みやこ海風だより

市議会報告からNPO活動、海を活用したまちづくり、文化創出のまちづくりをベースにしたつぶやきです。

超強風下でセーリング

2007-02-19 20:09:18 | ニュージーランド研修
ニュージーランド研修の中で一番冷や汗ものがクルーザー研修だった。研修4日目はディンギーからクルーザーに移行。骨休みも兼ねてクルージングという事だった。目指すはランギトト島の南側にある何とかいう島(名前忘れた)。ここには昨年も上陸したが北側の岸だった。今回は東側の浜辺を目指す。ところが当日は朝からオークランドは強風が吹いている。湾は白波バンバン、ウサギが飛んでいる。ハーバーのヨットのリギンはカシャン、カシャンとうるさく鳴っている。「これはやばいな~、今日は無理だな~」と思っていたが、本日のスタッフのブレットは「ダイジョウブネ、モンダイナイネ」なんていいながら、出港の準備をしている。ハーバーにはクラブスタッフもいないし、風速も確認できない状況だ。日本ならハーバーマスターが絶対無理という強風である。私でも中止にする。湾を見渡してもどこにもまだヨットはいない。コーストガードなどには連絡はいいのか?不安がいっぱい。ブレットは目指す島はブランケットになっているので、そこまで行けば楽しめる。自分はトーネードでそこに向かうから、そこで合流してトーネードでのセーリングをやろうという。「マジすかっ?トーネードもやばいんじゃない?」と思ったけど、もう行くしかない状況だ。湾に出た。体感で20メートル近くに風があがっている。目指す島までは真ラン。メインセールだけにして帆走した。ヨットは27フィート。子ども4人、大人5人が乗船。しかし、クルーザーを操れるのは私とマークの2人だけ。このヨットのブームは鉄で出来ている。ジャイブでブームパンチを喰らったらアウト。ナチュラルにも気をつけ、とにかく慎重に行くしかない。マークにメインシートを預け、ティラーを握る。大きくローリングしながらも1時間半かけて島についた。ここまでは子どもたちも元気だった。ここの島陰で風を逃れて休憩してブレットを待ったが一向に来ない。電話も通じない。たぶん、あの風だ何かトラブルがあったんだろうな~と。案の定、午後2時頃ブレットから電話があり、やはりトーネードでも無理だった。途中で危険にさらされたので引き返したという。ガーン!!俺たちはこれから戻らなければならない。島から出ると、来た時よりもかなりの白波バンバン!うぉおおお~20メートルオーバーだぜい!!!この野郎!いきなりブローの塊が我々を襲ってくる。カメラマンのT氏は来る時はまだTVカメラを回す事が出来たが、帰りは絶対に無理だ。ジブはNO3にして、マークにメインのトリムを必死にやってもらう。スプレーは当たり前、砕ける波がデッキ上の我々を襲う。子どもたちにライジャケを着せ、キャビンの中に押し込む。大人はバラストとなってクローズホールドに挑む。タックしても横流れし、なかなか思うように距離をかせげない。いろんなシート類の調整など指示するが、他の大人にはなかなか出来ない。次第に中の子どもたちが酔いだし、吐きまくり状態になった。風は一向に弱くならない。目指す方向のスカイタワーが見えてくるが、まだまだ遠い。全員びしょぬれでただただクローズホールドに挑む。3時間経過、それでもまだハーバーには近づかない。アメリカズカップ艇が近くを帆走している。3ポイントのリーフだ。そりゃそうだ、この風だもの。しかし、意外とこのヨットも強い。なんとかハーバーが見えてきた。島を出てから4時間、やっとハーバーについた。午後6時である。全員放心状態。無事であったことが何よりの救い。陸にあがって食料と水を取る。全員の顔に笑顔が戻った。この時の水は本当にうまかったな~。そしてこのあとのビールが最高にうまかったのも言うまでもない!!