店主敬白(悪魔の囁き)

栄進大飯店の店主さがみやがおくる日々の悪魔の囁き。競馬予想や文学・音楽・仕事のグチやちくりまでいろいろ。

ガス人間第一号

2010-03-12 20:48:06 | Weblog
 はい、今回も東宝DVDシリーズですね。
 
 気品のある女優さんは、もう絶滅したと言ってもいいだろう。
 この作品の八千草薫さんといい、前回の水野久美さんといい・・・。
 筒井康隆の「美藝公」に出てくるような女性は、もういない。
「そこらへんに歩いているちょっとキレイなお姉さん」に毛の生えたような等身大のヒトじゃないと、もう誰にも愛して(応援して)もらえないのか。
 でも、この作品はまだ女優さんが、手の届かないヒトだったときの物語だ。
 プラチナのように輝き、ダイヤモンドのように透明な・・・そう、女優さんが宝石のように輝き、貴重であった時代の、遠い物語。
 今みたくどんどん「芸能人は消費されるもの」だったら、こんな作品を作ってもなんの説得力もないのかもしれない。
 明日は明日の「藤千代」が出てきてしまうのだから。

 金が必要な芸の世界にいて、金のかかる女を愛してしまった男の悲劇と・・・。
 これはせつないメロドラマである。
 この特撮シリーズ随一の悲恋メロドラマだ。
 ここには、正義も悪もない。
 恋の前にはそんな単純なもん、どうでもいいのかもしれない。
 科学考証だってちっと怪しい。
 でも恋は恋だ。
 そんな迫力がこの恋にはある。
 もう決して、ありえないことだから・・・。
 
 おいらが気になったのは、家元に忠実だったじいやのことである。
 なんかじいやはちょっと気の毒かもしれない・・・。 

 あと、大きなお世話かもしんないけど、おいら的には三橋達也はちょっと暑苦しい。
 確かに正論バリバリの刑事さんにはいいかもしれないけれど、恋人役の佐多契子と年齢差ありすぎでおっさん過ぎ。
 この場合「普通の恋」「悲恋」を対称させるなら、もう少し若い年齢のカップルがいいのに。
 
  


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