名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20181228

2018-12-28 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


すぐに攻める手がない時はこういう手を指します。
A 39金 B 76歩 C 72歩

第2問


ここでも。
A 63歩 B 79飛 C 45歩

第3問


駒がぶつかっているのですが。
A 75歩 B 52と C 76飛

第4問


攻め駒を増やします。
A 86角 B 25歩 C 15歩

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大山将棋研究(1113);向い飛車に銀矢倉(五十嵐豊一)

2018-12-28 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181228
昭和38年9月、五十嵐豊一先生と第13期王将戦です。

大山先生の向い飛車で

五十嵐先生は急戦を目指しますが

仕掛けられず、44歩から駒組みです。

銀を繰り替えて

引き角にしました。大山先生は7筋から動き

五十嵐先生は反発

金を使います。

銀矢倉に組んで後手の陣形は良い形です。

大山先生は歩を垂らし

戦いの途中で成り捨てるのですが、五十嵐先生としては取らないのもあります。

一度取るとまた利かされるわけで

88歩を楽しみに我慢していたのですね。

五十嵐先生の駒得なので少し良いか。大山先生の85歩は、84歩~83歩成をみせて急がせたのでしょう。後でこの空間が利いてきます。

五十嵐先生が得した桂を打てば

大山先生も桂を取って55桂。52銀には62歩成同角64歩でしょう。75歩63歩成か64同金71飛成同角か、逃げるほうが自然に見えます。

五十嵐先生は金を突進しますが、こういう手は最善ではないことが多いです。大山先生はここで手を抜いて

銀を打ちこんで

86から角を打ちました。64角74飛76飛同飛53と が普通の指し手に見えましたが。

と金を使って

飛を取られましたが金を取れました。

形勢は互角くらい。後手玉のまわりでの攻防が始まります。

大山先生は馬を切ることになり、少し細い攻めです。

小駒2枚だけでは寄せきれるわけはないですが

金の質駒を取って3枚

端を攻めると4枚に近いです。

五十嵐先生は玉の脱出路を開くのですが、21桂14歩12歩で受けるほうが良かったのかも。

後手の右翼には逃げ出しにくくて

後手玉に詰めろがかかるようになりました。

これも詰めろ。

取られそうだった角をかわして詰めろ。

詰めろが続きます。

ここで角銀の取り合いになり

少し後手玉が安定しました。先手玉も安定したわけですが。大山先生の13歩が遅い手で、12歩成が詰めろにならないからこれで3手すき。

17歩同金25桂ならば詰めろで後手の勝ち筋でしょう。

58桂成が甘くて、金を取っても先手玉の寄せには関係なさそうです。大山先生の12歩成も詰めろではないですが

後手の57成桂も厳しくはないので、63桂成で2手すき。

29銀同玉27桂は詰めろですが形つくりです。銀をもらったので53銀で詰み。

形勢不明の終盤になりましたが、大山先生の攻めが細くなったので、五十嵐先生の勝ち筋があったと思います。惜しい将棋でした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/09/21
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:五十嵐豊一8段
後手省略名:五十嵐
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 6八銀(79)
8 3四歩(33)
9 6六歩(67)
10 6二銀(71)
11 6七銀(68)
12 4二玉(51)
13 8八飛(28)
14 3二玉(42)
15 4八玉(59)
16 4二銀(31)
17 3八玉(48)
18 1四歩(13)
19 1六歩(17)
20 5二金(61)
21 2八玉(38)
22 7四歩(73)
23 3八銀(39)
24 6四歩(63)
25 4六歩(47)
26 7三桂(81)
27 4七銀(38)
28 5三銀(62)
29 3八金(49)
30 4四歩(43)
31 5八金(69)
32 4三銀(42)
33 3六歩(37)
34 6三金(52)
35 3七桂(29)
36 4二銀(53)
37 9六歩(97)
38 3三銀(42)
39 7八飛(88)
40 3一角(22)
41 6八角(77)
42 9四歩(93)
43 7五歩(76)
44 同 歩(74)
45 同 飛(78)
46 6五歩(64)
47 7八飛(75)
48 7五歩打
49 6五歩(66)
50 7四金(63)
51 5九角(68)
52 2四歩(23)
53 6六銀(67)
54 2三玉(32)
55 7九飛(78)
56 8六歩(85)
57 同 歩(87)
58 3二金(41)
59 2六歩(27)
60 8一飛(82)
61 9七香(99)
62 2二玉(23)
63 7二歩打
64 5五歩(54)
65 同 銀(66)
66 6五桂(73)
67 6九飛(79)
68 7六歩(75)
69 7一歩成(72)
70 同 飛(81)
71 6六銀(55)
72 6四歩打
73 6三歩打
74 5三角(31)
75 7九飛(69)
76 8八歩打
77 7六飛(79)
78 8九歩成(88)
79 8五歩(86)
80 5四桂打
81 6五銀(66)
82 同 歩(64)
83 5五桂打
84 7五金(74)
85 7七飛(76)
86 7六金(75)
87 4三桂成(55)
88 同 金(32)
89 6二銀打
90 同 角(53)
91 同 歩成(63)
92 7五飛(71)
93 8六角打
94 7四飛(75)
95 5二と(62)
96 7七金(76)
97 5三と(52)
98 同 金(43)
99 同 角成(86)
100 6六桂(54)
101 4三金打
102 2三銀打
103 3三金(43)
104 同 桂(21)
105 3一銀打
106 1三玉(22)
107 4二馬(53)
108 3二金打
109 同 馬(42)
110 同 銀(23)
111 2二金打
112 2一銀打
113 3二金(22)
114 同 銀(21)
115 2二銀打
116 2三玉(13)
117 7七角(59)
118 1二金打
119 1一銀成(22)
120 同 金(12)
121 1五歩(16)
122 同 歩(14)
123 1四歩打
124 2五桂(33)
125 1三歩成(14)
126 3三玉(23)
127 2五桂(37)
128 同 歩(24)
129 5五桂打
130 1六桂打
131 同 香(19)
132 同 歩(15)
133 1四と(13)
134 2一香打
135 2四桂打
136 1七角打
137 1八玉(28)
138 2四香(21)
139 8六角(77)
140 7五歩打
141 1五金打
142 1二桂打
143 1六金(15)
144 2一金(11)
145 1七金(16)
146 3一金(21)
147 1三歩打
148 1六歩打
149 同 金(17)
150 2六歩(25)
151 2八歩打
152 5八桂成(66)
153 1二歩成(13)
154 4二玉(33)
155 2四と(14)
156 5七成桂(58)
157 6三桂成(55)
158 2九銀打
159 同 玉(18)
160 2七桂打
161 5三銀打
162 投了
まで161手で先手の勝ち




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20181228今日の一手(その806);打たせた銀をいじめる

2018-12-28 | 今日の一手

20181228今日の一手

9月16日の名南将棋大会から、MさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるので損得なしとします。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は66角と持ち駒銀で2枚。
後手の攻め駒は36銀のほかに34飛33角を入れるかどうか。今は利きが止まっているので厳密には1枚です。
総合すれば互角です。

☆ 大局観として
後手が持ち駒の銀を手放して3筋を攻めたという図です。後手のほうが2,3筋の勢力が多いのですが、互角にさばき合えば先手が良くなるはずです。つまり後手の左銀が残ったままでの大駒交換でさばき合いという展開は歓迎なのです。
また36銀を捕獲する順が見えますね。もちろんうまく取れたら先手有利になります。


△ おとなしく37歩を打ってみると

それでも取ってくるかもしれません。37同銀不成同桂同飛成56飛65桂86銀57歩

先手の駒得でも と金つくりをみせられると面白くはありません。形勢は互角です。

37銀不成は取らないで56飛

とするほうが後手の銀を使いにくくて、中央から攻めることができます。38銀不成54歩66角同歩47銀不成57飛38飛成53歩成56歩

47飛同竜52と同金58歩

飛と金銀の二枚換えですが後手のほうが二枚飛車で桂香を拾いやすいので難しい形勢です。

あるいは47飛ではなく52と

57歩成61と同銀57金49飛

後手玉がより薄くなっていますが、飛と金金の二枚換えで同じようなものです。

また37歩に45銀

とされたとしても形勢互角です。


○ 実戦は35歩同飛として

多分先手Hさんは46銀34飛35歩で36銀を取れると読んでいたのだと思います。でも46銀には25飛同飛同銀

これだと互いに銀を打ちあって飛車交換をしたというだけで、形勢互角のはず。けれど37桂36銀45桂24角54歩46角53歩成

桂を跳ね銀を捨てて踏み込んでみれば、寄せ合い勝ちになりそうなのです。

銀を打たずに57角と引く方がスマートで

34飛35歩で銀を取れるというのは同じことです。25飛同飛同銀23飛

後手の25銀が攻撃目標になり、飛車を先着して攻められるのでわかりやすく先手有利になります。

実戦では54歩と突きだして、

47銀不成33角成同桂37歩

55飛53歩成同飛57歩56歩同歩同銀成

と進んだのですが、これは後手の攻め駒が3枚、左桂も使えそうです。先手は26飛が攻め駒ではなく、持ち駒角銀の2枚だけでは後手が指しやすいです。ここから長い攻防になりましたが後手Kさんの勝ちに終わりました。


○ 駒得をねらうなら24銀と打てば

44角35歩

として銀を取れます。

後手としては25銀

と捨てて25同飛24飛をねらうのがさばき方ですが、33銀成同桂28飛

とすれば銀角交換です。これで指しやすくなっていて、27歩58飛45桂54歩

のような展開でしょうか。大きな駒得ではないけれど後手の25銀が取り残されているので悪くはならないはず。


△ 24歩と突きだすと

36銀が残っていて24同飛同飛同角というのは歓迎です。25歩28飛24角37歩

36銀をどかして25飛とできるので後手の負担が大きいはずです。

△ 実戦のように35歩同飛を入れずに54歩

角の交換を迫るのもまあまあ。45銀53歩成同金37歩

先手から33角成同桂とするよりは後手から角を取ってもらった方が少し得です。形勢としては互角です。


○ 他の筋は95歩

端を攻めると66角が攻め駒として働きます。95同歩84歩同香85銀

すぐに94香を取れるわけではないのですが、後手は34飛の力だけで36銀と94香を守るのは負担が大きいです。

もちろん端を詰めれば(45銀94歩92歩37歩)

玉の広さに差がつきます。

☆まとめ

飛車が向かい合ったときに間に大きな自分の駒があると悪い形になるということがありますね。(簡単な名前があると良いのですが。)後手の36銀も同じような立場で、互いの飛車の利きにさらされています。問題図では持ち駒の銀を打って移動したのですが、自分から危ないところに踏み込んでしまったのです。
36銀を取るには
①24銀が角取りなのでぴったり。持ち駒銀と角の交換ではあまり得でもないのですが、後手の36銀を使いにくいので割に合っています。
②35歩同飛57角ならば盤上の駒だけでいじめることができます。飛車交換になっても36銀が攻め駒として働きにくい(25に移動する)ので先手十分です。

後手に打たせた(というか打ってもらった)銀よりも、先手の持ち駒銀のほうに価値があるのです。玉の堅さが同等、大駒の働きも同等ならば残りの(攻めに使うべき)銀桂の働きの差が優劣を分けます。
ここでは36銀を取りに行かなくても、大駒を五分に使い合えば少し指しやすいです。


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