名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20181212

2018-12-12 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


受け方は?
A 67同歩 B 66銀 C 79桂

第2問


受けの手が続きます。
A 65同銀 B 53歩成 C 78玉

第3問


食いつかれたようですが。
A 65香 B 97同銀 C 75銀

第4問


やっと勝ちが見えてきました。
A 66金 B 79香 C 67桂

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大山将棋研究(1097);石田流に急戦(小林健二)

2018-12-12 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181212
平成4年6月、小林健二先生と将棋日本シリーズです。

小林先生が石田流を目指し

大山先生は居飛車ですが、左美濃ではなくて位取りか?

と思ったら4筋の位を取り

34飛を角銀銀で圧迫していきます。

小林先生が動いたので

1歩あるからすぐに36歩同歩35歩の筋で攻めることができます。

小林先生は金を繰り出して応接し

金銀交換ですが、角交換にはなりません。

65歩は戦線拡大です。大山先生は36歩から

88角。

角交換になり

66歩から55歩は小林先生のペースに見えます。

先手陣は金銀が離れているのですが、大きな欠陥はないようです。43角を打って歩を謝り

小林先生は端を攻め

大山先生は香を取らせてから86金打。

銀取りを防いだ74角の銀取りに

大山先生は銀をかわして桂を取ります。形勢は互角ですが、右桂が残左香がないので後手のペース。

84香で銀を取らされ

金を打ちこまれたところはピンチか?

でも金を取らないで79桂で残っています。小林先生は端に工作して

大山先生は玉を脱出する準備で66歩を払います。

小林先生はちょっともったいないですが98金から桂を取り

先手玉を下に落として65銀。この攻めが続くかどうか。

やはり大山先生の玉は斜め上に逃げ出そうと移動していきます。

小林先生は84香を成り捨てて と金を作り

大山先生は飛車を追って

小林先生は86桂同銀と捨てて97銀。うまく迫るものですね。

大山先生には65香があり

二枚換えでも玉を逃げ出せば有利になったかというところですが

41桂は痛いです。

馬を逃げて53桂に同馬は51香があるから64金。

馬をぶつけられたら54歩。先手玉を安全にできるかどうかの勝負です。

52銀~32歩で入玉は難しそう。でも右下にも玉の逃げ場はあります。

62香も攻防なのですが

大山先生は53桂と62香を取れました。

攻防の79香に64金では馬と馬金の取り合いとなり

小林先生の駒損で攻め駒が足りません。飛香の両取りには

大山先生は手を抜いて寄せに出ました。

即詰みで投了図です。

石田流への変わった急戦からの乱戦でした。振り飛車ペースではあるのですが、大山先生の玉移動でかわしたという一局です。147手の熱戦でした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1992/06/14 9:00:00
棋戦:将棋日本シリーズ
戦型:三間飛車
持ち時間:10分+30秒+5回
場所:香川県「高松市民会館」
手合割:平手  
先手:大山康晴
後手:小林健二
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 5六歩(57)
6 3二飛(82)
7 4八銀(39)
8 6二玉(51)
9 6八玉(59)
10 7二玉(62)
11 7八玉(68)
12 8二玉(72)
13 5八金(49)
14 7二銀(71)
15 6七金(58)
16 6四歩(63)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 6八銀(79)
20 5二金(41)
21 2六歩(27)
22 1四歩(13)
23 5七銀(68)
24 3四飛(32)
25 4六歩(47)
26 5四歩(53)
27 4五歩(46)
28 3三桂(21)
29 4六銀(57)
30 1三角(22)
31 4七銀(48)
32 4二銀(31)
33 7九角(88)
34 4四歩(43)
35 同 歩(45)
36 5三銀(42)
37 4三歩成(44)
38 同 金(52)
39 3六歩(37)
40 4四金(43)
41 3五歩(36)
42 同 金(44)
43 同 銀(46)
44 同 角(13)
45 4六歩打
46 6五歩(64)
47 3六歩打
48 4四角(35)
49 8八角(79)
50 6六歩(65)
51 同 金(67)
52 6五歩打
53 6七金(66)
54 8八角成(44)
55 同 玉(78)
56 6六歩(65)
57 7七金(67)
58 5五歩(54)
59 4三角打
60 6四飛(34)
61 6八歩打
62 9五歩(94)
63 同 歩(96)
64 9七歩打
65 同 香(99)
66 9六歩打
67 同 香(97)
68 8五銀打
69 3二角成(43)
70 9六銀(85)
71 8六金打
72 5六歩(55)
73 同 銀(47)
74 7四角打
75 5五銀(56)
76 6二飛(64)
77 3三馬(32)
78 8四香打
79 9六金(86)
80 同 角(74)
81 7八金(69)
82 6七金打
83 7九桂打
84 7七金(67)
85 同 金(78)
86 9七歩打
87 5四歩打
88 6四銀(53)
89 6六銀(55)
90 9八金打
91 7八玉(88)
92 8九金(98)
93 同 玉(78)
94 6五銀(64)
95 7八玉(89)
96 6六銀(65)
97 同 金(77)
98 7四桂打
99 5六金(66)
100 8七香成(84)
101 同 桂(79)
102 9八歩成(97)
103 5三歩成(54)
104 6四飛(62)
105 7五銀打
106 8六桂(74)
107 同 銀(75)
108 9七銀打
109 6五香打
110 同 飛(64)
111 同 金(56)
112 8六銀成(97)
113 6七玉(78)
114 8七角成(96)
115 5六玉(67)
116 4一桂打
117 4三馬(33)
118 5三桂(41)
119 6四金(65)
120 7六馬(87)
121 5四歩打
122 5二銀打
123 3三馬(43)
124 3二歩打
125 5五馬(33)
126 6二香打
127 5三金(64)
128 7五馬(76)
129 6二金(53)
130 同 金(61)
131 7九香打
132 6四金打
133 7五香(79)
134 5五金(64)
135 同 玉(56)
136 3九角打
137 3五角打
138 6一歩打
139 6四桂打
140 2八角成(39)
141 7一銀打
142 同 玉(82)
143 6二角成(35)
144 同 歩(61)
145 7二桂成(64)
146 同 玉(71)
147 6四桂打
148 投了
まで147手で先手の勝ち

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20181212今日の一手(その798);中段玉で粘る

2018-12-12 | 今日の一手

20181212今日の一手

8月26日の名南将棋大会から、KさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の桂歩歩得ですが後手に持ち歩があるので歩は数えません。竜馬VS竜の作り合いです。先手の駒得ですね。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は91竜と持ち駒桂香で3枚。
後手の攻め駒は99竜47香と持ち駒角で3枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
問題図の2手前の図は

後手に99香を取られて、先手も91飛成としたら47香と攻められた、というのが問題図だったわけですが、この図では91飛成が自然ではありますが必然ではありません。91香を逃げきれないのですから、後の駒得が約束されていたのです。57金とか59銀とか57銀とか、何か自陣に手を入れていれば問題なく有利になっていくはずでした。こういうのは先に受けるほうが手堅いという受けの原則ですね。

問題図で攻め合いでは49香成が速そう、ならば何か受けねばなりません。受ける時の取捨選択は案外に簡単で、自玉がより堅くなるか、駒損しないか、という判断で選べばよいです。受けている方が深く読まなくても大丈夫だということが多いです。(形勢が悪い時にはいくら読んでも良い順が見つからないということはあります。)


× 攻めるならば26香

あるいは22香ですが、26香のほうが厳しそうです。49香成23香成同玉41竜と攻めあったときに、39角37玉48角成28玉39成香

しっかり読まなくても先手玉に詰めろくらいはかけられそうだと思いますよね。ここで後手玉が詰めばよいのですが、21竜22歩で金桂桂の持ち駒では詰みません。
(もし後手玉が詰むのならば何か駒を使わせて受けやすくなるという効果があります。)


× ということで受ける手を探します。47同銀49竜

まだトータル駒得ですが、駒を損するやり取りです。桂香を打っても受けにならないので、41竜同玉38金

しかないわけですが、この時点で少し駒損です。後手に強力な持ち駒が多くて攻め駒4枚、もう受からないと切りすててもよいでしょう。48金39桂69飛

でもだめですし、69飛に代えて47金同桂48飛

飛車は取れず、39金打も同竜以下詰まされるので受けなしです。


× 59金とかわすと67歩が痛いです。

これも駒損を避けられません。61竜68歩成同竜48銀

粘りも利かなさそうです。


△か× 69歩だと

69同竜ならば59金が利きます。49香成同銀69竜

41竜同玉59金99竜69歩

駒損とはいえ飛と桂香の二枚換えです。先手玉がしっかりしているので粘れそう。形勢は悪いですが、この順はキープしておきます。


× 実戦は39金でした。

常識的な受けだという気がしますが、39同竜同玉48金28玉39角

と強攻されていたら、37玉38金同玉48香成37玉28銀26玉38成香

48角成をねらわれ、駒を渡さずに後手玉を攻めるのは難しいですから先手の負けでしょう。

さて実戦の進行は39金に48香成。

これならば49香39成香同玉

という受け方もあります。ちょっと駒損ですが後手の攻めも難しくなっています。

実戦は79香

遠くから打ったのですが、39成香同玉67歩

バリケードを破られて敗勢です。

実は48香成は同金と取れます。

39角37玉88竜69歩

銀桂を質駒にされても先手玉は寄りません。互いに疑問手を指すと、後からの疑問手のほうが詰みが重いという例でした。


△ では48香の合駒でどうか。

48同香成同玉39角37玉

後手は香を持ち駒にしています。28香26香51歩47金

29香成同銀49竜25香打31桂38銀58竜57銀

というような攻防で、形勢互角です。


○ 48桂だと

48同香成同玉39角37玉

今度は後手の持ち駒は桂です。25桂47玉28角成26香

この形のほうが先手玉が安定しています。25桂を取り切るとさらに安全になり、先手有利です。


☆ まとめ
駒損しないという視点で受けの手を比較してみると
47同銀49竜は脱落、69歩49香成は脱落です。59金67歩もだめですね。
39金とかわす順か、48香か48桂の合駒か、ということになります。
この3つの比較では、
実戦の39金は、(先手が47銀と取る前に)48に駒を打たれそうで怖いです。39同竜同玉48金に気が付けば回避できます。
48香や48桂は利かされではありますが、同香成同玉39角37玉が必然、中段玉で粘る形になります。毎日大山先生の将棋を並べていると頻出しますね。このブログを読んでいる方(がこの記事も読んでいるのですが)ならば気が付くでしょう。
その時に後手の持ち駒が何か。実戦の変化で歩1枚ならば理想ですが落とし穴があります。
香を渡して28香か、桂を渡して25桂か、という比較までできれば満点です。

また、受けている時のほうが読みの量が少なくて済むというのもわかっていただけたでしょうか。だめな変化は早めに切り捨てて良いです。全部だめなときはましなものを読むしかないですが。








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