今回は、勤勉な天使と悪魔のお話を書きました~
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あるところに、悪魔と天使がいました。
この悪魔と天使は真面目で、いつも徹底的に自分の本分を果たしていました。
悪魔はとても悪魔で、天使はとても天使でした。
それら2つは、お互いにそれぞれの役割を誇りに思っていて、日々努力していました。
そんなある日、悪魔は悩んでいました。
悪魔はやりがいを失っていました。
以前に比べて、悪いことをやっても必ず相手が傷ついてくれないからです。
悪いことをされた相手が、悪いことを悪いことだと思わなかったりすることがあるからです。
価値観の多様化でした。
悪魔は自分が悪魔の役割を果たせていないことに、腹立たしく思いました。
一方、天使もまた悩んでいました。
優しくしたつもりが、喜んでもらえず、むしろ相手を傷つけることさえあり、自信をなくしていました。
多少ノイローゼ気味になり、自分は本当に天使なのか不安になりました。
「悪魔、最近どう?」
「うん…ちょっと不調…」
そこで悪魔と天使は、自分達の悪と善の基準を確認するために、喫茶店で話し合うことにしました。
二人はまじめでしたので、活動履歴のデータを持ち寄り、夜遅くまで議論しました。
でも、話せば話すほど、どこまでが悪でどこからが善かわからなくなり、話し合いも終り頃にはヘトヘトに疲労していました。
コーヒーのおかわりをして気を取り直すと、それぞれ落ち込まずにぼちぼちやって行こうと言うことになりました。
どうも悪いことや良いことは、一人一人基準が違うらしく、それは悪魔や天使が決められることではない、という結論になりました。
仕方ないので、それぞれが信念を持ってやって行こうと言うことになりました。
天使も悪魔もそれぞれ帰路につく中で、自分達がスポットライトを浴びる瞬間すべては、人間の持つ個人的主観に委ねられていることに気づいてしまいました。
二人は、個人の中に完結してしまっている善悪の話に、天使も悪魔も名ばかりの主役だと悟ってしまいました。
二人とも、翌日から看板を下ろして、好きに暮らしました。
<おわり>
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あるところに、悪魔と天使がいました。
この悪魔と天使は真面目で、いつも徹底的に自分の本分を果たしていました。
悪魔はとても悪魔で、天使はとても天使でした。
それら2つは、お互いにそれぞれの役割を誇りに思っていて、日々努力していました。
そんなある日、悪魔は悩んでいました。
悪魔はやりがいを失っていました。
以前に比べて、悪いことをやっても必ず相手が傷ついてくれないからです。
悪いことをされた相手が、悪いことを悪いことだと思わなかったりすることがあるからです。
価値観の多様化でした。
悪魔は自分が悪魔の役割を果たせていないことに、腹立たしく思いました。
一方、天使もまた悩んでいました。
優しくしたつもりが、喜んでもらえず、むしろ相手を傷つけることさえあり、自信をなくしていました。
多少ノイローゼ気味になり、自分は本当に天使なのか不安になりました。
「悪魔、最近どう?」
「うん…ちょっと不調…」
そこで悪魔と天使は、自分達の悪と善の基準を確認するために、喫茶店で話し合うことにしました。
二人はまじめでしたので、活動履歴のデータを持ち寄り、夜遅くまで議論しました。
でも、話せば話すほど、どこまでが悪でどこからが善かわからなくなり、話し合いも終り頃にはヘトヘトに疲労していました。
コーヒーのおかわりをして気を取り直すと、それぞれ落ち込まずにぼちぼちやって行こうと言うことになりました。
どうも悪いことや良いことは、一人一人基準が違うらしく、それは悪魔や天使が決められることではない、という結論になりました。
仕方ないので、それぞれが信念を持ってやって行こうと言うことになりました。
天使も悪魔もそれぞれ帰路につく中で、自分達がスポットライトを浴びる瞬間すべては、人間の持つ個人的主観に委ねられていることに気づいてしまいました。
二人は、個人の中に完結してしまっている善悪の話に、天使も悪魔も名ばかりの主役だと悟ってしまいました。
二人とも、翌日から看板を下ろして、好きに暮らしました。
<おわり>