今日の棋譜20181221
昭和38年7月、二上達也先生と第7期棋聖戦第2局です。

大山先生の先手中飛車で中央の歩を交換して

角を戻るという将棋です。そういえばこの頃は全く見ませんね。後手が76歩84歩56歩の時に85歩を好むからでしょうか?

二上先生は端の位を取り

大山先生は54歩62金を決めます。結局は飛車を引くので序盤の55歩の交換は1手得にはならず、後で53歩同歩成同銀で元に戻るから二上先生の1手損、という手の損得計算です。

二上先生は44歩から中央を手厚くして桂を跳ね

飛車先を交換して

歩を合わせました。

桂を交換して

ここまでは互角です。大山先生のねらいは45歩と55歩。45歩のほうが厳しそうなので33桂か33角ならば無難ですが

二上先生は64歩同歩55桂と受けました。64歩同歩同銀45歩55歩とか、単に55桂とか、どれが良いかはよくわかりません。

大山先生は桂を食いちぎって飛車をぶつけますが

桂銀交換で二上先生が十分なはず。54銀直としないで59飛か69飛もありそうなところでした。ここで55銀打

は手厚いような気もしますが、35歩同角63歩成、これを金で取るしかないというのが不満です。

81飛から33歩というのが厄介です。怖いけれど金で取るべきかどうか。

11香を取られるのは痛いです。これなら33同金ではなかったかという気もしますが、47銀成と踏み込めば47同金58飛38歩78飛成。銀を渡しても後手玉は詰まず、優勢ではなかったか。

銀を取る前に脱出路を開けたので

36銀とかわされてちょっと困りました。21角を避けて43玉に48香

45銀の時に角を取られ

46銀を追われて

55桂が入れば後手玉が寄っています。

ここまで。
駒得で飛車交換ならば二上先生が良さそうなのですが、そのあとの指し方がどうだったか。平凡に飛車を打ち込むほうが55銀と打って63歩成同金を利かされるよりも良かったのだと思います。その後に大きなチャンスが来ていたのですが、一瞬で終わっていました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/07/16
手合割:平手
先手:大山棋聖
後手:二上達也王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 5四歩(53)
5 5八飛(28)
6 6二銀(71)
7 5五歩(56)
8 同 歩(54)
9 同 角(88)
10 4二玉(51)
11 7七角(55)
12 3二玉(42)
13 6八銀(79)
14 4二銀(31)
15 4八玉(59)
16 8五歩(84)
17 6六歩(67)
18 3四歩(33)
19 6七銀(68)
20 5二金(61)
21 3八玉(48)
22 5三銀(62)
23 2八玉(38)
24 1四歩(13)
25 3八銀(39)
26 1五歩(14)
27 5四歩打
28 6二銀(53)
29 5九飛(58)
30 4四歩(43)
31 6五歩(66)
32 4三銀(42)
33 4六歩(47)
34 4二金(41)
35 4七銀(38)
36 3三角(22)
37 3八金(49)
38 7四歩(73)
39 7八金(69)
40 7三桂(81)
41 6六角(77)
42 8六歩(85)
43 同 歩(87)
44 同 飛(82)
45 8七歩打
46 8一飛(86)
47 7七桂(89)
48 5三歩打
49 同 歩成(54)
50 同 銀(62)
51 5六銀(67)
52 5四歩打
53 4八角(66)
54 8五桂(73)
55 同 桂(77)
56 同 飛(81)
57 3六歩(37)
58 2四角(33)
59 6六角(48)
60 6四歩(63)
61 同 歩(65)
62 5五桂打
63 同 銀(56)
64 同 歩(54)
65 同 飛(59)
66 同 飛(85)
67 同 角(66)
68 5四銀(53)
69 7七角(55)
70 5五銀打
71 3五歩(36)
72 同 角(24)
73 6三歩成(64)
74 同 金(52)
75 8一飛打
76 4六銀(55)
77 3三歩打
78 同 桂(21)
79 1一飛成(81)
80 5二銀(43)
81 3六銀(47)
82 4三玉(32)
83 4八香打
84 4五銀(54)
85 3五銀(36)
86 同 歩(34)
87 2一角打
88 3二銀打
89 4七歩打
90 5七銀(46)
91 5五桂打
92 5三玉(43)
93 3二角成(21)
94 同 金(42)
95 5一龍(11)
96 5四銀(45)
97 6五桂打
98 投了
まで97手で先手の勝ち