作曲、わたしは専門的に勉強したことがありません。
作曲家の吉本隆行先生には高校の3年間習っていましたが、ピアノと音楽理論、ソルフェージュです。
神奈川県の公立高校でしたが、田中正博先生という、東京藝術大学出身のテノール歌手が音楽の先生でした。
音楽が専門ではない生徒ばかりなのに、高度でおもしろい授業でした。
ふたつ、エピソードをご紹介します。
そのひとつに、ドボルジャークの『新世界』とベートーヴェン『運命』の単行本サイズのフルスコアをみんなに買わせて、冒頭から全楽章、どの楽器が主旋律をリードしているかを、蛍光ペンでマーキングし、提出させる、というものがありました。
高校2年生の夏休みの宿題として、ピアノ曲を作曲し、夏休み明けに、クラスの生徒の前で演奏する課題がありました。
ほかのみんなは、普通科の生徒です。
わたしは音楽大学に行こうとしていたこともあり、みんなより優れたなにかを作らなければ、と、焦っていました。
細かい音をたくさん書いて、がんばりました。
夏休み明け、発表があり、自分も演奏し、またみんなの演奏も聴きました。
そして、愕然としました。
みんなのすごいことに!
それで、思ったのです。
単純な音のほうが、なんて饒舌なんだ!!
わたしは、自分が作ったものが、はずかしくなりました。
ちなみに田中先生は生徒から『まーろーま』と呼ばれていました。
理由は、毎回、音楽の授業のスタートに発声練習をさせるのですが、『まーろーま』と歌わせるからです。
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