デイサービスから帰って来たさっちゃんと、いろいろな家事をこなして疲れてしまった僕は、二人で小1時間布団で横になっていました。
一瞬寝込んでしまった僕が目覚めたのは6時前。
陽も傾いて来て、涼しさも感じられるようになったので、いつもの散歩コースを歩いて来ることにしました。
出かけるまでさっちゃんとはひと悶着ありましたが、それほど遅くならずに出発。
いつもの1周35~40分の散歩道です。
コースの半分ほどは多摩川土手の道、他にも東京名湧水57に選ばれた湧水も流れ込む用水沿いに整備された道もあったりします。
野良猫や散歩犬もいますが、鳥の姿や声にも出会うことが多いですね。
カラス、アオサギ、シラサギ、カワウ、カモの仲間、ムクドリ、ヒヨドリ、オナガ、ツグミ、・・・・、などはもちろん季節にもよりますがよく見かけますね。
夕方の川べりですから、鳥ではありませんが、コウモリもよく見かけます。
姿はなかなかお目にかかれませんが声を聞かせてくれるのは、ウグイス、キジ、ガビチョウなどです。
特に外来種のガビチョウはどんどん増えてきているようで、体のサイズはそれほどでもないのに、うるさいほどの大声で鳴いています。
先日などは、やたら大声でホーホケキョと鳴いていましたね。
ガビチョウは他の鳥の鳴き真似もするんです。
白内障を手術して裸眼では僕よりも視力が良くなったさっちゃんは、僕より早くそんな野鳥を見つけていたものでした。
手術したのは認知症だと診断された年の夏でしたね。
僕が見つけて、「あそこにアオサギがいるよ」とか言うと、さっちゃんもそっちを見て「ああ、あれね」と、見てくれていました。
キジが多摩川の河原の森の奥で「ケ~~ン」と鳴くと、「今キジが鳴いたね」と僕が言います。
たいがいもう1度か2度は鳴くので、次に鳴いた際に「あ、これね」とさっちゃんは言っていました。
でも、どんどんそういう自然への興味関心も薄れてきているみたいで、「あっ、カラスだ」と上空を飛ぶカラスを指差しても目を向けてくれなくなりました。
夕方、地域の皆が共同で泊まる塒に2羽、4羽、6羽、・・・・、時には数え切れないほどのカラスが同じ方向へ飛んでいく様子をふたりで眺めたりしていました。
いつまでも自然への驚きや畏敬を抱き続けて欲しいので、さっちゃんには小さな子供に対するように声を掛けています。
ここからが今日の本題。
多摩川土手を歩いていると、向こうから犬にしてはとってもでかい動物が縄につながれてやって来るのが見えました。
近づくと、それは小型の馬だと分かりました。
馬の種類にはまったく詳しくないのですが、これがポニーなんでしょうか?
女の人が太い縄を引いています。
僕は興味津々、以前誰からだったかは忘れましたが、多摩川土手で馬に会ったよとは聞いたことがありました。
その馬なんでしょうね。
僕はペットとして飼っているのか、公共のもの(ふれあい動物園とか乗馬クラブとか)としてなのか気になりました。
それで、僕は縄を引いている女性に「この馬は個人的に飼っているんですか?」と聞いてみたのです。
すると、少し憤慨した感じで「飼ってるんじゃないんですよ。育ててるんです」と言うんです。
一瞬、えっ? と思いました。
飼うのも育てるのも同じなんじゃないのかな? と。
さらに続けて、その女性はこんなことを語るんですね。
「私はね、何回も流産したのよ。だから、この子は私が育ててるの」
その間、馬は土手の草の上に寝転んでゴロンゴロンとお腹を見せていました。
僕はもっとその馬のことその女性のことを知りたいと思ったのですが、初対面でたくさん聞くのも失礼なこと。
それに僕と一緒にいるさっちゃんがどうしたわけかその馬に全然関心を示さないんです!
早く先に行こうよ! といった雰囲気。
こんな驚くべき、しかも楽しい出会いなのにね。
そそくさとその場を離れ、用水の脇の道では先日の10羽のカルガモの雛のことが気になります。
途中で近所の方なんでしょう、おばさん二人が話しをしていました。
「可哀想よね」とか、言葉の端が耳に飛び込んできたので、僕は聞いてみました。
「10羽のカルガモの雛がいましたよね」と。
すると、「あそこで5羽、そこで2羽、・・・・1羽しか残っていないのよね」と言うのです。
そのおばさんは雛の遺体も見たのでしょうね。
おばさんのすぐ足元には最後の1羽のカルガモの雛がピーピーピーとまだ元気に鳴いていました。
親の姿が見かけられませんでしたから、親無しでは生き抜くのは困難なことですね。
さっちゃんもその雛の姿を見たはずなんですが、ちょっと複雑で可哀想な事情はまったく分かるはずもありません。
そもそも、最後の雛の姿にも関心がないようで、ほとんど見ていなかったですね。
いつもだいたい同じコースを歩いていても、同じ日はありません。
さっちゃんにはそんな機微を感じることは出来ないでしょうが、太陽、風、雲、川、水、石、樹、草、花、鳥、動物、虫、・・・・あらゆる自然を目にして欲しいですね。
一瞬寝込んでしまった僕が目覚めたのは6時前。
陽も傾いて来て、涼しさも感じられるようになったので、いつもの散歩コースを歩いて来ることにしました。
出かけるまでさっちゃんとはひと悶着ありましたが、それほど遅くならずに出発。
いつもの1周35~40分の散歩道です。
コースの半分ほどは多摩川土手の道、他にも東京名湧水57に選ばれた湧水も流れ込む用水沿いに整備された道もあったりします。
野良猫や散歩犬もいますが、鳥の姿や声にも出会うことが多いですね。
カラス、アオサギ、シラサギ、カワウ、カモの仲間、ムクドリ、ヒヨドリ、オナガ、ツグミ、・・・・、などはもちろん季節にもよりますがよく見かけますね。
夕方の川べりですから、鳥ではありませんが、コウモリもよく見かけます。
姿はなかなかお目にかかれませんが声を聞かせてくれるのは、ウグイス、キジ、ガビチョウなどです。
特に外来種のガビチョウはどんどん増えてきているようで、体のサイズはそれほどでもないのに、うるさいほどの大声で鳴いています。
先日などは、やたら大声でホーホケキョと鳴いていましたね。
ガビチョウは他の鳥の鳴き真似もするんです。
白内障を手術して裸眼では僕よりも視力が良くなったさっちゃんは、僕より早くそんな野鳥を見つけていたものでした。
手術したのは認知症だと診断された年の夏でしたね。
僕が見つけて、「あそこにアオサギがいるよ」とか言うと、さっちゃんもそっちを見て「ああ、あれね」と、見てくれていました。
キジが多摩川の河原の森の奥で「ケ~~ン」と鳴くと、「今キジが鳴いたね」と僕が言います。
たいがいもう1度か2度は鳴くので、次に鳴いた際に「あ、これね」とさっちゃんは言っていました。
でも、どんどんそういう自然への興味関心も薄れてきているみたいで、「あっ、カラスだ」と上空を飛ぶカラスを指差しても目を向けてくれなくなりました。
夕方、地域の皆が共同で泊まる塒に2羽、4羽、6羽、・・・・、時には数え切れないほどのカラスが同じ方向へ飛んでいく様子をふたりで眺めたりしていました。
いつまでも自然への驚きや畏敬を抱き続けて欲しいので、さっちゃんには小さな子供に対するように声を掛けています。
ここからが今日の本題。
多摩川土手を歩いていると、向こうから犬にしてはとってもでかい動物が縄につながれてやって来るのが見えました。
近づくと、それは小型の馬だと分かりました。
馬の種類にはまったく詳しくないのですが、これがポニーなんでしょうか?
女の人が太い縄を引いています。
僕は興味津々、以前誰からだったかは忘れましたが、多摩川土手で馬に会ったよとは聞いたことがありました。
その馬なんでしょうね。
僕はペットとして飼っているのか、公共のもの(ふれあい動物園とか乗馬クラブとか)としてなのか気になりました。
それで、僕は縄を引いている女性に「この馬は個人的に飼っているんですか?」と聞いてみたのです。
すると、少し憤慨した感じで「飼ってるんじゃないんですよ。育ててるんです」と言うんです。
一瞬、えっ? と思いました。
飼うのも育てるのも同じなんじゃないのかな? と。
さらに続けて、その女性はこんなことを語るんですね。
「私はね、何回も流産したのよ。だから、この子は私が育ててるの」
その間、馬は土手の草の上に寝転んでゴロンゴロンとお腹を見せていました。
僕はもっとその馬のことその女性のことを知りたいと思ったのですが、初対面でたくさん聞くのも失礼なこと。
それに僕と一緒にいるさっちゃんがどうしたわけかその馬に全然関心を示さないんです!
早く先に行こうよ! といった雰囲気。
こんな驚くべき、しかも楽しい出会いなのにね。
そそくさとその場を離れ、用水の脇の道では先日の10羽のカルガモの雛のことが気になります。
途中で近所の方なんでしょう、おばさん二人が話しをしていました。
「可哀想よね」とか、言葉の端が耳に飛び込んできたので、僕は聞いてみました。
「10羽のカルガモの雛がいましたよね」と。
すると、「あそこで5羽、そこで2羽、・・・・1羽しか残っていないのよね」と言うのです。
そのおばさんは雛の遺体も見たのでしょうね。
おばさんのすぐ足元には最後の1羽のカルガモの雛がピーピーピーとまだ元気に鳴いていました。
親の姿が見かけられませんでしたから、親無しでは生き抜くのは困難なことですね。
さっちゃんもその雛の姿を見たはずなんですが、ちょっと複雑で可哀想な事情はまったく分かるはずもありません。
そもそも、最後の雛の姿にも関心がないようで、ほとんど見ていなかったですね。
いつもだいたい同じコースを歩いていても、同じ日はありません。
さっちゃんにはそんな機微を感じることは出来ないでしょうが、太陽、風、雲、川、水、石、樹、草、花、鳥、動物、虫、・・・・あらゆる自然を目にして欲しいですね。