【今週の南】
番組冒頭の「提供」枠。携帯サイトの待ち受け画像によれば、クリスマス会の様子だったそうです。
それはいいとして、よくよく見ると何やら愉快。
北条さんは思い出のピアノを演奏。エレンさんはキーワード能力のギター。アコさんはお唄。
そして南野さんは、タンバリン。
それも物凄く楽しそうに。
ええ、タンバリンを侮辱するつもりはないですけれど。音楽の使途に混ざり込んだ食物の使途の辛いところ。
■スイートプリキュア♪ 第44話「ドレラド~♪聖なる夜に生まれた奇跡ニャ!」
不幸のメロディが完成しました。メロディさんたちの失態により。
これにて世界は終わり…と思われたのですが、その兆候もなく。
凄いぞ世界。意外と頑健だった。
それに何と言っても明日はクリスマス。
街中が華やいでいます。
そしてとうとう、音吉さんのパイプオルガンも完成しました。
調べの館に続々と集結する人たち。
第1話ではたった一人で北条さんが膝を抱えていたこの場所に、どんどん人が増えて行く。
当初のがらんとした雰囲気とは随分と変わりました。
今にして思えば、調べの館は廃墟でも何でもなく、普通の音楽施設のようなので、単に北条さんが勝手に陰鬱な空気を作りだしていただけのようですけれど。
南野さんと喧嘩してたあの1年、北条さんはずっとああだったんですかね。音吉さんのパイプオルガン製作の邪魔にならなかったかしら。
南野さん:
「不幸のメロディを聞いてもいないのに暗い顔をしていたら」
黒川さん:
「それこそノイズの思うつぼだわ」
良い言葉です。
世界にはなんだかよく分からない不安や災難が満ちている。
だけど実際に不幸がやって来る前に、不安がって勝手に不幸になる必要はない。
で、実際にやってきた「不幸」ことファルセット様。
今まで不幸のメロディを唄わなかったのは、クリスマスを楽しみに待っておられたからのようです。お茶目さんだ。
ご自慢の高い声で、高らかに「不幸のメロディ」を唄いあげる…!
が、土壇場で完成していたパイプオルガンのおかげで場は拮抗。
凄いです、音吉さん。伝説の「不幸」相手に五分の勝負です。
惜しむらくは後一日完成が早ければ…。そうすればノイズ様を粉砕できる破壊力だったのに…。
メロディさんが後一日頑張って時間を稼げていれば…。
北条さんが調べの館を鬱の逃避行にせず、音吉さんの作業の邪魔をしていなければ…。
北条さん達が見守る中、「メイジャー」と「マイナー」が火花を散らす。
ですがそこにやってくるノイズ様。一声の元に「メイジャー」を妨害。
これは酷い。「マイナー」には「メイジャー」で競い合えても、単なる「雑音」はぶつかり合いようもない。
そこに降り注ぐ「マイナー」。このコンボは、酷い。
今日の話は、端々で演出が物凄い。
不幸を吸い上げて、ノイズ様がついに完全復活。
一見ドラゴンっぽく見えますが、ちゃんと鳥です。手が羽根になってる。
やっぱり鳥は邪悪の象徴なんだ。
不幸のメロディによって人々を石化させたノイズ様とファルセット様は、意気揚々とメイジャーランドへ進撃。
残されたのは変身能力を持たない北条さん達と、伝説の楽譜ネガトーン。
正直、雑魚っぽい外見ですが、伝説の名は伊達じゃない。
飛び道具をガードされた直後、怯みもせずに間を詰めて殴る殴る殴る!
音吉さんの決死のガードも時間稼ぎにしかなりやしない。
強い。伝説の楽譜、強い。
北条さん:
「ごめんね、伝説の楽譜…」
「きっと誰よりも皆を楽しませてきたんだよね…」
「ごめんね、あたしに力がないばかりに、あなたをこんな目に」
幸せアイテムも、不幸を招く要素になる。
過去の大事な思い出の品が、拘りすぎると過去に縛りつける不幸アイテムになるように。
伝説の楽譜が「幸せ」ではなく、「不幸」になってしまったのは北条さんのせい。
悔しい。非常に、悔しい。
このままで、終わらせたく、ない…!
北条さんの叫びに応えて、他の娘さん達も立ち上がる。
たとえ幸せのメロディやプリキュア能力がなくっても、私達の鼓動が音楽を奏でてる。
メイジャーとかマイナーとか何が正しいのか分からなくなったら、自分のビートを聞けばいい。
黒川さん:
「心のビートは止められないわ…!」
元々それを体現して変身されたビートさんが、ちゃんとご自分の決め台詞をアピールされてるのが可愛い。
困ったら、自分の胸の音を聞け。
それが鳴り響いている限り、音楽はなくならない。
その結果。伝説の楽譜に新しい音譜が発現。
元プリキュア娘の胸に飛び込んで、新しくプリキュア能力を与えてくれました。
「以前の音譜が戻ってきた」ではなく、「新しい音譜が生まれた」ところが熱い。
過去は過去。失われた物それ自体は戻ってはこない。
でも当時の共通体験を元に、新しい未来を作ることはできる。
クレッシェンドさん:
「私達は大切なものを忘れていたようですね」
「音楽は、今あるものが全てではない」
「新しく生み出すことが出来る…」
思えば北条さん達は「幸せのメロディ」を再現することに躍起で、「自力で作る」という発想はなかった。
潔く音譜は放棄して、同人版「幸せのメロディ」を作って唄ってれば勝ちだったのかもしれない。
メロディさんが敵を殴ることに夢中にならず、周囲に色香と幸せをばら撒いていれば…。
というかマイナーさんはそれに近いことはやってますね。
彼らは「とりあえず目についた人たちを不幸にする」ことを、毎回のようにやってた。
それに引き換えプリキュアさんは…。勝敗を分けたのは、その辺にあるかもしれない。
ここしばらく完全に後手後手に回ってる気もしますが。
何度目かになる決意表明の後、最後の最後の切り札「パイプオルガン」に乗って、いざ出撃。
次回はメイジャーランドの超決戦。何か次回予告では普通にノイズ様と殴り合ってるようですが…。
今度こそ仕留められるのかしら、メロディさん…。
前回のあの窮地をどうやって乗り切ったのか。
全く描写はされてないですが、きっとファルセット様が優しく送り届けてくれたんだと思う。
もうすぐクリスマスだから、準備がんばってねと励ましながら。
そして落差を狙っての今回の作戦。さすがファルセット様…!
実際のところ、プリキュア能力がなければ直接戦力としての脅威はないわけで。
止めをさすよりも彼女らを絶望させて、不幸パワーを吸い上げる方が得るものは大きいはず。
まぁそれが結果的に窮地を招くわけですけれど。
奴らは玩具がなくても変身しやがる。「DX3」をちゃんと見ないからこんなミスをするんだ。
蛇足のついでで。
なぜ前回、ファルセット様たちにクレッシェンドトーンをぶちかまさなかったのか。
「保険およびパイプオルガン制作のために連れてきてなかった」「位置関係的にアフロディテ様たちも轢きそうだった」「温存してる間に打つ機会を失っただけ」等色々と考えられますが。
「ファルセットの不幸のメロディ(未完成)により防がれたことがあるから」説を推したい。
だからまずはミュージックロンドで様子見。それも最初から「防がれる」ことを想定した上で。(だから一拍で反応して追撃にかかった)
メロディさんは戦闘民族。巧みに学習して技を使い分けられる子。ただ、さすがに「直撃しても無傷」は予想外だったんで戸惑っちゃったんだ。
【今週の謎生物】
ハミィ:
「伝説の楽譜ゲットニャ」
「でも音譜がないから、幸せのメロディを唄えないニャ」
意識から抜けてました。そうか。楽譜がなかったのか。
じゃあマイナーさんを殲滅しない限り、音譜を揃えても唄えなかったのか。
いわばフェアリーキャラフェやドリームコレットを敵が持ってる状態。
【今週の北1】
コスプレ万歳。
…やっぱり北条さんは手を腰に当てる癖があるというか、スタイルに自信を持っておられるというか。
【今週の北2】
ハートのト音記号新生。感動的です。
これまで1年間やってきたことが、この1話に詰まってた。
のはいいのだけど、よりにもよってサンタコスプレの最中ですか。
いえ色々とこじつけることはできますよ。サンタさんは幸せアイテムの象徴だとか、幸せを運んでくるとか。
だけどよりにもよって一大決戦で一年間の総まとめ回で、コスプレですか。北条さんは、エロい。
【来週の北】
アイキャッチより:
「次回、メイジャーランドで大バトル!」
「そしてプリキュアがついに…!」
「ついに」。
何なんでしょうか。
「ついに許す」でしょうか。「ついに諦める」でしょうか。