さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

再開後2度目の言語リハビリは何も出来はしませんでしたが、進展はあったと思います

2020-06-17 23:53:41 | 言語リハビリ
今日は言語リハビリの日。
金曜日のデイサービスのときと同じくらいの時間には家を出たいのです。
でも、今朝は朝から静かに不穏な感じでした。

着替えはほぼ順調だったのですが、最後のズボンやら髪を結んだりするところで嫌がります。
昨晩幸運なことに外させてくれた入れ歯なんですが、今朝は口の中に戻すことを拒否。
入れ歯なしでは朝食は食べ辛いのですが、それでも食べたり飲んだりしてくれれば有難いです。
しかし、今朝はまったく口を付けません。
とくに水分は摂って欲しいので、甘酒+牛乳の入ったコップをさっちゃんの口元に近づけるのですが、飲もうとしません。

刻々と出発時刻は近づいてきます。
今日は病院へ行くのは無理だろうか? と思い始めてもいました。
それでも、出来るところから準備を進めて行きました。
ダイニングのテーブルに座ったままで、髪を梳いてあげ輪ゴムで結びました。
さっちゃんが椅子に座ったままで、靴下を穿かせ、ズボンを穿かせました。

あとは入れ歯です。
入れ歯を入れていないと、本当に歯抜け婆さんのような顔つきになってしまいますから、入れて欲しいんです。
朝食の準備が終わる直前に入れ歯を口中に戻すのを拒否されてから、時間もたっています。
椅子に座っているさっちゃんの元へ、入れ歯を持って来て、「あ~~んと口開けて」と言ってみます。
僅かに口を動かしてくれるのですが、開いてはいません。
「もっと大きく開けてくれなくちゃ」と唇を軽くつつくと、ほんの少し開けてくれました。
僕はそこを見逃さず、入れ歯を口に差し込もうとしました。
さっちゃんは手で入れ歯を掴んで出そうとします。
僕はさっちゃんの手が入れ歯を掴もうとするのを阻止し、さらに差し込もうとします。
ほんの数秒の攻防ですね。
スポンと入れ歯は収まる場所に収まりました。

そんなこんなで予定していた電車の1本後、20分ほど後の電車に乗って、予約時刻の10分ほど前に病院到着。
担当のT田先生の格好はと言えば、透明プラスチックのゴーグル、マスク、ビニール手袋、薄いビニールのピンク色のエプロン、なんですが見慣れた感がありますね。
T田先生とさっちゃんの間にはやっぱり透明な板(アクリル板?)があって、刑務所の面会室のよう。

僕はさっちゃんが今日も「帰る」と言い出して、先週のように収拾が付かなくなるんじゃないかと危ぶんでいました。
ところが予期に反して、さっちゃんは静かです。
小さな声で何やら喋り続けています。

先生はカレンダーを見せながら、今日の日を示し、さらにカレンダーを使って数字を声を出して読んでもらおうとします。
「いち、に、さん、し、・・・・」と言えばいいのでしょうが、さっちゃんの意識はカレンダーにはないみたいです。
やはり、小さな声で何やら喋り続けています。

先生はメトロノームを取り出して、リズムを付けて発声してもらおうとしたようですが、まったく効果なし。
さっちゃんはメトロノームには見向きもせず、小さな声で何やら喋り続けています。

今度は先生は、両手をグー、パーと閉じたり開いたりして、さっちゃんに真似することを促します。
僕がさっちゃんの両手に手を添えてグー、パーをさせようとしますけれど、さっちゃんの両手の指は動きません。

を唄うことにしました。
「富士の山」です。
「あたまを くもの うえにだし しほうのやまを みおろして ~~~~」
先生と僕が声を出して歌います。
すると、ちょっとですが、さっちゃんも小さな小さな声を出して一緒に歌いました。
音も流して皆で歌いましたが、さっちゃんはあまり声を出さなかったような・・・・

それに気を良くしたのか、先生は絵と名前のカードをさっちゃんに読んでもらおうとしました。
でも、さっちゃんはカードには見向きもしません。
やっぱり何かを喋り続けます。
でも、最初のころよりは声が大きくなってきていましたね。
内容は分かりませんが、印象としては悲しみ、残念、不満などの負の感情を切々と喋り続けているように感じます。

最後にハチドリのゲームをしました。
発声の高低と継続でハチドリが幾つかの花に到着し蜜を吸うというゲーム。
でも、さっちゃんは完全に無関心、取り付く島もありませんでした。

今日はこれで終了です。
1時間が経過していました。
先週は30分で終了せざるを得ませんでしたから、1時間もっただけでも嬉しいことです。
先生が出した課題、どれもこれもさっちゃんはスルーしてしまいましたけれど、先生のことを受け入れてはいたようです。
喋っていることも少しの部分は先生に向けて喋っているのかもしれません。
その証拠と感じられる出来事が別れの際にありました。
来週の予約などの手続きが終わると、さっちゃんと僕は部屋で片付けなどしている先生のところへ行って挨拶してから帰ることにしています。
今日のその時、さっちゃんはT田先生の両手にちょっとですが触れて、親愛の情を示したのです。
その時の喋りの口調もそんな感じがしていましたね。

今日も僕はとっても疲れました。
帰宅して、お昼を食べると、しばらくして僕は布団の中へ。
いつの間にかぐっすりと寝てしまい、目が覚めると5時過ぎ。
さらに小1時間は布団から出ることも出来ずに、横になっていました。
6時過ぎ、涼しい風の吹く中、いつもの多摩川土手を散歩。
帰ってから、お味噌汁を作って、おかずは駅前の総菜屋さんで買った肉団子でしたが、さっちゃんはまったく食べず。
すぐに寝てしまいました。

その後も、珍しく1回ほどしか起き出して来ませんでした。
散歩の40分は涼しい中でしたが、病院通いは暑い中トータルで1時間半は歩きました。
さっちゃんも疲れたんでしょうね。
コメント
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