名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20181230

2018-12-30 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


後手が作戦勝ちなのだと思います。
A 72金 B 45歩 C 72飛

第2問


勢いです。
A 83銀 B 85銀 C 85歩


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大山将棋研究(1115);四間飛車に玉頭位取り(有吉道夫)

2018-12-30 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181230
昭和38年4月、有吉道夫先生と第13期王将戦です。(10/1、10/2の2日間の日付になっているのですが、イベントを兼ねていたのでしょうか。)

大山先生の四間飛車に有吉先生は玉頭位取りです。

まだ定跡が整備されていないころですが、7筋に飛車をまわられたところで有吉先生の作戦負けかも。36歩~35歩を急ぐのが後に定跡とされました。ここでは55歩同銀65歩54歩64歩同銀66銀と指して一局か、後手が指しやすいのか、というところです。

86角とするのは作戦負けです。このまま駒組みでも手に困るのですが

銀をぶつけられて困っています。

角銀交換は仕方ないですが、攻めるところがない駒損では悪いです。

大山先生は7筋を逆襲し

有吉先生はどうにか2筋を攻めるのですが

飛車は成れそうにありません。

36飛には25角。これで手がなくて

飛車取りを催促してみたものの

ここまで。66手で終わってしまいました。

玉頭位取りはもっと前から指されていたようですが、組み上げるまでが大変です。
先日千葉の太陽将棋研究会にお邪魔したのですが、玉頭位取りの名手はだれかという話になりました。私は(先輩のWさんの影響で)有吉先生だと思っていたのですが、その時は米長先生、宮田先生、森下先生のほかに大山先生の名前もあがりました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/10/01
手合割:平手  
先手:有吉道夫7段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5六歩(57)
16 7二玉(62)
17 5七銀(48)
18 4三銀(32)
19 6八銀(79)
20 8二玉(72)
21 6六歩(67)
22 5四銀(43)
23 6七銀(68)
24 7二銀(71)
25 7五歩(76)
26 6四歩(63)
27 7六銀(67)
28 8四歩(83)
29 5八金(49)
30 8三銀(72)
31 7七角(88)
32 5二金(41)
33 6七金(58)
34 6三金(52)
35 6八金(69)
36 7二飛(42)
37 8六角(77)
38 4五歩(44)
39 2六飛(28)
40 7四歩(73)
41 同 歩(75)
42 同 銀(83)
43 7五歩打
44 8五銀(74)
45 7七桂(89)
46 8六銀(85)
47 同 歩(87)
48 7四歩打
49 同 歩(75)
50 同 金(63)
51 5五歩(56)
52 同 角(33)
53 2四歩(25)
54 7五歩打
55 8七銀(76)
56 4四角(55)
57 3六飛(26)
58 2五角打
59 7九歩打
60 2四歩(23)
61 1六歩(17)
62 6二金(61)
63 1七桂(29)
64 3六角(25)
65 同 歩(37)
66 2九飛打
67 投了
まで66手で後手の勝ち
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20181230今日の一手(その807);持ち駒角の価値

2018-12-30 | 今日の一手

20181230今日の一手

9月16日の名南将棋大会から、AさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛と角桂香歩の交換で(歩は数えませんが)先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが少し堅いです。先手の穴熊は深いけれど金銀2枚では堅くはありません。
(相手玉に向かっているものだけ数えて)先手の攻め駒は46桂と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は53飛は数えにくくて、持ち駒飛1枚。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
先手玉が薄いというところだけが不安です。深く囲っているので寄せ合いは考えやすいのですが。多分先手のMさんは穴熊だからと過信していて、油断につながりました。
先手の主張は駒得です。飛角交換を別にすれば桂香を先に取っているというのが有利につながっています。しかし実態は85香99香89桂は攻防ともに働いていなくて、46桂が攻めに働いているだけ。その差は小さいのです。
先手有利に思えるけれど、少し間違うと逆転しやすいという局面です。逆転しにくい指し方はどれでしょうか。


× 実戦は71角で

飛車は取れます。ですが持ち駒の角を働いているかどうかよくわからない飛車と交換するのは得だとは言えません。
88飛78歩89飛成

桂を取られて駒得は消えたようなものです。53飛成は指さないほうが良いかもしれず、53同銀81飛35桂38金49角

持ち駒が歩だけでは受けられません。41飛成の非常手段も、41同玉39金打59飛

攻め駒を足されて受けがなくなりました。

88飛と打たれたところで、先手としては89桂を取られないように53角成同銀78銀

受けに回るならば53角成も指したくはないのですが、56飛と走られるので飛車を取ってから銀を引いておきます。不安な形ですが79角、87角、57角にも受けが利きます。これなら有利を保てました。

後手としては59飛のほうが受けにくそうな手で

53角成同銀78銀には66角

で互角に近いです。

先手としては飛車を取らずに78金56飛行69金

でどうにか有利を保っているようですが、後手から何かあってもおかしくないところです。71角が疑問手だったということはわかるでしょう。


○ 筋っぽく64歩と突いてみると

56歩を83角で守っています。これなら59飛78銀の時に安心できるというわけです。
64同歩74角成88飛78銀

こちらも大丈夫。


○ 74角成とか

馬を作っておくのも損ではないです。成り返るならば74が一番良さそう。88飛には78角

温存していた角を打ちやすいです。(78銀56飛ではちょっと不安なところでした。)

88歩と打たれると

先手の攻撃も遅いので嫌な感じではあるのですが、55歩同飛64歩同歩56銀

後手の飛車を追いつつ銀を使うのがうまい手です。

ひねって考えると88歩に77桂76歩同銀56飛

というのが後手のねらいなのですが、64歩76飛65馬

あえてねらいにはまってみると、まだ駒損ではありませんし、後手の飛車を追いかけつつ攻めに転じることができます。


△か× 78金とすると

88飛や88歩を受けていますが、金が離れて行きます。69飛79歩88歩

と攻められるのが嫌な感じです。77桂76歩58銀

飛車は捕獲できます。39飛成同銀77歩成同金89歩成67金

先手玉が薄くなったけれど、悪いわけではありません。


△ 77角76歩66角、あるいは単に66角でも同じようなものですが、59飛

自陣角を打てば88歩や88飛を受けているのですが、59飛と打たれます。89桂を守りにくいのですが、74角成89飛成58金

まだ駒得なので悪くはないです。


△ 58金を先にして

少しでも先手玉を固めておいて69飛74角成89飛成66角

でも前の変化と同じことです。

66角を打たないで攻め合うよりも

前の図のほうが66角は攻防の位置でしたから少しだけ得でした。


△か○ 攻めるならば74歩の と金つくりでも

59飛73歩成89飛成72角成35桂36角

35桂の攻め筋は、36角を打てば攻防になっています。


☆ まとめ
問題図では攻め駒であった持ち駒角をどう使うかという視点でもみることができます。
角を打つ攻め筋としては、実戦の71角は外れです。77角か66角の自陣角は攻防に利くので価値があります。
有効な攻め筋が見当たらなければ、角を温存しておいて受けに使うこともできます。これは先手が駒得だからできることですね。受けに回りやすいのです。
88飛に78角、79飛にも78角、59飛は89飛成と56飛があるので自陣角では受けられませんが、最悪の89飛成~35桂の時に36角を打てます。

そういうことを考慮しつつ、盤上に打ってしまった83角の働きが悪いので、持ち駒角よりも優先して使う方を考えるのが本筋です。


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