山口先生は四間飛車の名手、と子供のころNHK杯を見ていて紹介された記憶があります。
大山先生は端の位を取り、石田流への組換えの対策に、もう何度もみましたが46歩と突きます。
山口先生はそれを見て34銀型に。大山先生は中央位取りにスイッチ。
穴熊と中央位取りの対抗になりました。
山口先生は桂馬の裏跳ね。これはたまに出てきます。近年では森雞二先生が後手番で採用していました。(先手番ではひねり飛車というマニアックな選択でした。)
37桂成を受ける26飛に15歩と攻めるのは指し過ぎです。26飛が端の受けにもなっているのでうまくいきません。24歩として待つところ。
端攻めよりも4筋を攻めるほうが厳しいのです。ここでは仕方ないので45同歩だったと思いますが
15角から36歩に対して、角を使うのが当然の対応。11角成とできれば15角が浮いてしまうので二重に気びいしいです。
山口先生は36歩と突いたのに取られて謝るようではどうしようもなく
銀をさばきましたが角は交換してもらえません。
ならばと66銀から角は取れましたが
角を取られて銀損です。さらに53歩成から金も取られます。
大山先生は駒得になったので自玉を固め
桂を取ってから飛車交換、桂打ちで終わりです。
穴熊だからってむやみに戦いを起こしてはいけないという例でした。悪くなってからの山口先生は淡白な指し方でした。性格なのでしょうけれど、振り飛車党は粘り強くないと大成しません。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山棋聖
後手:山口千嶺6段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 5二金(41)
17 5七銀(48)
18 4三銀(32)
19 9五歩(96)
20 3五歩(34)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 6八銀(79)
24 3二飛(42)
25 4六歩(47)
26 3四銀(43)
27 5五歩(56)
28 9二香(91)
29 5六銀(57)
30 9一玉(82)
31 7七角(88)
32 8二銀(71)
33 8八玉(78)
34 7一金(61)
35 7八金(69)
36 6二金(52)
37 6六歩(67)
38 1四歩(13)
39 6五歩(66)
40 1三桂(21)
41 1六歩(17)
42 2五桂(13)
43 2六飛(28)
44 1五歩(14)
45 同 歩(16)
46 1七歩打
47 4五歩(46)
48 1五角(33)
49 1六飛(26)
50 3六歩(35)
51 5四歩(55)
52 3三角(15)
53 3六飛(16)
54 3五歩打
55 4六飛(36)
56 4五銀(34)
57 同 銀(56)
58 同 歩(44)
59 同 飛(46)
60 6六銀打
61 4三飛成(45)
62 7七銀成(66)
63 同 桂(89)
64 4二飛(32)
65 3三龍(43)
66 4九飛成(42)
67 5三歩成(54)
68 5五角打
69 3五龍(33)
70 5八龍(49)
71 6二と(53)
72 同 金(71)
73 6七銀打
74 3四歩打
75 2五龍(35)
76 2四歩(23)
77 4五龍(25)
78 4四歩打
79 5八銀(67)
80 4五歩(44)
81 5四桂打
82 投了
まで81手で先手の勝ち