名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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大山将棋研究(323); 中飛車穴熊に棒銀

2016-10-30 | 大山将棋研究
昭和51年12月、加藤一二三先生と第26期王将戦千日手の指し直しです。


大山先生の中飛車穴熊。急戦を見せられているのですが気にしませんね。

46歩に22飛と備えたので(大山先生ならいつもは32金なのですが、加藤流袖飛車を警戒したか)

加藤先生は棒銀に。これで後手の飛車は22経由で32にくるので1手損です。

1手得したのでどんどん攻めます。33歩同飛44角なんてゆっくりした手は指しません。

飛車交換したら銀を使い

角と交換できます。これで十分指せているようですが

銀桂香と角の3枚換えですから駒損です。

大山先生は84香が先手で入ったのが大きく(95桂があるので96歩が必要)

銀を入れて守ります。これで後手玉が堅くなったので後手十分なのですが、加藤先生は52角成で勝負だったか。

加藤先生は44角で34金を誘って52角成。

角2枚と金銀の交換ですが、43角が攻防になり

87の地点に殺到されます。ここは88香と守るべきか。

軽く86歩は手筋でも角を打ちこまれて危ないです。

後手の攻め駒が4枚はあるので切れません。詰めろが消えれば勝負になりますが

ここは先手玉は詰めろではないはず。でも72角には71銀か金で、角を渡したら危ないのでしょう。

投了図。


振り飛車穴熊に急戦というのは評価が分かれるところで、私は急戦でも十分させると思っています。本局では後手が手損していることもあり、居飛車が十分指せるはずですが、3枚換えのところでは振り飛車やや有利です。ほかの手段のほうが良かったということにはなるのですが、結論を出すのは難しいです。
加藤先生としては44角34金の交換は、遊んでいる金を相手にするので失敗です。すぐに52角成で指せそうに見えます。
そのあと86歩が危なかったのだと思います。

検討しがいのある将棋です。好きなほうをもって検討してみましょう。寄せの力がつきそうです。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:加藤一二三9段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 5二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5八金(49)
14 7二玉(62)
15 3六歩(37)
16 8二玉(72)
17 6八銀(79)
18 9二香(91)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 4六歩(47)
22 2二飛(52)
23 3七銀(48)
24 9一玉(82)
25 2六銀(37)
26 8二銀(71)
27 3五歩(36)
28 3二飛(22)
29 3四歩(35)
30 同 銀(43)
31 3八飛(28)
32 2二角(33)
33 4五歩(46)
34 同 銀(34)
35 3二飛成(38)
36 同 金(41)
37 2四歩(25)
38 同 歩(23)
39 3五銀(26)
40 3九飛打
41 2三歩打
42 同 金(32)
43 4三飛打
44 3三角(22)
45 4四銀(35)
46 4二歩打
47 5三飛成(43)
48 2九飛成(39)
49 3三銀成(44)
50 同 桂(21)
51 4二龍(53)
52 1九龍(29)
53 4九歩打
54 8四香打
55 9六歩(97)
56 4六歩打
57 4三角打
58 5二歩打
59 4一龍(42)
60 7二銀打
61 4四角(88)
62 4七歩成(46)
63 5九金(58)
64 3四金(23)
65 5二角成(43)
66 4四金(34)
67 6一馬(52)
68 同 銀(72)
69 同 龍(41)
70 4三角打
71 1一龍(61)
72 7五桂打
73 7七金打
74 7六角(43)
75 8六歩(87)
76 8七角打
77 7九玉(78)
78 6九角成(87)
79 同 金(59)
80 4九龍(19)
81 5九香打
82 8七角成(76)
83 7八金(69)
84 5八と(47)
85 8七金(77)
86 6八と(58)
87 同 玉(79)
88 4八龍(49)
89 5八銀打
90 5七銀打
91 7七玉(68)
92 5八銀成(57)
93 同 香(59)
94 同 龍(48)
95 7六銀打
96 6九銀打
97 8八金(87)
98 7八銀成(69)
99 同 金(88)
100 8七金打
101 投了
まで100手で後手の勝ち
コメント
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