名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋研究(468);石田流に持久戦

2017-03-24 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜
昭和54年5月、大内延介先生と第20期王位戦です。


大内先生が三間飛車なので、大山先生は居飛車。

36歩を受けないのが大山先生好みですが。大内先生の早い動きです。

行きがかり上仕方ないとはいえ、大山先生は右金を前面に出していきます。

46金戦法、というわけではありませんが、近いです。抑え込もうとしています。

角を転回して35の地点に増援。

飛車はとりあえず押し込みました。

少し駒組みで

桂を交換しに行き

その一方で、48の銀を47~58と立て直します。緩急自在の指し回し。

大内先生が動きだしました。

大山先生はその動きを抑えつつ、銀を盛り上げていきます。

この両取りは微妙なところですが(56銀右が普通かも)

桂銀交換になれば一応成功。ただし後手の攻め駒が増えていきます。

大山先生は馬が好きです。

74桂で銀を取り返されますが、手厚く銀を打って

馬を引く。かなりうまくいった感じですが、大内先生の57銀が好打です。飛車を取ると56角の王手飛車の筋があります。

11馬に47角があり

飛車の取り合い。銀取りには銀取りで返し、とても良い勝負です。

この王手には歩ではなく香を合駒するのが好手で

大山先生が手番を得たわけです。

先ほどの62歩は手堅いのですが、壁ができてしまいました。端攻めが厳しいです。大内先生は46歩から92歩で謝るのでは気合が悪い、と角を打ち

66角成が攻防に見えるのですが、端攻めはかなり厳しく

シンプルに清算して迫っていけばよいようです。

攻め駒は十分あるので馬を逃げればまた剥がしていくだけ。

王手飛車がかかってしまうのが大内先生の泣き所です。

82飛まで決めて飛車を取ればよく

投了図。

臨機の対応策でしたが、大山先生の面白い指し方でした。こういう将棋は並べていて楽しいです。存分に指していますが、大内先生もうまくさばいて見ごたえのある応酬でした。
大内先生が39飛と打った位置、63歩と低く受けたところ、その二つを逆用する大山先生の端攻めがかなり厳しく、あっという間の終局でした。歩を入手して謝ったらまだまだでしょうね。そういうことをしないのが大内先生らしいところでもありますが。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:大内延介8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 5六歩(57)
6 3二飛(82)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 2六歩(27)
18 3六歩(35)
19 同 歩(37)
20 同 飛(32)
21 5七金(58)
22 3四飛(36)
23 6八銀(79)
24 1四歩(13)
25 4六金(57)
26 1三角(22)
27 6五歩(66)
28 3三桂(21)
29 6六角(88)
30 1五歩(14)
31 5七角(66)
32 4四歩(43)
33 3五歩打
34 1四飛(34)
35 3八飛(28)
36 4三銀(42)
37 7七桂(89)
38 5二金(41)
39 3六金(46)
40 3四歩打
41 6六角(57)
42 7二銀(71)
43 3四歩(35)
44 同 飛(14)
45 3五歩打
46 1四飛(34)
47 4六歩(47)
48 5四歩(53)
49 3七桂(29)
50 3一角(13)
51 2五桂(37)
52 3二歩打
53 4七銀(48)
54 5三角(31)
55 5八銀(47)
56 6四歩(63)
57 同 歩(65)
58 4五歩(44)
59 3三桂成(25)
60 同 歩(32)
61 5七銀(58)
62 5五歩(54)
63 同 歩(56)
64 6四角(53)
65 6七銀(68)
66 4四銀(43)
67 5六桂打
68 5五角(64)
69 4四桂(56)
70 6六角(55)
71 同 銀(57)
72 4四飛(14)
73 5五角打
74 5四飛(44)
75 3三角成(55)
76 7四桂打
77 6五銀打
78 6六桂(74)
79 同 馬(33)
80 5七銀打
81 1一馬(66)
82 4七角打
83 5四銀(65)
84 3八角成(47)
85 5八歩打
86 6六歩打
87 同 銀(67)
88 5六馬(38)
89 6七香打
90 6六銀成(57)
91 同 馬(11)
92 同 馬(56)
93 同 香(67)
94 3九飛打
95 5九桂打
96 6二歩打
97 9五歩(96)
98 4八角打
99 9四歩(95)
100 6六角成(48)
101 6七歩打
102 4八馬(66)
103 9三銀打
104 同 桂(81)
105 同 歩成(94)
106 同 香(91)
107 同 香成(99)
108 同 馬(48)
109 8五桂打
110 8四馬(93)
111 9三角打
112 同 馬(84)
113 同 桂成(85)
114 同 玉(82)
115 9九香打
116 9四歩打
117 8五桂(77)
118 8二玉(93)
119 9三角打
120 8一玉(82)
121 8二飛打
122 9一玉(81)
123 3九角成(93)
124 7七銀打
125 同 玉(78)
126 3三角打
127 6六馬(39)
128 投了
まで127手で先手の勝ち

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20170324今日の一手(その482);自然な手から考える

2017-03-24 | 今日の一手
20170324今日の一手

2014年8月の東海団体リーグから、私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛桂と角金の交換で、損得はほぼありません。わずかに先手駒得というべきかもしれませんが、終盤なので重視しなくてもよいでしょう。
玉の堅さは先手のほうが少し堅いです。
先手の攻め駒は66角45金と持ち駒角で3枚。
後手の攻め駒は76銀84桂と持ち駒飛で3枚。

やや先手よしです。

☆ 大局観として
後手に攻められて大分苦しかったのですが、飛車を角で取ってもらったのですっきりして、先手玉が堅い分だけ有利です。76に銀を打たれて攻撃続行されたところです。

終盤ですから駒得を考えるのは方向違い。攻めながらあるいは受けながら駒得になるなら理想的ですが。
攻め合いにするには攻め駒が足りませんが、銀がぶつかっているのでもう一枚増えそう、ということで攻めるのもあります。
後手の攻め駒は3枚ですから、受けるのもありそうです。そのときは34金同銀とすると攻め駒を渡すことになりますから逆に注意が必要です。

つまり、攻めるのもあり、受けるのもあり、ただし互いの攻め駒の枚数(4枚にする、させない)に注意が必要です。できれば攻防の手を指すとわかりやすくなります。


○ 銀を打たれたところですから取る手からみてみます。76同銀には同桂

こういう時は下に逃げてはいけません。87玉(あるいは77玉)に88歩76玉89歩成

と進めるものです。が、34金に84桂と打たれてから

67玉34銀は厄介ですね。

手順前後していて、76玉の前に34金同銀として、76玉89歩成82飛

とするのが攻防の手で、84桂を防ぎつつ44角以下の攻めを見ています。これなら先手優勢です。


× 85歩同桂86歩

というのは怖い受け方で、後手の攻め駒が4枚になっています。87歩(これを取ると87同金同銀成同玉79飛が両取り)79玉29飛49歩

結構大丈夫そうなのですが、67銀成同銀19飛成85歩76香77桂打88銀

桂馬を一つ取っても香を補充されて攻められます。88同金同歩成同玉86銀78銀打28竜に84歩

もう一枚桂馬を取って後手の攻め駒は3枚。77香成同桂76桂79玉87歩89香12玉

で飛車取りを催促されると金を渡しづらく、金を逃げるしかないか。まだ難しいとはいえ後手に攻められるだけですから先手不利でしょう。


△ 受けるなら駒を打つ方が良く、98角

は変な位置ですが、後手から端攻めがないので打ちやすいです。87歩同金67銀成同銀29飛49歩

金銀の連結がなくなって薄いようでも、後手から攻める筋が少ないし、銀も受けに使えるので大丈夫そう。飛車を取って桂香を全部取り切れば勝ちです。


× 角を打って受けるなら58角の方が使えそうなのですが、87歩を取れないのです。

(取ると79飛が両取りになる。)79玉29飛49歩67銀成同銀88銀同金同歩成同玉26飛成

というのは先手玉が薄く見えます。これは自信なし。


○ 攻めるなら34金が駒得で自然です。

34同銀44角33金打53角成

というのが後手玉を固めさせてばからしく思えたのですが、金を使わせたので後手の攻撃力が増えていません。87歩には97玉が好手。95歩には76銀

で上が抜けています。つまり76同桂87玉29飛くらいで、強く41銀

と打てば、59飛成に32銀成同金77角の王手竜があり、先手優勢です。


59飛成ではなく42銀と受けたら、32銀成同金44馬33銀77馬

と馬を引き付けてからゆっくり攻めればよいです。

もっとも44角としないで82飛

と打つ方が攻防でわかりやすいかもしれません。87歩にはやはり97玉で、95歩には84飛成

です。44竜がとても厳しい攻めになっています。

95歩ではだめなので88金

としがみつかれたら、44角33桂53角成

が詰めろ。


× 33歩はひねった手で

形勢が良い時にはやらないほうが良いです。33同飛44金同銀同角87歩

は対応に困ります。


△ 実戦では61角

と攻防(のように)に打ちました。94角成とすれば受けきり、ということもありますが、34金同銀に同角成があるので、飛車を逃げてくださいという手です。97歩79玉(ここでも97玉が良かった)24飛

で飛車を逃がしたように見えるのですが、94角成以下受けるのではなく(26飛84馬67銀成同銀66飛同銀45歩でまずい)


94角成ではなく、25歩同飛44金

が狙いの手で、2枚の角が良く働いています。29飛成43金12玉49歩

で優勢。銀を得しましたし、後手玉はかなり受けにくいのです。(以下は31金32歩22金31銀という寄せです。)

ではそれでよいのかといえば、25歩に29飛

あるいは24飛の前でもよいのですが飛車打を先に決めておいて、49歩25飛行44金同銀25角成同飛成44角33金打53角成

というのはかなり大変です。この形、79玉ではなくて97玉ならまあまあという感じですが。


☆ まとめ
形勢有利なら自然な手が良いというのが基本です。
もし形勢が悪いなら不自然な手も考える、というのはあります。

相手のいいなりのようでも、76同銀同桂87玉と上に逃げだす順が自然な手の組み合わせです。

あるいは34金同銀と取るのも駒得ですから自然です。ただしその後は44角でもよくなりますが、82飛のほうが攻防でわかりやすいです。

取れるものを取らないで、98角と受けるとか、61角と打っておくとかは(これは取りに取りを重ねる手で、逃げられるとひどいことになりことも多い。ただし逃げる手を強制できるので好手になる場合もある。)ちょっとひねった感じです。

もっとひねると、飛車を逃がす33歩とか、85歩同桂86歩と攻めを呼び込むとかは疑問手です。

飛車を取ったら82飛が攻防になる、ということも意識しておくとよいです。84の桂を取る、(あるいはまた打たせない)というのが味がよいのです。84桂は先手玉の上部を押さえて、とても働いている攻め駒なのです。なお、一段目に81飛と打つよりは、後手玉をにらむ82飛のほうが攻めに働きやすいです。

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大山将棋研究(467);四間飛車に急戦

2017-03-23 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜
昭和54年5月、米長邦雄先生と第18期十段戦です。このときは米長先生が棋王のタイトルをもっています。


大山先生の四間飛車に米長先生は急戦のようですが、46歩は早いです。大山先生は様子見でもよいのですが、手堅く32金として受けるいつもの形へ。

これは中飛車に対する加藤流急戦に似ていますが

四間飛車に46歩と突いているわけですから、4筋からさばかれそう。

先手玉のほうが堅いので、これなら居飛車も戦えそうです。33角成とすべきかは悩みますが、37桂から飛車交換が普通でしょう。

米長先生はありきたりではつまらない、と55角を打っての飛車交換になりました。

ここで一段落。64角が働くかどうかです。

59金右と固めて37桂ですか。19飛成には45桂が好調子。

その筋を避けての46歩に48飛と合わせます。

19竜に46角。45桂の筋と73角成の筋があります。両方受けられそうなのは43香ですが、大山先生はもったいないと見たか、

17竜で73角成としてきなさい、という大胆さです。さてどちらが読み勝っているか。

桂も取り合って、大山先生は金と角香の交換で駒得。米長先生は攻め駒3枚ですが、うまく迫れるかどうか。

端攻めでなければ、55桂から攻めるのが自然な指し手です。

大山先生はあっさり清算して底歩を打ち、金銀だけなら攻めにくいでしょう、と主張します。

米長先生の44歩は、と金作りというより、角打ちの筋(44角や43角)を消す意味のほうが強そう。今度は大山先生が攻める番です。持ち歩がないのですが、飛び道具だけいっぱいあります。まずは84香。

75銀は攻防ですが、54角と据えて、87の地点を狙っています。

84の香を取って75香は反撃の筋。大山先生は構わず銀を打って76銀を狙い

実現させました。攻め駒が多いので、米長先生はかなり受けにくいです。

86金は唯一の受けですが、角を足されて困ります。

早逃げから桂を取ればうまく受けたか、という感じですが、

77銀と打たれるので角を取り返せません。

投了図。

この二人が指すと、意地を張り合うので、戦いが始まれば妥協しないことになりやすく、スリリングで面白い将棋が多すぎます。
米長先生が駒損ですが、玉が堅いので終盤まで互角です。大山先生があっさり受けて66手目の71歩なら、何かありそうだ、と思うでしょう。ところがそれで手がない、と知っているのが大山先生なのです。先手からの攻めが止まれば、攻め駒の多い(使いにくそうでも6枚ある)大山先生が有利になっていきます。
その66手目まで、67手目以降、二通りの視点で楽しめると思います。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:米長邦雄棋王
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5八金(49)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 3六歩(37)
18 4三銀(32)
19 4六歩(47)
20 3二金(41)
21 6八銀(79)
22 7二銀(71)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 5七銀(48)
26 6四歩(63)
27 3八飛(28)
28 4五歩(44)
29 同 歩(46)
30 5四銀(43)
31 4八飛(38)
32 4五銀(54)
33 3三角成(88)
34 同 桂(21)
35 5五角打
36 5四銀(45)
37 6四角(55)
38 4八飛成(42)
39 同 銀(57)
40 4二金(32)
41 5九銀(48)
42 4九飛打
43 3七桂(29)
44 4六歩打
45 4八飛打
46 1九飛成(49)
47 4六角(64)
48 1七龍(19)
49 7三角成(46)
50 同 銀(72)
51 4二飛成(48)
52 7二金(61)
53 5三龍(42)
54 6三銀(54)
55 3三龍(53)
56 3七龍(17)
57 5五桂打
58 5四銀(63)
59 6三金打
60 同 銀(54)
61 同 桂成(55)
62 同 金(72)
63 同 龍(33)
64 7二金打
65 6一龍(63)
66 7一歩打
67 4四歩打
68 8四香打
69 7五銀打
70 5四角打
71 8四銀(75)
72 同 歩(83)
73 7五香打
74 8五銀打
75 7七銀(68)
76 6五桂打
77 6六銀(77)
78 7六銀(85)
79 8六金打
80 8五角打
81 8八玉(78)
82 6七銀成(76)
83 6五銀(66)
84 同 角(54)
85 7七歩打
86 7六桂打
87 同 金(86)
88 同 角(85)
89 7九桂打
90 8六銀打
91 投了
まで90手で後手の勝ち


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大山将棋研究(466);四間飛車に玉頭位取り

2017-03-22 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜
昭和54年5月、土佐浩司先生と第20期王位戦です。


大山先生の四間飛車、土佐先生は引き角にも見えますが

大山先生が早く45歩~44銀とするのは、引き角棒銀を苦手にしているからかも。

土佐先生は48飛と受けて(55歩から棒銀の攻め筋)指すのは

75歩が遅いので違和感がありましたが、玉頭位取りの定跡化された手順です。

44銀から石田流を目指すのはあまり見ませんが、こうなれば3筋の歩交換を許すしかありません。

土佐先生が少し間違ったようです。(86歩は後回しで、25歩から28飛を見せておくべきだった。)

5筋の歩も交換して石田流完成。土佐先生は普通は65歩から交換しておくくらい。

86角~77角と手待ちをして

さらに16歩と待って、74歩に65歩。これが狙いでした。

と言ってもわかりにくいです。55角と出る狙いなのですが、73歩と受けられたら無効。

なのでさらに待って、74歩に55角です。73桂に64歩~74銀が予定。64歩に54金74銀64銀でどうするのかな、と考えていたら

92玉から73金で受けてしまいました。95歩同歩が入っていれば、という局面ですが。

銀が退却するようでは失敗です。角を追われて歩切れ。

攻めるのが1筋では後手玉から遠いです。

大山先生は銀をさばいたのですが、本来はよい手ではないはず。76銀~65銀ならまだ長いです。

土佐先生は失敗を認めてしまったら粘るタイプではないです。どうやって形を作るかだけ。76歩から5筋の歩を伸ばし

12と。大山先生はそろそろだと桂を跳ね

飛車を成ります。土佐先生は55馬から

75歩の形作り。大山先生は86桂から56歩で寄せています。

投了図。

土佐先生らしさが見られた将棋でした。攻めが決まる筋にほれ込んでしまい、無理なことをしてでもやり遂げたかったのです。残念ながら不発。
大山先生の無理のない指し方(75銀は勧めませんが)をなぞっておきましょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:土佐浩司4段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 6八銀(79)
16 4三銀(32)
17 7七銀(68)
18 4五歩(44)
19 5七銀(48)
20 4四銀(43)
21 5八金(49)
22 5四歩(53)
23 4八飛(28)
24 5二金(41)
25 6六歩(67)
26 6四歩(63)
27 7五歩(76)
28 8二玉(72)
29 7六銀(77)
30 6三金(52)
31 6七金(58)
32 7二銀(71)
33 8六歩(87)
34 3五歩(34)
35 2五歩(26)
36 3二飛(42)
37 2八飛(48)
38 3六歩(35)
39 同 歩(37)
40 同 飛(32)
41 3七歩打
42 3四飛(36)
43 8五歩(86)
44 5五歩(54)
45 同 歩(56)
46 同 銀(44)
47 5六歩打
48 4四銀(55)
49 7七角(88)
50 1四歩(13)
51 8八玉(78)
52 1三角(22)
53 7八金(69)
54 3三桂(21)
55 8六角(77)
56 5三銀(44)
57 7七角(86)
58 3五飛(34)
59 1六歩(17)
60 7四歩(73)
61 6五歩(66)
62 7五歩(74)
63 同 銀(76)
64 6五歩(64)
65 2四歩(25)
66 同 歩(23)
67 1五歩(16)
68 7四歩打
69 5五角(77)
70 9二玉(82)
71 6四歩打
72 7三金(63)
73 8六銀(75)
74 6四銀(53)
75 7七角(55)
76 3四飛(35)
77 9五歩(96)
78 同 歩(94)
79 1四歩(15)
80 3一角(13)
81 1三歩成(14)
82 7五銀(64)
83 同 銀(86)
84 同 角(31)
85 7六歩打
86 5三角(75)
87 5五歩(56)
88 8二玉(92)
89 5四歩(55)
90 7一角(53)
91 1二と(13)
92 2五桂(33)
93 1一角成(77)
94 3七桂成(25)
95 同 桂(29)
96 同 飛成(34)
97 5五馬(11)
98 2八龍(37)
99 同 馬(55)
100 8六桂打
101 6八金(78)
102 5六歩打
103 7五歩(76)
104 5七歩成(56)
105 7四歩(75)
106 6七と(57)
107 7三歩成(74)
108 同 桂(81)
109 投了
まで108手で後手の勝ち


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20170322今日の一手(その481);寄せ合いで勝つ

2017-03-22 | 今日の一手
20170322今日の一手

2014年7月の社団戦から私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の桂歩歩得です。後手に持ち歩があるので歩はカウントしませんが、桂得です。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は25桂と持ち駒角銀桂で4枚。十分です。
後手の攻め駒は85飛58馬と持ち駒銀で3枚。

総合すれば先手やや有利です。

何手で詰めろになるか数えてみると、後手玉は46桂~34桂31玉43銀で詰めろ。41銀~43角でも詰めろ。どちらも2手分なので現状は3手すきです。
先手玉は65飛~68馬あるいは68飛成で詰めろ。現状は3手すきです。
どちらも3手すきで先手番ですから、先手有利です。


☆ 大局観として
後手の攻め駒は3枚ですから、まだ受けていても良さそう。でも1手勝ちになりそうなので寄せ合いを目指すのが一番速い勝ち方です。
寄せのセオリーをもとに、後手玉を寄せることを考えます。


× 後手玉に迫るのが一番厳しい手で、46桂から考えます。

65飛には34桂31玉43銀(詰めろ)68馬42角

で後手玉が詰みます。

でも46桂の時に25銀と取られてしまうと

25同歩65飛34桂33玉

で後手玉に詰めろがかかりません。「桂頭の玉寄せにくし」あるいは「中段玉寄せにくし」に該当し、まだ指せますが後手が勝ちやすいです。25銀としたのが後手玉を2手以上安全にした好手になるわけです。


△ 33歩同桂を入れて(ここで他の変化に持ち込むことができるので、33歩自体は疑問手ではないはず。33同桂成以下の寄せ手順があるわけでもないので単独では何とも言えない手。)46桂

はどうか。今度は25銀同歩は無効。25桂34桂33玉25歩同銀

で58の馬が利いているのでこれも寄せにくいです。

34桂と跳ねずに25桂に同歩同銀41銀

ならわからないのですが、少し損をしているようです。


○ 実戦では41銀と打ちました。34桂の筋(後手玉を直接狙う手)の次に考えるのは、玉に近い守備駒を狙う手で、32金を狙います。

42金右ならば32銀成同金

として、これは先手の得、と思ったのですがこの局面はどう攻めるか難しいです。43金には42歩32金同玉55桂52銀75金打

金を手にしたので先手で金取りを受けられるのですが、先は長いです。(駒得なので悪くはありませんが。)

あるいは43金なんてやらないで、75金打81飛66角33桂45桂

というほうが良さそうか。角の筋で攻められるので後手は受けにくいです。

実戦では41銀に手抜いて65飛と金を取りました。32銀成同玉33歩同桂43金

と後手玉を薄くしていきます。43同金同歩成同玉21角32銀44歩

この歩が打てるので寄り筋ではあります。44同玉32角成54銀46金

以下、少し怪しいのですが、寄せきれました。

54銀では62飛

が最善で(68馬は65馬、68飛成は同金同馬42飛)すが、56桂45玉43馬46玉38銀

はどうにか先手の勝ちです。

途中65飛に32銀成以下清算していくよりも43角

と一手で詰めろをかけるほうがスマートです。部分的には受けなしなんですが、43同金右同歩成55角が厄介。66歩同角77金打

とするしかなく(他の応手は先手玉が詰み)、金を手放したので77同歩成以下清算して43金と戻されて形勢不明です。

というのがややこしくて、43角の前に66歩

が正着。66同飛なら43角で勝ち。(43同金右同歩成の図をあげておきます。)


66歩に45飛と逃げたら52銀不成42歩41銀不成

金を取って攻めが続きます。


△ 43銀も同じ意味ですが

(手抜きは41角が厳しい。)43同金右同歩成同金に75金くらい。

もっともこうやるなら41銀42金右32銀成同金で43歩成と捨てれば同じ局面にできます。
この75角が取れば王手飛車。81飛にどうやって寄せるか、というのがいろいろあって、先手有利ですがどれが正解かはわかりません。
41銀よりもわずかに劣るのでしょう。


× 41角は次に考える手で(小さな駒から、がセオリー)

65飛には43銀

がかなり厳しいです。(42金打32銀成同金43金31銀33歩同桂同桂成同銀25桂という攻め方)

まあ誰でも42金右32角成同金というほうを選ぶでしょう。

この時に持ち駒が角が良いか金が良いかという比較で、角の方が攻めやすいですね。だからまだ大変だとはいえ、41角は劣ります。


△ 受ける手も考えてみます。金を逃げるのが普通で、66金

96歩98歩25銀同歩95桂

とされると、後手の攻め駒は4枚。かなり受けにくくなっています。86に駒を打てば同飛同歩87歩で寄り。


79桂と受けても87桂成同桂86歩

で受けが無くなります。

95桂には69銀

がぎりぎりの受けですが、86歩同歩87歩同金25飛

26歩同飛同飛69馬78飛85歩

どんどん攻められてまずそうです。

よって、66金96歩に41銀

と時間差で攻めるしかなく、これは難解。97歩成同桂同香成同香96歩同香86歩同歩同飛87歩96飛

という感じで攻められます。わずかに先手有利かというところです。


△ 他には変則的な受けですが、43歩成と成り捨てて

43同金右75金同飛66角

を狙う受け方があります。これでもまだ大変で、44歩75角69銀に67銀打

と受けて、78銀成同玉88金同玉68馬78金77銀

77同桂同歩成同金85桂に31銀同金82飛

という両取りで受ける筋があるので、一応受かりそうですが、かなり難しいです。

まあ王手飛車は避けて81飛

くらいでもどうやって攻めるかは難しいところですが。


△ 先に75金と捨てて

75同飛に43歩成のほうが危険で、77銀

と打ち込まれます。77同桂同歩成同銀同飛成同金43金右

というのはかなり怖いです。67銀と受けて何とかなっているような、つぶされそうな。


× 受けるなら駒を打った方が手堅く、56角

です。96歩には67銀打36馬76銀

で十分。

でも56角には45銀と捨てられます。

45同角65飛67角68馬同金66金

というのは77銀と打たれる筋もあって防戦困難です。


△ ならば56銀のほうが手堅いではないか

と思うのですが、96歩に98歩では桂を取って95桂の筋が残ります。96歩には55角

と両取りの筋で頑張ります。97歩成以下攻められるから、43歩成同金右55角の方がいいのかもしれません。


☆ まとめ
相居飛車で有利になったら、寄せ合いで勝つのが一番です。

寄せのセオリーで考えて、
46桂の筋(あるいは33歩同桂46桂の工夫)が有力ではありますが、33玉の形を作られると寄せが見えなくなります。

よって次の候補、41銀が一番良いのだと思います。43銀との比較は、43で清算すると44歩の拠点が消えるので、41銀が本線です。
42金右32銀成同金は普通は得なのでその時に考えればよいですが、
65飛の時に全部清算して21角の筋で寄せるか(65飛がこの角の筋に入るので攻防になる)
43角ともう一枚足して詰めろにするか(これは66歩同飛を入れないと負けそう)
どちらの筋が見えるかでその先が変わってきます。41銀の時にどちらかは見えていないと(読み切っていれば一番ですが)指してはいけません。

41角は42金右以下角を失うので却下。


寄せ合いでなければ、43歩成同金75金同飛66角という王手飛車の筋にするか

56銀96歩に55角から91の香を取る筋にするか。

56角は45銀で負けそう。

これを56銀や56角や66金から96歩98歩で受けきり、と考えていると、25桂が質駒なので95桂の筋を食らって受けにくくなります。


受けるにしても強い手を考えないと逆に寄せられてしまうのです。結局は相居飛車の将棋は(入玉を狙うのもありますが)寄せあいが基本ということです。


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大山将棋研究(465);四間飛車に4枚美濃から穴熊

2017-03-21 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜
昭和54年5月、勝浦修先生と第34期棋聖戦です。

大山先生の四間飛車に勝浦先生は天守閣美濃です。

急戦ではなく4枚美濃を目指しました。これも少し後にブームになります。

前にも出ましたが、45の位を取るのが良い対策で

後手は4筋の歩を交換するのですが、金で取りに行くのはこの戦型特有かも。銀で取り返しても手数は同じですが。

大山先生は腰掛銀で位を保ちます。(この場合は)右桂を跳ねないのが優秀なのです。

59角~37角がわかっているので、勝浦先生は74歩を突かず、後手番だからと待機します。

まだ当時はまだ米長玉から銀冠にするのはわかっていなかったのかも。すごい形で穴熊に組み替えです。

互いに玉を固め

勝浦先生から動きました。23銀右からもう少し固めるのもありそうですが。

6筋を突くのが狙い。大山先生が誘ったところではあります。

大山先生のさばきは、6筋は取り込ませ、石田流にして5筋を突く、きれいな手順です。75歩には56飛ですから

54歩を利かせ、桂を跳ねます。

75歩には54の歩を成り捨てて桂を跳ねます。42角には53歩、64角には54歩。

飛車の取り合いは最善でしょう。ここは手番があり、左桂を使えている分だけやや振り飛車が良さそう。きれいなさばきの順でした。

でも相手は穴熊、48馬を食らわないように一度自陣飛車を打って

馬の位置を変えてから、角を引くのが好位置。穴熊が薄く見えます。

底歩が利くので穴熊はまだ堅いのですが

と金で削れるので長くはもちません。

勝浦先生は馬を切って端攻め。

かなり厳しいです。

大山先生は銀を捨てて受けるのが唯一のしのぎで

金を引いて銀を捨てさせ

桂を跳ねて脱出路を確保。逃げられれば勝勢です。

投了図。

大山先生の快勝譜。うまいさばき方がありました。端攻めされてかなり危なく見えたのですが、受かるものだとわかっているのでしょうね。勝浦先生の方から見ると、31の金が22銀1枚しか利きがないのでもろい穴熊なんです。もう少し違えば結果も変わるところなんですが、わずかな差が大差になりました。
先手をもって、振り飛車のさばき、しのぎを堪能しましょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:勝浦修8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5二金(61)
13 2八玉(38)
14 1四歩(13)
15 1六歩(17)
16 5四歩(53)
17 3八銀(39)
18 2四歩(23)
19 6七銀(78)
20 2三玉(32)
21 5八金(69)
22 3二銀(31)
23 4六歩(47)
24 5三銀(62)
25 3六歩(37)
26 4四銀(53)
27 4七金(58)
28 8五歩(84)
29 7七角(88)
30 3一角(22)
31 8八飛(68)
32 3三銀(44)
33 4五歩(46)
34 4四歩(43)
35 同 歩(45)
36 5三金(52)
37 5六銀(67)
38 4四金(53)
39 4五歩打
40 4三金(44)
41 2六歩(27)
42 5三角(31)
43 2七銀(38)
44 8四飛(82)
45 3八金(49)
46 7四飛(84)
47 6七銀(56)
48 2二玉(23)
49 6五歩(66)
50 4二金(41)
51 3七桂(29)
52 1二香(11)
53 6六角(77)
54 1一玉(22)
55 7八飛(88)
56 2二銀(33)
57 5六銀(67)
58 3三金(43)
59 9六歩(97)
60 9四歩(93)
61 4八金(47)
62 4一金(42)
63 4七銀(56)
64 3一金(41)
65 5六歩(57)
66 8六歩(85)
67 同 歩(87)
68 6四歩(63)
69 7五歩(76)
70 8四飛(74)
71 7六飛(78)
72 6五歩(64)
73 5七角(66)
74 7四歩(73)
75 5五歩(56)
76 同 歩(54)
77 5四歩打
78 4二角(53)
79 7七桂(89)
80 7五歩(74)
81 5三歩成(54)
82 同 角(42)
83 6五桂(77)
84 7六歩(75)
85 8四角(57)
86 8六角(53)
87 4四歩(45)
88 5九角成(86)
89 8九飛打
90 6九飛打
91 同 飛(89)
92 同 馬(59)
93 7五角(84)
94 8九飛打
95 6一飛打
96 6四歩打
97 同 角(75)
98 4一歩打
99 5三桂成(65)
100 1五歩(14)
101 4三歩成(44)
102 4七馬(69)
103 同 金(48)
104 1六歩(15)
105 1八歩打
106 1七銀打
107 同 歩(18)
108 同 歩成(16)
109 同 香(19)
110 同 香成(12)
111 同 玉(28)
112 1九飛成(89)
113 1八香打
114 1六歩打
115 同 銀(27)
116 1五歩打
117 2七玉(17)
118 1六歩(15)
119 2八銀打
120 2九龍(19)
121 3九金(38)
122 3八銀打
123 同 金(39)
124 1二香打
125 1五歩打
126 同 香(12)
127 4五桂(37)
128 1七歩成(16)
129 3七玉(27)
130 1八と(17)
131 1三歩打
132 投了
まで131手で先手の勝ち

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第171回名南将棋大会(壱)速報

2017-03-20 | 名将会
今日は第171回名南将棋大会(壱)を行いました。結果速報です。
(今回は参加者が多く、4クラスになりました。弐の日程でD級以下を使ったので、A級、B級、C1級、C2級としました。)

A級優勝
小倉健司さん


B級優勝
森七郎さん

伊藤巧さん


C1級優勝
伊藤孝治さん


C2級優勝
杉浦悠斗さん


優勝おめでとうございます。
参加いただいた皆様ありがとうございました。



過去12か月分の優勝者のまとめです。

(C1級、C2級、D級、・・・を順送りにC級、D級、E級・・・と記入してあります。)

このところアマ連は「新ソフト」で計算しているのでインフレ傾向になっています。日程 壱 弐 を1400点で区切っていますが、区切りを変更する必要があるかもしれません。
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大山将棋研究(464);四間飛車に居飛車穴熊

2017-03-20 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜
昭和54年5月、森安秀光先生と第34期棋聖戦です。


大山先生の四間飛車に森安先生は居飛穴です。もうブームが到来しているのでしょうか、連続で居飛穴を相手にします。田中寅彦先生のせいですよね。昭和51年プロ入りみたいですから、勝ちまくってまわりに影響が出てきたころかもしれません。
それは別にして、森安先生は大山先生相手に居飛穴でうまくいったので、もう一回ということでしょう。

この辺りまでは何局もみました。大山先生の対応は極めてオーソドックスです。

森安先生は7筋の歩を交換して76銀と立ちました。

これで77角の筋で攻めることができます。

76の銀は87に引いて、かなり堅く、先手十分な駒組みです。

大山先生は55歩同歩42角と変わった指し方。

75角と出るのが狙いでした。歩損は気にしないで馬を作るのが好きです。

馬を引き付けるのが間に合って、一応成功のようですが

森安先生は持ち歩が多いので

歩の手筋で桂馬が取れます。

以下は仕方ない進行ですが、これで大山先生は指せると思っていたのでしょうか?森安先生は桂香の取り合いですが、22と が攻めの筋です。それで33銀が取れそうなので先手有利のはず。

ちょっと紛れてしまいました。

それでも飛車を使って26桂を打たせ(あれ?46香同馬26飛が良さそう。)

たのはよいのですが、と金で金をはがされるのは痛いです。形勢逆転か。

ここで33と同銀13飛成とあわてて攻めたのですが、と金を捨てるのはもったいないです。32と か44歩か、まだなんとかなりそうでしたが。

と金を捨てて角筋を止められては戦力不足です。

こじ開けに行っても

開きません。

大山先生はよくなったと思えば強気に出るのです。飛車交換になり

玉頭を抑えられても平気です。

受けるところはしっかり受けて

千日手狙いのような竜引きには

馬と刺し違えさせて

寄せに行きます。

64香も無視。

62香成も無視。

これで詰みがないとわかっているのです。

86金にも角を取ればよく

投了図。

この間は森安先生がうまく穴熊再構築で勝ったのですが、攻める筋はあまり見えないのでしょうか、粘りの振り飛車党ですから。
大山先生の指し方、堂々と指されたら疑心暗鬼で間違ってしまいそうですが、と金を使うことだけを考えていけば攻め切れるはず。
有利になった後の大山先生の受け方、攻め方を学びましょう。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:森安秀光7段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5七銀(48)
14 4三銀(32)
15 7七角(88)
16 8二玉(72)
17 8八玉(78)
18 5二金(41)
19 9八香(99)
20 7二銀(71)
21 9九玉(88)
22 6四歩(63)
23 8八銀(79)
24 7四歩(73)
25 7九金(69)
26 9四歩(93)
27 5九金(49)
28 9五歩(94)
29 6九金(59)
30 6三金(52)
31 7八金(69)
32 8四歩(83)
33 2五歩(26)
34 3三角(22)
35 6六銀(57)
36 5四歩(53)
37 6八角(77)
38 2二飛(42)
39 3六歩(37)
40 5一角(33)
41 7五歩(76)
42 同 歩(74)
43 同 銀(66)
44 7四歩打
45 6六銀(75)
46 8三銀(72)
47 7七銀(66)
48 7二金(61)
49 7六銀(77)
50 5二銀(43)
51 7七角(68)
52 4三銀(52)
53 4六歩(47)
54 3三角(51)
55 1六歩(17)
56 7三桂(81)
57 8六歩(87)
58 6五歩(64)
59 8七銀(76)
60 5五歩(54)
61 同 歩(56)
62 4二角(33)
63 5八飛(28)
64 7五角(42)
65 4五歩(46)
66 4二飛(22)
67 3七桂(29)
68 3九角成(75)
69 5四歩(55)
70 7五馬(39)
71 4四歩(45)
72 同 銀(43)
73 4三歩打
74 同 飛(42)
75 4五歩打
76 3三銀(44)
77 2四歩(25)
78 同 歩(23)
79 2二歩打
80 5七歩打
81 1八飛(58)
82 5四金(63)
83 2一歩成(22)
84 6四馬(75)
85 1一と(21)
86 3七馬(64)
87 4九香打
88 4六歩打
89 1五歩(16)
90 3六馬(37)
91 1六飛(18)
92 2六桂打
93 1四歩(15)
94 5八歩成(57)
95 1三歩成(14)
96 6九と(58)
97 2三と(13)
98 7九と(69)
99 同 金(78)
100 4二銀(33)
101 3三と(23)
102 同 銀(42)
103 1三飛成(16)
104 5五歩打
105 8五歩(86)
106 同 歩(84)
107 5六歩打
108 4五馬(36)
109 5五歩(56)
110 4四金(54)
111 5四歩(55)
112 5五歩打
113 1二龍(13)
114 5四馬(45)
115 2一と(11)
116 3八桂成(26)
117 4六香(49)
118 4五歩打
119 3一と(21)
120 4二飛(43)
121 同 龍(12)
122 同 銀(33)
123 8四歩打
124 同 銀(83)
125 8三歩打
126 同 玉(82)
127 7六桂打
128 7五銀(84)
129 8四歩打
130 8二玉(83)
131 4一と(31)
132 5三銀(42)
133 5一と(41)
134 4三馬(54)
135 1二飛打
136 6二金打
137 4五香(46)
138 同 金(44)
139 1三飛成(12)
140 5四銀(53)
141 4三龍(13)
142 同 銀(54)
143 3一角打
144 4九飛打
145 4二角成(31)
146 8六香打
147 同 銀(87)
148 同 歩(85)
149 6四香打
150 7六銀(75)
151 6二香成(64)
152 8七桂打
153 同 銀(88)
154 同 歩成(86)
155 7二成香(62)
156 9三玉(82)
157 8六金打
158 7七銀成(76)
159 8三歩成(84)
160 同 玉(93)
161 7三成香(72)
162 同 玉(83)
163 8五桂打
164 8三玉(73)
165 投了
まで164手で後手の勝ち



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20170320今日の一手(その480);駒は当たっているときが一番働いている

2017-03-20 | 今日の一手
20170320今日の一手

2014年4月の名南将棋大会から、私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答
序盤で

先手のMさんは88銀のまま、78金も省略して腰掛銀で攻める、という指し方を開発していて、一度ひどい目にあいました。その後それを拝借して他の人に私が快勝した、ということもありました。それを踏まえて、68玉が早いので、後手の私が85歩77銀から棒銀に出た(この将棋は後手一手損角換わり、手損で急戦でよいのかということがあるのですが)のです。
かなり進んで問題図

とにかく棒銀で猛攻して、銀交換になって一応成功。後手(実際は先後逆ですが)は35に銀を打って馬を作り、私が23銀と打ち込んで26歩と受けられた、という問題図です。

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。でも馬を作られていますからその分だけ先手の駒損です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は23銀19香と持ち駒角で3枚。28飛は26で利きを止められているので今は数えないです。
後手の攻め駒は47馬1枚。

総合すれば互角か、やや先手もちか、というところです。

☆ 大局観として
対局中は馬を作られてわるいのかなあ、と思っていましたが、そんなこともありません。先手玉が堅いということと、1筋の歩も切れて3歩持っているのですから、歩得ではなくても(可能性として)指せる手が多いのです。
ここは32銀成(あるいは不成)しかないではないか、と思わずに、手を探すことです。2014年はまだこのブログを書き始める前で、なるべくいろいろな手を探そう、と反省していたころ。細い攻めをつなげるというのを苦手にしていたのです。形勢判断の基準もあいまいで、感覚的に少し悪いと思っていたのは、後手のほうをもって、馬を作って抑え込む、というほうが考えやすかったからなのですが、この頃と比べると今のほうが強くなったなあ、という気はします。

角換わりに限らず、棒銀は攻め駒が飛角銀だけになりやすいので、実は難しい戦法です。29桂を使いにくいので4枚目の攻め駒はどうするか、というのが難しいのです。うまくいくのは端が絡む場合で、19香が攻め駒になるのなら、4枚で攻められる可能性が高くなります。
この場合は1筋の歩が切れているので、19香も攻め駒になっています。条件が良いのでなにか手がありそう。32銀成以外も考えてみましょう。とにかく攻めたいのです。


△ 24歩は同銀

となって、他の変化に合流するかもしれませんが、後手の歩切れが解消するので少し早いか。


○ 実戦は32銀成で自然な手

というか、これしかないと思い込んでいました。もちろん悪手ではありません。32同玉に24歩同銀 26飛25歩28飛39銀

普通の手を指しているとこういう展開でしょう。18飛29馬23歩28銀成16飛14歩

飛車を攻められて少し困りました。ここで42歩同金12歩15歩21角(これを取ってもらえず)23玉15飛同銀同香24玉

飛車を切って攻めましたが入玉されて負けました。

途中42歩ではなく重く22金と打って

42玉に12歩! 15歩46飛19馬49飛18馬11歩成

と端から攻めておけば当面入玉はなく、指せていたようです。1筋に歩を打てるというのが生かせました。

また、32銀成同玉に58角

というのがかなり有力で、58同馬同金

なら馬が消えて互角以上。

58角には46馬と逃げて、13香不成同香14歩

というのが継続手です。14同香が仕方なく、同角23銀58角に45桂なら49香


24香なら18飛12歩13歩

という調子です。香をさばいた(交換した)ら攻めの手(の可能性)が増えます。


○ 32銀成を決めずに58角

でも先ほどの変化に合流します。


△ 56角と打つのも考えられて

46馬には34銀成が狙いで、同金同角

は後手玉が薄くなって攻めやすいでしょう。(34銀成に56馬35成銀というのも先手が少し良い。)

25馬には32銀成同玉15金

で馬を殺せます。

ということで56角には同馬が最善。

32銀成同玉56歩に39角

とされるのが、前にやった58角の変化と違うところで、57歩58金の形なら、この角打ちはなかったわけです。
38飛84角成36歩24銀58飛

くらいか。これは互角です。


△ 他には強引な感じですが71角もあって

これは72飛34銀成同金53角成

というのが狙いで、銀を取り返せば十分です。

34銀成の時に71飛と角を取られるのでしょう。

35成銀として、46角にも36銀

と打てば受かります。(36成銀は同馬。)57角成同金同馬88玉

というのは飛車の働きに差があるので先手のほうが攻めやすいです。

46角ではなく38角なら

26飛29角成23銀

駒損ですが後手は歩切れですし、攻めは十分続きます。

戻って、71角には52飛

の時に攻めにくく見えるのです。(だから強引な感じがします。角で取る駒がないですから。)
32銀成同玉24歩

としておいて、27銀なら同飛同歩成23銀41玉62金42飛12歩

また1筋に歩が利くのが大きく、これは攻めが切れません。

24歩には同銀なのでしょう。

26飛25歩28飛39銀

ここで48歩もありますが、同銀成で損得不明。18飛29馬88玉28銀成16飛14歩82金

くらいで互角ですが先は長いです。

蛇足ですが、途中後手は25歩ではなく25銀で間に合わせると

13飛成と強攻する筋が生じます。


☆まとめ
駒は当たっているときが一番働いているといいますが、駒取りを放置して他の手を指す、つまり、相手の駒取りで返すとか、その駒を捨てて手を稼ぐとか、安い駒を取って敵陣を乱すとか、という手を考えてみることです。相手の意表を突くという効果もあるでしょう。

この場合は32銀成は王手なのですから、角を打って馬に当てる、という手が成立するのだなあ、とわかります。58か56に角を打って、同馬に32銀成から馬を取りかえすことができます。
56角の時には34銀成があるので馬が逃げにくい、ならば馬を消して金銀交換ですからわずかに駒得です。ただし直後に39角から馬を作られるので形勢互角。

比較検討すると58角が優るようで、それなら32銀成同玉58角でも同じことでしたが、馬を逃げられても13香不成(香成でもよい)から香をさばけます。

また、71角と飛車取りで返すのも有力で、やや強引ですが成立するようです。32銀成を決めていないので、34銀成の味が残ります。

32銀成同玉と清算してから(58角に気がつかないと)だと後手も受けやすくなるので攻めの手を探すのに苦労します。


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大山将棋研究(463);四間飛車に居飛車穴熊

2017-03-19 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜

昭和54年4月、木村義徳先生と第20期王位戦です。木村先生は木村義雄十四世名人の息子さん。

また大山先生の四間飛車に木村先生は居飛車穴熊。もうブームが始まったのかもしれません。

大山先生は普通に組んで、先手番なのでなにかやってきなさい、と65歩を突きます。

木村先生は銀を戻して64歩の交換。

26角と覗かれて、72飛では元気がないか。角をぶつけます。

じっと66歩と守られて難しそうです。

角を打たせて

金で圧迫するのは苦肉の策。

73銀とは指したくないですが

桂香を取らせている間に4筋の歩を伸ばし

6筋を破って勝負、なんですが、先に金をはがされるのは痛いです。

穴熊はかなり崩れて、反撃を狙います。

これで勝負にはなったか。

また香車を打って端を狙います。

ところが18には馬が利いていて(18香成の前に53歩だったか)

2枚角を打って攻防で頑張ります。

仕切り直し。

35桂から44角が急所なので大山先生が簡単のようですが

後手玉をうまく捕まえる筋が見えません。

かなりの混戦です。

それでも王手飛車から飛車を取れば寄り、と見えたんですが

44角に43桂成では怖かったか、36金打ちの安全策です。

安全策の後は遠巻きに網を絞っていき

この飛車打ちにもあわてずに

金を捨てて飛車を取る順なら悪くはないです。

投了図。

かなりの熱戦でした。大山先生にはもう少しわかりやすい寄せがあったように思うのですが、木村先生はうまく粘りました。自分ならどう寄せるか、考えながら並べましょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:木村義徳7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 2八玉(38)
14 5三銀(62)
15 6七銀(78)
16 3三角(22)
17 5八金(69)
18 8五歩(84)
19 7七角(88)
20 2二玉(32)
21 3八銀(39)
22 1二香(11)
23 4六歩(47)
24 1一玉(22)
25 1六歩(17)
26 2二銀(31)
27 1五歩(16)
28 3一金(41)
29 3六歩(37)
30 5一金(61)
31 4七金(58)
32 4一金(51)
33 2六歩(27)
34 4二角(33)
35 2七銀(38)
36 4四銀(53)
37 8八飛(68)
38 3二金(41)
39 3八金(49)
40 7四歩(73)
41 5六歩(57)
42 9四歩(93)
43 5九角(77)
44 6四角(42)
45 6五歩(66)
46 7三角(64)
47 3七角(59)
48 5三銀(44)
49 9六歩(97)
50 6四歩(63)
51 同 歩(65)
52 同 銀(53)
53 2五歩(26)
54 5一角(73)
55 2六角(37)
56 6二角(51)
57 同 角成(26)
58 同 飛(82)
59 6六歩打
60 8二飛(62)
61 6三角打
62 4二金(32)
63 5四角成(63)
64 5三金(42)
65 4五馬(54)
66 5四歩打
67 3五歩(36)
68 4四金(53)
69 3六馬(45)
70 3五歩(34)
71 3七馬(36)
72 3四金(44)
73 4五歩(46)
74 6二飛(82)
75 4四歩(45)
76 同 歩(43)
77 6五歩(66)
78 同 銀(64)
79 9一馬(37)
80 6六歩打
81 5八銀(67)
82 4五歩(44)
83 8一馬(91)
84 4六歩(45)
85 3七金(47)
86 5六銀(65)
87 2六桂打
88 3三金(34)
89 3四香打
90 6七歩成(66)
91 3三香成(34)
92 同 銀(22)
93 1四歩(15)
94 同 歩(13)
95 2四歩(25)
96 同 歩(23)
97 3四歩打
98 2二銀(33)
99 1四桂(26)
100 1三香打
101 2二桂成(14)
102 同 金(31)
103 2三歩打
104 同 金(22)
105 5四馬(81)
106 1九香成(13)
107 3一金打
108 3二桂打
109 4三銀打
110 1四香打
111 4二歩打
112 1八香成(14)
113 同 銀(27)
114 同 香成(12)
115 同 馬(54)
116 同 成香(19)
117 同 玉(28)
118 6五角打
119 1七香打
120 1四歩打
121 3二銀成(43)
122 5四角打
123 2七桂打
124 1二玉(11)
125 3三歩成(34)
126 同 桂(21)
127 1六香打
128 3二角(54)
129 同 金(31)
130 同 角(65)
131 3五桂(27)
132 2五桂(33)
133 4四角打
134 1七桂成(25)
135 同 桂(29)
136 6三飛(62)
137 2三桂成(35)
138 同 玉(12)
139 3四歩打
140 同 玉(23)
141 2二角成(44)
142 3三金打
143 3二馬(22)
144 同 金(33)
145 5二角打
146 4三飛(63)
147 5五桂打
148 4四角打
149 3六金打
150 5五角(44)
151 3五香打
152 4四玉(34)
153 3二香成(35)
154 5三飛(43)
155 7四角成(52)
156 8八角成(55)
157 6四馬(74)
158 6三飛打
159 5四金打
160 同 飛(53)
161 3五金(36)
162 4三玉(44)
163 6三馬(64)
164 2六桂打
165 同 金(37)
166 4七歩成(46)
167 同 銀(58)
168 同 銀成(56)
169 4五飛打
170 4四香打
171 3四金(35)
172 3二玉(43)
173 5四馬(63)
174 投了
まで173手で先手の勝ち


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