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PCに触れて30年その4

2010年03月24日 | レトロパソコン

暖かくなってきたなと思っていたら、また寒くなって…しかも雨々…
調子が悪く鬱々 とした日々が続いていたので更新を怠っていました。
この時期を乗り越えれば調子良くなる と思うのですが…まだ少し先みたいですね。
鞍が開通するまでの間の辛抱 です。後1週間位かなぁ…ホント待ち遠しいです。

『PCに触れて30年その4』…では専門学校を卒業して就職した後(20年前以降)の
PCについて書いて いきたいと思います。その前にその頃のコンピュータ事情を…

就職した会社は三菱電機系列のIT企業で、担当に就いたのはオフコン事業部でした。
その頃、会社 は汎用機(大型コンピュータ)、オフコン(小型の汎用コンピュータ)…
ワークステーション(UNIX etc)、パソコン部門の縦割り で事業部が分かれていました。

ちなみに小型の汎用コンピュータに『オフコン』と名付けたのは三菱電機です。
オフコンのベースはUNIXでデータベースは汎用機と同等 の物が搭載されていました。
言語は主に 三菱電機製言語PⅡ(ProgressⅡ) とCOBOLを使用していました。

自分も最初はプログラマーからで…先輩(SE)の書いた仕様書を貰いプログラミングしてました。
プログラムを組むのは面白く夢中になってやっていました。その甲斐 あってか…
新人であったのにPⅡで4,000ステップ を超える巨大なプログラムを任されることもありました。
PⅡでは1,000ステップ以上になると大きなプログラムと言われていたので、これは超巨大 です。
製作期間は約3週間ホント苦労しました。それでいて不具合は一切無し 大成功です

オフコンのプログラムは汎用機と同様…専用端末から入力しサーバーでコンパイルして実行する
仕組みになっています。従ってプログラマーの机にはPC でなく専用端末が置かれていました。
この頃、PCは仕様書を書く ためだけに上司と各グループに1台用意されていました。

最初は触る機会は少なかったのですが…入社2年目から下位のSEとして仕様書を書く事になり
これからPCは必須になると思い自宅に PC-9801BX/U2 を導入 しました。
その頃は、まだNEC全盛期でしたので最新で最安値のNEC製PC という理由で決めました。



会社と同じ環境で仕様書を書くのであれば三菱電機製のMAXYシリーズ(AX規格機)を
購入しなければいけなかったのですが…高いのに他に使い道がなかったのでパス
この頃ですね、コンパックが格安でDOS/V(PC/AT互換)機 を出してきたのが…
お陰で廉価版のPC-9801シリーズが20万円を切り購入に踏み切る事ができました
スペック は以下の通りです。もうこの時代のPCは完全に 32bit へ移行していました。

CPU:i486SX(20MHz)
MEM:1.6MB
FDD:3.5inch2HDx2機
VGA:640x400x16色x2画面

仕事で仕様書を書くのはMAXYのワープロソフト『A1markⅢ』を使っていたので…
Windowsが主流になるまでPC-9801BX/U2で仕様書を書く事はありませんでした

まぁPCをワープロ以外にMS-DOSとC言語勉強用に購入したので問題ありませんでした。
そしてMS-DOSのコマンドに慣れC言語を勉強 しよう思った丁度その時…
Windows3.1に出会ってしまいました これがなければ今頃どうなっていたか分かりません。

GUIで操作するOSの魅力に取り付かれ…結果C言語は勉強せず う~ん
PC-9801BX/U2でWindows3.1を動作させる仕様にカスタム その結果以下の仕様に…

CPU:i486DX2(40MHz) ※ODPを追加搭載
MEM:14.6MB ※メモリを極限まで装備
FDD:3.5inch2HDx2機
VGA:1024x768x65536色 ※I-O DATA GA-1024AL を実装
HDD:240MB  ※SCSI接続
DVD:CD-ROM ※SCSI接続
サウンド:FM6音+SSG3音+リズム6音+PCM音源 ※NEC PC-9801-86 を実装

かなり追加投資しました。お陰でWindows3.1を快適に動作させる事ができるようになりました。
その他、各メーカーも一斉にWindowsを採用するためハード はDOS/V機が主流になり
三菱電機もMAXYを捨てapricot(DOS/V機)シリーズを発表 …流れは完全にWidowsに…
ワープロソフトもA1forWindowsが開発され自宅でも仕様書が書ける ようになりました。

MacintoshX68000PC-100など色々とGUIで動作するOSを見てきましたが…
試しに導入したWindows3.1がここまで普及するとは思いませんでした。正直びっくり です。
コンパックショック と日本語対応版Windows3.1の発表されたタイミングが良かったのですねぇ
同時期にジャストシステムからGUIのOS、ジャストウィンドウが発売されましたが
Windowsに比べ貧弱で使い物になりませんでした。期待していたのですが残念 です。

14インチCRTで640x400x16色の解像度で満足していたのですが…Windows3.1を導入する事により
15インチCRTで超高解像度 1024x768x65536色の表示が可能になり、標準で簡易ソフトを
同梱してたのでペイント やメモ帳などが使えるようになったのはありがたかったです。
65536色の機能を生かし一生懸命 マウスを使用しペイントで絵を描いた覚えがあります。

しかし実はWindows3.1は良い事ばかりでは無かったのです。
OSは16bit…16MB以上のメモリ空間を使用できず MS-DOSの拡張製品であったため
別途MS-DOS(PC-DOS)を購入する必要があり MS-DOS上のアプリのような存在でした。
また複数のタスクを同時実行できるマルチタスクが可能 なことが利点でしたが…
ノンプリエンプティブなマルチタスクであったため、1つのプログラムがCPUを占有してしまい
他のプログラムが止まってしまう 事がありました。不完全なマルチタスクです。
従って1つのアプリが暴走 するとシステム全体を巻き込んでフリーズしてしまいました。

プログラムを作る際には適度にタスクを開放する命令を呼ぶ必要がありました。
プリエンプティブなマルチタスク に対応するにはWindows95・WindowsNT3.5発表以降まで
待たなければなりませんでした。 Windows3.1発売からほぼ5年後ですね…

Windows3.1の時代からWindowsを使用しないPC-9801シリーズのゲームはエロゲーが増え…
DOS/V機は3Dなどのコア な洋物ゲームが多数輸入され用途によって分かれて行きました。
Windows3.1はまだDirectX(2D/3D)の規格がはっきり定義されておらず大したゲームは無く
ビジネス専用機 でした。プログラムにはVisualBasic2.0が多く使われていました。
その他にC++があったのですが…勉強しなかった ので自分はC++でプログラムは組めません。

ワープロソフトは一太郎forWindows が主流で表計算ソフトは何ソレって感じでした。
実際、表計算ソフトはLotus1-2-3が主流 だったようですが…当時使う事はありませんでした。
ワープロソフトも三菱電機系列の会社 に勤めていた事もあって一太郎を使う事は無く…
A1forWindows ばかり使っていました。今は使っていませんが…未だにFDDで持ってます

次回は初のDOS/V(PC/AT互換)機の購入について書いて行きたいと思います。
長文でマニアックなお話なのに、ここまで読んで頂きありがとうございました。
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