名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

第167回名南将棋大会(壱) 結果速報

2016-10-29 | 名将会
今日は第167回名南将棋大会(壱)を行いました。結果速報です。

A級優勝
青木一さん


B級優勝
野村櫂さん


優勝おめでとうございます。
参加いただいた皆様ありがとうございました。


前回までの優勝者12か月分のまとめです。(クリックで大きくなります。)
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大山将棋研究(322); 四間飛車に棒銀

2016-10-29 | 大山将棋研究
昭和51年12月、加藤一二三先生と第26期王将戦です。


大山先生の四間飛車に加藤先生は急戦です。

大山先生が袖飛車を見せたので加藤先生は早めに備えました。

角筋を止めたのでゆっくりになりましたが、それでも加藤先生は棒銀です。先手玉が美濃囲いではないので言い分はあります。

戦いが始まり

角を使わないと攻めにはなりませんから45歩と突き捨てて

65歩では自信がないでしょう。端角から桂を使います。

この筋は85歩同銀88飛がカウンターでうまくいかないというのが今では常識ですが、85歩同銀88飛76銀81飛成では後手が失敗。そうなれば加藤先生は85歩89歩成84歩88と83歩成78と72と と取り合うつもりだったのでしょう。大山先生は長考を見てひねったのではないかという気がします。

加藤先生は銀を捨てます。

それではさすがに無理、と思うのですが、結構手が続きます。

96歩同香46歩は後手が十分指せるように思うのですが、1筋も突き捨てるのはもう少し得をしようということでしょう。

大山先生は気が付いて46歩を受けました。

竜取りで、69竜68金79竜58金69竜・・・と千日手で終わりました。

不思議な将棋なのですが
加藤先生の28手目44歩では42金左かと思いますが、まあいいとして
48手目 13角が好手なのか、65歩の仕掛けはあったのか (13角が好手だという気がする)
54手目88歩に85歩で振り飛車よしか (振り飛車が指せる気がする)
58手目66銀は成立しているのか (難しいが成立している)
68手目15歩で96歩は後手が指せるのか (後手が良さそう)
詳しく見ないとわからないことだらけです。カッコにぱっとみた印象で書いておきます。ご意見をどうぞ。

大山先生としては(ここまで加藤先生が長考しているでしょうから残り時間はかなりの差があり)、少しミスがあったから先手番の千日手でも悪くはないと思ったのでしょう。昔の棋士は千日手は避けることが多かったのですけれど。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ---
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:加藤一二三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 2八玉(38)
14 5二金(61)
15 3八銀(39)
16 4二銀(31)
17 4六歩(47)
18 7四歩(73)
19 6七銀(78)
20 8五歩(84)
21 7七角(88)
22 1四歩(13)
23 1六歩(17)
24 9四歩(93)
25 3六歩(37)
26 5三銀(42)
27 4七銀(38)
28 4四歩(43)
29 3八金(49)
30 4二金(41)
31 9六歩(97)
32 4三金(52)
33 5八金(69)
34 7三銀(62)
35 7八飛(68)
36 6四歩(63)
37 9七香(99)
38 8四銀(73)
39 5六歩(57)
40 7五歩(74)
41 5九角(77)
42 7二飛(82)
43 4八角(59)
44 7六歩(75)
45 同 銀(67)
46 4五歩(44)
47 同 歩(46)
48 1三角(22)
49 5七金(58)
50 3三桂(21)
51 3七桂(29)
52 8六歩(85)
53 同 歩(87)
54 8八歩打
55 6七銀(76)
56 7五銀(84)
57 8八飛(78)
58 6六銀(75)
59 同 銀(67)
60 7九飛成(72)
61 8七飛(88)
62 7六歩打
63 8五歩(86)
64 7三桂(81)
65 5八金(57)
66 9五歩(94)
67 8六飛(87)
68 1五歩(14)
69 4四歩(45)
70 同 銀(53)
71 4六歩打
72 4五歩打
73 5七角(48)
74 6九龍(79)
75 6八金(58)
76 7九龍(69)
77 5八金(68)
78 6九龍(79)
79 6八金(58)
80 7九龍(69)
81 5八金(68)
82 6九龍(79)
83 6八金(58)
84 7九龍(69)
85 5八金(68)
86 千日手
まで85手で千日手

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20161029今日の一手<その409>; 自玉が薄い時には受けることから

2016-10-29 | 今日の一手

20161029今日の一手

10月1日の名南将棋大会から、AさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

升田式石田流から互いに角を打って飛車交換になったところです。
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。後手に持ち歩がないので先手の駒得ですが、3筋で歩がぶつかって後手に持ち歩が入りそうです。なので損得なしとみておきます。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は76角と持ち駒飛で2枚。
後手の攻め駒は64角と持ち駒飛で2枚。

総合すれば互角か後手が少し指せるかどうか、という局面です。

☆ 大局観として

先手は79金と引いて飛車の打ち込みを消して、飛車の交換なら先手よしという作戦でした。後手は飛車の打ち込む場所を作りたいのです。36歩と突きだして、もちろん同歩とは取れません。放置して37歩成がどれだけ厳しいか、厳しいとしたら受ける手段はあるのか、ということを考えます。
後手の攻め駒は2枚しかないので、攻められてもたいしたことはないとも思うのですが、どこかに飛車を打ち込まれたら先手陣は離れ駒ばかりなので悪くなりそうです。
この後の方針をどうするか、かなり難しいところです。少々駒得になっても先手玉の薄さをつかれることだけは避けましょう。


△ 実戦は82飛でした。

37歩成同銀同角成同玉58銀

格好いい手が出ました。ただし後手がこの変化を選ぶなら53銀81飛成としていればかなり得でした。
どう応じても飛車を打たれるので、58同金39飛38銀79飛成62飛成39竜

までは最善でしょう。ここで49銀打と受けたのですが、28金54角38金同銀28銀46玉38飛成

これが58の金に当たるのが痛く、後手が有利です。金を取られては入玉できませんでした。

先手は49銀打ではなく54角28金48金

とするのがぎりぎりの受けで、38金同金48銀46玉38飛成53銀

実戦と比べて58の金を(銀に替わっていますが)手持ちにしている計算です。これなら先手有利。

といっても53銀81飛成としてからなら、少し後手が良いでしょう。

こういう図です。でも36歩とじっと受けておけばまだ互角に近いです。(実戦でも62飛成ではなく36歩はあるけれど、後手に71金と打たれるので微妙)



△ つまり37歩成以下を受けなければ結構危ないのです。88飛と打って

飛車の打ち込みを防ぐのは、先手の当初の作戦と異なるのですが、37歩成同銀に同角成は指しすぎ、36歩28銀

としてこれからです。先手の楽しみは85歩~84歩~83歩成~72と です。

この飛車はどこから打ってもよく、59飛でも

よいです。これは陣形整備をして5筋を狙います。


× 56歩も受けになりそうですが

どこかで55歩と止める意味です。37歩成同銀同角成同玉58銀の時にも(受けていてこの筋は読めないと思うのですが)39金59飛57角

と受けられます。これで大丈夫かと思ったのですが、55歩同銀67銀成

がありました。残念。


△ 受けの手筋としては46歩です。

37歩成同銀36歩同銀46角37歩

ならば受かります。

後手は46歩に同角47銀でどうか。

角を逃げれば36銀です。37歩成同桂同角成同玉29飛39飛

飛車を取って59飛49飛は千日手コース。どちらも避けにくいです。

先手としては46歩同角に54角としたいのですが

37歩成同桂34飛45角(36歩もある)35飛

と角を狙われます。36歩45飛同桂19角成

という図は後手が良いでしょう。これはいろいろ変化があるのですが、多分どれも後手が指せそうです。


△ 54角も危険ですが

37歩成同桂34飛45角35飛(36歩もある)

に(61飛もありそう)36歩45飛同桂19角成33桂成同桂28銀29角39玉

は難しそう。

37歩成に同銀

(この時に37角成は同桂)34飛45角35飛36銀45飛同銀19角成82飛

ならまあまあでしょうか。
54角と出る変化では、その前に46歩同角と1歩渡さないほうが良さそうです。

☆ まとめ
形勢互角に近い局面でしたから、悪手を指さなければどれもそれなりに戦えるのですが

82飛は寄せ合いまで進むかもしれません。欲張ると危険が伴います。間違えなければ先手も指せるのですが、陣形の差を考えると間違えて敗勢になる可能性のほうが高いでしょう。

46歩と受けるのが手筋。これは千日手になりそうです。

54角と取るのは受けにも利くのですが、後手に34飛の筋が生じるので難しいです。これも間違えると危ないのですが、どちらも戦えそうです。

88飛や59飛など、自陣飛車を打つのも十分あって、受けるのが難しそうだと思えばゆっくりした流れにできます。

後手の攻め駒は飛角だけなので、受けなくてもよいと思うかもしれません。でも自玉が薄い時は大変なのです。受けておいたほうが良いでしょう。(攻めるなら82飛ですが、53銀81飛成となったとして、桂馬が受けに使いやすい局面ならよいのですが、問題図では桂馬より飛車のほうが受けにつかえそう、だから本筋ではないと思います。)
受けるなら堅実な方が良く、54角は欲張っているので危険な意味があります。46歩が本筋で、読んでみて千日手でつまらないなら、88飛とか59飛を考えます。

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