かってくれるはず。
終わらない戦いであることを受け入れ、未来の希望を信じ、ひとまずは春野さんらの物語はおしまい。めでたしめでたし。


(左画像)映画Go!プリンセスプリキュア Go!Go!!豪華3本立て!!!(Blu-ray特装版)

(右画像)Go! プリンセスプリキュアボーカルアルバム2

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


【今年のプリキュアさん】

キャラクターとしてはスカーレットさんが好きでした。
正直もうどうにもならない時、彼女の専用EDは実に励みになった。
「どの過去も生きる力に。私の炎、誰も消せない」と口ずさんで散歩したあの日が、今となっては懐かしい…。

あえて残念なところを挙げるなら、トワイライト様時代の力が直接は使われなかったこと。
「絶望が成長になる」ことや専用EDの歌詞を考えると、期待していたのだけどなぁ。
こう、トワイライト能力でディスピア様に一矢報いて、「あなたが教えてくれた力ですよ、お義母様」とやるような、そんな感じで。

【今年のプリキュアさん2】

これまでのプリキュアシリーズで徹底的に敵視されてきた「絶望」。
単純に排除するのではなく「絶望があるからこそ成長する」と向き合ったのは、新世代プリキュアらしい一歩だったと思います。
今までのシリーズでいうと「スイート」さんが思い浮かびますが、意味合いとしてはかなり違うと思う。

たとえば「子供の頃に親が死んだ。悲しい(絶望だ)。しかし弟妹を守るために奮闘して成長した。今は幸せだ」といったとき。

「親が死んだ」ことは「悲しい」ですが、「悲しみがあったから幸せがある」わけではない。
「悲しみは悲しみとして胸に抱えて、同じ悲しみを持っている皆と共有・連帯して笑顔になろう」です。
悲しいことがないならないで、笑顔にはなれる(それが叶うなら、その方がずっと良い)。

今作の場合「親が死んで絶望したが、その絶望を乗り越えるために努力したおかげで成長できた」です。
これは「親が死んだから成長できた。ありがとう」ではなく、「絶望したから成長できた。だからその「絶望」の感情に感謝」。
もしも悲劇や失敗に直面しても、絶望しなかったならば成長はない。

回想で春野さんの失敗シーンが怒涛の如く流れましたが、失敗に対し絶望せず「まぁしょうがないよねー」と流していたら、成長はない。
一つ一つで落ち込んで絶望し、問題意識を持ったからこそ、乗り越えようと努力できた。
OPやEDの歌詞が「失敗したり逃げたことがある」ような内容が見られたのも、このテーマの為だったんだろうな。

絶望するような悲劇そのものは勿論回避したい。絶望したくないし、絶望に負けたくない。
だからこそ回避しようとして成長するし、だからこそ絶望にも感謝する。
相容れないからこそ、存在を認める。この奇妙な関係。

【今年のプリキュアさん3】

グランプリンセスになれなかった理由が、「夢を守るのではなく、導くのがグランプリンセスだから」なのは面白かった。
これまでのプリキュアさんらがやってきた「絶対に守って見せる」⇒「ミラクルライトで応援」の構図ではない。
「絶対に守って見せる」⇒「それを見て民衆が蜂起」の構図。(あえて比較するならフレッシュのラビリンスでの最終決戦)

完全決着をつけないまま、次世代に託す…というのも良かった。
絶望がくると分かっているのに、抜本的対処はせず、次も乗り越えらえると信じて待つ。
目標を達成すべく努力はするけれど、同時に、完璧な達成が無理であることも受け入れる。現実にはこのバランスが難しい。。

メタ的にいえば、「「プリキュア」だけでは世の絶望はなくせない」。そりゃそうです。
「スマイル」や「ハピネス」で特に扱われていたように、所詮はアニメ。限界はある。
でも「プリキュア」を見て夢を抱いた子たちが、また次の世代へと繋げていけば、夢は限りなく実現していくはず。

【今年のプリキュアさん4】

これまでやってきたことをまとめつつ、新しい一歩を踏み出したような、そんな1年でした。
EDの「勇気試す今日はきっと 明日変えるためにあるから」は胸に刻みたい。
前作でも使われていた「勇気」ワードは、個人的に「根性」とかよりも好き。

「根性」には「じっと耐える」みたいなニュアンスを感じるけど、「勇気」には前向きなイメージを感じます。
学生時代に運動をやってたころ、よく仲間内で言ってた。「これから100メートルダッシュ20本行く。1分後には苦しんでるだろうけど、勇気を出して始めよう」みたいな。
今でも会議室のドア開けるときとか、思い出しますね。5分後には会社来なきゃよかったと思ってるだろうけど、勇気出して中に入ろう…。

怖いこともあるし、絶望もある。夢や目標には終わりはないし、完全解決もできない。
はるはるさんも言っていたように、「絶望しない」のはかなり厳しい。
ですが将来の絶望に怯えて立ち止まるのではなく、自分が絶望の感情を持てることに感謝して、その絶望を変えるために勇気を出して踏み出したいです。

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Go!プリンセスプリキュア 第49話「決戦ディスピア!グランプリンセス誕生!」

2016年01月31日 | Go!プリンセスプリキュア感想
■Go!プリンセスプリキュア 第49話「決戦ディスピア!グランプリンセス誕生!」

四つのお城が解放され、追い詰められたディスピア様は御自ら侵略を始めました。最初に狙うはノーブル学園。
はるはるらも覚悟を決めて衆人環視の中、コスプレを決行。
されど絶望は留まるところを知らず。玩具は砕け、いよいよどうにもならないそんな時。

あろうことか七瀬さんが絶望の檻を破壊。級友らを叱咤激励し、プリキュアさんらと共闘を始めました。
更にはシャットさんも奮起。落ちぶれている間に、プリキュアはおろか、名もなきモブにまで置いて行かれてるじゃないか!私たちも変わるぞ、ロック!
もはやプリキュアさんにおんぶに抱っこではない。それぞれがそれぞれを励まし、立ち上がり、そして絶望に向かって殴りかかる…!

あまりの勢いにディスピア様もたじろぎますが、あちらさんも後には引けません。
忠臣クローズを取り込んで、何だかよく分からない巨大化とかなされました。
そのあまりの強さに、春野さんらもとうとう地に伏す。嗚呼、夢を守れなかった。。

だけどそこに。再び怒れる群衆が襲い掛かる。
助けに来たはずの春野さんらを助けるべく、学園の生徒も理事長も。シャットさんも謎生き物も。王子様も先生も。
皆が手を取り、絶望に向かって拳を振り上げる。戦おう。私たちも。もう守ってもらったり、応援したりするだけじゃない。

皆の攻撃に背中を押され、春野さんらはディスピア様に向かって駆けていく。
夢を守るプリンセスから、夢を導くプリンセスへ。絶望から守るのではなく、皆で絶望に立ち向かう。
そしてとうとうグランプリンセス様に変態なされました。

…グランプリンセスって、称号ではなく二段変身だったのか。
いやまぁ言われてみればそうに決まってるのかもだけど、虚を突かれた気分。

一同みんなの夢を乗せ、グランプリンセス様の最後の大技により、ディスピア様は消滅なされました。
後には言葉一つを残して。

ディスピア様:
 「忘れるな。絶望は…」

これに春野さんは一声、凛と答えた。

春野さん:
 「ごきげんよう」

まるで再び会うことを前提としたようなこの決め台詞。
絶望はいずれまたやってくる。でもそれを恐れはしない。
早くも次回予告では不穏な影も見えましたが、まずはこれにて終戦。次回はいよいよ最終回です。


(左画像)キャラクタースリーブ Go!プリンセスプリキュア キュアスカーレット (EN-150)


(右画像)Go! プリンセスプリキュアボーカルアルバム2

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


「NS1」の冒頭で涙したのはもう3年以上も前。
あの時、勇ましく戦うプリキュアさんらを見て、逆に絶望した気持ちは今でも思い出します。
プリキュアさんは強い。とても強い。
観覧車の上に勢ぞろいし、颯爽と駆けていく姿はとても頼もしく、応援する声にも力が入る。
でも。
あまりにも強くて頼もしい故に、残酷なほど思い知らされてしまう。結局のところ、私らは応援しているだけだ。
「普通の女の子」のはずの彼女らは、あんなにも強い。それなのに自分は…。

当時は「誰でもプリキュアになれる」が回答でした。ここでいう「プリキュア」とは、文字通りのコスプレ娘のことではないのでしょうけど、描写や実際の感覚としては、やっぱり特別感がある。エコーさんも「NS3」では随分と偉ぶっていらっしゃいましたし。

そこから時代が流れ。正真正銘、ただの民間人たる七瀬さんや学生が反撃に出るこの展開は、非常に熱い。
度重なる悪夢テロにも心折られることなく、むしろ奮い立たせ、何度も失敗したのちの、とうとうの絶望の檻破壊。
プリキュアに変身するでもなく。謎生物や王子や敵幹部らとも対等に肩を並べ、一民間人としての反撃です。

民衆の反撃自体は、「フレッシュ」や「ドキドキ」でも行われていたこと。
ですがグランプリンセスの定義が「夢を導くこと(一方的に守るのではなく)」だったように、今作ではより強くテーマに推されていた。
春野さんらが「夢を守らなきゃ」と叫べば叫ぶほど、実はグランプリンセスから遠ざかっていたのですね。
「守る」のではなく「導く」。もしも民衆が立ち上がってくれなかったら、勝つことが出来なかった。

映画のパンプキン王国でも、国民が絶望パワーとして敵に使われたり、希望パワーとして姫君に搾取されたりと、目まぐるしく変わっていました。
ディスピア様が何度も言っていたように、夢があれば絶望もある。逆に絶望があれば夢もある。
「NS1」で絶望したあの時があったからこそ、今こうして「立ち上がりたい」と思えた。

シャットさんが立ち上がってくれたのは実に嬉しい。
トワ様の元に戻るかと思っていましたが、それ以上の復活だなぁ。

シャット:
 「うるさい!!」
 「ロック!きさま私を散々馬鹿にしておきながら」
 「そのざまは何だ!」

 「私たちが落ちぶれている間に」
 「プリキュアどころか妖精も人間どももどんどん変わっていく!」

 「変わるぞ!私たちも!」
 「ディスピアの呪縛から抜け出すのみ!」

絶望を求めて足掻くロックに対し、この怒りの演説。
「助けてくれてありがとう」とプリキュアになびくのではなく、「なんかもういい加減にしろ」的激怒。
己の不甲斐なさへの絶望は怒りにつながり、希望に変わる。

元々ディスダーク自体、夢を否定しているようで否定していない。
ディスピア様も部下たちの夢に応えてる描写が何度もあります。
例えば、クローズの最期の願いを聞いて力を与えたり、トワイライト様付きを望んだシャットにそれを任命したり。

結果的にクローズさん(とフリーズら)はディスピア様と共に消えましたが、彼としてはおそらく本望でしょう。
「悩んだ末に飛び出す」シャット&海藤さん、「親と並び立つ」ロック&天ノ川さんと違い、春野さんとの対比で考えると、夢(絶望)に貫徹するのは必然。
仮にディスピア様が「もうよい。お前は好きに生きよ」と逃がそうとしても(カナタ王子に対し春野さんがそうだったように)、絶望に殉じたはず。

ただ、絵本「花のプリンセス」に出てきた「裏切り者の鳥」のことを思うと、何らかの和解はありそう。
次回最終回の謎の影のこともあり、まだ何か、山場が残っていそう。
感想を書くのが遅れに遅れて、あと数時間で最終回放送なのですけど、このまま楽しみに待とう。

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Go!プリンセスプリキュア 第47話「花のように・・・!つよくやさしく美しく!」

2016年01月17日 | Go!プリンセスプリキュア感想
【新しい1年】

遅くなりましたが、今年もよろしくお願いいたします。

さて新年第1回目。新人さんも紹介されました。

公式サイト:「魔法つかいプリキュア!」

「プリキュアってそもそも何なんだろう…」と悩んでしまうような、不可思議タイトルです。
「魔法使いサリー」とかって、「魔法使い」に続く○○部分は固有名詞ですよね。そこに「プリキュア」。
え、そもそも「プリキュア」自体に「魔法つかい」的なニュアンスがあったのでは。いやないか、そんなもの。
新作タイトルが発表された後、美翔さん達もしばし呆然としたんじゃないですかね。
私たちって、何なんだろう…。まぁ「魔法使い 舞ちゃん」みたいなタイトルにされても困りますけどね。不気味。

その新シリーズのヒロイン様は、キュアミラクルさんとマジカルさん。
二人ともお美しいです。今度の新人さんはレベル高い。
そしてこれにより、「実在する動物の名を持つプリキュアは美翔さんだけ」の記録が継続されることになりました。いつまで伸びるんでしょうね、この記録。。

■Go!プリンセスプリキュア 第47話「花のように・・・!つよくやさしく美しく!」

ノーブル学園に入学して1年。はるはるは尋常ならざる成長を遂げ、今ではお茶も上手に淹れられるようになりました。
それもこれも学び舎と級友、良き教師、それにたゆまぬ努力のおかげ。
成長を噛みしめていると、そこにカナタ王子から連絡が来ました。花のお城が、何か変だ!

じゃあ早速行ってみよう。いつの間にやら、ほいほいとホープキングダムに行けるようになってました。
あと、七瀬さんは周囲から言われる前に、自分からお留守番宣言。
このまんま最終決戦に突入する可能性もありますしね…。

件のお城についたところ、はるはるの目の前に謎の鳥が。彼女のバイブル「花のプリンセス」に登場する裏切り者です。
思わず後を追いかけて扉をくぐると、どことも知れぬ不思議な国へ。
良く分かりませんが、「花のプリンセス」の世界に紛れ込んだようです。なりきりコスプレ万歳。

そこはまさに夢の世界。素敵な王子様に素敵なお城。召使共も甲斐甲斐しく優秀です。
多少の違和感などあっさりと吹き飛び、はるはるもご満悦。
そうだ、せっかくだしレッスンの成果を見せよう!私、お茶淹れます!

ところが王子様は、やんわりと拒否。プリンセスにそのようなことはさせられません。こぼすからね。
でも私、ちゃんとレッスンしてきました!はるはるは足掻きます。しかしそれでも王子は拒否。召使も拒否。
プリンセスは、ただただそこに居てにこやかにしていればよいのです。

それはそれで非常に大変で重要な役割だとも思いますが、学びの人・はるはるにとっては釈然としない話。
疑問はそれだけにとどまらず。撒いた種がいきなり花を咲かせたのを見て、ついに彼女は叫びます。
努力もなく結果が出るなんて!こんなの良くない!

プリンセスの無体な叫びに、しかし鳥はむしろ納得顔。
こうなると思っていた。ディスピア様の策とはいえ。
そう、これはディスダークの罠だったのです。鳥の正体はクローズさん。この人、何気に演技派。

戦闘に突入しながらクローズさんは問いかける。
プリンセスになれても満足しないのなら、本当のプリンセスとはなにか?どうすればなれる?いつなれる?
はるはるは答えられない。なぜなら、そんなものはないから。ないものを夢にしているのなら、終わりもない。

はるはる:
 「終わりが、ない…?」

もしもプリンセスになれたら、その先に何が待っているのか。
今は大きなこの夢を叶えるのに夢中だからいい。
でも戦うたびに問いかける。もしも夢が叶ったなら?

かつてレモネは「夢が叶っても意味がなかった」の悪夢を見せられ絶望した。
先輩の「セーラームーン」さんは、終わりなき戦いに絶望し、過去の自分を消そうとした。
初代と同時期の「ぴちぴちピッチ」では、「夢だけでは生きられない」と唄った。

はるはるは努力の子。入学から今日に至るまで、絶え間ない努力の果てに尋常ならざる成長を遂げました。
しかしその努力は何のためか。プリンセスになることよりも、努力することに拘るのなら、目的が変わってしまっている。
たとえプリンセスになれたとしても、彼女の努力は終わらない。安穏と怠惰な日々を送りたいのではないのだから。

この自己矛盾は至る所にある。
お茶の淹れ方やお花の育て方だって、便利な道具やテクニックで、過程を素っ飛ばしている個所は多々あるはず。
努力したり改善したりが進めば進むほど、過程は簡略化していく。というか、簡略化しないのなら上達していない。
あるいは、マニュアル車の練習してた人にAT車を紹介したら「なんだこれは」とキレられたようなものです。工学の成果が否定されてしまってる。

こうなってしまう理由は、おそらくは「プリンセスになって何をしたいのか」がないから。
「なった後」の目的がないから、そこで行き詰ってしまう。
これを回避するには、延々とプリンセスにつながる道を歩き続けるしかない。つまり、終わりはない。

はるはる:
 「終わりはない」
 「そう」
 「私の夢に終わりはないんだ」

しかしながら春野さんは悟りました。
終わりがないことは否定しない。その先に何があるかも答えない。
ただ単に、覚悟を決めました。

はるはる:
 「強く、優しく、美しくあること」
 「ずっとずっといつまでも」
 「強く優しく美しくあること」
 「それが私のなりたいプリンセス!」

恐ろしい結論です。何事も自分の力で為し、終わりなき道を行く、果てのない苦難の旅。

ですが、実のところ終わりはある。
彼女は「枯れない花」を否定している。「いつかは死ぬ」ことを肯定しています。
つまりは「死んだ時が道の終わり」。
これから先、辛く苦しいことがあっても、最期まで強く優しく美しくあれたなら、その時、彼女の夢は叶う。
大いなる満足と共に、あの世へと旅立つのでしょう。

ある意味、「終わり」を肯定し「永遠」を否定する「プリキュア」だからこその結論。
不老不死だったら心が折れますが、その前に死ぬのだから、精いっぱい努力すればいい。

春野さんがにっこりほほ笑んだのも、当然か。
別の見方をするなら、「一生この楽しい努力を続けられる」「続けていれば、最期には叶う」のだから。
夢や希望が絶望になるように、絶望もまた夢や希望になるのかもしれない。

(蛇足。先代プリキュアの様子を見ると、死後、何らかの霊的存在になれそうです。
 まさかそんな存在になってまで「枯れない花」に拘るとは思えませんので(自身も老けないだろうし)、その時こそが「夢が叶う時」とも言えます。
 まぁはるはるは、そんな打算はしていないでしょうけれど)

悟った彼女の一撃により、クローズさんらは撃退。お花の城も取り返しました。
残るはディスダーク本陣。しかしそこに突入するにはグランプリンセスになるしかありません。
うん、何かさっきは啖呵を切ったけど、いきなり現実的に「グランプリンセスになる」必要が出て来たな…。

そこにディスピア様の声が天から降ってきました。ホープキングダムを返してくれるそうです。やったぁ!
でも絶望は止まらないそうです。なぜならディスピア様御自ら、ノーブル学園を襲撃するから。
一同顔を見合わせ、こくりと頷く。なんか知らんが、開けられなくて困ってた扉から、親玉が出てきてくれた。
これ幸いと殴りに行こう。やはり絶望はまた、希望になるのかもしれないな。


(左画像)キャラクタースリーブ Go!プリンセスプリキュア キュアスカーレット (EN-150)


(右画像)Go! プリンセスプリキュアボーカルアルバム2

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昨年末のくどまゆさんのライブは盛況だったそうです。行けなかったのが悔やまれる…。
あと「結婚したい」と叫ばれてたとか。あの可憐なお嬢さんも、段々洒落にならないお年になりつつありますね。。

【今春のプリキュアさん】

オールスターズ映画の宣伝も公開されました。
美翔さんもクビにはならなかったようです。定位置の右上にちゃんといます。おめでたい。
超端っこにいますけど、なんか最近の彼女は妙な余裕を感じますね。
NSで一山当てて、苦手なダンスも克服して、出番の少なさにも「もう引退した身だから」と大御所気分で構えてる感じというか。。

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Go!プリンセスプリキュア 第46話「美しい…!?さすらうシャットと雪の城!」

2015年12月29日 | Go!プリンセスプリキュア感想
【年末のくどまゆ】

例によって宣伝。

 「SUPER TEUCHI MIX!! HELLO 2016」
 日時:12月31日 17時30分/22時30分
 会場:TSUTAYA O-nest
 出演:うちやえゆか、榎本温子、樹元オリエ、五條真由美
 ゲスト:昼の部・千葉一伸/夜の部・工藤真由、前田 愛
 (工藤真由さん公式ブログ

 「工藤真由・池田 彩 ツーマンライブ "Sweet & Bitter 3rd Stage"」
 日/場所:12月28日(大阪)/30日(東京)
 出演:工藤真由、池田彩
 (池田彩さん公式サイト

次世代プリキュアさんも発表され、いよいよ年も終わりです。
今年も一年間、ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

■Go!プリンセスプリキュア 第46話「美しい…!?さすらうシャットと雪の城!」

シャットさんは一人、寒風吹きすさぶ町中をとぼとぼと歩いていました。
生涯の主と信じたトワイライト様には裏切られ、同僚のクローズやロックからは見下され、とうとうディスピア様からまで見捨てられたのです。
もはや行くあてはない。生きる望みもない。最後に持っていたお花すらも略奪され、道行く人からは指さされ、もはや見る影もない悲惨な有様。

意思も目的もなく、ふらふらと彷徨う彼の前に現れたのは、巨大な雪のお城でした。
一目見て、すぐにシャットさんは理解した。これはホープキングダムを模した雪像だ。
それはとてもキラキラと輝いていて、荘厳な美しさを醸し出しています。
シャットさんは知る由もありませんが、このお城を作ったのはトワ様と取り巻く人々。
一人の夢を皆で支え合って作り上げた、まさしく夢の結晶。

その瞬間、シャットさんの中で何かが弾けた。
これほど辛く惨めな思いをしているのに、雪像までもが追い詰めてくるのか。

実際、シャットさんの何が間違っていたかというと、特に間違った要素はないのです。
確かにディスダークとして悪さはしましたが、クローズやロックと比べると(放送されている範囲では)軽微です。
特にトワイライト様付きになってからは、敵に対しても(主君に倣って)敬意や礼儀を発揮していたように思う。

それが何故。どうしてこうなってしまったのか。

海藤さんとの対比で考えると、「元の組織から出て、外を見に行って失敗した人」な感じなのかしら。
「海を知りたい」は、意味としては「海藤グループの枠から出て、世界や社会を知りたい」だと思うのですが、その流れでいうとシャットさんは「元のディスダークの地位から別の道に進んで、失敗した」んですよね。
見た目からの連想も踏まえると、「会社辞めてミュージシャン目指したけど失敗した」みたいな感じ。

果たして悪いのは彼なのか。それとも失敗者を認めぬ周囲なのか。

憎しみを込めた視線の先にいるのは、諸悪の根源たるトワ王女。
怒りに身を任せ襲い掛かるも、すぐに取り巻きがやってきて袋叩きにしてきます。
憎い。全てが憎い。どうして私は私のみなのか。

猛り狂って猫化もしてみますが、醜い姿に自尊心を折られ、物理的に城で押しつぶされただけ。
かつての主君がかける声も、今のシャットさんには届かない。
再びとぼとぼと去っていく彼の背中に、壊れた雪城を再建設する学生らの声が響く。
夢が壊れても、それを修復してくれる周囲の人たち。それがどうして彼にはないのか。
最後に手渡されたマフラーだけが、せめてもの救いですが…。これからどうなってしまうのだろう。。


(左画像)キャラクタースリーブ Go!プリンセスプリキュア キュアスカーレット (EN-150)


(右画像)Go! プリンセスプリキュアボーカルアルバム2

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


年の終わりの最後の回が、敵幹部メインで、しかも完結していない。なんたることだ。

シャットさんには是非、復活してもらいたい。
トワ様の専用ED「どの過去も生きる力に」は、まさしく彼のためにあるような歌詞だと思うんですよ。
シャットさん視点ではトワイライト様に仕えた過去も、トワ様視点ではディスダーク時代の部下も、生きる力になるはず。いや、生きる力にして欲しい。。

【来年のプリキュアさん】

新しい娘さんたちが発表されました。おめでたい。これで落ち着いて年を越せます。

新人さんはとても愛らしいです。ありていに言えば、エロス。
例年「動けば可愛い」と評されることも多い新人さんですが、これは素直に可愛いです。
むしろ「ごく普通に可愛い」ので、若干特徴に欠けるんじゃないかと心配なくらい。
良くも悪くも、ゲストキャラ的な落ち着いた完成度を感じるというか…。

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Go!プリンセスプリキュア 第45話「伝えたい想い!みなみの夢よ大海原へ!」

2015年12月27日 | Go!プリンセスプリキュア感想
【年末のくどまゆ】

例によって宣伝。

 「SUPER TEUCHI MIX!! HELLO 2016」
 日時:12月31日 17時30分/22時30分
 会場:TSUTAYA O-nest
 出演:うちやえゆか、榎本温子、樹元オリエ、五條真由美
 ゲスト:昼の部・千葉一伸/夜の部・工藤真由、前田 愛
 (工藤真由さん公式ブログ

 「工藤真由・池田 彩 ツーマンライブ "Sweet & Bitter 3rd Stage"」
 日/場所:12月28日(大阪)/30日(東京)
 出演:工藤真由、池田彩
 (池田彩さん公式サイト

いよいよ来週です。気が付けば今年ももう終わりか…。

■Go!プリンセスプリキュア 第45話「伝えたい想い!みなみの夢よ大海原へ!」

ノーブル学園でクリスマス会が開かれていたその頃、シャットさんは上司から罵倒されていました。
年の瀬のこの忙しい時期に、メイクがどうのとご注進してきたのです。
今のお国の状況を分かっているのでしょうか。これにはさすがのディスピア様も一言。

ディスピア様:
 「愚かな…」
 「なぜこうなってしまったのか。。」

本当に、もう溜息しか出てこない。
普通なら即処断されてもおかしくはない有様でしたが、それでも最後のチャンスが与えられました。
ディスピア様はつくづくお優しいですね…。望めばトワイライト様付きにしてあげ、その後行き場をなくした彼をクローズ付きにしてあげ…。
シャットさん、少しはこの期待に応えてあげられるのかしら。。

一方のノーブル学園。先日結論を出したはずの海藤さんは、やっぱり悶々としていました。
新しい夢のことを、ご両親に打ち明けられないでいたのです。
期待に応えられない…。私はなんて親不孝なのだろう…。
その責任感の強さを、もう少しシャットさんは見習って欲しい。

悩んで悩んで思い悩んだ末に、お兄様にも相談し、その勢いでご両親にもご報告。
いざ告白してみたら、ご両親はむしろ歓迎してくれました。
自分のやりたいことをやる。大いに結構結構。

…とシナリオ的にはさっくりと終わってしまいました。

「海の生き物を知りたい」がメインの理由なのだから、海藤グループに籍を置いてても叶えられる(「海に潜った時の浮遊感が好き」とかではない)。だから「夢は二者択一ではない」的な展開になるのかとも思ったのですが、そういった展開ではなかったみたい。

劇中のストーリーだけでいえば2話もかけてやるような中身でもない。これまでの展開を見る限り、親御さんが反対するわけがないのだから。
ですが多分、海藤さんの言う「海を知りたい」はそのまんまの意味ではないんだろうな。

シャットさんとのやり取りは、劇中の設定だけだとちょっと不自然です。
特に「海からは絶望もやってくる」の下り。海藤さんが海難事故や危険を理由にしり込みしていたのならともかく、そんなことはない。
そもそも彼女の新技からしてメイルシュトロームですしね。どちらかといえば海難事故を起こす側ですよ、積極的に。

おそらくここでいう「海」とは、「広い世界」とか「外の社会」といった、全般的なことを指してるのだろうと思う。
意味としては「子供の頃からの夢を一旦、白紙にして、外の世界を見に行きたい」と同義かと。
前話の先生とのやり取りや、彼女の専用EDの歌詞「この胸の答え知りたい」なども、その流れじゃないかしら。

その面でいえば、「夢を捨てる」というかなり特異な話だったように思えます。そして夢がテーマなら、非常に大事な要素だったとも思う。
子供の頃の夢をそのまんま貫くのが貴いかというと、そうでもないものな。
そもそも知識が少ないのだから、何をやりたいかなんてわからないし。

それを踏まえて。対峙するシャットさんに当てはめると、彼の夢は「トワイライト様に仕えること」。
この夢は潰えたけれど、全く予期せぬネコからの一言で広い世界を知った(海藤さんは潰えたわけではないから、対称ではないけれど)。
当初の夢から変わったシャットさんに対するディスピア様の冷たい反応は、海藤父母の暖かい歓迎との対比とも思えます。

その彼が次回、どう動くのか。シャットさんのストーリーにはずっと期待していたので、次回は本当に楽しみです。
今のところ、春野さんに対するクローズさん(自分に期待をかけてくれる存在にひたすら尽くす)や、天ノ川さんに尽くすロックさん(親越えを狙うあまり、本当に下剋上してしまった)はバッド展開なので、シャットさんもいささか心配はありますが…。


(左画像)キャラクタースリーブ GO!プリンセスプリキュア キュアマーメイド (EN-02)

(右画像)Go! プリンセスプリキュア後期主題歌シングル【CD+DVD盤】

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


【クリスマスの七瀬さん】

春野・海藤・天ノ川・トワ様の4人組による挿入歌。大変に素晴らしい。
そしてその輪から外れた七瀬さん。大変に侘しい。

視聴者的に「あの4人はプリキュアだから」。制作的にいは「4人で唄ってる歌だから」と理由はあるにはあるのですが…。
劇中の第三者からすれば、「いつも一緒にいる『5人』なのに、『4人』だけで唄ってる」としか見えません。
好意的に見れば「腹話術をやりたかったから外れた」でしょう。でも多分こう思われてますね。「まぁやっぱりあの4人とは違うよね」と。
春野さんは「お付きの人A」から脱しましたが、七瀬さんはいまだに「お付きの人B」の立ち位置で認識されていそう。。

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Go!プリンセスプリキュア 第44話「湧き上がる想い!みなみの本当のキモチ!」

2015年12月20日 | Go!プリンセスプリキュア感想
【年末のくどまゆ】

例によって宣伝。

 「SUPER TEUCHI MIX!! HELLO 2016」
 日時:12月31日 17時30分/22時30分
 会場:TSUTAYA O-nest
 出演:うちやえゆか、榎本温子、樹元オリエ、五條真由美
 ゲスト:昼の部・千葉一伸/夜の部・工藤真由、前田 愛
 (工藤真由さん公式ブログ

 「工藤真由・池田 彩 ツーマンライブ "Sweet & Bitter 3rd Stage"」
 日/場所:12月28日(大阪)/30日(東京)
 出演:工藤真由、池田彩
 (池田彩さん公式サイト

行けないと分かっていても、どうにも行きたくて仕方ない…。

■Go!プリンセスプリキュア 第44話「湧き上がる想い!みなみの本当のキモチ!」

海藤さんは悩んでいました。来年から3年生。進路について諸々決めないといけません。
元々彼女の夢は、海藤グループを盛り立てていくこと。
だけど先日の出会いを通じ、海洋生物専門の獣医さんに憧れていたのです。

幼い頃からの夢。周囲からの期待。
それらを曲げて、別の夢を持ってもいいものなのか。
春野さんや天ノ川さんの突き抜けぶりを見ているだけに、海藤さんの心には悩みが生じます。

悩みに悩んで、何気なく進路の先生に聞いてみました。先生の小さい頃の夢は何でしたか?
答えは意外な物でした。アイドルに警察官に漫画家。見るからに教師然とした人だっただけに、聞いた海藤さんもびっくり。
でもそんなものなんです。夢なんて変わるものだ。根っこが歪んでいなければ、それはそれで良い事なんです。

悩みを深める海藤さん。
ですが、妙な絡み方をしてきた天ノ川さんにキレてみたり、空気読めずに「進路は地獄のみだ」とか言ってきたシャットさんにキレてみたり、惰弱さを見とがめたフローラさんにキレられたりする内に悟りました。
そうだ、やりたいことをやろう。私は海の生き物のことをもっと知りたい…!

一方その頃、ホープキングダムでは第三の城が輝きを取り戻していました。
目撃したカナタ王子も唖然。地上では今、何が起こっているんだ。。

夢に覚醒したマーメイドさんによりゼツボーグは駆逐され、さあ夢に向かって頑張ろう!
他の二人は前後編で悩んだりしましたけど、そこは上級生、ちゃんと1話で完結して見せました。めでたしめでたし。


(左画像)キャラクタースリーブ GO!プリンセスプリキュア キュアマーメイド (EN-02)

(右画像)Go! プリンセスプリキュア後期主題歌シングル【CD+DVD盤】

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


…となるかと思いきや。
まさかの後編に続く。この流れは新しい。

個人的な好みも交えての感想ですが、海藤さんのこの結論で万事解決…とは思えない。

そもそも彼女の悩みがよく分かりません。
あくまで「海の生き物のことを知りたい」なのですから、自分が最前線で海に潜る必要はないはずです。
「海に潜ることそのものが好き」ではないんですよね、彼女の動機は(「一人になれる静けさが好き」とか「水に浮かぶ浮遊感が好き」とかがメインではない)。

彼女の持って生まれた環境や、これまでの努力や能力の方向を考えると、「獣医や生物学や環境系の学問を修め、海藤グループをバックに関連会社や組織を設立、現場の人々を支援し情報を収集、研究する」方が向いています。向いているし、実戦的だし、よりよく「知る」ことができる。
北風さんのポリシーとして「縛られるのは嫌」があるので、専門会社を立ち上げてもお抱え獣医にはなってくれなさそうですが、彼女を手元に置きたいわけではないのですから特に問題はないでしょう。
海藤グループの呪縛から逃れたい…等も特にはないのですから、二者択一のように悩むことに違和感があります。

来週の展開としては、父母兄がそういった未来を指し示すとかかしら…?

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Go!プリンセスプリキュア 第43話「一番星のきらら!夢きらめくステージへ!」

2015年12月07日 | Go!プリンセスプリキュア感想
【年末のくどまゆ】

例によって宣伝。

 「SUPER TEUCHI MIX!! HELLO 2016」
 日時:12月31日 17時30分/22時30分
 会場:TSUTAYA O-nest
 出演:うちやえゆか、榎本温子、樹元オリエ、五條真由美
 ゲスト:昼の部・千葉一伸/夜の部・工藤真由、前田 愛
 (工藤真由さん公式ブログ

 「工藤真由・池田 彩 ツーマンライブ "Sweet & Bitter 3rd Stage"」
 日/場所:12月28日(大阪)/30日(東京)
 出演:工藤真由、池田彩
 (池田彩さん公式サイト

先週のミュージカルに行ってきました。感想もその内書くつもり。

■Go!プリンセスプリキュア 第43話「一番星のきらら!夢きらめくステージへ!」

前回。モデルの仕事をぶっちぎった天ノ川さんは、業界を干されていました。
しかしそこで挫けないのが我らが天ノ川さん。周囲の心配をよそに、我の選択に悔いなしと前を向きます。
これからはプリキュア業に専念しよう。むしろこれで良かったのだ。

たかだか飛行機を1本乗り損なっただけで、どうしてショーに出られなかったのかは謎です。
普通に何便もあるでしょうし、リハやら準備やらを考えれば、多少の日程の余裕はあるはず。
まぁ現実に出られなかったのですから、何か理由はあるんでしょう。同じ飛行機の便にお偉いさんとか記者さんが同乗することになっていて、会談や取材を兼ねていたとか。それに遅刻してしまったので、別の便でも出演自体は間に合ったのだけど、先方の不興を買って拒否されたとか。

だけど捨てる神あれば拾う神あり。以前にお仕事した方から大きなチャンスを貰えました。
ところがそれでも天ノ川さんは拒否。あたしはプリキュアをやるの!中途半端はやだ!
嗚呼、完全にこじらせておられる…。

そこではるはるらは一計を講じました。みんなでお手製ファッションショーをやって、元気づけよう!
はるはるの人脈が火を吹いて、あちこち皆に声かけて、恐るべき行動力で形にしていきます。

そして迎えた当日。一体これをどうやって秘密裡に準備したのか。
豪華な舞台の幕が上がり、集まった皆々様が思い思いの衣装で晴れ舞台を練り歩きます。
テーマは「夢」。それぞれが描く将来の夢の姿に扮装して、皆でお互いを励まし合って歩いていく。

出演者の皆様は気づいていませんが。
これは結果的に、かつて夢を守ってもらった人たちが、守ってくれた天ノ川さんに、その守ってもらった己の夢を高らかに見せている。
守ってくれてありがとう。私たちはもう大丈夫。だから自分の夢のために先に進んでくれ。私たちも、すぐに行くから。

天ノ川さんはこの場にいる誰よりも、具体的に夢を叶える手段を突き進み、実際に結果も出した。
プリキュアとかモデルといった華やかな要素とは別に、「夢を叶える」という面で一歩先に進んでる。
ちょっと外れた例えをするなら、早々に進学や就職を決めた級友を、これから受験を控えた皆が祝福してる感じでしょうか。

仲間からのエールに応えない天ノ川さんではない。この計らいに彼女もステージに立ち、圧倒的オーラで盛り上げます。
そして天高く指さし、力強く宣言なさる。
あたしは一番星のきらら。上がるハードル、スポットライトに飛び込め!勇気試す今日は、きっと明日を変えるためにあるのだから!

これに呼応し、ホープキングダムのどこぞの城が輝きだしました。
たまたま通りかかったカナタ王子もびっくり。戦乱を生き延びていた馬もびっくり。
慌ててディスピア様が分身を送り込んできますが、天ノ川さんの壮絶なる肉弾戦の前にあえなく消滅。
はるかな昔に見たエターナルの雷竜ホシイナー以上の強敵に見えたのですが…、天ノ川さん、怖い。

そのまま止める間もなく、謎の城も復活。
恐るべき力により、異世界に居ながらにしてホープキングダムの領土奪還を成してしまいました。
若干ご都合主義のような気がしないでもない。でも、そもそも夢は自分一人で完結しているものでもない。
天ノ川さんの夢だって、母親の夢とリンクしていますし、今回のお話に出てきた皆々様の夢とも同様。
彼女の夢が輝くことで、夢の王国が力を取り戻すのは、自然な流れだったのかもしれない。問題があるとすれば、トワ様の立場が危うくなるくらいで。

煌びやかな復活を遂げた天ノ川さん、先日の話を具体的に進める決意をします。
海外で、お仕事をする。
必然的にプリキュア業は辞めることに。そのためには、目下の問題、ディスダークを滅亡させよう。期限は来年の春です。
ディスダークにとっては、女子中学生様の進路の都合で攻撃されるとは気の毒ですが、夢が天敵であることを思うと、極めて具体的な目標を掲げられてしまうのは恐怖だろうな。。


(左画像)キャラクタースリーブ Go!プリンセスプリキュア キュアトゥインクルB (EN-149)

(右画像)Go! プリンセスプリキュア後期主題歌シングル【CD+DVD盤】

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


専用EDの『上がるハードル』って歌詞は、とても彼女らしいと思う。
普通ならここは「幕が上がる」とかでしょうに、ハードルが上がってく。
その上がったハードルを、勇気をもって越えていくんだよな。なんて格好いい…。

【来週のプリキュアさん】

次回は海藤さん。ファッションショーでは司会を担当し、己の夢を提示するのは避けていらっしゃいました。
煌めく天ノ川さんの姿を見て、一瞬、顔を曇らせるとか、なかなか描写が細かいです。
正直なところ、彼女の悩みは悩みとして成立していない気はする。家業と海洋保護は矛盾しなかろう。

他の3人と比べると、専用EDもいまいち核心をついていません。
「この胸の答え知りたい」と言われましても。。
それだけに次回は気になる。どんな答えを用意しているのかしら。

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Go!プリンセスプリキュア 第41話「ゆいの夢!想いはキャンバスの中に…!」

2015年11月29日 | Go!プリンセスプリキュア感想
【年末のくどまゆ】

例によって宣伝。

 「SUPER TEUCHI MIX!! HELLO 2016」
 日時:12月31日 17時30分/22時30分
 会場:TSUTAYA O-nest
 出演:うちやえゆか、榎本温子、樹元オリエ、五條真由美
 ゲスト:昼の部・千葉一伸/夜の部・工藤真由、前田 愛
 (工藤真由さん公式ブログ

 「工藤真由・池田 彩 ツーマンライブ "Sweet & Bitter 3rd Stage"」
 日/場所:12月28日(大阪)/30日(東京)
 出演:工藤真由、池田彩
 (池田彩さん公式サイト

30日のライブには行きたかったけど断念。実に侘しい。
本日11月29日のミュージカルが、本年ラストくどまゆになりそう。

■Go!プリンセスプリキュア 第41話「ゆいの夢!想いはキャンバスの中に…!」

先日、ホープキングダムに橋頭保を築いた一行。
現場に居合わせた民間人・七瀬さんはいたく感動し、その様子を絵にしたためました。
こういう名もなき記録人のおかげで、後世の我々も当時の様子を知ることが出来るのです。

七瀬さんのこの頑張りを見たプリンセスたちは、ちょうど行われるコンテストへの応募を勧めます。
この手の無邪気な推薦が、一般人の心を折るんです。美翔さんがいい例です。
案の定、最初はやる気だった七瀬さんも、何を描いていいか分からなくなってしまいました。
自分の描きたいものを一人で描くのと、人に求められて描くのでは違うのです。美翔さんがいい例です。

悩んだ七瀬さんは学内を徘徊します。そこには夢を目指して奮闘する皆々様が。それに引き換え私は…。
七瀬さんの悩みは深まります。嗚呼、大人しく無名のモブのままでいれば、こんなことには。。
夢はこうやって心を追い詰めるのです。どこぞの鳥のような「春→キャベツ→お祖母さん」のような迷走を引き起こすのです。

迷い迷った七瀬さんは、たまたま理事長さんが子供に絵を教えている現場に遭遇します。
理事長さんと言えば絵本作家さんです。七瀬さんの憧れる人物です。
その絵画教室の様子を見ていると、お日様を七色に塗っているお子様が。
怪訝に思って問いかけたところ、「だってその方が可愛いから」。
そう、どんな風に描こうと自由なのです。ここでいう「自由」と「適当」は違うし、私のような下手はその辺が良く分からないのですが、とにかく違うのです。

この邂逅に、七瀬さんは情熱を取り戻しました。そして夢を持つと絶望がやってくる。
やってきたディスダークにより、七瀬さんは幾度目かの標的に。
伊達に何回も被害にはあってない。七瀬さんは懸命に抵抗しますが、無念。またもやゼツボーグに。

されど七瀬さんの心は折れなかった。否、折れはしたのですがそこで終わりではなかった。
閉じ込められた檻の中、駆けつけたプリキュアさん達の奮闘の声に目を開き、懸命に己が使命を奮い立たせます。
私はあれを描かねばならぬ。かような檻でうずくまっている場合ではない。
がしりと檻を掴むと腕力で引きちぎり、絶望からの帰還を試みます。動きを止めるゼツボーグ。すかさず技を叩き込むプリンセスども。
そう、描きたいのです。あの強く優しく美しいプリキュアの姿を…!

後日のコンテスト。七瀬さん作によるプリキュアさんの絵は実に輝いていました。夢を守り、人々を笑顔にする絵。
元々守られている側だった春野さんらが、守る側になってるのは感慨深い。
そして絶望を自力で破り、この絵を描いた七瀬さん自身もまた、守る側になったんだろうな。「プリンセス」さんの1年が結実していく。


(左画像)映画プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪(Blu-ray特装版)

(右画像)Go! プリンセスプリキュア後期主題歌シングル【CD+DVD盤】

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


子供たち(プリキュアも含めた)を逃がそうとする理事長先生は良いですね。
先日の海藤父もそうでしたが、夢を支える大人の存在を描いている本作は、こういう(ある意味面倒くさい)一幕は大事だと思う。

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Go!プリンセスプリキュア 第39話「夢の花ひらく時!舞え、復活のプリンセス!」

2015年11月15日 | Go!プリンセスプリキュア感想
【今冬のくどまゆ】

例によって宣伝。

 「SUPER TEUCHI MIX!! HELLO 2016」
 日時:17時30分/22時30分
 会場:TSUTAYA O-nest
 出演:うちやえゆか、榎本温子、樹元オリエ、五條真由美
 ゲスト:昼の部・千葉一伸/夜の部・工藤真由、前田 愛
 (工藤真由さん公式ブログ

大晦日というひどい日程に、TEUCHI+くどまゆとひどい豪華イベントです。
くどまゆさんの合流は、2010年のTEUCHI以来…だったと思う。実に5年以上。
行きたいがさすがに行けないのが悔しい限り。

■Go!プリンセスプリキュア 第39話「夢の花ひらく時!舞え、復活のプリンセス!」

憧れの王子様に夢を否定され、絶望に浸る春野さん。その背後では絶望の森がわんさか育ちまくっていました。
たちまち飲み込まれる街。地獄絵図に民間人が絶望し、連鎖反応でゼツボーグが誕生。もはや打つ手がない惨憺たる有様です。
トランプ王国の壊滅を連想しますね…。絶望とかで兵隊を調達できる連中は厄介だ。。

もちろん天ノ川さんらも応戦します。みーてぃあはみんぐ!
しかし数が多すぎます。1個1個、鍵開けて回らないといけないのは非効率すぎる…。
そして苦戦するその中で、この事態のきっかけを知ります。王子が春野さんに止めを刺したからだ。嗚呼、娘っ子らの王子への視線が辛すぎる。

一方その頃。道端でぐったりしていた春野さんも、事態収拾のためにのろのろと現場に向かい出します。
だけど変身アイテムをいじくっても、プリキュアさんになれません。
こうしてみると、ただのプラスチック玩具にしか見えないから不思議。

私はもうプリンセスになれないのか。春野さんは嘆きます。ここで「プリキュアになれない」と嘆かないあたり、彼女のプリンセス愛は筋金入り。
しかしそこでふと春野さんは思います。そもそも何でプリンセスになりたかったんだろう。

幼女春野さん:
 「だって、可愛いから」

ぐうの音も出ない直球です。だって可愛いから。うん、ならば仕方ない。だって可愛いもんね、プリンセスは。(ヒメルダさんを眼前に押し出しつつ)

幼女はるはるの、あまりに単純明快過ぎる言い分に、現はるはるは頭を抱えます。
あ、あたしはそれだけのことで今の今まで悩んでいたのか…。
ですが、その「それだけ」のことは彼女の人生の大きなウェイトを占めてきたのです。
確かにきっかけはアホの子だったのかもしれない。
でも「プリンセスになる」夢そのものは、とても大きくて美しい。そして何より…

春野さん:
 「夢があったから皆に出会えた」

クローズさんは言った。夢のせいで孤独になると。
しかしそもそも、その夢のおかげで人と出会えているのです。夢がなければ、そのまんま孤独だっただけ。
(別の言い方だと「出会わなければ、別れもなかったのに」みたいなものかしら)

幼はるはるが抱いた他愛もない夢が、彼女を難関・ノーブル学園入学に導き、異様なまでの人脈やスキル取得をもたらしました。
それができたのは、周囲が彼女の夢を守ってくれたから。そしていまや彼女の夢は大きく育ったのです。たとえ周囲が離れたとしても、自立できるまでに。

むくりと顔をあげた春野さんの目には最早迷いはなく。
ちょうどそこに王子がやってきますが、春野さんはびしりと言い放ちます。
止めてもプリンセスになるからね!決めたんだからね!
なんか王子としては立場がないですが…。いや彼も応援するつもりでやってきたのに。あとちょっと悩んでいてくれれば、格好もついたのに。。

すっくと立った春野さんは、びしりと玩具を一捻り。盛大に変身なさると敢然と絶望に立ち向かいます。
なぜ春野さんは変身できたのか。直接的には「夢が電池替わりだから」でしょうけれど、「プリキュアとは何か」等々を考えていくと、色々とこじつけられる気はする。ちょうど「春のカーニバル」でも不可解パワーで変身に繋げていますし。

立ち直った春野さんは、それはもうクルクルと戦います。
襲ってきたクローズさんは強いですし、お供の二人に加えてシャットさんまで襲い掛かってくる中。空を舞い、玩具を打ち鳴らし、それはそれは艶やかに。
この戦闘シーンは本当に美しいな。啖呵を切って圧倒的優勢になるでもなく。空を飛べないので落下しながらの戦いだし、玩具も何度も失敗してる。
決定打が「仲間ふたりから託された玩具」で「渡した直後に仲間は離脱」というのが、「周囲に支えられてここまで来た」を見事に表してるなぁ…。

あと、はるはるの覚醒に影響を受けたか、王子も記憶を取り戻しました。夢を与える側だった王子が、夢を与えられて復活…は、これまでのシリーズの流れを思うとなかなか熱いのですが、如何せん小娘どもの視線が辛い。王子は基本的に悪くないはずなのに。。


(左画像)映画プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪(Blu-ray特装版)

(右画像)Go! プリンセスプリキュア後期主題歌シングル【CD+DVD盤】

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


【今週の星】

王子を助けに来て一言。

天ノ川さん:
 「何がどうなってるの!?」
 「…って分かるわけないか」

まぁそりゃ分かるわけないですよ。記憶ないですし。記憶あったとしてもいきなり森が生えて来たんだし。ええ分かるわけがないんですよ。でもなんか冷たくないですかね、その「はいはい、横で大人しくしてて。無能なんだから」みたいな投げやり感。

【今週の姫】

はるはるを助けに来て一言。

トワ様:
 「まったく、あなたは」
 「落ち込んでいたと思ったら」
 「一人で立ち直るなんて…!」

この台詞、対戦相手がシャットさんだったこともあり、彼に対して言ってるのかと一瞬勘違いした。
ちゃんと意味は通るんですよ。あれほどトワイライト様を慕って泣いていたのに、いつの間にか普通に戦線に交じってるシャットさんに「あなたは本当に身勝手だ」と。忠臣の復活を称える姫の貫録とも、裏切りに対する叱責ともとれる。

ストーリー的には、シャットさんが出てくる必要がなかったことも思うと、二重にかけていたりするのかな。というか、そうであって欲しい。

【今週のED】

いきなり唐突にレフィさんが招待されてた。油断も隙もありゃしない。

そしてこれにより「最終回以外で特殊EDを流したのは美翔さんだけ」の記録が破られました。お気の毒に。
いや、ちゃんと記憶をたどってないので間違ってる気もしますが、すぐに思い出せる範囲では。
(夢原さんの失敗ガンバランスは別として)

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Go!プリンセスプリキュア 第38話「怪しいワナ…!ひとりぼっちのプリンセス!」

2015年10月25日 | Go!プリンセスプリキュア感想
【今年のプリキュアさん】

映画が10月31日から公開です。
1時間どころか2時間枠の長編を見たかった身としては、3本立てには微妙な感じも持っていたのですが…。
こうして延々と流される宣伝OPを見ているとテンション上がりますね。ドレス貴婦人のどてっぱらを容赦なく殴るはるはるとか、特に。

■Go!プリンセスプリキュア 第38話「怪しいワナ…!ひとりぼっちのプリンセス!」

今日も今日とて街中で、建物吹き飛ばし人民をなぎ倒し、プリンセス様一行とディスダークの戦いが繰り広げられます。
負けるな、はるはる。頑張れ、はるはる。
こうして下々の者共の夢を乗せ、はるはるは敵を撃退なさりました。めでたしめでたし。

そして、その様子はクローズさんに密やかに観察されていました。
平和なハッピーエンドの裏側で、絶望は潜み育っていくのです。

あくる日。
お花のお世話をしている春野さんのところに、一人の男子が話しかけてきました。
あの、馴れ馴れしいけどどちら様ですか?
え~!知らないの?ショックだなぁ。ほら隣のクラスの…
あ、えっと!うんうん、知ってる知ってる~
こうしてあっさりとクローズさんは潜入に成功しました。

その後もクローズさんはちょろちょろと姿を現し、実に手際よく春野さんを懐柔していきます。
夢って大事だよな!応援してるよ!
はるはる、ちょろい。これ、完全に早い者勝ちの勝負だったんだな…。

天ノ川さんはお仕事で南の島へ。
海藤さんも母の代理で社交場へ。
七瀬さんはクローズさんと一緒にデート。

残るトワ様は、七瀬さんの不純異性交遊に眉をひそめ、同行することに。
正しい判断です。春野さん狙いと見せかけて、流れるように七瀬さんといちゃつく野望を阻止しました。
まぁ敵さんの目的を考えると、結果的には失敗でしたが。。

みんなそれぞれの夢のために、それぞれ出かけていきました。
残った春野さんは、一人ぽつん。
気が付けば動物共もどっかに行ってしまいました。なんか、寂しいな…。

そこにやってくるクローズさん。
ご丁寧に、周囲に人がいないところにまで誘導してから正体を明かし、襲い掛かります。
街中で戦うと、通りすがりの人がミラクルライトを振りかねないからな。。

完全に孤立したはるはるに対し、クローズさんは投げかけます。
一人になってしまったのは何故か。それは皆が夢を目指して自分の道を進んだから。
夢を応援すればするほど、自分は一人になってしまう。

この問題は、かつて夢原さんたちも遭遇しています。夢原さんというか、主にレモネですが。
夢を目指して一直線に進めば進むほど、日常の周囲は切り捨てられてしまう。
かといって皆で一緒にオーディションやら舞台に立つことはできない。

そして夢原さんが遭遇したということは、我々は既に解を知っています。
それぞれの道を進んだとしても、私たちは一人ではない。
そうやって、どこか遠くで己の道を進んで頑張っている仲間がいることは、私たちの励みになる。
象徴たる夢原さんが諦めないのなら、たとえ彼女が近くにいなくても頑張れる。
だから表面的な揶揄に惑わされ、立ち止まっている暇なんてないのです。だってドリームが呼んでいるんだから。

…といったわけで。
はるはるはすらすらと解を口にし、反撃に出ました。
春に先輩方に会った時に色々教えてもらったもんね。さあ、お覚悟はよろしくて?

ですが。この解には決定的な欠陥があった。
もしもその頑張りを、周囲が望んでいなかったら?自分の頑張りこそが、周囲を絶望させていたら。

夢を目指して頑張る姿を見たら、応援したくなるのは人の常。
でも夢を目指してボロボロになってる姿を見たら、もういいんだと止めるのもまた自然な成り行き。
ましてそれが、「自分が応援しているから」だったなら尚更です。

駆けつけたカナタ王子が見たものは、ズタボロになりながら応戦する春野さんの姿。
彼女はしきりに口にします。かつて王子に励まされたから、今こうして夢を守るために戦えると。
記憶を失った今、客観的に見れば何とも酷い話です。だから彼は言いました。

王子:
 「夢が君を追い詰める」
 「君をそうさせている原因が、僕にあると言うのなら」
 「僕が間違っていた」

普段の春野さんなら「そんなことない!」と自分の夢を抱きかかえて反撃に出たかもしれない。
でも直前に彼女は見てしまった。
自分の姿を見て絶望する、カナタ王子の顔を。

自分の夢は望まれておらず、そこを目指すことは大切な人を絶望させる。

その瞬間、はるはるの変身は解けていました。
様子を見ていたクローズさんもご満足。どこの誰か知らないが、なんか良く分からない内に止めを刺してくれたぜ!
そして絶望の森がわんさと芽吹き、以下、次回へ。


(左画像)映画プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪(Blu-ray特装版)

(右画像)Go! プリンセスプリキュア後期主題歌シングル【CD+DVD盤】

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


連れ出されたということは、七瀬さんもちゃんと敵に戦力として認識されてるんですね。デートかと思ってときめいた純情を返してあげて欲しい。

【今年のプリキュアさん】

かつてトワ様は国民のアイドルだった。トワ様の夢や存在が国民に希望を与えていた。
でもその希望が大きければ大きいほど、トワ様にはプレッシャーになる。
結果、彼女は一旦はそれに負け、絶望した。

これが「夢が絶望を招く」かと思っていたのだけど、それだけじゃなかったのか。
確かにこの状況なら、当然、国民はこう思う。自分たちの応援が追い詰めてしまうのなら、いっそ夢は諦めてくれ。

ちょっと近いところでいえば「ドキドキ」さんが似たことをしてた。

幸せの王子の願いを叶えるために、ツバメさんは犠牲になった。
最終決戦にて、相田さんが敵陣に突っ込むために、自らをツバメと自負する菱川さんらは足止め玉砕していった。
トランプ国王のために捨てられた国民や、王女様に負担をおわされた岡田。映画のマシュマロの件もそうです。
夢や願いを叶えるために、犠牲になった。ではそれを犠牲になった者たちは恨むのか?

だけど「プリンセス」さんはそこから更に厄介なことに、「幸せの王子がそれを望まなかったとしたら?」なんだよな。
さあ頑張るぞと宝石を口にくわえたツバメに向かって、「いやいい」「僕が間違っていた」と言われたら、ツバメさん的にはどうしようもありません。
ああ、うん。すみません。この宝石、戻しますね。まだ南の国に渡る便、残ってるかしら…。

自分自身ではなく、他者の判断が入ってるのがきついなぁ…。
夢原さんがディスダークと戦っていたら、瓦解していたんだろうな。
ナイトメアは「その夢を叶えることは(あなたにとって)意味がない」の方向だったけど、ディスダークは「その夢を叶えることは(周囲にとって)絶望だ」か。
ただ、ココはたとえ夢原さんが玉砕することになっても、彼女の意思を尊重する覚悟がありそうな気はする。したがって前提たる「周囲にとって絶望だ」を満たさず、乗り切れそうな気も。

相田さんも強靭なる精神力で、このハードルを乗り越えていらっしゃいました。君を信じる。ために戦う。
「幸せの王子」たるもの、「ツバメ」の覚悟を汲み取る度量が必要だ。
その意味だと、今作は「菱川さん視点のドキドキ」ともいえるのか。幸せの王子=相田さん=カナタ王子、ツバメ=菱川さん=春野さん。

カナタ様はまだちょっとお若かった。なまじ自分が武器持って前線に行くタイプだっただけに(そのことは忘れていますが)、この状況はきつかろう。「幸せの王子」としては未熟なんだな。人情としては正しいけれど。
春野さんからしてみれば「プリンセスになる」は周囲の期待であると同時に、元々の自分の夢でもある。だからこそ「じゃあ止めるね」とも割り切れない。
この問題、どう解決するんだろうなぁ…。

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