母の庭にミツマタの花が咲き出しました。
ミツマタは万葉集に「サキクサ」という名で登場します。サキクサは幸く(さきく)
を引き出すための言葉で「サキクサの幸くあれば」と言う使われ方をします。
ミツマタと言う通り、どの枝もみごとに三つに分かれています。
春先にボンボンのような明るい黄色の花を付けます。
万葉集の中に心に残る大好きな一首(長歌)があります。山上憶良が愛する我が子を
歌った歌の中に、お父さんとお母さんと3人でサキクサのように寝ようよ!
僕は真ん中に寝るからネ、というほほえましい子供の声。但しこの幼子は
まもなく病気で亡くなってしまいます。幸せの花なのに…子供の無邪気な
言葉と憶良の慟哭の有様に涙無くしては読めない歌です。
ミツマタの花が咲くと憶良といとし子に思いを馳せ、今ある無事の日々を
ありがたいと思うのです。
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