店主敬白(悪魔の囁き)

栄進大飯店の店主さがみやがおくる日々の悪魔の囁き。競馬予想や文学・音楽・仕事のグチやちくりまでいろいろ。

図書館の本に落書き

2006-05-20 02:33:36 | 小説・読んだ本
 今週は休みなので、図書館に行った。
 非公開の書庫の中に読みたい本があったのでそれを借り出してきたところ、ごていねいに赤鉛筆と黒鉛筆のダブルでラクガキがしてあった。
 生出寿の「不戦海相 米内光政」である。
 よく推理小説本の登場人物の特定のとこに「犯人はこいつ」とか書いてあるのは見かけるけど、(それもかんべんだが)このラクガキは完全に「感想コメント」の類だった。
 まず赤鉛筆で重要と思われる文章に線を引き、その線が終わったところに黒鉛筆でコメントが書いてあるのだ。たとえば、
「今後さらに・・・(中略)これを特攻として使用すれば決して負けない」
 という文章に赤線が引かれ、そのあとに活字ようりたいぶ大きな字で「迷惑至極」だとよ。
 赤線だけでもジャマなのに。オマエのコメントが読むほうには迷惑だっていうの。
 前に読んだ人もこういうのを不快に思ったのか、コメントをだいぶ消しゴムで消してあったけれど、
「立憲君主制度は国民にとって有難迷惑」
 というコメントなどは、怒りに任せておもいきり筆圧強く書いたのか、消しても跡が残っていて何を書いたかばっちりわかってしまった。
 こいつはやたら本の内容(第二次大戦中の政治情勢)に「迷惑」とツッコミを入れているのだが、おもわず頭にきて、
「おまえのラクガキが一番迷惑」と書き足してしまいたくなってきた。

 この本は一体どこから来たのだろう?
 かつての持ち主がさんざん読んでブーたれた後図書館に寄贈したとか、もともと中古本を図書館が購入したのなら話はわかるが(でも本の本体にブーたれたところでしょうがないと思う)、もしまっさらの本に借りたヤツがばんばんこんなコメントを書き込んでいるとしたら、薄気味が悪い。
 というか、脳みそが壊れてるのはあんただよ、と言いたくなる。
 まあ、ラクガキウォッチングもいいかもしれないと思い、おもろいのがあれば今後ここに晒してやろうかと思う。
 そういえば図書館のカウンターの上に「(ラクガキもそうだが)みだりに線を引くことは正常な鑑賞の妨げになる」というような内容の、えらい人の言葉を借りた張り紙がしてあったっけ。