穴にハマったアリスたち

生きてれば楽しい事がいっぱいある!の証明の為のページ。ぴちぴちピッチを大応援。第三期をぜひ!
→新章開始!ありがとう!

(第38話)トロピカル~ジュ!プリキュア「決めろ!あすかの友情スマッシュ!」感想

2021年11月28日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第38話)トロピカル~ジュ!プリキュア「決めろ!あすかの友情スマッシュ!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第38話より)

あすか先輩の個人回。流れるような「今一番大事なこと」の結果、憧れのフェニックス学園で元生徒会長とテニスの試合をすることに。本当に見事なまでの行き当たりばったりです。計画的な行動も、やりたいことをただやるだけも、どちらも否定しているトロプリさんらしい。

元生徒会長が言うように、あすか先輩が一発逆転をするには練習試合で良いところを見せて推薦枠を交代、元生徒会長が学力で合格するのが近道です。
監督の視点でも(実力が本物であれば)入れ替え案は悪くなかったはず。二人一緒の方が実力を高めあいそうですし。経営層を説得できるのかはともかくとして。

だけど先輩はその可能性を放棄。リアルにいえば仲間の敗戦は死に直結しますから、優先順位的にはそうなってしかるべきとも言えますが、物語的にはクレバーではない。でも先輩は「今一番大事なこと」として共に戦う方を選んだ。
暴力事件の時の展開とも多少被るかもしれない。先を見据えて引くよりも、一緒に戦いたかった。

試合の最中のお互いの叫びも、別にこうしようと思って備えてきたものではない。その時その時にやってきたことが、たまたま今、表に出た。
「プリキュアとして戦い救った」「正体に気づいた」ことすらも、それ自体はさして重要なポイントでもなし。別にプリキュアやるためにテニスやめたのでもないので、当然といえば当然です。ただ「テニスをやめていた間、サボってグレてたのではない」は伝わったはず。

厄介なことに、元生徒会長も「今一番大事なこと」をやってはいたんですよね…。
その「一番大事なこと」が違っていた。それがここまでこじれたのは、両者が対話しなかったから。
とはいえ「対話して解決」は「計画的に動く」に通じるものがあるので、トロプリ的には反しているような。

(尤もトロプリ的には生徒会長の判断は「今一番大事なこと」ではないのかもしれない。劇中では「トロピカること」=「今一番大事」とも言えるようで、「辞退」はトロピカってはいないだろう)

実際、ふたりは何度か対話らしきものをしてきたのかもしれない。そして分かり合えずに決裂した。
「言わなきゃ分からない。言えば行動につながる」のハトプリに対し、「言うより行動。真意はその後についてくる」のトロプリとも言えるのかも。

口ではどう言ったところで、あすかさんの「暴力」は全面的には信頼できない。その思いがある以上は、両者の溝は埋まらない。プリキュアとしての戦闘は、その面での説得力はあります。命を賭して前線に出てるんだから、「考えなしに暴力を振るっただけ」はさすがに棄却できそう。まぁプリキュアさんが考えあって殴りかかってるかは疑問ではありますが。

多少不可解なのは、あすか先輩側の変化です。
「トロピカる部の活動を通じて、仲間も悪くないなと思った」と語っていますが、「良い仲間」というだけでは「テニス部と決裂してやさぐれたこと」の解消にはなっても、「テニス部を信頼するか」とは別です。テニス部時代はハブられていたとか、仲間なんていらないと思っていたわけではない。
回想カットから察するに「本来の彼女だったらしないようなこと」や「自分の判断基準とは違うこと」を経験することで、許容できる幅が広がったとかでしょうか。天文コスプレも無駄ではなかったのです。

思い返せば、ローラとも当初ぶつかっていました。先輩の価値基準からすれば、ローラは理解の外だったはず。それでもローラにとっての「今一番大事なこと」を通じて、彼女を受け入れるに至った。
理解できなかった生徒会長の行動も、諸手を挙げて納得はできなくとも、悪意はなかったとは赦せたのかも。

あすか先輩と生徒会長のこの件、別のプリキュアだったらどう解決するのか考えてみたら面白いかもしれない。
トロプリの「今一番大事なこと」で解決するには何気にかなり難しい問題だったと思うんですが、絶妙の着地をした気がします。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

(第37話)トロピカル~ジュ!プリキュア「人魚の記憶!海のリングを取り戻せ!」感想

2021年11月21日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第37話)トロピカル~ジュ!プリキュア「人魚の記憶!海のリングを取り戻せ!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第37話より)

「記憶を吸い出す装置」なる物騒な小道具は、案の定物騒な代物でした。ヒトと関係を持った人魚さんの記憶を抹消するのに使っていたようです。動機は不明。ヒト側の記憶は放置なあたりも謎。
人魚側の方が文明が進んでいたようなので、過干渉を避けるとかそういったことでしょうか。一応、実際の人魚伝説も「人魚が海から知恵をもたらす」ものが多いです。

本件がどう今後の展開に関わるのかも読めません。
幼魚ローラとのエピソードから、夏海さんは「今一番大事なことやる」を学びました。が、この時の「大事なこと」は「名前を聞く」。
結果論でいえば仮に名前を聞いていたとしても、ローラを見つけ出すことはできなかったでしょうから、若干ずれた話をしています。このきっかけのためだけに消す設定にしたとは思えません。

「ヒルガオを見に行くのを明日ではなく今日にすればよかった」とも言えますが、劇中ではその観点では語られず。また、今日も怠けていたのではなく全力で遊んでいますから解決策としては苦しい。

映画でも「記憶に残る」は重視されています。
ただスノードロップや歌に託す形の決着でしたから、「ローラの記憶は残る」「ローラの記憶は消える」のどちらの展開でも整合性は取れそう。

そもそも記憶を消す理由が分からないのが困ります。
ローラを地上に派遣したまま呼び戻さないのは、次期女王として経験を積ませるためか…と思っていたのに、まさか消すとは。

「記憶を消す」のであれば、夢に出てくる「伝説のプリキュア」「謎の敵」「謎の人魚」は、「謎の敵」=「魔女様」ではなく、「謎の人魚」=「魔女様」でしょうか。愚者の棺にいるのが「謎の敵」とかで。「愚者」が「やる気」を持つと災難が起きるって、現実がなんともせつない…。

「プリキュアの記憶を消す」=「子供時代の気持ちを失う」とも言えますから、あとまわしの魔女は「子供の頃を忘れた大人のなれの果て」とも。
ハグプリ以降の新世代スタプリ・ヒープリは「前に進む」ことを重視していました。揺り戻しなのか別側面からの補強なのか、それとも他の何かなのか分かりませんが、今後のプリキュアシリーズの行方的にも気になります。

「色々と謎や問題はあるが、それはともかく目の前の今一番大事なことをやろう」が信条なせいか、残り10話ちょっとになった今でも全容が見えません。
今の世情にも、(プリキュアシリーズが意識していると思われる)初代を見ていた子供の今の年齢的にも、「先は見えないが今一番大事なことを全力で」は適切だと思うのですが、見ている分には何とも不穏で危なっかしいな…。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

(第36話)トロピカル~ジュ!プリキュア「来たよ!人魚の国・グランオーシャン!」感想

2021年11月15日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第36話)トロピカル~ジュ!プリキュア「来たよ!人魚の国・グランオーシャン!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第36話より)

ようやくグランオーシャンに行くことになりました。本当に「ようやく」としか言いようがない。何故にこの子らは、ここまで「あとまわし」にしたのか。

トロプリさんの直接の目的は「グランオーシャンの防衛」だったはずで、地上に残るのは不可解です。「グランオーシャンにやる気が戻ってきた」と言っていましたが、地上でカムバックしているやる気は地上のやる気ですから、グランオーシャンの復興には直接には役立っていないはず。実際ほとんど復興しておらず、あっさりと征服されてしまっています。

しかも海のリングなるパワーアップアイテムまであったそうで。大地のリングと共鳴するというなら、呼び戻して探させるべきでは…。
というか逆で、海のリングを持たせて地上に送り込み、大地のリングを探すのが正しい手順な気がする。
大地のリングが見つかったのは完全に偶然ですから、もともと海のリングも戦力としてカウントしておらず、諦めていたのかもしれませんが…。

記憶を吸い出すとかいう物騒な装置を保有してるのも怖いです。「過去の伝説のプリキュアに何があったか」を映像として見せるとか、そんな作劇の都合なのかもしれませんが普通に考えてろくでもない装置だ…。

「ローラは女王様の名前を知らない」のも不気味といえば不気味。
それとも「知ってはいたが女王が自ら名乗らなかったので不敬と判断し、場を取り繕った」のかしら。

「ヤラネーダを生物に使うな」もよく分からない制約です。曰く「強すぎるから」だそうですが、地上で使う分には制御不能になっても構わないでしょうに。
そして今まで使っていなかったのに、さして劣勢でもない状況でお披露目する必要性を感じません。そもそも海中戦ですから、従来のヤラネーダでも勝てたんじゃなかろうか。

改めて言われてみれば、「大地のリング」で「ランドビートアタック」と、陸の力で戦ってたんですね。陸VS海。あとまわしの魔女陣営はかなりのハンデ戦をしていた。伝統的にプリキュアさんは海中戦が苦手ですから、ホームで戦うと何気にトップクラスに強力な相手なのかもしれない。

「ローラは貝から生まれた」も何か意味があるのかしら。父母が出てこない理由付けをしたかっただけなのかもしれませんが、あすか先輩が「縁があるのかも」とわざわざ言及したり、くるるんの主食が「貝がらクッキー」だったりと、奇妙に踏み込んでいる気がします。
それはそれとして「人魚は貝の仲間」という新説には注目したい。

設定面で言えば「海中でも息ができる」「通信が回復した」等を説明してくれたのも新鮮。
じゃあ実は星奈さんも、宇宙で変身が解けてもペンダントさえ握りしてめていれば生存できたんだろうか。
いやでも歴代のプリキュアさんは、水中でモガモガうめいていました。こと水中適正に関しては、トロプリ流は頭一つ性能が上なんだろうか。

今回のお話は計画的に動いた魔女陣営に、今一番大事なことをしていただけのトロプリが敗北した、とも言えそう。
伝説のプリキュア様も相変わらず意味深というか、何かこの子がラスボスと言われても納得してしまいそうな胡散臭さがあるし、どうにも不気味です。

【蛇足】

人魚が海鮮料理をふるまうシーンへの定番ツッコミ「共食いしている」は、地味に危険だと思う。
サカナがサカナを食べるのは普通のことです。ヒトが同じ哺乳類のウシやブタを食べるのと違いません。

これらを「共食い」と呼ぶのは、ヴィーガンの主張に通じるものがある。というかほぼ同じでしょう。
思想信条は自由なのでそれが悪いとは言いませんが、個人的には肉食には賛同したいので「共食いではない」ことは折に触れて強調していきたい。
ヒトがイヌをペットにしヒツジを食うように、サカナがサカナをペットにしてサカナを食っても何ら異常ではないのです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「episode4:恋する人魚」マーメイドメロディーぴちぴちピッチ aqua(なかよし2021年12月号)

2021年11月02日 | マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ
■マーメイドメロディーぴちぴちピッチ aqua「episode4:恋する人魚」(なかよし2021年12月号)


なかよし 2021年12月号 [2021年11月2日発売]【電子書籍】

るきあさんは半裸の同級生・黒砂くんに押し倒されました。彼の部屋の、彼のベッドで。
そしてあろうことかスルーされました。黒砂くんの興味関心は人魚にしかありません。恐るべき理性です。

これにヤケクソになった彼女は、近くにあった炭酸飲料をガブ飲み。人魚さんは炭酸を飲むと酔っぱらいます。
即座に酩酊状態になり、即座に黒砂くんに襲い掛かりました。まさか追撃なさるとは…。

勢い任せで「私は人魚」と告白するも、そのまま意識を失って事なきを得ました。いや告白してるんだから手遅れだと思うんですが…。
例によって「告白すると泡になる」ルールの判定基準が分かりません。

そしてこの状況下でも黒砂くんは動じない。帰宅したら同級生女子が何故か部屋にいた挙句、酔っぱらって襲い掛かってきて意識を失ってるのに。

それでも流石に何かは感じ取ったのか。翌日、るきあさんにさりげなく人魚の話題を振ってきたりしています。
価値基準のど真ん中がブレなさすぎてとても良いです。人魚かどうか。それが最重要だ。

るきあさんはるきあさんでブレずに「褒められた!」と小躍り。あの会話のどの辺にお褒めの言葉があったのか割と謎ですが、恋する人魚様には通じない。
そんな彼女に謎のモンスターが突如襲い掛かる!そして謎の人魚に撲殺されました。初の戦闘はまさかの肉弾戦、まさかのかれん様だった。

【謎々】

4話が経過したにも関わらず、ひたすらに謎が深まっていきます。

・るきあさんの許嫁はマーマンだそうです。まず「マーマン」ってなんだ。前作で一切でてこなかった存在が唐突に湧いて出てきた。

・猛反発するるきあさんの様子を見た謎の人物曰く「母親と同じ道をたどるのかねえ」。
どの辺が、るちあさんと同じなんでしょうか。もしかして、るちあさんにもマーマンの許嫁がいたりしたんだろうか。

海斗くんは人間ではないので「人間の男と恋に」の意味ではないはず。
当初は人間と思われていたから反対されただけで、海斗くんそのものには実は問題もなし。
まぁそれは結果論なので、「人間の男と」の意味でもおかしくはないですが…。それとも黒砂くんもパンタラッサだとか?

・るきあさんは自分のことを「人魚(にんぎょ)」と呼称している。サブタイトル等の他、かれん様は「人魚(マーメイド)」と名乗ってる。
意識しての使い分けなのかしら。

・かれん様の名乗りが「南極海のマーメイド」。「南極海のマーメイドプリンセス」ではない。引退なされたんでしょうか。

・は~ちゃん(波音)にリナっち(リナ)。何気にあだ名で呼ぶのは初めてでは。

・お友達のさんごさんや白王子が怪しく暗躍。素直に考えるなら前作の波音さんの立ち位置ですが、すぐさま太郎ちゃんに夢中になり果てた波音さんと比べて随分と理性的です。

・るきあさんはずっと炭酸飲料が禁止だったらしい。ということは「実はごく最近生まれたばかり」「人魚の血に覚醒したのはつい先日」とかではないのか。では今までお風呂はどうやってたんだろう…?「今までは飲んでも問題はなかったが、習慣づけとしてずっと飲ませていなかった」とか?

・かれん様にホクロがない!
前回のザクト様事件といい、これは事故なんだろうか。それとも「偽物です」とかの大波乱があったりするんだろうか。

・お歌ではなく物理攻撃。「変身しなかった」だけなのか、「もう変身できない」のかどちらなんだろう。
「変身せずに敵を倒す」ストーリーの都合上、助けに来たのがかれん様なのは非常に納得がいくものの、巧みに変身問題を焦らされてます。

本当につくづく謎が謎まみれです。るきあさんがもうちょっと真面目に母たちを問い詰めれば、すぐにも解決するのに…。
べらぼうに可愛いのがまたムズ痒さを加速させます。ただ一人事情を把握していないるきあさんを全方位から取り囲む物語なので、観察日記の様相を呈してきた気がする。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする