第1問

64銀は怖い手ではありません。
A 86銀 B 34歩 C 45歩
第2問

強く攻めます。
A 44飛 B 34と C 43と
第3問

角のうち場所は?
A 45角 B 41角 C 43角
20181208今日の一手
8月26日の名南将棋大会から、JさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
問題図の少し前は四間飛車対棒銀の定跡で
実際は先後逆だと思います。図の先手はよく見る68角~57角ではなくて45に位を取っています。それを生かすべく65歩77角成同飛65歩75歩62飛76銀
という対応をするべきではないか、と私は感想戦で言いました。これなら定跡書にも出てきそうです。45歩ではなくて36歩型で88飛37飛という将棋(あるいは定跡)を見たことがあります。
さて実戦では68角で
76歩同銀65歩
というのが定跡書に書いてあるはず。
本譜は76歩同銀に77歩同飛66角
居飛車は角飛の交換にしかならないから損で、65歩から棒銀をさばきにくいものだと思っています。
ここから67銀77角成同角33桂と進んだのが問題図です。
☆ 形勢判断をします。
飛角の交換でやや先手の駒損でしょうか。局面によるのですが。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。舟囲いも思ったよりは堅いものですが、33桂と跳ねた形はかなり薄いです。
先手の攻め駒は77角と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は72飛と持ち駒飛で2枚。
総合すれば互角か先手もちか。
☆ 大局観として
定跡書基準では互いに少しずつ損をしたのかもというくらいです。
先手の45歩が生きていて、33桂と跳ねさせたのはプラスです。44歩型ならば後手を持ちたいかも。
反面では後手が64歩型なので46角と据えても決定打にはなりません。
この先46の空間にどちらが駒を打つかというのが優劣を決めるかも。後手からは桂香を打ちたいですし、先手からは46角が今一つならば(ベストは46馬ですが)46桂か。
他の視点では後手陣に角を打ち込むのと、先手陣に飛車を打ち込むのとどちらが有効であるかということです。飛車の打ち込みで駒を取られる方が痛いですが、79飛78角で飛車を捕獲できるのならば怖くはありません。角を手放すと飛車打ちが防げません。
○ まずは角打ちからみてみます。83角とすると
73飛62金74歩
後手が馬を捕獲しようとしてもうまくいきません。
よって71飛と逃げて72歩61飛55歩
(55歩から入って83角をねらうのも同じになるかもしれません。)79飛には66角が利きます。
75銀でも57角が逆先で、結局銀を取れます。左の桂香を取られても銀を取って馬を作り、長期戦では81桂91香を取ることもできるでしょう。後手から見れば棒銀がさばけたといえるのですが、飛車1枚は封じ込められています。
○ 61角のほうは
71飛や62飛で83角成は少し得です。82飛に33角成同玉74桂92飛83角成
角を切って強攻してみます。73銀92馬同香71飛22玉81飛成74銀46桂
駒損ではありますが、46桂は良い味です。形勢互角ですが、これくらいならばという振り飛車党もいるでしょう。
× すぐに33同角成は
33同玉66角32玉11角成79飛46桂
これもまあまあです。89飛成55歩(34桂と跳ねると後手から46桂を打たれるので少し工夫した)33角
というような攻防です。美濃囲いの堅さを保って食いつければ勝ちですが、どうでしょうか。
33同金のほうが厄介で
25桂24金61角
79飛78歩62飛52角成同飛33金
41玉43金25金52金同玉82飛62角81飛成
こんなところなのですが、後手からの46桂が嫌味で寄せ合い負けかも。
× 66角打ちだと
74飛33角成同金25桂24銀33桂成同銀
馬も作れないのでは失敗でしょう。攻め駒は2枚だけなので息切れしています。
○ 実戦は76歩でした。
とりあえず77飛成の筋を消したという意味もあります。75歩と合わせられたところで、先ほどの33角成同玉66角32玉11角成79飛46桂
とすれば72飛を成り込まれていない(79飛は持ち駒を打った)のですから得をしています。
33角成を同金以下の変化でも
途中79飛78歩を利かされていたのが入っていませんから、先手の攻めが1手速いというわけです。これならまあまあ戦えます。
他には66角と出ておくと
後手から76歩と取り込みにくいです。79飛78角を入れて76歩。
73歩同銀57角49飛成同銀62銀右
これは難しい形勢です。
実戦では75歩に同歩。
結果的に1手パスのようですが、75同銀に73歩とたたけます。73同桂83角71飛72歩81飛74角成
馬ができました。76歩に33角成同玉25桂32玉75銀99角
という進行です。二枚換えで悪くないようでも77歩成を見られて少し悪いようで、76銀79飛71歩成同飛77歩24歩74馬62金(33銀を避けた好手)
75銀25歩64銀72歩82銀21飛
25桂を取り切られ、玉頭から攻められて先手Oさんの負けになりました。
さて実戦の手順を選ぶならば、25桂を打たずに75銀を取っておけば
少し指せていたでしょう。32玉66馬65歩88馬
歩切れの二枚換え(飛歩と銀桂の交換)ですが馬を作っています。76歩を取って左の銀桂を使うのが理想です。後手も74飛の自陣飛車で良い勝負でしょうか。
○ 他の攻め筋は68角
88飛15歩89飛成14歩
端を攻めます。(最初に15歩から入っても同じか。)歩の数がちょうど足りていて、12歩13歩成同歩12歩同香14歩同歩13歩同香同角成
98香を取られて駒損でも、2筋から後手陣を破って入玉も目指せます。これは45歩が生きていますね。
△ 57角と打てば
後手からの飛車の打ち込みを避けています。75銀15歩76歩99角86歩14歩
87歩成13歩成77歩成12歩45桂22と41玉13角成
後手が駒得を目指しても、98と77角では失敗なので、もう一手88歩とかが必要です。ならば形勢互角でしょうが、駒を取られていく損失も大きいです。
☆ まとめ
定跡書に書いてあるようでも、小さな変化で外れてしまうことがあります。すると自力で考えねばならないのですが、駒組での小さな違いを生かせるようにもっていけば有利になるはず。
ここでは45歩型が主張ですから、46に駒を打つ方が有利になりやすいでしょう。将棋格言(というか囲碁の格言だと思いますが)「敵の打ちたいところに打て」が関係します。
変化を考えて、先手から46桂ならばまずまず。後手から46桂で悪くなるのは避けます。
基本的には自然な手から考えるべきで、持ち駒の角よりも馬を作るほうが駒得になりますから、83角か61角が本線です。
実戦の76歩は相手の攻め駒の働きを悪くさせる手で自然ですが、75歩と合わせられた時に、手抜いて攻めることを考えれば有利になりやすかったはず。銀を進ませて隙をつく(73歩同桂83角)は呼び込みすぎでした。
他には別のラインで角を使い、68角~15歩というのもあるのですね。後手陣の弱点を突いていました。