名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20181220

2018-12-20 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


手を作らねばなりません。
A 53金 B 36銀 C 44角

第2問


うまい手がありました。
A 18歩 B 14飛 C 33歩

第3問


どの筋に目を向けますか?
A 85同歩 B 68成銀 C 41飛


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大山将棋研究(1105);四間飛車に中央位取り(二上達也)

2018-12-20 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181220
昭和38年4月、二上達也先生(当時王将)と第7期棋聖戦です。大山先生が無敵の五冠王だったのを、前年度に二上先生が王将を奪取、棋聖戦にも挑戦したというときです。

大山先生の四間飛車に二上先生は中央位取りです。

銀二枚を並べて中央を守り

すこしゆっくり先手玉を固めます。

大山先生から動きました。

29桂のままならば端は破れません。

銀をぶつけて攻めていきます。

二上先生はちょっともたれて指す感じ、銀を打っておきます。

62角には銀を使って受けます。

大山先生も銀を打ち

角をさばき

銀をぶつけます。二上先生は銀交換にせず

2筋を破りに行くのですが

飛車を浮かれて簡単ではないです。17香同角成も自信なしだけど、17香に13桂も厄介です。

23歩成として成銀と成香の取り合いは、自然かもしれませんが振り飛車が良さそうです。ここで28歩に

二上先生は24と、55歩を利かせて28歩を払うのですが、24と が働かない限りは駒損で玉も薄いです。

27歩を取りにくくて戦場は中央に移りますが、こうなると17香や24と が働きにくいのです。

大山先生としては中央で戦うのは歓迎で

飛車を追い

歩を垂らしておきます。

二上先生は玉頭に手を付けて勝負。

だけど中央を攻められて

受からなそうです。

と金までは取り払えませんでした。

84香を打てたのですが銀と交換するだけではたいしたことはないです。

角取りに銀取りで返して

取り合いになれば少し差が詰まった気はするのですが

大山先生の84香は攻防です。二上先生も桂を打って粘りますが

飛車を追われて少し足らないです。

飛車を取られる間に52銀~63銀不成とすれば勝負形です。

73金の受けに74銀成同金63銀と絡んで

73金に74金からはがして角を取りましたが、後手玉はまだ何手すきかよくわかりません。

攻防の角を打たれて、合駒を使うと38飛にも合駒がいるし、大差になります。

88玉とかわすと77銀。77同玉に89角成でもだめですが、即詰みもありそうです。ここで投了。

74手目14飛というような手は居飛車党としてはうっかりしやすい手筋なのでしょうね。私も困ることが多いです。銀香交換は仕方ないとしても、残った17香や23と37銀を使えないと苦しくなります。大山先生は二上先生に2つ目のタイトルを取らせるわけにはいかないので本気を出したという感じです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/07/05
手合割:平手  
先手:二上達也王将
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 5八金(49)
10 4二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 5六歩(57)
16 8二玉(72)
17 5五歩(56)
18 7二銀(71)
19 5七銀(48)
20 4三銀(32)
21 5六銀(57)
22 5二金(41)
23 6八銀(79)
24 6四歩(63)
25 5七銀(68)
26 6三金(52)
27 4六銀(57)
28 7四歩(73)
29 3六歩(37)
30 3二飛(42)
31 9六歩(97)
32 9四歩(93)
33 6六歩(67)
34 5一角(33)
35 6七金(58)
36 1四歩(13)
37 1六歩(17)
38 1三香(11)
39 7九角(88)
40 8四歩(83)
41 8六歩(87)
42 1五歩(14)
43 同 歩(16)
44 1二飛(32)
45 3七銀(46)
46 1五香(13)
47 1七歩打
48 5四歩(53)
49 同 歩(55)
50 同 銀(43)
51 5五歩打
52 4五銀(54)
53 同 銀(56)
54 同 歩(44)
55 4三銀打
56 6二角(51)
57 2六銀(37)
58 4六歩(45)
59 同 角(79)
60 4五銀打
61 7九角(46)
62 4四角(62)
63 4六歩(47)
64 5五角(44)
65 3七銀(26)
66 5四銀(45)
67 5六歩打
68 4四角(55)
69 3四銀成(43)
70 7一角(44)
71 2四歩(25)
72 1七香成(15)
73 2五飛(28)
74 1四飛(12)
75 2三歩成(24)
76 3四飛(14)
77 1七香(19)
78 2八歩打
79 2四と(23)
80 3一飛(34)
81 5五歩(56)
82 4三銀(54)
83 2八飛(25)
84 2七歩打
85 5八飛(28)
86 5六歩打
87 1二香成(17)
88 4四銀(43)
89 5六飛(58)
90 2八歩成(27)
91 同 銀(37)
92 5一飛(31)
93 5七飛(56)
94 5五銀(44)
95 5六歩打
96 4六銀(55)
97 2七飛(57)
98 5七歩打
99 2五飛(27)
100 4七銀成(46)
101 4八歩打
102 5八成銀(47)
103 8五歩(86)
104 4一飛(51)
105 3七銀(28)
106 4七歩打
107 5七金(67)
108 4八歩成(47)
109 4六歩打
110 5七成銀(58)
111 同 角(79)
112 4七と(48)
113 3九角(57)
114 8五歩(84)
115 8四香打
116 8三銀打
117 同 香成(84)
118 同 銀(72)
119 3三と(24)
120 3八歩打
121 8四歩打
122 3九歩成(38)
123 8三歩成(84)
124 同 玉(82)
125 2一成香(12)
126 8四香打
127 7九桂打
128 2四歩打
129 5五飛(25)
130 4四角(71)
131 5二銀打
132 5五角(44)
133 6三銀(52)
134 7三金打
135 7四銀成(63)
136 同 金(73)
137 6三銀打
138 7三金(74)
139 7四金打
140 同 金(73)
141 同 銀成(63)
142 同 玉(83)
143 7五銀打
144 7三玉(74)
145 5五歩(56)
146 5六角打
147 8八玉(78)
148 7七銀打
149 投了
まで148手で後手の勝ち







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20181220今日の一手(その802);終盤での良い手

2018-12-20 | 今日の一手

20181220今日の一手

8月26日の名南将棋大会から、SさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛歩と角桂の交換で持ち歩があり、馬と金VS成桂の作り合いです。終盤なので重視はしませんが、先手が少し駒得です。
玉の堅さは後手の32金42金のほうが連結が良いので少し堅いか。
先手の攻め駒は62馬を入れるかどうか、持ち駒角銀桂桂だけでも4枚あります。
後手の攻め駒は67成桂を入れるかどうか。持ち駒飛銀銀だけでは3枚です。

総合すれば互角か先手もちです。

☆ 大局観として
後手が▲34桂を受けて33歩を打ったところです。攻め続けるか、受けに回るか、駒得をねらうかの分かれ道ですね。
少し駒得ですし、さらに駒得を目標にするのは的外れです。他の目標のために駒得の変化を選ぶということはあります。
玉を固めておくのは良い選択でしょう。3つの要素でわずかですが上回ります。
攻め駒が多いので寄せ合いで最短の勝ちを考えるのもありそうです。
いずれにせよはっきり先手有利と言うわけでもないので、(広い意味での)好手が欲しいところです。

後手からは47飛の両取りが見えます。これを受けるか甘受するかというのも判断がわかれるところでしょう。


○ 実戦は34歩と合わせました。34同歩46桂

ならば先手の寄せ合い勝ちでしょう。銀を打って受けても駒得で攻められます。

実戦では47飛

この両取りでどうなっているか。でも38銀45飛成33歩成同金右46歩34竜95香

竜を追い返してから94飛を仕留めれば少し駒得なので悪いことはないです。先手玉が堅くなったのは大きいですから。

戻って49飛成とされても詰めろになりません。実戦は33歩成同金右34歩

「両取り逃げるべからず」で寄せ合いに出ました。49飛成33歩成同金

34歩では甘いから34桂同金、そこで23銀同玉34金以下追っていけばちょうど駒が足りていました。つまり2つ前の図で34歩のところで後手玉は詰めろだったというわけです。後手としても変化しにくいところです。

それを34桂同金同金

詰めろで迫ったために39銀以下詰まされて後手Kさんの勝ちに終わりました。


○ 手順を変えて46桂を先にすると

後からの34歩は同歩と取ってもらえないわけですが、後手の47飛が両取りになりません。攻防の桂打ちだということになります。99香成くらいならば34桂打

継桂のほうが厳しい寄せで、34同歩同桂の時にどこに玉を逃げても、ここでは21玉としてみますが、42桂成同金51馬

馬を切っても構いませんし、2手すき以上で迫ることができます。

47銀とされると

後手から36歩があるので少しややこしいのですが、一度38銀同銀成同金49銀としておいて34桂打

から攻めてしまえば寄せ合い勝ちです。


△ 26桂ならば47飛があるので

今度こそ手順前後です。今から34歩は同歩と取ってもらえるわけもないですし、34桂打同歩同桂13玉42桂成36歩

後手玉への詰めろは続かないですから、詰めろを先にかけられて寄せ合い負けです。(49飛成のほうは先手勝ちです。)

ただし47飛34桂打同歩同桂13玉のときに38銀45飛成42桂成

ならば先手有利です。


○ 55角は攻防の手で

47飛には34桂13玉42桂成

後手からの36歩が詰めろになりません。49飛成も詰めろではないですし、32成桂で後手玉は詰めろになります。

ということは後手は44銀と受けるくらい。

44同金同歩43歩同金直に41銀

か35桂か、先手の攻め駒がたくさんあるので寄せきれるはずです。


○ 95香は自然な手で

47飛には48香を用意していますから受けの手でもあります。
ただし飛車は捕獲できても95同飛同馬に98飛が両取り。38銀95飛成

までは想定しておかねばなりません。先手の駒得で玉が堅くなりました。34歩同歩46桂33香35歩

3筋を攻めれば先手有利がわかりやすいです。

後手としては王手馬取りをねらわずに、98飛38銀58成桂

と攻めるほうが優りますが、58同金同飛成36角59竜49歩

先手は金銀がないので受けにくそうですが、角を投入して受けることができます。飛車を取るのが楽しみなのでこういう展開もあり得ます。


△ 93と で飛車を捕獲すると

47飛38銀45飛成94と99香成

先手の駒得ですがまぎれてしまった感じがあります。形勢は悪くないです。


△ 93桂成

でも同じようなもの、93同飛が生じるかもしれないので93と よりも少し劣ります。


△ 他には51銀41金

を利かしと見るかどうか。34桂が金取りにならないというのがマイナスです。


○ じっと38銀と埋めておくのは

悪い手にはなりにくいです。47飛を避けて先手玉が堅くなりました。後手が99香成としても95歩91飛55角

飛車取りと34桂があるので後手の飛車を逃げ出されることはありません。


☆ まとめ

堂々と寄せ合いに行っても先手の一手勝ちです。ただし実戦では1手ひるんだので負けになりました。

広い意味での好手と書いたのは、この場合は後手47飛を受けている上のが前提で
攻防の手である46桂や55角が代表的。
香を取って(さらに飛車取りで)受けに使える95香です。
しっかり守る手(寄せ合いで先手玉の堅さが2手延びる感じ)の38銀も良い手です。
終盤では1手で2手の価値がある手を指せるとわかりやすくなります。

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