横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

フライホイール で動くパトカー

2019-07-27 23:31:33 | 活動の記録
こんなに暑いのに、まだ梅雨明け宣言が出ていません。
今年の夏は雨、雨、雨でした。雨によって被災された方に心からお見舞い申しあげます。

さて、予約のお客様を待っていると最初に持ち込まれたのは、本地区センターのおもちゃでした。時折、おもちゃ病院を開催している地区センターのおもちゃを直すことも結構あります。

持ち込まれたのは、フライホイール で動くパトカーでした。電池を使うのですが、ヘッドライト点滅とサイレンが鳴るだけで、動力用のモータはありません。車をゆっくり押し続けて、手を離すとフライホイール の効果で前へ進んでいく、シンプルなおもちゃです。フライホイール は、日本語ではずみ車、昔からおもちゃの動力に使われているのですが、エネルギーを機械的に保存する優れた仕組みです。最近のハイブリッド自動車は、ブレーキを掛けると発電機を回し、バッテリーにエネルギーを保存するのですが、同じようにフライホイール にエネルギーを保存することもできます。一時期、F1でも使われました。

どんなおもちゃかというと・・・すみません写真を撮り忘れました。この写真は、amazonや楽天で売られている最新型なのですが、ほとんど同じです。


これが押しても動かないという故障とのこと。フライホイール ユニットを分解してみると、


シャフトを動かしているギヤが空回りしているのでした。そうとわかれば、簡単簡単と、この方法で修理します。


しかし、組み上げようとすると、フライホイール ユニットを支えるボディの爪が折れてます。確かに、フライホイール を使うためには、おもちゃを床に押し付けて押すのですから、壊れるのよくわかります。ここは、接着剤では無理なので、ねじ止めしました。


そして、組み上げてみると。やっぱり、動かない。あれ。こんなに簡単な仕組みなのに、なぜだー。

よく見てみると、前輪のシャフトを支える穴が大きくなっており、タイヤがボディに干渉しているのでした。床に押し付けて遊ぶおもちゃなので、摩耗でシャフトの穴が大きくなったのでした。この修理は写真を撮りませんでしたが、シャフトを抑える部品を作って、修理完了し、地区センタへお返ししました。

個人のおもちゃと違って、摩耗や損傷が激しい地区センターらしい故障修理でした。