名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋研究(313); 石田流穴熊に位取り

2016-10-20 | 大山将棋研究
昭和51年11月、伊藤果(はたす)先生と第9回早指し選手権です。


伊藤先生はプロ2年目で、大山先生と当たるところまで来たのですから勢いはあります。風車で有名な先生ですが、若いころから振り飛車党だったみたいですね。

石田流穴熊に位取りとなりそうで、この頃かなり流行していたのでしょう。

大山先生は玉頭位取りの形から銀冠、角筋も通って左側は十分な形です。伊藤先生も銀2枚を並べた穴熊で、上部にもある程度強くなっています。大山先生はいつものように36歩を受けないので、伊藤先生から動きました。

でも飛車を回られると思ったよりも手がなかったようです。

銀をへこませたのは良いですが、手がありません。

端から手を作りに行きましたが

すぐに取り返せないのでは失敗、香を打たれました。

角を追ってどうにか飛車を逃げ

香を取りました。これで飛角のさばき合いです。

この角成りも大きそうですが

大山先生は拠点を作って桂を跳ね

銀をかわすのがぴったりの手順です。

大山先生は桂馬が成れて金をはがし

攻めが切れません。

伊藤先生の反撃も厳しさがありません。

大山先生は急がなくてもよいので歩を使ってゆっくり攻めればよく

早いですが投了図。

若武者の勇み足という将棋でしたが、組み上がりで作戦勝ちなんですね。無理に動かせて手に乗って有利、自玉にも手を入れつつ、焦らず寄せる、という理想的な将棋です。
何局も並べていると、石田流の飛車先交換は受けなくてもいいのだという気になります。本局の陣形は玉が堅いのでまねしやすいです。


コメント
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