名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20181218

2018-12-18 | 大山将棋研究
先手番升田先生の手を考えます。

第1問


升田先生が仕掛けます。
A 37桂 B 35歩 C 65歩

第2問


攻めあぐねたようですが。
A 56角 B 41角 C 35歩

第3問


好手筋です。
A 47桂 B 32馬 C 38飛

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大山将棋研究(1103);角換わり力戦(升田幸三)

2018-12-18 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181218
昭和38年5月、升田幸三先生と第22期名人戦第4局です。

角換わりの出だしから、大山先生が33角と変化しました。

33桂型の角換わりです。先手が77角と上がってから交換しているので後手が1手得をしています。33桂型の角換わりは私が大学生のころから指しているのですが、この将棋は知りません。

私は腰掛銀が好きなのですが、大山先生は53銀型です。早繰り銀はやりにくいから、銀冠でゆっくり指そうというねらいなのでしょう。

64歩を突いたのが作戦負けの元です。

2筋の歩を交換してもらえず、菊水矢倉のように組むのですが、43金右とは指しにくいのが64歩を突いた欠点です。

手待ちの意味もあって13銀でしたが、升田先生が仕掛けました。

1歩手に入れて桂頭を攻めようという意味だというのはわかります。でも66歩を打たされました。

63金を誘ったというか強制させて、端で1歩得て

桂を取りに行きます。

単に桂を取るのではなく51角もあるとは。これで有利になったでしょう。

馬を作り

控えの桂を打って、升田先生の攻めが好調です。

桂を跳ね43角をねらい

さらにここで1歩入手して

角を打ち込みます。

大山先生も懸命に受けるのですが、22同角成として

桂が成れたら寄りでしょう。

切れないように攻めていきます。

ここまで。

升田先生の快勝譜です。名人戦の最初は調子が出ませんでしたが、次第に内容が良くなっています。ただし1勝3敗では苦しい立場です。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/05/23
手合割:平手  
先手:升田幸三9段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 2六歩(27)
4 8五歩(84)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 3三角(22)
11 同 角成(77)
12 同 桂(21)
13 7七銀(88)
14 2二銀(31)
15 7八金(69)
16 4四歩(43)
17 4八銀(39)
18 5二金(61)
19 4六歩(47)
20 4二玉(51)
21 4七銀(48)
22 6二銀(71)
23 5八金(49)
24 5四歩(53)
25 6八玉(59)
26 5三銀(62)
27 9六歩(97)
28 1四歩(13)
29 1六歩(17)
30 9四歩(93)
31 7九玉(68)
32 7四歩(73)
33 5六銀(47)
34 6四歩(63)
35 3六歩(37)
36 3一玉(42)
37 6六歩(67)
38 2一玉(31)
39 8八玉(79)
40 1三銀(22)
41 6五歩(66)
42 同 歩(64)
43 同 銀(56)
44 6二飛(82)
45 6六歩打
46 6三金(52)
47 3五歩(36)
48 同 歩(34)
49 1五歩(16)
50 同 歩(14)
51 同 香(19)
52 1四歩打
53 3四歩打
54 1五歩(14)
55 5一角打
56 5二飛(62)
57 3三角成(51)
58 4二角打
59 4七桂打
60 3三角(42)
61 同 歩成(34)
62 同 金(32)
63 3五桂(47)
64 4一香打
65 3四歩打
66 3二金(33)
67 7四銀(65)
68 6二金(63)
69 3三角打
70 4二角打
71 1四歩打
72 2二銀(13)
73 同 角成(33)
74 同 金(32)
75 4三桂成(35)
76 5一飛(52)
77 3三銀打
78 3二歩打
79 2四歩(25)
80 同 歩(23)
81 4二成桂(43)
82 同 香(41)
83 2四銀成(33)
84 投了
まで83手で先手の勝ち
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20181218今日の一手(その801);終盤では玉の堅さが重要

2018-12-18 | 今日の一手

20181218今日の一手

8月26日の名南将棋大会から、KさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の角歩得、後手に持ち歩があり竜を作られていますが、先手の大きな駒得です。
玉の堅さは少し先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は46桂と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は78竜58銀で2枚。あとは66桂が加わるかどうか。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
先手が劣るのは攻め駒の数ですから、攻め駒を増やし後手玉を攻略するのが一番早い勝ち方です。
駒得ですから長期戦歓迎というのはゆっくりした勝ち方になります。攻め駒が2枚だけでは少ないなあと思えば、ゆっくりした攻防にするほうが良いかもしれません。
銀を打ちこまれたところで飛銀交換でもまだ駒得です。飛車を取られるよりは47銀成のほうが痛いですね。これを避けるあるいは代償を得て、長い戦いにできればよいわけです。
ということで47銀成を避け59銀成にも対応した受けを探すか、放置して寄せ合いか、とりあえずは二択です。


△か× 実戦は34桂の王手。

一番厳しい手ですが、34同金(しかなさそう)同歩で後手の手番です。47銀成

までは必然です。55角は攻防の手、33歩はこれ以外の応手もありそうですが、同歩成同桂34歩

先手は攻め駒が桂を取って3枚目の攻め駒、何度か出てくる34歩もほぼ攻め駒として働いています。
ここで後手としては25桂打ちが最善で、33歩成同金34桂12玉33角成は37成銀

角が移動すると先手玉が詰んでしまいます。

なのでどこかで(33歩成同金)58歩

と受けるのでしょうが形勢不明です。37金から清算して

どちらが勝っていることやら。問題図では先手有利でしたから、この展開は不満です。

さて実戦では25桂打ではなく36桂

17玉38成銀33歩成同金34桂13玉

33角成ならば先手の勝ちでしたが、38金だったので後手34金(詰めろ)で終わりました。


○ 桂を渡すと36桂が生じるのですから、34歩

2手かけて後手玉を攻めるというか、33金を攻めるというか、この取り込みのほうが優ります。
後手は32金引しかなさそうで、55角12玉

ここまで利かせておいて、後述する47銀成対策のどれかを選びます。


× 単に55角は47銀成で

手順前後ですね。34桂12玉は入るのですが、かなりまぎれています。


○ 37金と逃げてみると

58銀成同金58桂成87角

成桂を助けるには(88竜には66角なので)87同竜同銀59成桂66角

先手の駒得は消えてしまいましたが、攻防の角を打ち、34歩や34桂があるので先手有利がはっきりします。問題図での自陣の飛角をさばいたということになっています。


× 48金引のほうが普通の逃げ方ですが

59銀成同金56飛

57銀46飛同銀36桂37玉48桂成同金36金

強攻される順を発見されると悪くなります。先手の駒得でも玉の堅さは大事です。


○ 58同金と取ると

58同桂成に67銀打

59飛車取りだけなので後手の竜を追います。98竜には58竜

89竜(99竜は66角がある)59歩

これでも先手の駒得ですし、先手玉が堅くなり、34歩の攻めも残っている、わかりやすい有利です。


△ 58同飛は

58同桂成67銀打

同じ筋で竜を追います。98竜58銀89竜34歩

先手玉がずいぶん堅いですね。切れなさそうな攻めがあるのでわかりやすいです。

後手としては98竜よりも49成桂を選ぶのでしょう。

78銀97香成77角98成香49銀

これも悪くはないですが、金銀が離れているのは不満です。


△ 87角として

遊んでいる角で竜を追ってみます。68竜58飛同桂成69歩49成桂68歩

これは駒得が生きていますし、先手玉は上部に逃げ出せる形です。後に66角か75角は攻防で打てるでしょうし、先手有利です。

87角に88竜だと58飛同成桂55角

が攻防です。

ということで後手は竜を見切って47銀成

どうせ取られるからと34桂同金を入れるかどうかで、78角と取るのですが、後手はどこかで78桂成と取れるので難しい局面です。


△ 87銀だと

47銀成の時に78銀46成銀34歩

取り返されるのが78銀なのでちょっとうれしいです。98角の利きも通っていますね。

ですが68竜

と逃げられた時に69歩67竜55角

先手が指せそうですが、98角87銀は遊んでいますから簡単ではありません。


○ 79歩だと

47銀成78歩46成銀34歩

これは78にあるのは歩ですから後手に攻め駒を補充されにくいです。

68竜には69歩

あるいは34歩か57角かもしれませんが、87角68竜69歩と進んで先手有利となった変化と同じようなものです。


△ 68歩だと

68同竜69歩なら同じようなことで先手有利なのでしょう。59銀成もあるので変化が多いです。形勢互角としておきます。


△ 48角は受けの手で

でも49銀成同銀58歩89飛97香成66角

というような展開で、どこかで66桂を取る手が入ればよくなります。

後手は59銀成とするほうが良さそうで、59同金58桂成34歩

ここから48成銀33歩成同金48金上

あるいは34歩に22玉66角12玉87角ということになるかもしれませんが、

先手玉が比較的に安全なので、指し手は難しくないです。


☆ まとめ
先手の角得くらいなのですが、98角が遊んでいると角半分の得だけなのです。
駒得が弱い、攻め駒も少ない、でしたら玉の堅さを優先して考えたほうが良いです。一般的には終盤では玉の堅さに対する評価を割り増しして考えます。駒得の評価は割り引きです。

一度は攻めるにしても、後手を引く34桂よりは、手番を維持できる34歩のほうを優先します。それから受けに回ります。
何かで78竜取りにするのが強い受けです。87角、87銀、79歩、58金同桂成67銀打、58飛同桂成67銀打、これらが強い受け方です。
47金を逃げるとか78竜の利きを2重にブロックする48角(あるいは68歩)が普通の受け方です。

元の形勢が良いので先手よしになる変化が多いですが、先手玉がより安全なのはどれかで選択しましょう。

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