名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

第166回名南将棋大会(壱) 結果速報

2016-10-01 | 名将会
今日は第166回名南将棋大会(壱)を行いました。結果速報です。

A級優勝
渋江朔矢さん


B級優勝
森七郎さん


C級優勝
本郷聰弘さん


優勝おめでとうございます。
参加いただいた皆様ありがとうございました。


前回までの優勝者12か月分のまとめです。(クリックで大きくなります。)
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大山将棋研究(294); 中飛車に57金戦法

2016-10-01 | 大山将棋研究
昭和51年7月、桐山清澄先生と第28期棋聖戦第3局です。


桐山先生に中飛車を譲って、57金戦法(金立ち戦法)になりました。急戦のような持久戦のような戦法です。

金で攻めるのはこの歩に対応できるからで

45の金が銀なら銀ばさみですね。

桐山先生は軽い受けです。このころは軽いさばきの振り飛車党だったみたいですね。

55同歩に歩を合わせます。54同歩に64角46歩54銀のつもりか。11角成は33桂で構わない、ということですね。

大山先生はこの戦法らしく力強く55歩を狙いに行きます。

歩得にはなりましたが、この金打ちは受けにくいです。

飛車先を連打しても後手を引いては、何をやっているかわからないような手順ですが

44銀から55角で角取りをかわす意味でした。

馬を作られても銀を投入して

と金を作ればいい勝負。指しにくそうだったのを互角に戻しました。

桐山先生の端攻めは受けにくそうですが、ここで66歩がタイミング。どちらでも取りにくいです。

中央を厚くして端攻めを緩和する、こういうのは気が付きません。

銀がそっぽに行くので意味が分かりにくい手ですが

14の飛車を殺すのですね。銀と刺し違えになりました。

大山先生がやや駒得になりましたが、まだまだ押したり引いたりが続きます。

桐山先生はとうとう端を破ることになりましたが、効果は薄いです。

これは と金が消えるので指しにくい手。でも銀を手に入れて

飛車を打って桂を拾う、駒得にはなりますが、自玉が薄くなるのでやってはいけない手のことが多いです。

でも前に入手した銀で受けて、この攻めは受かっているみたいです。21の桂を取ったのは、53香に33角成を用意していたのだとわかります。

気が付けば飛車得くらいになっています。長い戦いで駒得ならだんだん指しやすくなります。

あとは自玉の安全を図ればよいわけです。

桐山先生は最後の勝負を挑みます。

食いついて難しそうです。

馬を引かれてどうやらよい攻め手がなかったようで

馬は消しましたが、どこかで39角が王手飛車、とならなければ足りません。

大山先生の寄せは上からおさえればよく

投了図。

長い戦いで押し引きがありわかりにくいのですが、駒得を意識した大山先生の指し方が桐山先生の攻撃力を鈍らせました。端攻めの対応に玉をかわして指すというのは当たり前のようでも見習いたいものです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:桐山清澄8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 5六歩(57)
10 4三銀(32)
11 6八玉(59)
12 5二飛(82)
13 7八玉(68)
14 6二玉(51)
15 5八金(49)
16 7二玉(62)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 6八銀(79)
20 8二玉(72)
21 3六歩(37)
22 7二銀(71)
23 5七金(58)
24 5四歩(53)
25 4六金(57)
26 3二金(41)
27 5七銀(48)
28 5一飛(52)
29 3五歩(36)
30 4五歩(44)
31 同 金(46)
32 8八角成(33)
33 同 玉(78)
34 3五歩(34)
35 7七角打
36 3六歩(35)
37 3五金(45)
38 5五歩(54)
39 同 歩(56)
40 5四歩打
41 3六金(35)
42 5五歩(54)
43 4六金(36)
44 5四銀(43)
45 6六銀(57)
46 4五歩打
47 5五金(46)
48 4六歩(45)
49 同 歩(47)
50 5五銀(54)
51 同 銀(66)
52 6五金打
53 5二歩打
54 同 飛(51)
55 5三歩打
56 同 飛(52)
57 5四歩打
58 3三飛(53)
59 3七歩打
60 7六金(65)
61 4四銀(55)
62 3四飛(33)
63 5五角(77)
64 4七角打
65 7八金(69)
66 6五角成(47)
67 4五銀打
68 1四飛(34)
69 7七歩打
70 7五金(76)
71 5三歩成(54)
72 5二歩打
73 5四と(53)
74 9五歩(94)
75 同 歩(96)
76 9七歩打
77 6六歩(67)
78 7四馬(65)
79 6七銀(68)
80 9五香(91)
81 7六歩(77)
82 8五金(75)
83 5六銀(45)
84 6四歩(63)
85 4五歩(46)
86 4三歩打
87 同 と(54)
88 3一金(32)
89 5四歩打
90 4一金(31)
91 5二と(43)
92 同 金(41)
93 5三歩成(54)
94 5一金(52)
95 5二歩打
96 4一金(51)
97 4三銀(44)
98 3三歩打
99 1六歩(17)
100 7六金(85)
101 1五歩(16)
102 4二歩打
103 1四歩(15)
104 4三歩(42)
105 6五歩(66)
106 7五金(76)
107 2六飛(28)
108 9八銀打
109 6四歩(65)
110 9九銀(98)
111 7七玉(88)
112 9八歩成(97)
113 6三歩成(64)
114 同 銀(72)
115 同 と(53)
116 同 馬(74)
117 5一歩成(52)
118 同 金(41)
119 2二飛打
120 5二歩打
121 2一飛成(22)
122 8八と(98)
123 同 金(78)
124 8五馬(63)
125 8六銀打
126 8八銀(99)
127 同 玉(77)
128 8六金(75)
129 同 歩(87)
130 同 馬(85)
131 7七金打
132 5三馬(86)
133 2八飛(26)
134 9七歩打
135 9九歩打
136 6八歩打
137 7八玉(88)
138 9八歩成(97)
139 同 歩(99)
140 同 香成(95)
141 7四歩打
142 7五馬(53)
143 7三歩成(74)
144 同 桂(81)
145 6六銀(67)
146 8五馬(75)
147 7六銀打
148 9六馬(85)
149 6七玉(78)
150 5三香打
151 9四桂打
152 7二玉(82)
153 3三角成(55)
154 4六金打
155 5四歩打
156 同 香(53)
157 5五歩打
158 6九歩成(68)
159 5四歩(55)
160 6八銀打
161 5五馬(33)
162 7七銀成(68)
163 同 銀(66)
164 5七金打
165 6六玉(67)
166 5六金(57)
167 同 馬(55)
168 同 金(46)
169 同 玉(66)
170 7四馬(96)
171 6五歩打
172 6四銀打
173 4六玉(56)
174 6五桂(73)
175 8五銀打
176 6三馬(74)
177 7四金打
178 5七角打
179 3六玉(46)
180 7七桂成(65)
181 6三金(74)
182 同 玉(72)
183 7四金打
184 5四玉(63)
185 5六香打
186 投了
まで185手で先手の勝ち

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20161001今日の一手<その395>; 無理をとがめる

2016-10-01 | 今日の一手

20161001今日の一手<その394>;
今日は注目の藤井総太新四段プロ入りの日、ということで2012年に一宮将棋大会(愛岐会)で対戦した将棋からです。

形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の2歩得です。後手は歩切れなので先手の駒得とします。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚。
後手の攻め駒は持ち駒角1枚。(先手玉に向かっていないので35の銀を攻め駒とはしません。)

総合すればやや先手もちです。

大局観として

後手は37桂を攻める意味で3筋から動いたのですが、さらに65歩同歩74歩と右からも攻める体制を作ろうとしたところです。これは左右分裂の構想で、まずうまくいきません。65歩と動かないで43銀~34銀と歩を払いに行くのが本筋です。

65歩同歩74歩が指しすぎだ、とするのが正しいのだと思います。後手玉が堅ければ、少し無理気味でも攻め合いにできるようにしておく、という考え方はあるのですが、34歩が残っているのですからこの場合は無理なはず。先手としては25桂と跳ねれば桂交換にはできるのですから、持ち駒に桂馬があるものだと仮定して、左側に目を向けるとよいでしょう。

右側に目を向けても、2歩手持ちにしているのですから指せないことはないです。その時には後手の6,7筋に手を付けたのが生きないように、攻め合いに注意しておきます。


○ 64歩が自然な手です。

73桂から65銀や65桂が後手のねらいなのですから、その時に歩を渡さないという意味があります。また、73桂なら68飛

として63歩成を狙えます。これは受けにくくて、62飛には51角

で52金から飛角交換なら十分でしょう。

他には52金と受けると41角42金左52角成同金63金

と俗手で攻めても後手の持ち駒が角2枚だけなので反撃がありません。

27角には25桂

として37金を狙います。26銀に63歩成同銀55角

とすれば、44角が銀取りになるのでこれも決まっています。

64歩に73桂がだめなら、後手は失敗しているのは明らか。26銀には

63歩成同銀55角37銀成同金64桂45銀

が調子よいです。この図で後手が7,8筋を突き捨てているとアヤがありますが、先手が十分です。


△ 68飛もよさそうな手で

後の65銀や65桂を許しません。26銀には66角

が調子よいです。

問題は75歩同歩86歩同歩26銀

とされると、76歩同銀59角という攻め筋があることで、それを避けて64角92飛74歩

としておくのでしょう。あまり明快ではありませんが、先手が指しやすいです。


△ 攻め駒を生かす45歩は当然の手で

75歩同歩73桂64歩65桂

は嫌なのですが、65同銀同銀63歩成

後手が歩切れなので悪くはないです。これで後手玉が堅ければ実戦的には大変かもしれませんが、ここでは攻め合いにもできるので先手よしです。


△ 攻めるなら25桂としておくのもよい手で

59角38飛26角成がありますが、64角

をここで打てば92飛の1手。33歩成同桂同桂成同金直84桂

として左の桂香や飛を攻められます。

△ 実戦では15歩としました。

攻め合いにしなければ、と少々焦っておりました。だから15同歩13歩24銀45歩

とごちゃごちゃした戦いを目指したのではなくて(これもやや指せそう)

15歩同歩25桂59角に12歩

と強攻です。飛車は取られても構いません。12同香13歩同香33歩成に同金右

だったので喜んでしまいました。左の金で取られて13桂成から端を攻めるのだけどどうかな、と考えていたのです。
64角92飛33桂成同金38飛26角成53角成

駒得で攻められるのでこれならよいはずですが、案外難しかったのです。43金64馬36歩

と抑えられて27馬が見えます。こんなことなら37金25馬としておけばゆっくり攻められました。
少し焦って34金63歩54馬同金28飛61角

駒得で攻めるなんていう話は消えていて、寄せられるかどうかという勝負になってしまいました。
ここで43銀53金26飛同銀36金

と行ったのですが、43角から余されて寄せられず。

少し戻って36金!これがおまけの問題の回答です。

というのが好手でした。これは43銀53金を決めてからでもよいのですが、盲点です。飛車は捨てやすくても金は捨てにくい(と思うのは私だけか)ものです。


☆ まとめ
問題図での形勢がややよいのでどれも有力ですが
左から無理気味に攻められたのでそれに対応するのが本筋です。64歩ですね。73桂には68飛が調子です。
最初から68飛でもよいですが、1歩持たれて75歩同歩86歩同歩76歩同銀59角という筋には注意です。(48飛の形でもあり得るのですが、47金のひもが心強い。)

右から動くならやはり45歩か。悪い手で無ければ形勢はよいのです。
25桂や15歩同歩25桂というのは、もしかすると後手の65歩同歩74歩が生きる展開になるかもしれませんが、この場合は64角92飛84桂の筋に気が付けば好手になります。桂を跳ねると59角が嫌味なので、読まないと指せません。

私は体力がないので寒いころ暑いころは将棋の調子が悪くなりやすいようで、その調子の悪さが出ていますね。形勢が良くても狭い方にばかり目が向いて、早く決着をつける変化を考えてしまいます。
将棋に必要な能力に体力もあり、体力がないと短期決戦ばかり考えてしまいます。何百手かかっても勝てばよい、という心構えが必要なようで、昔の升田大山戦を思い出します。

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