この本、昭和61年5月20日発行の本だが、おもしろい。
著者は飯塚信雄氏。
1922年生、横浜出身。上智大学文学部卒業。発行時に明治大学教授。ドイツ文学専攻。装飾史、手芸史、工芸史、インテリアデザイン史にも造詣が深い。
『ヨーロッパ教養世界の没落』『男の家政学』『ポンパドゥール侯爵夫人』『ロココへの道』等、著書多数。
あとがきをみると、作家の本城靖久氏(わたしは大ファン)の縁で出版された、とある。
18世紀が、まるでその場にいるかのように、皮膚感覚で感じることのできる文章です。
興味深い目次をご紹介します。
第一章
よみがえるロココ
第二章
官能を解放した男、装飾画家ブーシェ
第三章
官能文学の旗手 サロン詩人ヴィーラント
第四章
プレイボーイの美学 冒険者カサノヴァ
第五章
栄誉の奴隷にならなかった男 ゴッター伯爵
第六章
愚者の美学 ケルン選帝侯クレメンス・アウグスト
第七章
嫉妬の美学 若き日のゲーテ
第八章
ロココと現代
あとがきによると、著書はロココ時代を『おおよそルイ14世の治世の晩年(18世紀のはじめの15年間。ルイ14世は1715年没。)からルイ16世とマリー・アントワネットが処刑された1793年頃まで』としている。
著書の考えるロココの現代的意義
それは
官能性の解放→人間の大きさに見合った社会の中で、人間が人間らしく楽しく生きるための基本
著者の言葉から印象的なフレーズ
みんなで種をまこう。熟成は自然にやってくるだろう。