今日の棋譜20181231
昭和38年10月、加藤一二三先生と第4期王位戦第6局です。
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大山先生の四間飛車に加藤先生は棒銀です。
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今回は先手振り飛車なのですが、高美濃で待って84銀の時に65歩。
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これまでは73銀型で、すぐに64歩同歩同銀右というパターンでした。加藤先生は44歩を突いて玉を固めます。
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大山先生は66銀から88飛。
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7筋の歩を交換して、少し指しやすいかも。
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加藤先生は74歩を打たせて、84銀もありそうですが
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62銀でした。75銀が威張っているので大山先生の作戦勝ちかと思うのですが、37角は良さそうな手ですね。
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当然45歩とするのかと思ったら、互いに駒組みになって加藤先生から仕掛けました。
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96同香には87角で香を取れます。
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大山先生は38金でしたが、加藤先生はなぜか97歩成ではなく95香。確実ですが93歩の垂らしをどう応じたものか。
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と金の作り合いですが香を取っているだけ居飛車もちです。ここで後手の飛車が狭いことを覚えておいてください。
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加藤先生は両取りに近い角を打ちますが
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角を渡しにくいので簡単ではないのです。57角に66香とは驚きです。66同銀には86飛ですよね。69飛57角成同銀ならば飛車をさばいたことになるけれど、香得が消えてしまうのです。
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大山先生は58飛で角交換ねらい。67香成にも
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飛角の取り合いから61角。
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加藤先生は「両取り逃げるべからず」で78飛は良いとして、52角成には79角を取っておくほうが普通でした。成香を使いたいのはわかりますが
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これで駒の損得は無いようなものです。玉の堅さは桂を跳ねているので先手のほうが堅いです。攻め駒は3枚対3枚。先手が指せるのでしょう。
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26歩の詰めろに68香から27歩。こう受けられると加藤先生の攻めが細くて
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15歩は取ってもらえず、24歩で2手すき。
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57角も働いてきて
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受けがなくなりました。
大山先生の作戦勝ちなのですが、37角を打ったのに45歩としないのが不思議な感じです。香得で加藤先生が指しやすくなっていると思いますが、角を渡したら(渡すつもりはなかったでしょうが)61角が痛かったです。
3勝2敗とリードして、棒銀に2局負けたままではいけないからと大山先生が少し工夫しました。しっかり勝ち切って王位を防衛です。