新・さひょ君のらくがき帳

僕と妻と娘、3人の日常と僕の趣味を書いたブログです。

アスペルガーとカサンドラ

2015-07-01 23:07:30 | メンタルヘルス


「旦那(アキラ)さんはアスペルガー アスペルガーとカサンドラ」
野波ツナ 著

毎回新刊が出る度に買って読んでいる、コミックエッセイのシリーズ6冊目。

今回は前巻で取り上げたカサンドラについて、ツナさんが自助グループに取材し、メンバーの体験談がいくつも紹介されています。

うちは男女が逆ですが、配偶者がアスペルガーで感じる孤独感やイライラ、モヤモヤは共通するものがあります。思わず「分かる、分かる」と頷いたり、つい吹き出したり。こうして本になっているのを読むと、一口にアスペルガーと言っても、色々な方がいるんだなあと実感します。

僕自身は、職場の環境に変化があったことで、少し気持ちが軽くなった部分があります。

連れ添って15年、2人ともまだ四十代。人生、まだまだこれからです。

前途が明るくありますように。



夕方、自宅から見えた虹。フレームにはうまく収まらなかったのですが、空一杯に広がった綺麗な半円形でした。妻と娘と3人で、しばらく見とれていました。



タルコフスキー3連発~その2

2015-07-01 13:02:00 | 映画


「ノスタルジア」
監督 アンドレイ・タルコフスキー
主演 オレーグ・ヤンコフスキー

(物語)18世紀のあるロシア人音楽家の研究のため、女性通訳と共にイタリアを縦断しているロシア人男性。旅先の温泉地で、信仰に基づき妻子を7年間も自宅に幽閉した初老の男と出会う。ロシア人は彼から話を聞こうとするが、間を取り持つ通訳と仲違いしてしまう。

通訳が怒って立ち去った後、男達は雨漏りのひどい家の中、2人きりで話をする。初老の男は言う。「私は家族だけを守ろうとして家に閉じ込めたが、失敗だった。世界を救わなければならない。ロウソクを手にしたまま温泉を渡りきることができれば、世界は救われる」

初老の男は「いずれ、大きなことをやる」と言い、2人は別れる。

かねてからの不満も爆発した通訳は、ローマに帰ってしまう。男は一旦はそのまま滞在先のホテルに留まるが、自分も引き払おうとした時、通訳から電話が入る。あの初老の男がローマに来て、3日間演説を続けているという…。

   ☆    ☆

タルコフスキー2本目です。

この作品は、タルコフスキーが初めてソ連以外で製作し、そのまま自国には帰れなくなってしまったという、いわくつきの映画であります。カンヌ映画祭で賞を取るなど、大変評価の高い作品で、毎度ながら映像の美しさには息を飲みます。


タルコフスキー自身を思わせる主人公の孤独と苦悩は、わからなくもない。でも、彼らのように、家族を顧みない勝手な振る舞いをする気にはならない。一人になりたいと、思うことはあるけれど、実行はできない。この映画の登場人物は、みんな心に闇を抱えているように見えます。


ただ、映像は本当に美しいです。タルコフスキー作品全体に共通するモチーフである「水」が、今回は特にふんだんに出てきます。