沖縄の日常

日々変わり行く沖縄と自然とつれづれなるままに

おばあたち

2012年03月02日 | 日々のこと
 今から27年前、私は長男を出産して初めての里帰りをした。少し肩身の狭いような気持ちで帰った。当時の沖縄では、本土の人と結婚することを反対する風潮があった。近所の知り合いの女性も、本土の人と結婚したために勘当されたと言う話を聞いた。
 私の両親も、そうだった。母は私が、赤ん坊を連れて外を歩くのをあまり面白く思わないようだった。私は小さくなっていた。
 しかし、写真の四人のおばあ達が、私が赤ちゃんを連れて帰って来たと聞きつけて、祝いに駈けつけてくれた。祖母、祖父の妹、祖父の弟嫁、祖父の姉。おばあ達は遠くからわざわざ歩いて、声を掛け合って来てくれたのだった。顔をみたら懐かしさと嬉しさで胸がいっぱいになった。
 
  おばあ達は帰り際、誰からともなく、「○子がぁ帰ってきたよ、子どもを連れて、丈夫ないい子に育てなさいよ」みたいなことを言いながら、縁側でカチャーシーを踊ってくれた。
 涙がこぼれた。固まっていたオリのようなものが溶けていった。

 沖縄の人が当時、本土の人(ヤマトゥンチュ)を嫌っていたのには理由がある。戦争体験を通して、日本の兵隊よりもアメリカの兵隊の方が信用出来るという事を身をもって学んだからだ。だから当時、本土の人との結婚には大反対でも、アメリカの人との結婚にはそうでもなかった。

 今、沖縄には入れ代わり立ち替わり、国の偉い人が出入りしている。この数年だけでもめまぐるしく。言う事は皆一緒
 「沖縄の負担を軽減するために、・・新しい基地をお願いしたい」
と、自分の言っている矛盾に気づかないのだろうか、沖縄をバカにしているのか。
 
 27年経っても、何もかわっていないことをを思い知らされる。
 おばあたちは、戦争のために何人もの子どもを亡くしている。悲しい辛い体験をくぐり抜けて、優しい笑顔を見せてくれる、あばあ達。

 こんな長いブログに来て頂き感謝します。
  
コメント (2)
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