ケロウナでのスキー研修でご指導いただいた方々を、「師匠」とか「師範」とか軽く呼んで来ましたが、実は、この方々はいずれも日本でまたはカナダでスキーインストラクターとして銭を稼ぐための免許をお持ちのスーパースキーヤーなのです。こんな贅沢なコーチ陣のもとで、しかもまったくタダで、スキー入門の手ほどきを受けられたのは、なんとも恵まれたことと言わざるを得ません。ラッキーで済ませたら罰が当たりそうです。私の人徳なんでしょうか?ちがうか?
スキー界の神様とあがめられる三浦雄一郎が1970年に敢行したエベレスト大滑降に際して、その滑降ルートを決め、登山隊長としてその快挙を支援したK師匠。日本山岳会にドンとして君臨する方だから敢えて実名で申し上げれば加藤幸彦さんが、その人です。登山家として山岳写真家として、その世界ではつとに有名な方らしいのですが、山とスキーには無縁であった私には「猫に小判」、普通の頑固オヤジでした。
(エベレスト大滑降の写真とK師匠の足跡は下のご自身のサイトでごゆっくりどうぞ)http://members.shaw.ca/donkato/everest/everest.htm
長野生まれのT師匠。子供の頃から下駄代わりにスキーを履き、スキーで国体を目指すか、野球で甲子園かと悩んだ末、甲子園へ。志賀高原でのスキーインストラクター経験に加えて、今年からカナダのインストラクター免許も取得。プロゴルファーの試合を見ても我々のショットの参考にならないのと同様、彼の滑りを見ても、笑いながら「へぇ~!」とは思うけど、まったく別世界のシロモノで、われわれの参考にはならないのが難ですね。
蒲田で育った江戸っ子H師匠は、スキーの教え子に一目ぼれ、新婚旅行で訪れたカナダに一目ぼれ。スキーするために?家業の豆腐屋を畳んでバーノンに移住。話も手短、思考も即断即決タイプのようです。こちらがグダグダ書いた長文メールへの返信が、一言「どうも」だけなんてのがしょっちゅうです。不言実行、少言多行がなんとも小気味良く、人の面倒をよく見てくれる、気持ちのさっぱりとした江戸っ子です。Hさんの作る豆腐も人柄が出ていて、見てくれも味もさっぱりとしていて、われわれは大ファンです。
H師匠の師範代として一日お世話になったS師範。実はスキー界の大物らしいことが判明しました。来月ポーランドで開かれる知的障害者スキー大会に出場する日本チームの臨時コーチに任命されたとの情報を入手しました。私が説明した病歴を聞いてくれて診断・処方をしてくれた、あの優しいお医者様は、実は世界レベルの名医だったのですね。頭を丸めておられたので、「どんな仕事の方なんだろう?」と思いながらも初対面では聞けず、質問を飲み込んだものですが、後になってご本人から「坊さんです」と言われ、お医者様じゃなくてお寺さんだったんだと妙に納得したものです。スキー関係の仕事から家業(というのかな?)のお寺さんに転職されたユニークな、これまた気持ちのさっぱりとした優しいご住職、じゃない師範でした。
がんばれニッポン!!