第1問

升田先生が仕掛けます。
A 37桂 B 35歩 C 65歩
第2問

攻めあぐねたようですが。
A 56角 B 41角 C 35歩
第3問

好手筋です。
A 47桂 B 32馬 C 38飛
20181218今日の一手
8月26日の名南将棋大会から、KさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の角歩得、後手に持ち歩があり竜を作られていますが、先手の大きな駒得です。
玉の堅さは少し先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は46桂と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は78竜58銀で2枚。あとは66桂が加わるかどうか。
総合すれば先手有利です。
☆ 大局観として
先手が劣るのは攻め駒の数ですから、攻め駒を増やし後手玉を攻略するのが一番早い勝ち方です。
駒得ですから長期戦歓迎というのはゆっくりした勝ち方になります。攻め駒が2枚だけでは少ないなあと思えば、ゆっくりした攻防にするほうが良いかもしれません。
銀を打ちこまれたところで飛銀交換でもまだ駒得です。飛車を取られるよりは47銀成のほうが痛いですね。これを避けるあるいは代償を得て、長い戦いにできればよいわけです。
ということで47銀成を避け59銀成にも対応した受けを探すか、放置して寄せ合いか、とりあえずは二択です。
△か× 実戦は34桂の王手。
一番厳しい手ですが、34同金(しかなさそう)同歩で後手の手番です。47銀成
までは必然です。55角は攻防の手、33歩はこれ以外の応手もありそうですが、同歩成同桂34歩
先手は攻め駒が桂を取って3枚目の攻め駒、何度か出てくる34歩もほぼ攻め駒として働いています。
ここで後手としては25桂打ちが最善で、33歩成同金34桂12玉33角成は37成銀
角が移動すると先手玉が詰んでしまいます。
なのでどこかで(33歩成同金)58歩
と受けるのでしょうが形勢不明です。37金から清算して
どちらが勝っていることやら。問題図では先手有利でしたから、この展開は不満です。
さて実戦では25桂打ではなく36桂
17玉38成銀33歩成同金34桂13玉
33角成ならば先手の勝ちでしたが、38金だったので後手34金(詰めろ)で終わりました。
○ 桂を渡すと36桂が生じるのですから、34歩
2手かけて後手玉を攻めるというか、33金を攻めるというか、この取り込みのほうが優ります。
後手は32金引しかなさそうで、55角12玉
ここまで利かせておいて、後述する47銀成対策のどれかを選びます。
× 単に55角は47銀成で
手順前後ですね。34桂12玉は入るのですが、かなりまぎれています。
○ 37金と逃げてみると
58銀成同金58桂成87角
成桂を助けるには(88竜には66角なので)87同竜同銀59成桂66角
先手の駒得は消えてしまいましたが、攻防の角を打ち、34歩や34桂があるので先手有利がはっきりします。問題図での自陣の飛角をさばいたということになっています。
× 48金引のほうが普通の逃げ方ですが
59銀成同金56飛
57銀46飛同銀36桂37玉48桂成同金36金
強攻される順を発見されると悪くなります。先手の駒得でも玉の堅さは大事です。
○ 58同金と取ると
58同桂成に67銀打
59飛車取りだけなので後手の竜を追います。98竜には58竜
89竜(99竜は66角がある)59歩
これでも先手の駒得ですし、先手玉が堅くなり、34歩の攻めも残っている、わかりやすい有利です。
△ 58同飛は
58同桂成67銀打
同じ筋で竜を追います。98竜58銀89竜34歩
先手玉がずいぶん堅いですね。切れなさそうな攻めがあるのでわかりやすいです。
後手としては98竜よりも49成桂を選ぶのでしょう。
78銀97香成77角98成香49銀
これも悪くはないですが、金銀が離れているのは不満です。
△ 87角として
遊んでいる角で竜を追ってみます。68竜58飛同桂成69歩49成桂68歩
これは駒得が生きていますし、先手玉は上部に逃げ出せる形です。後に66角か75角は攻防で打てるでしょうし、先手有利です。
87角に88竜だと58飛同成桂55角
が攻防です。
ということで後手は竜を見切って47銀成
どうせ取られるからと34桂同金を入れるかどうかで、78角と取るのですが、後手はどこかで78桂成と取れるので難しい局面です。
△ 87銀だと
47銀成の時に78銀46成銀34歩
取り返されるのが78銀なのでちょっとうれしいです。98角の利きも通っていますね。
ですが68竜
と逃げられた時に69歩67竜55角
先手が指せそうですが、98角87銀は遊んでいますから簡単ではありません。
○ 79歩だと
47銀成78歩46成銀34歩
これは78にあるのは歩ですから後手に攻め駒を補充されにくいです。
68竜には69歩
あるいは34歩か57角かもしれませんが、87角68竜69歩と進んで先手有利となった変化と同じようなものです。
△ 68歩だと
68同竜69歩なら同じようなことで先手有利なのでしょう。59銀成もあるので変化が多いです。形勢互角としておきます。
△ 48角は受けの手で
でも49銀成同銀58歩89飛97香成66角
というような展開で、どこかで66桂を取る手が入ればよくなります。
後手は59銀成とするほうが良さそうで、59同金58桂成34歩
ここから48成銀33歩成同金48金上
あるいは34歩に22玉66角12玉87角ということになるかもしれませんが、
先手玉が比較的に安全なので、指し手は難しくないです。
☆ まとめ
先手の角得くらいなのですが、98角が遊んでいると角半分の得だけなのです。
駒得が弱い、攻め駒も少ない、でしたら玉の堅さを優先して考えたほうが良いです。一般的には終盤では玉の堅さに対する評価を割り増しして考えます。駒得の評価は割り引きです。
一度は攻めるにしても、後手を引く34桂よりは、手番を維持できる34歩のほうを優先します。それから受けに回ります。
何かで78竜取りにするのが強い受けです。87角、87銀、79歩、58金同桂成67銀打、58飛同桂成67銀打、これらが強い受け方です。
47金を逃げるとか78竜の利きを2重にブロックする48角(あるいは68歩)が普通の受け方です。
元の形勢が良いので先手よしになる変化が多いですが、先手玉がより安全なのはどれかで選択しましょう。