生活

とりとめもなく

殺人か、自殺か

2015年03月26日 19時22分05秒 | 読書
仕事以外は本を読んでばかりいる今日この頃、ついに読み終わったー
宮部みゆき「ソロモンの偽証

文庫版6冊もある…約1か月半かかった。
宮部みゆき先生は地元がほぼ一緒なので現代ものでも時代ものでも知ってる場所がたくさん出てくるから楽しいんだけど、今作の舞台は東京都城東区という架空の地名になっているが、これは言わずもがな江東区のこと。城東警察は実在するしね、砂町銀座のはす向かいに。ロケーション的には、東陽町、木場、清澄白河、西大島、この4つの地下鉄の駅を結ぶ四角のあたりなんじゃないかと勝手におもいながら読んだ。そして何より、この小説の設定の1990年のクリスマスイブに中学二年生というのは、私とまったくの同い年なんだねー

城東三中という中学校で起きた男子生徒の転落死をきっかけにああでもないこうでもないといろいろなスキャンダルをほじくり出し、三中は悪い意味で一躍脚光を浴びることになる。
ことなかれ主義の学校側の方針にしびれを切らした優秀な生徒、藤野涼子が課外授業として中3の夏休みをかけて生徒による学校内裁判を提案し、校内も校外も、子供も大人も入り乱れて、しかし理路整然と真相にたどり着くというのを壮大なスケールで描いております。事件発覚直前から直後、その後の混乱と偽りの沈静化、裁判をするという提案と準備と別の事件の発覚、いよいよ開廷…
いろんなことが複雑に入り組み伏線がはられ、そして読んでる間に現実世界でほんとうに川崎で中1の男の子が頭のおかしい不良というか同い年の人たちには相手にされてない18歳に理不尽に殺されるという事件が起きて、それと内容がリンクするところもあり面白いからというのも語弊があるが、グイグイと読めてしまった。
でも

こんなにあるから時間かかったけど…
たかだか区立の中学生でこんなに頭のキレる連中が同時に同じ場所に存在するはずもないと思いますが、世の中にはいろいろな事があり、いろいろな人がいます。だから、ないわ~と決めつけることもできない。
優秀な子どもたちが、持てる能力の限りに頑張り、それを大人たちが、当然のようにバックアップするという本来の人間のあるべき姿を描いていて、ちょっとだけハリーポッターと不死鳥の騎士団を思い出しました。
私は個人的にはガリ勉メガネの学年トップで判事を務める井上康夫くんというキャラクターがお気に入りです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする