名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20181227

2018-12-27 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


これは序盤の知識です。後手に理想形を許してはいけません。
A 76歩 B 67金右 C 65銀

第2問


こんな構想がありました。
A 78飛 B 56歩 C 75銀打

第3問


気づきにくい好手です。
A 75銀 B 96銀 C 85歩

第4問


少し困ったようですが。
A 75同金 B 61竜 C 55桂
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大山将棋研究(1112);相矢倉(加藤一二三)

2018-12-27 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181227
昭和38年9月、加藤一二三先生と第4期王位戦第4局です。

今回は相矢倉で

4筋の歩を突く少し古い指し方と、5筋を突く新しい指し方の対抗です。

大山先生は銀矢倉を目指します。加藤先生は矢倉に組む前に7筋の歩を交換

74銀型を避けるために大山先生が65銀と出るのは受けの手筋です。

銀ばさみをみせられて

74銀型を作られました。でも銀矢倉のほうが耐久力があります。

加藤先生は好形を放棄して銀をぶつけました。

大山先生は銀交換に応じて74歩でけん制します。

そのあとは二枚の金を7段目に上がるのが独特の感覚です。力戦が好きなんですね。

加藤先生は銀を打って74歩を払いに行きます。

大山先生は飛車を7筋に回り

玉は68へ。

中央の位を奪回し

8筋の歩を伸ばします。85同銀75飛は先手有利なので、加藤先生は困ったか。

大山先生は銀を打ちこんで

と金を作り飛車をさばけば有利です。

加藤先生は74銀を打って反撃します。

大山先生は と金を寄って

金取りに構わず飛車を成りました。

加藤先生は66金をねらいます。端に角を逃げつつ

75銀も使えたので好調子。大山先生は61竜、飛取りで66金にひもをつけます。難しい形勢ですが

41銀や

15桂が入れば先手もちか。

加藤先生は金を打って抵抗します。形勢不明に戻ったようですが

63竜は詰めろ。でも53飛か53金寄くらいで寄せきれるか?

というところを加藤先生は33金寄だったので23歩が痛いです。

強引に金をはがされ

後手玉は必至に近いです。

先手玉は詰まず、大山先生の勝ちに終わりました。

大山先生の指し回しが独特で、定跡のような形から入っても不思議な形にしてしまいます。7筋に飛車をまわるというのが好着想ですが、加藤先生も結構うまく指していて、最後に受け違えて負けにしました。接戦を制して2勝2敗のタイスコアになりました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/09/11
手合割:平手  
先手:大山王位
後手:加藤一二三8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 4六歩(47)
10 3二金(41)
11 4七銀(48)
12 5四歩(53)
13 3六歩(37)
14 7四歩(73)
15 7八金(69)
16 4一玉(51)
17 2六歩(27)
18 8五歩(84)
19 5八金(49)
20 3三銀(42)
21 6九玉(59)
22 5二金(61)
23 7九角(88)
24 3一角(22)
25 6八角(79)
26 7三銀(62)
27 5六銀(47)
28 4四歩(43)
29 6六歩(67)
30 7五歩(74)
31 同 歩(76)
32 同 角(31)
33 6五銀(56)
34 4三金(52)
35 5九角(68)
36 4二角(75)
37 3七角(59)
38 5五歩(54)
39 7六銀(65)
40 7四銀(73)
41 2五歩(26)
42 3一玉(41)
43 7九玉(69)
44 7五銀(74)
45 同 銀(76)
46 同 角(42)
47 7四歩打
48 5二飛(82)
49 6七金(78)
50 6四角(75)
51 4七金(58)
52 8三銀打
53 4五歩(46)
54 同 歩(44)
55 6五歩(66)
56 8二角(64)
57 6六銀(77)
58 7四銀(83)
59 7八飛(28)
60 7五歩打
61 6八玉(79)
62 8六歩(85)
63 同 歩(87)
64 8七歩打
65 5六歩(57)
66 同 歩(55)
67 5五歩打
68 4四銀(33)
69 2四歩(25)
70 同 歩(23)
71 5六金(47)
72 9四歩(93)
73 2三歩打
74 同 金(32)
75 8五歩(86)
76 2二玉(31)
77 8四歩(85)
78 9三角(82)
79 8三銀打
80 同 銀(74)
81 同 歩成(84)
82 7一角(93)
83 6四歩(65)
84 同 歩(63)
85 7五飛(78)
86 7三歩打
87 8五飛(75)
88 7四銀打
89 8四飛(85)
90 6五歩(64)
91 5七銀(66)
92 5四歩打
93 7三と(83)
94 5五歩(54)
95 8一飛成(84)
96 5六歩(55)
97 同 銀(57)
98 6六歩(65)
99 同 金(67)
100 9三角(71)
101 8四歩打
102 7五銀(74)
103 6一龍(81)
104 5一歩打
105 4一銀打
106 5四飛(52)
107 1五桂打
108 6六銀(75)
109 同 龍(61)
110 4二金打
111 6三龍(66)
112 3三金(23)
113 2三歩打
114 3一玉(22)
115 3二銀打
116 同 金(42)
117 同 銀成(41)
118 同 玉(31)
119 2二歩成(23)
120 4二玉(32)
121 2三桂成(15)
122 6七歩打
123 同 玉(68)
124 6六歩打
125 7七玉(67)
126 7六歩打
127 同 玉(77)
128 7五銀打
129 同 玉(76)
130 8四角(93)
131 8五玉(75)
132 投了
まで131手で先手の勝ち
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大山将棋問題集 20181226

2018-12-26 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


どこから攻めますか?
A 24金 B 44歩 C 48飛

第2問


悩ましい垂れ歩です。
A 97同桂 B 44歩 C 22飛

第3問


寄せ合いを選びました。
A 32と B 52と C 74竜

第4問


詰めろ飛車取りです。
A 53角 B 74竜 C 57銀
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大山将棋研究(1111);中飛車に57金戦法(灘蓮照)

2018-12-26 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181226
昭和38年9月、灘蓮照先生と第13期王将戦です。今更ですがまだ13期なんですね。升田先生が木村先生(第1期)と大山先生(第5期)を半香まで指し込んだ棋戦です。

灘先生の中飛車です。私の灘先生のイメージは矢倉の46銀37桂なので、居飛車党だと思っていたのですが振り飛車も指しています。

大山先生は57金戦法(金立ち戦法)。これも昔からあるのですね。

灘先生の二枚銀の受けは古い振り飛車みたいです。美濃囲い出現の前は銀2枚を並べて受けるものでした。

35歩に同歩同金というのが違和感があります。32金34歩同銀というのが普通の受け方です。

角を引いて73角をみせられては、大山先生も24金の突進は指しにくくて46歩

灘先生の55歩から75歩というのがいかにも力自慢です。

大山先生は76歩と取り込ませて、45歩から57銀右。

灘先生は端に手を付けたのに82玉というのがまた大胆です。

一度32飛の金取りから

角を使い

ずいぶん派手な動きでしたが、結局42飛の受けでは失敗かも。

4筋で金銀交換、43歩で銀を取られそうです。

飛車を逃げられず、銀と交換で我慢。

ならば45歩には33銀だろうと思えば97歩。面白い指し回しです。

でも32銀を打たされて銀を取られると戦力不足です。

角を取れたので一応は駒損が消えましたが、43と が残っているので後手が悪いです。

灘先生はあきらめずに97歩、99角があるので十分勝負にはなりそうです。

52と に同金は74竜53角、72金は61銀71金、71金は62銀72金61銀不成71金、どれかで受けに回るのが普通ですが

ここまで来たら灘先生がそんな手を指すわけはないでしょう。66角と捨てて99角

詰めろ飛取りがかかりました。

でも角を捨てているのでこんな受けがありました。銀を捨てて詰めろ逃れ、57同馬61と では勝てません。

75馬も86銀で

馬を切って手が戻るのではだめでしょう。

大山先生は大駒4枚あるので受けに回ります。74竜から76の歩を払い

26角で62銀を打たせて、ここまで。

灘先生の指し回しが面白いです。かなり無理をしているのですがこういうところが「荒法師」なんでしょうね。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/09/02
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:灘蓮照8段
後手省略名:灘
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 5八金(49)
10 5四歩(53)
11 6八玉(59)
12 5二飛(82)
13 5六歩(57)
14 6二玉(51)
15 7八玉(68)
16 7二玉(62)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 6八銀(79)
20 6二銀(71)
21 3六歩(37)
22 4三銀(32)
23 5七金(58)
24 7四歩(73)
25 4六金(57)
26 5三銀(62)
27 3五歩(36)
28 同 歩(34)
29 同 金(46)
30 5一角(33)
31 2四歩(25)
32 同 歩(23)
33 4六歩(47)
34 5五歩(54)
35 同 歩(56)
36 7五歩(74)
37 4五歩(46)
38 7六歩(75)
39 5七銀(48)
40 9五歩(94)
41 同 歩(96)
42 9七歩打
43 同 香(99)
44 8二玉(72)
45 4八飛(28)
46 3二飛(52)
47 3六歩打
48 8四角(51)
49 7五歩打
50 4二飛(32)
51 4四歩(45)
52 同 銀(53)
53 同 金(35)
54 同 銀(43)
55 4三歩打
56 同 飛(42)
57 5四銀打
58 4二歩打
59 4三銀成(54)
60 同 歩(42)
61 4五歩打
62 9六歩打
63 同 香(97)
64 9七歩打
65 2二飛打
66 3二銀打
67 4四歩(45)
68 9八歩成(97)
69 4三歩成(44)
70 8八と(98)
71 同 玉(78)
72 3一金(41)
73 2四飛成(22)
74 9七歩打
75 6六歩(67)
76 7五角(84)
77 5二と(43)
78 6六角(75)
79 同 銀(57)
80 9九角打
81 9七玉(88)
82 6六角成(99)
83 5七銀(68)
84 7五馬(66)
85 8六銀打
86 同 馬(75)
87 同 歩(87)
88 5二金(61)
89 7四龍(24)
90 7三銀打
91 7六龍(74)
92 7四歩打
93 5四歩(55)
94 4三歩打
95 2六角打
96 6二銀打
97 6六銀(57)
98 投了
まで97手で先手の勝ち



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20181226今日の一手(その805);薄い玉の苦労

2018-12-26 | 今日の一手

20181226今日の一手

9月16日の名南将棋大会から、HさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は55銀を入れるかどうかで持ち駒角と合わせて1枚か2枚。
後手の攻め駒は24角と持ち駒銀で2枚。

総合すれば後手もちです。

☆ 大局観として
対抗型で居飛車が急戦を挑むと、玉の堅さで劣る分はどこかでポイントを稼がねばなりません。問題図では後手に持ち角を使わせたこと、先手だけ右桂を跳ねていること、の2つがポイントです。
今は後手の角に働きがある(攻め駒になっていて68角成の含みがある)ので少し苦しいのです。
先手陣は57歩のたたきや56の空間が気になり、55銀も中途半端です。ここで良い手を指さないと苦しくなりそうです。
駒得にするか、先手玉を固めるか、攻め駒を増やすか。先手玉の薄さが目立つので、玉を固める手を優先して考えたいです。


× 自然な攻めの手は25飛で

駒を取りながら飛車を攻め駒にしたというわけです。すぐに68角成同金25飛同桂29飛

金角交換で駒得とはいえ、先手玉が薄すぎるので簡単に負けてしまいそうです。

後手としては33桂として

飛車が逃げたら68角成で先手の飛車を素抜くというのもあります。24飛同飛までは仕方なくて、後手が指しやすいでしょう。


× 35銀と打てば

角を引いて24歩ならば抑え込めます。当然35同角同歩で、36歩25飛

先手玉がもう少し堅ければ十分なのですが、25同飛同桂49飛22飛57歩同金直79銀

普通に寄せ合いで後手の勝ちでしょう。


○ 実戦は31角で

32飛に22銀

というのがおかしな手です。何か誤算か勘違いがあったのだと思いますが、36飛47金26飛27歩76飛77歩74飛

こんなに利かされては桂香を取って駒得で有利とはなりません。それでも21銀成ではなく36歩と我慢したらまだ長いのですが、逆に36歩同金47銀と絡まれて先手劣勢になりました。

32飛には当然75角成とするものでしょう。

馬を作れば駒得です。同時に先手玉が少し堅くなります。36飛47金35飛46銀打

しっかり銀を打って抑え込めば駒得が生きるでしょう。打たずに46銀と引くと75飛から暴れられます。

後手は飛車を引かずに26飛27歩36銀

と暴れてくるかもしれません。26歩47銀成53歩51金引31飛

68角成同玉56歩52銀

寄せ合いに出たら先手の勝ちでしょう。75馬が攻防に働いています。

途中47金と受けずに25飛

もありそうですが、角を切られると怖いのでやめておきましょう。


△ 53歩を打てば、53同金は31角が生じるので62金寄

を利かせることはできます。


△ 23歩は

23同飛32角22飛65角成で馬の位置が違い

75角成よりも得ではないかという意味です。後手の飛車の位置も違うのでその差は微妙です。

後手は桂を取らせて33飛21角成36飛とさばくかもしれません。受けは47金で

この図がどうか。遠く21馬が76歩を守っています。26飛27歩36銀

26歩47銀成で先手の駒得とはいえ、後手の攻めもうるさいです。とりあえずは形勢不明。

23歩には32飛かもしれません。

後手の攻めをしのぐには46歩36飛47金というところですが、26飛27銀38銀

という強攻もあります。26銀47銀成25桂で後手の攻めを耐えられるかどうか。これも難しいです。27歩も打てませんでしたし、後手の攻めを呼び込んだという感じがあるのです。


△ ならば黙って46歩のほうが受けやすいのかも。

54歩66銀46角47金

「大駒は近づけて受けよ」ではあるのですが、68角成同飛26歩

で自信なしです。

54歩の時に53歩62金23歩

歩を2回打って、32飛25飛13角43角

54角成とできるのならば先手の得です。36飛47金37飛成同金33桂28飛55歩

これも先手玉がかなり薄いのですが、13角の利きが止まっていて、41飛からの寄せ合いで勝てるのではないかという図です。長い手順なのでこうならないことも多いのでしょうが、工夫すれば先手もまあまあではないでしょうか。


△か○ 57歩と打って

68角成の筋を避けてみます。56歩に46歩

だと条件が変わります。57歩成同金直54歩では同銀に46角と出る手がないというわけです。
後手は角を移動するか35歩と合わせて使うか、どれも互角くらいのところです。強襲されにくいので受けやすいとは言えます。


× 47歩は35歩

後手の46角を防いでも先手が桂頭を守るために47金と上がれないのではだめです。


× 57銀と投入すると

56歩同銀46銀

46同銀同角47金68角成同飛26歩

これは46歩54歩66銀とした変化に似ています。56銀の位置が少し良いけれど、先手が指しにくいのは変わりないです。


× 黙って47金は26歩

2筋を収めることができません。


☆ まとめ
先手が駒得しながら玉を固める手段がありました。馬作りです。大山先生が好きそうな手ですよね。31角32飛75角成(か86角成か)で馬が受けに働いていることを確認して指します。

馬作りがなければ57歩56歩46歩というのが一番耐久力がある受けで、後手の68角成を避けておけば急場をしのげます。

私は対振り飛車は急戦が一番良いと思っているのですが、玉が薄いので苦労することも多いです。
定跡研究でカバーするのですが、もししくじったときはなんとか自陣を固めて粘らないといけないかもしれません。問題図は「少ししくじった」くらいの図なのですが、なるべく斬り合いにせずに自玉を固め、チャンスが来たら強く戦います。

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大山将棋問題集 20181225

2018-12-25 | 大山将棋研究
先手番加藤先生の手を考えます。

第1問


一昨日の将棋では55銀の手待ちでしたが、それ以外ならこの手か。
A 55歩 B 66歩 C 35歩

第2問


端の受け方は?
A 88玉 B 86歩 C 77金

第3問


金は死んでいますが。
A 21角成 B 85金 C 95歩

第4問


銀取りをどう受けますか?
A 94歩 B 96香 C 94角
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大山将棋研究(1110);四間飛車に棒銀(加藤一二三)

2018-12-25 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181225
昭和38年8月、加藤一二三先生と第4期王位戦第3局です。

大山先生の四間飛車に加藤先生は棒銀です。

またも対策は45歩で

第1局と同じ展開です。45の位を取り

中央の歩を交換して

歩を打ちあい

少し手順が違うところがあるのですが、54手目までは同じ図です。この55歩で変わりました。

加藤先生は中央の位も取り、大山先生の62金上がねらいのある手です。

12角にも構わず端を攻めて

地下鉄飛車です。(振り飛車の場合も言うのかな?)加藤先生は金で端を受けました。

大山先生は53角から金を取って

下から金を打つ香取りで攻め続けます。

加藤先生は86歩で香の取り合いです。

もう一枚の金も動員して端を受けますが

歩切れになるから受かるのでしょうか?

一目はピンチです。

92歩同飛に96香。大山先生としては取り合いでは面白くないから歩を打つのですが、93歩95金89香成は後手よしか。93歩には85金同桂21角成くらいでしょうか。
それでは面白くないと

94歩でしたが95歩。これは「玉飛接近すべからず」という図になっています。86香94歩89香成93歩成同飛同香成同玉、後手が入玉を目指せるかどうか。

大山先生は銀を使って受けました。これだと後手玉が薄くなっていきます。

加藤先生は銀を取って95銀

88金68玉を入れて85金同桂94歩。92歩には86香が痛いのかもしれませんが

83歩は93歩成を取れる形ではありません。

と金が残れば加藤先生が優勢です。切れないように攻めればよく

と金を失っても桂を取って投了となりました。

大山先生らしからぬ同じ戦型で加藤先生の研究に応じました。大山先生も端を攻めればよかったと検討していたのでしょう。でも駒損で端攻め1本なんて大山先生の棋風ではないと思うのですが、晩年のころとは違うのかもしれません。
加藤先生は仕方なく強い受けを指していたら反撃がうまく決まった一局でした。結果としては棒銀で連勝になり、「棒銀一筋」を強く思ったことでしょう。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/08/28
手合割:平手  
先手:加藤一二三8段
後手:大山王位
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 5八金(49)
10 4二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 5六歩(57)
16 8二玉(72)
17 3六歩(37)
18 7二銀(71)
19 6八銀(79)
20 5二金(41)
21 3七銀(48)
22 1四歩(13)
23 1六歩(17)
24 9四歩(93)
25 9六歩(97)
26 6四歩(63)
27 5七銀(68)
28 7四歩(73)
29 6八金(69)
30 4五歩(44)
31 3三角成(88)
32 同 銀(32)
33 4六歩(47)
34 同 歩(45)
35 同 銀(37)
36 7三桂(81)
37 4五歩打
38 8四歩(83)
39 3七桂(29)
40 6三金(52)
41 2六飛(28)
42 5四歩(53)
43 6六銀(57)
44 1三香(11)
45 5五歩(56)
46 同 歩(54)
47 同 銀(46)
48 6五歩(64)
49 5七銀(66)
50 5二飛(42)
51 5六歩打
52 4三歩打
53 4六銀(55)
54 3二飛(52)
55 5五歩(56)
56 3一飛(32)
57 5六銀(57)
58 6二金(61)
59 1二角打
60 9五歩(94)
61 同 歩(96)
62 9二香(91)
63 7七金(68)
64 9一飛(31)
65 8六金(77)
66 5三角打
67 2九飛(26)
68 8六角(53)
69 同 歩(87)
70 9五香(92)
71 9七歩打
72 8五歩(84)
73 6八金(58)
74 9八歩打
75 同 香(99)
76 9九金打
77 9六歩(97)
78 9八金(99)
79 9五歩(96)
80 同 飛(91)
81 7七金(68)
82 8四香打
83 9六歩打
84 同 飛(95)
85 8七金(77)
86 9一飛(96)
87 8五歩(86)
88 8六歩打
89 同 金(87)
90 8五香(84)
91 9二歩打
92 同 飛(91)
93 9六香打
94 9四歩打
95 9五歩打
96 8三銀(72)
97 9四歩(95)
98 同 銀(83)
99 同 香(96)
100 同 飛(92)
101 9五銀打
102 8八金(98)
103 6八玉(78)
104 9一飛(94)
105 8五金(86)
106 同 桂(73)
107 9四歩打
108 8三歩打
109 9三歩成(94)
110 7二玉(82)
111 9四銀(95)
112 7三金(62)
113 9五香打
114 9二歩打
115 同 と(93)
116 同 飛(91)
117 2一角成(12)
118 投了
まで117手で先手の勝ち

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大山将棋問題集 20181224

2018-12-24 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


大山先生ならばこう指します。
A 65同歩 B 68香 C 98竜

第2問


2筋は危険です。
A 17銀 B 39金 C 29香

第3問


遠くに寄せが見えてきました。
A 98竜 B 63金 C 65金

第4問


やっと優勢になりました。
A 48銀 B 48香 C 35銀打
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大山将棋研究(1109);中飛車に持久戦(加藤一二三)

2018-12-24 | 大山将棋研究
今日の棋譜20181224
昭和38年8月、加藤一二三先生と第4期王位戦第2局です。

大山先生の中飛車に加藤先生は急戦ですが

73桂を跳ねて44銀という奇妙な駒組みで

結局仕掛けることろもなくて長い序盤になりました。

加藤先生のほうは手待ちが多いです。大山先生は金銀を寄せて27玉型にしてから95歩で戦闘開始です。ここまで77手、早い将棋ならば終わっているかも。

この端攻めはほぼ飛交換になります。94同香同香95歩同香同飛94香85香同桂同歩95香94歩という手順が多いですが

94香に同飛と取って飛車交換です。

62銀が浮いているので92飛が両取り、香を取り返して大山先生の2歩得で竜を作ったというわかれです。

加藤先生は23香を配置して玉頭をねらいます。

25歩に同桂同桂で取り返さなければ先手玉頭はとりあえず大丈夫で

加藤先生は端攻めです。16香の受けに15香同香18歩成同香17歩という手順で

強引に香を入手して

田楽刺しがねらいの手でした。

67香で反撃を見られたので、26香で1歩手に入れて

角を取って65歩、香を取れば香歩5と角の交換ですが、後手玉も危険です。

大山先生は香を成って、22歩成の清算が権利、実質は角金交換です。

加藤先生は24香から28香成

もう一度24香、香車が主役の攻防が続きます。

22で清算して26歩

32玉に27香

26香同香25歩。ここで香はわき役になって

大山先生は24桂42玉を入れてから左翼を工作し

左桂をさばき

桂を打って銀取り。大きく見て左右挟撃を目指しています。

銀を取った後は竜を侵入して後手玉の攻略をねらいます。

加藤先生は角を使って反撃しますが

角を追われて24桂を払うことになりました。

大山先生は竜を使う前に桂を取り

23角を捕獲しました。

どうやら後手玉を捕まえた感じですが

中段を逃げ回られて

まだ捕まえ切れません。

45銀打に37銀ではまだ自信なしでしょう。

加藤先生は馬を取って、ここで45桂が攻防のようですが、45香のほうが強い手でした。

これも攻防の48香で返されて失敗です。33へ脱出路を開いたというのが効果がありませんでした。

4筋の香を無効化できなくて

33に追われて91竜が詰めろ。

長い長い戦いがやっと終わりました。

後手玉は55までしか進まず、入玉が関係していないのに219手でした。香を使う手が29手も出てきます。最後の4筋の香を含め、香車が活躍する将棋でした。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1963/08/14
手合割:平手  
先手:大山王位
後手:加藤一二三8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 5八飛(28)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 3四歩(33)
11 6六歩(67)
12 4二玉(51)
13 4八玉(59)
14 3二玉(42)
15 3八玉(48)
16 4二銀(31)
17 2八玉(38)
18 1四歩(13)
19 1六歩(17)
20 5二金(61)
21 3八銀(39)
22 7四歩(73)
23 6七銀(68)
24 9四歩(93)
25 9六歩(97)
26 5三銀(42)
27 4六歩(47)
28 7三桂(81)
29 7八金(69)
30 4四銀(53)
31 5九角(77)
32 6四歩(63)
33 4七銀(38)
34 4二金(41)
35 3八金(49)
36 6三銀(62)
37 3六歩(37)
38 8一飛(82)
39 7七角(59)
40 5三銀(44)
41 5九飛(58)
42 8四飛(81)
43 3七桂(29)
44 8一飛(84)
45 2六歩(27)
46 8二飛(81)
47 5八銀(67)
48 8一飛(82)
49 6九飛(59)
50 4四歩(43)
51 9七香(99)
52 4三金(42)
53 6八飛(69)
54 3三桂(21)
55 6九飛(68)
56 3一角(22)
57 5七銀(58)
58 6二銀(53)
59 4八銀(57)
60 5三角(31)
61 6八飛(69)
62 4二金(52)
63 7九金(78)
64 8四飛(81)
65 6九金(79)
66 2二玉(32)
67 5八金(69)
68 3二金(42)
69 3九銀(48)
70 2四歩(23)
71 2七玉(28)
72 4二角(53)
73 2八銀(39)
74 5三銀(62)
75 9八飛(68)
76 6二銀(53)
77 9五歩(96)
78 8六歩(85)
79 同 歩(87)
80 9五歩(94)
81 同 香(97)
82 9四歩打
83 同 香(95)
84 同 飛(84)
85 同 飛(98)
86 同 香(91)
87 9二飛打
88 5三角(42)
89 9四飛成(92)
90 6五歩(64)
91 9八龍(94)
92 2三香打
93 3九金(38)
94 7五歩(74)
95 同 歩(76)
96 6六歩(65)
97 同 角(77)
98 2五歩(24)
99 同 桂(37)
100 同 桂(33)
101 6八龍(98)
102 3三桂打
103 3八玉(27)
104 1五歩(14)
105 同 歩(16)
106 1七歩打
107 1六香打
108 1五香(11)
109 同 香(16)
110 1八歩成(17)
111 同 香(19)
112 1七歩打
113 同 香(18)
114 同 桂成(25)
115 同 銀(28)
116 6五香打
117 6七香打
118 2六香(23)
119 同 銀(17)
120 6六香(65)
121 同 香(67)
122 6五歩打
123 2八香打
124 6六歩(65)
125 2三歩打
126 3一玉(22)
127 1三香成(15)
128 2四香打
129 3七銀(26)
130 2八香成(24)
131 同 銀(37)
132 2四香打
133 2二歩成(23)
134 同 金(32)
135 同 成香(13)
136 同 玉(31)
137 2六歩打
138 3二玉(22)
139 2七香打
140 2六香(24)
141 同 香(27)
142 2五歩打
143 2四桂打
144 4二玉(32)
145 6四歩打
146 同 銀(63)
147 7四歩(75)
148 6五桂(73)
149 6三歩打
150 同 銀(62)
151 7七桂(89)
152 7二歩打
153 7三歩成(74)
154 同 歩(72)
155 7四歩打
156 同 銀(63)
157 6五桂(77)
158 同 銀(64)
159 5七桂打
160 4五歩(44)
161 6五桂(57)
162 同 銀(74)
163 6四歩打
164 5一桂打
165 9八龍(68)
166 9七歩打
167 同 龍(98)
168 2六角(53)
169 2七歩打
170 1五角(26)
171 1九香打
172 1八歩打
173 同 香(19)
174 2四角(15)
175 6三歩成(64)
176 同 桂(51)
177 6四歩打
178 5三玉(42)
179 6三歩成(64)
180 同 玉(53)
181 7五桂打
182 5三玉(63)
183 1三銀打
184 4六角(24)
185 同 銀(47)
186 同 歩(45)
187 7一角打
188 6四玉(53)
189 6二角成(71)
190 5六銀(65)
191 6三桂成(75)
192 5五玉(64)
193 7三馬(62)
194 4四玉(55)
195 4六馬(73)
196 4五銀打
197 3七銀(28)
198 7八飛打
199 6八歩打
200 4六銀(45)
201 同 銀(37)
202 4五桂(33)
203 4八香打
204 7四角打
205 2八玉(38)
206 4七歩打
207 同 香(48)
208 6七歩成(66)
209 4五銀(46)
210 同 銀(56)
211 同 香(47)
212 同 玉(44)
213 4六歩打
214 4四玉(45)
215 4五金打
216 3三玉(44)
217 9一龍(97)
218 7九飛成(78)
219 3一龍(91)
220 投了
まで219手で先手の勝ち

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20181224今日の一手(その804);厚みと実利

2018-12-24 | 今日の一手

20181224今日の一手

8月26日の名南将棋大会から、HさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損ですが持ち歩がありますから損得なしと見ます。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は28飛1枚。
後手の攻め駒は55銀1枚。

総合すれば互角か先手もちか。

☆ 大局観として
現状は先手玉が堅い分だけ良いのですが、後手の55銀に中央を制圧されています。後手は44飛33角を使えそうで、先手は攻め駒が足りないのです。どうにか互角くらいの攻防にもっていかねばなりません。その後で玉の堅さが生きるのならば先手よしになるのですが。


× 実戦は65歩でした。

先手玉が堅いので強く戦おうという手です。また後手が制圧している中央での勢力争いと見ることもできます。54飛64歩同飛

後手の飛角銀に対して先手は角金だけなので6筋を支えられません。65歩同飛34歩を無視されて66歩

33歩成67歩成同銀66歩

58銀ならば67金、66で清算したけれど先手の金損で敗勢です。

先手の工夫としては34歩が利かなければ66歩

連打で飛車先を止めるということになるのですが、飛を引かれても自信なしですし、清算して銀を埋めたとしても

歩切れでは悪いです。

では連打ではなくて単に66歩がどうか。

35歩と取られていても少し悪いですが、73桂と使われて、84歩同歩37桂85桂

角をかわすとつぶれます。後手の穴熊は薄くなりますが、駒損を甘受しては不利でしょう。


× 34歩同飛37歩

3筋の歩を取り込んでも結局は謝るしかないです。46歩同歩36歩同歩同飛

飛車をさばかれてじり貧になります。


○ 57歩と合わせると

46歩56歩はまあまあ。57同歩成同銀で68銀を使えるので中央の勢力争いの優劣が変わります。56同歩成同銀56歩同銀同銀同金

54飛55歩同角同金同飛24飛

後手の穴熊が堅くないので、寄せ合いは駒得の先手が少し有利です。

後手としては56歩を打たずに35歩くらい。

65歩43飛34歩

44角24飛23歩33歩成

というのが先手にとって理想的な展開です。

後手は24飛を防ぐ意味で34飛

で銀取りを受けるほうが良いです。56銀同銀同金

という戦いか

37桂と跳ねて

54金45桂同金56歩44銀64歩62歩46歩36金66銀

桂を捨てても後手の金銀の働きが悪いだろうという指し方もありそうです。


○ 中央の勢力で負けているのなら、22歩は実利を目指した手です。

22同角24飛は先手十分なので、54飛21歩成65歩58桂

先手は桂馬を取って受けに使います。
73桂98玉85桂88角

駒得なので85歩をかすめ取られても我慢しておきます。66歩同桂同銀同金57歩成55歩68と同飛

桂を取られてしまいましたが、しばらく守って11と や86歩~85歩を楽しみにしておきます。


× あとは思わしい手がなく、26飛46歩

も悪いでしょうし


× 58飛46歩

も悪いです。中央の勢力で負けているので、抑え込みやさばきを見られています。


× もちろんゆっくり58歩では35歩

ゆっくりしていたら歩切れ(あるいは58歩以外なら歩損)が響いてきます。


☆ まとめ
問題図の少し前ですが

後手に56歩を打たれて銀を引いてしまったというのがつまづきの元でした。56同銀か56同金で強く戦わねばなりません。

厚みと実利というのは囲碁の話なのですが、将棋でも玉頭戦になると似たようなことは起こります。この場合も中央を押さえるかどうかが生命線(天王山)になっているのです。

一度引いた銀をまた前に出るというのは指しにくいですが(問題図だけ見たら考えやすいかも)、57歩と合わせるのが本筋です。
もう一つは桂を手に入れる22歩で、取った桂を勢力争いに投入します。囲碁と違って将棋は実利だけで勝てるわけはなく、持ち駒はどこかに使わねばなりません。












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