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「ルールーの旅立ち」:HUGっと!プリキュア 第49話(最終回)愛崎えみる研究室問題

2020年05月10日 | ハグプリ最終回考察
書けば書くだけ色々と湧いてくるので、記事カテゴリを追加してみた。

一連の考察だか妄想だかの出発点のひとつは「ルールーは嘘をつかない」「したがって『待っている』の言葉には意味があるはず」なのですが、改めてみれば「なぜルールーは未来に帰ったのか」を考え忘れていた。

【変わらぬ未来】

前提として「未来は変わらない」「世界は分岐しない」がハグプリ世界のルールだと思う。

・作品テーマ「なんでもなれる」は「挫折や不幸があっても立ち上がれる」であって、「タイムトラベルすれば挫折を事前に防げる」ではないはず
・劇中にてジョージが未来を変えられないと嘆いている。だからこそ変更ではなく時間停止を選んだ
・平行世界だとすると、ルールーの「待っている」が実現しなくなり、えみるに嘘をついたことになる
・平行世界だとすると、クライアス社には2019年の戦いをする意義がない

あと、描写されていない以上、現実世界の物理を適用したいという勝手な都合もある。

さてそうすると、ルールーたちが未来に帰る動機が薄れてしまう。
わざわざカエル列車に乗らなくても、25年ほど待てば自ずと2044年になります。待てばいい。

真っ先に思いつくのは「2044年までに死亡等の可能性があるので、リスクを減らしたかった」。

25年たつとトラウムは寿命の懸念がでてくる。戦闘することを考えると、ダイガンやパップルもやばい。
その他、やがて何らかの惨劇が訪れることは既知ですから、それに巻き込まれる恐れがある。

ただそれだけなら、マホウ界に退避するとか色々と対策はあると思う。
未来は変えられないにせよ、2044年時点で死亡が確認されていない人は救える余地もあるわけで、災厄のその時まで普通に生活、ヤバい時期になったら えみるを初めハグプリチームを連れてどこかに避難、の方が戦力的にも確実に思えます。

逆に言えば「ハグプリチームを戦線に投入できない事情があった」とも。

【ハグプリのその後】

タイムトラベルして未来に進撃できない理由は、過去に戻れる保証がないから。
別途考えようと思うけれど、トラウムは「過去に戻る」技術を持ってなかったんじゃないかと思えます。
「未来に行く」のは簡単にできる。相対的に他より速く動けばいい。でも「過去に戻る」のはとんでもなく難しい。

ただこの理由は世界の存亡を賭けるにしては弱いと思う。
私が当事者なら25年の時間スキップくらいは受け入れそう。齢14歳だと25年後も友人や家族は(災厄で死亡していなければ)おそらくは存命。祖父母とは今生の別れになるかもしれませんが、感情を捨ててあえて言い切ってしまえばそれだけです。
そもそも「戻ってこられない」は確定事項ではないのだから、野乃さんがあっさりと引き下がったのは「らしくない」といえば「らしくない」。

野乃さん側としては「未来は分岐する」と認識していれば、「異世界のことに介入すべきではない」の思いはありそう。
素朴で直感的な理解としては「未来は分岐」の方が、「未来は変わらない」より受け入れやすいので、それほど不思議はない。

でもそれなら尚のこと、トラウム側は親切丁寧に説明した上で、来る災厄に備えさせるなり、未来に共にいくなり、考える余地を与えるはず。それをしなかった、それどころか情報を隠すかのように慌てて去ったところを見ると、「2019年から2044年の間に、彼女らが何かをすることを知っていた」=「未来に連れて行ってしまうと、歴史が変わってしまう(ので実行できない)」のかなと思えます。

2019年以後の彼女らを44年のトラウムらが知ることをできたか?といえば、普通にできる。

えみるは研究室を訪れているので、トラウムが知っている。
薬師寺さんはダイガンと同じ職場にいるので、ダイガンが知っている。
野乃さんはジョージ絡みで、おそらくはトラウムが知っている。
輝木さんは有名選手になれたかと思いますので、世間一般の常識として知っている。

野乃さん・輝木さんは確定情報ではないですけど、あえて疑う必要はなさそうに思う。

よって「2019年以降に存在が確認されているので、2019年からスキップして44年には連れていけなかった」。

でもそれだけだと「未来に連れて行った場合、必ず過去に戻る機会がある」とも言えます。
歴史は変わらないのだから、未来に行ったら戻ってこられないと矛盾が出てしまう。だから必ず戻れる。
つまり「19年以降に存在が確認されている」ことは、「必ず戻れるし、44年の戦いに勝利できる」ともいえるので、むしろ積極的に連れていくべき理由にすらなってしまう。

ということは「未来には見せたくない何かがあった」「それを見てしまうと、19年以後の行動が変わってしまう(ので、絶対に見ることができない)」と予想できる。
要するに「ラスボスが闇落ちした野乃さん」とかです。19年~44年の彼女らが、それを知っていたとは思えなければ、「19年の戦いの後、44年にタイムトラベルはしなかった」といえる。だから連れて行かなかった。
そそくさと未来に戻った(ように見える)のも、疑問を持たれる隙を与えたくなかったからではなかろうか。

【えみるのその後】

こうして並べてみると、えみるのその後は突出して異常です。
彼女の行動は、未来を知っていないとできない。
(野乃さんの結婚に未来の記憶が影響した可能性や、薬師寺さんがダイガンの名を見て人事に影響を与えた可能性が、一応はありますが)

また、ルールーの「待っている」がやはりおかしい。
「未来は変わらない」に気づかせたくなかったのなら、「待っている」はNGだろう。シンプルに「またどこかで」とか「会えると信じています」とかでいい。
あえて意味深な台詞を残したのは、「えみるに研究室に来させたかった」と思えます。

物凄く回りくどくなったけれど、ルールーらが未来に帰ったのも、そのためじゃなかろうか。

これまでやってきた考察は、ルールーが えみると同じ時間に存在すると成り立たない。
同じ時間にいるんだから(どこかに行方をくらませていたとしても)、研究室を訪れる必要がない。
えみるが疑念を抱くきっかけ(と勝手に決めつけている)のはルールーの「待っている」発言なので、それをしないとやはり研究室にいかない。
「2030年に研究室に行ってください」のようなダイレクトな説明をすればよいとも言えますが、小学生のえみるが「未来は変えられない」を深刻に受け止めるのは難しそう。

これらから「(未来を極度に考え込むキャラクターである)えみるに意味深な言葉を残し、自分たちは先に未来に行く」が実現します。

つまりは「えみるを2030年に研究室に行かせるために、44年にタイムトラベルした」。

そして「未来に戻る」なんて重要な行動の動機になったのですから、「30年に研究室に行ったけど、それだけで特にはイベントはなかった」は寂しいものがあります。いや「寂しいから何か意味があるはずだ」はこじつけでしかないのですが、そこは期待したい。
なので「えみるが30年に研究室を訪れたことが、その後の未来に大きな影響を与えた」、要するに「えみる、クライアスの創設メンバーのひとり」説を唱えたい。「ルールーらが2044年に戻ったのは、えみるがクライアス創設に関わったから」。

結論を妄想にこじつけられたので、とりあえず満足した。

【蛇足】

ジョージはその後どうなったのだろう。

ルールーのメッセージに気づいた えみるは、案外真っ先にジョージを探したのかもしれない。
ただ名前しか分からない、顔もろくに見ていないオッサンを探し出すのは無理過ぎる。
結局は諦めて、「時間かアンドロイドの研究をしている科学者」の線から、トラウムを探し出したんじゃないかしら。
もしくはジョージとトラウムは知り合いなので、「野乃さんが連れてきた結婚相手・ジョージ」からトラウムに行き着いたのかもしれない。

●参考:
HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)

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