名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20181210

2018-12-10 | 大山将棋研究
先手番青野先生の手を考えます。

第1問


仕掛けるタイミングです。
A 55歩 B 45歩 C 24歩

第2問


強く攻めます。
A 55歩 B 25桂 C 24飛

第3問


良さそうな手があります。
A 59歩 B 21竜 C 57香

第4問


受け方は?
A 54香 B 11角成 C 77金

第5問


少し困ったようですが。
A 55馬 B 74桂 C 74歩

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大山将棋研究(1095);向い飛車に45歩急戦(青野照市)

2018-12-10 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181210
平成4年5月、青野照市先生と第1期銀河戦です。これはまだ非公式戦でしたが。

大山先生は25歩を突かれていないのですが向い飛車にしました。

結局は25歩を突くことになり、普通の形になりました。青野先生は45歩の急戦です。45同歩33角成同桂88角44角同角同銀31角21飛64角成というのが定跡手順です。ここでは12香と上がっているので、11角32飛24歩という攻めもありそうです。

大山先生は42飛。これは後手三間飛車に対する急戦と手数は同じです。24同歩45歩に53銀か45同銀かというのがほぼ定跡ですが、先手よしになりやすいです。

24同角の時に、後に郷田先生が見つけた43歩同飛24飛同歩32角~95歩という手順は、52金型なので成立せず。45歩33銀というのは昔の定跡で、かなり難しいです。

38飛~25桂~35歩というのをよく見たのですが、青野先生は中央から動きました。

大山先生は52飛から54歩同金、反撃をねらいます。

青野先生は飛車を切って43角。51飛には52歩があるので

大山先生は49飛から攻め合いでした。飛車の打ちあいになり

青野先生の57香は良さそうな手です。

大山先生は65角から84香。

77馬には75歩、玉頭を攻め続けますが

8筋はここまでしか攻められません。

55歩21竜に45金。派手なことになって

銀を取って56歩。これで良い勝負です。

青野先生は55馬~64馬で切り返します。怖いけれど73桂としたら難しそうですが

大山先生は73銀打から68と、角金の取り合いです。

攻防の61香の味が良いと見たのですね。でも青野先生は74歩、激しい順を選び続けます。大山先生は62銀では利かされで61香の威力が無くなりますから

馬銀を取り合ったら71角が入ったのが痛くて

後手玉は詰めろ。72金は93金同桂81銀同玉82角成で詰み。82金は同角成同銀72金。93角は同角成同桂81竜92金71角。受けにくいのです。

87香成に93銀で投了となりました。

大山先生は65角を取らせても61香で悪くないと見たのでしょう。でも寄せ合い負けになってしまいました。早指しだと仕方ないですね。青野先生のほうから見たら好局です。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1992/05/21 9:00:00
棋戦:銀河戦
戦型:向飛車
持ち時間:15分+30秒+10回
場所:東京都池袋「日建サテライト館」
手合割:平手  
先手:青野照市
後手:大山康晴
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 5八金(49)
10 3三角(22)
11 3六歩(37)
12 2二飛(82)
13 6八玉(59)
14 6二玉(51)
15 7八玉(68)
16 7二玉(62)
17 6八銀(79)
18 8二玉(72)
19 5七銀(68)
20 7二銀(71)
21 4六歩(47)
22 5二金(41)
23 9六歩(97)
24 9四歩(93)
25 3七桂(29)
26 5四歩(53)
27 6八金(69)
28 1二香(11)
29 2五歩(26)
30 1四歩(13)
31 1六歩(17)
32 6四歩(63)
33 4五歩(46)
34 4二飛(22)
35 4四歩(45)
36 同 銀(43)
37 2四歩(25)
38 同 角(33)
39 4五歩打
40 3三銀(44)
41 4七銀(48)
42 7四歩(73)
43 4六銀(57)
44 6三金(52)
45 5五歩(56)
46 5二飛(42)
47 5四歩(55)
48 同 金(63)
49 2四飛(28)
50 同 歩(23)
51 4三角打
52 4九飛打
53 5二角成(43)
54 同 金(61)
55 3二飛打
56 4二銀(33)
57 1二飛成(32)
58 1九飛成(49)
59 5七香打
60 6五角打
61 1一角成(88)
62 8四香打
63 7七馬(11)
64 7五歩(74)
65 5九歩打
66 7六歩(75)
67 8八馬(77)
68 5五歩打
69 2一龍(12)
70 4五金(54)
71 1一龍(21)
72 4六金(45)
73 同 銀(47)
74 5六歩(55)
75 5五馬(88)
76 5七歩成(56)
77 6四馬(55)
78 7三銀打
79 6五馬(64)
80 6八と(57)
81 同 玉(78)
82 6一香打
83 7四歩打
84 6五香(61)
85 7一角打
86 9二玉(82)
87 7三歩成(74)
88 同 銀(72)
89 7四桂打
90 8七香成(84)
91 9三銀打
92 投了
まで91手で先手の勝ち


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20181210今日の一手(その797);薄い玉の苦労

2018-12-10 | 今日の一手

20181210今日の一手

8月26日の名南将棋大会から、KさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛歩歩と角の交換で、馬と と金を作っています。歩切れが気になりますが先手の駒得です。
玉の堅さは72飛を守備駒と見れば後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は52と と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は持ち駒飛1枚。

総合すれば先手が指しやすいです。

☆ 大局観として
先手が劣っているのは玉の堅さだけではあるのですが、後手からは49飛(か39飛)~19飛成と駒損を回復させるわかりやすい手があります。駒得を保てるかどうか。
それと65に位を取られているので香を取られて66香というのも見えますね。先手玉の薄さが目立ってしまいます。
それらの原因は47銀が離れているのに飛車切りから角を成って と金を作るという強攻に踏み切ったからなのですが。65歩同歩という突き捨てもマイナスですし、ここでどう指すかは難しいです。
うまく駒得しながら後手玉を薄くする手段があるでしょうか?


× 自然なのは53と ですが

42飛同と

と金が離れてしまい、飛をさばかれたというのはかなりのマイナスです。自然な手が思わしくないならば、問題図の形勢は思ったよりも難しいのでしょう。


× 51馬と入ると

49飛58銀19飛成61と66香

71と同飛が馬に当たるのが難点で、これも思わしくない変化です。


△ 実戦は31角で

まあ仕方がないかというところなのですが、49飛58銀19飛成53と42飛同角成

飛車はさばかれましたが、と金と馬の位置は変わりません。73金54と66香

54銀を取っているので、67金を取られても少し駒得が残ります。ここで65桂も良さそうな手でしたが、67香成73桂不成78成香同金66角

金銀2枚はがされてはだめです。77銀に同角成以下

決められてから手を戻されて敗勢です。

正しくは73桂不成のところで67同銀右(か左か)

取っておくしかないです。68歩79金57角に69歩

69同歩成同金68歩は58金でまだ崩れません。危ういようでもなんとか受けて73桂不成を間に合わせるのです。

後手は57角のところで79同竜同玉69歩成

という強攻が穴熊流で、69同玉47角~65角成では後手よし、69同銀77金に飛車を打って受けるのですが、やや後手のペースです。ならば67同銀左のほうにするか・・・など工夫はできるところです。


○ 少しのんびりしているようですが、32角と打つと

21角成のねらいではなくて、49飛58銀19飛成の時に65桂

位の歩を取ろうというほうが本当のねらいです。66歩同金64香が「敵の打ちたいところに打て」ですが68歩

先受けしておけば、13桂に53桂成66香54成桂73金77銀打

駒得は保っているのでしっかり受けてしまえば有利のはずです。55成桂~65角成という感じで指したいです。


△ 先に65桂だと

65同銀65歩73金43角

64歩を打てたのは大きいですが、66歩68金引56銀同銀同歩54角成39飛63歩成同金同歩成同馬67銀79銀

というように駒を取り返しても、千日手にしかならないかもしれません。


△ 22角は

64歩と打ちたいので1歩取ろうとしています。49飛58銀19飛成44角成66香64歩67香成同銀右

金か銀を取れるのでまだ駒得になります。57金が嫌ですが、金を取って58金(これは後に52銀とされるのが嫌味)か59香か。形勢互角くらいです。


△ 53角でも

53同金とは取りにくいので、22角~44角成と同じことになりそうです。


△か○ 23角はそっぽのようでも

49飛58銀19飛成34角成66香64歩

先ほどの44馬は攻めの位置ですが、34馬は守りに働いています。駒得ならば玉の堅い方が良いわけで、34馬のほうが優りそうです。


△ 他には85桂として

49飛58銀19飛成に93桂成同銀64歩

端で1歩取ってしまうのも考えられます。桂を渡すけれど穴熊が乱れているという取引です。73金には32角で銀が取れます。66桂同金同歩63歩成同銀53金52銀同金67金

という進行は形勢不明です。


× あとは45歩としても

1歩取れるわけですが、49飛58銀19飛成44歩64香

44歩と取り込んだ手が速い手ではない(と金つくり)なので64香と打たれるのが攻防です。これは後手ペース。


△ 他には58銀

先受けしておいて39飛~19飛成でもどれかの変化に合流します。

なおこれまでの変化検討で49飛に手抜いて47銀を取らせる手も考えられますが、それで形勢は良くなりません。


☆ まとめ

先手玉が薄いので、後手から19香を取られての66香が厄介、これの対策が必要でした。
ぬるいようでも32角~65桂としてしまえば香を打ち込まれる課題は解決できました。終盤で玉が薄い方が苦労するのは仕方がないというところでしょう。その代わりに何かしらの利点がある(攻勢を取れるとか、攻め駒が多いとか、駒得になりやすいとか)のでバランスはとれています。

実戦の31角は1手かけた価値が目に見えず(と金を使うという意味があるのですが)、飛角の交換ではちょっと面白くはないです。
どこかで歩を手に入れて64歩というのが指したい手ですが(22角、53角、23角、85桂など)、これらは互角に近い変化です。1歩千金というのも頻出しますね。

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