先手番松浦先生の手を考えます。
第1問
棒銀のねらい筋、どれも有力で正解は決められませんが、読み比べてみましょう。
A 24歩 B 66角 C 19香
第2問
前工作があるので、この局面ならば一目。
A 36角 B 14香 C 16角
第3問
竜取りをどうするか。
A 71飛 B 35歩 C 44桂
先手番松浦先生の手を考えます。
第1問
棒銀のねらい筋、どれも有力で正解は決められませんが、読み比べてみましょう。
A 24歩 B 66角 C 19香
第2問
前工作があるので、この局面ならば一目。
A 36角 B 14香 C 16角
第3問
竜取りをどうするか。
A 71飛 B 35歩 C 44桂
今日の棋譜20210126
昭和30年11月、松浦卓三先生と名人A級選抜勝継戦です。
松浦先生の先手で角換わりです。
金銀の形がちょっと変わっていて、腰掛銀にもできますが
棒銀が予定通りでしょう。
大山先生は腰掛銀なので作戦負けになりやすいのですが、とりあえずは先手の15銀を防いでおきます。
右玉で受け流そうというのは自然です。
松浦先生は定番の端攻めです。
大山先生の13歩では、16歩18歩73桂11香成81飛と受けるのが現代の定跡です。
松浦先生は12歩22銀66角、84香と44角をねらっています。大山先生はどちらを受けるべきか。33金84香83銀でも悪くはないです。
84香のほうを防いで73角を打ったのですが、73は桂を跳ねたいところなのですよね。この自陣角が働くかどうか。
33銀打ではちょっと苦しそうです。17角に
しばらく駒組ですが、66歩を突かれました。66同歩は65香か26飛~66飛か。
66歩を取らないで75歩同歩35歩というのは、14歩や36歩を見て軽い指し方ではあるのですが、先手の75歩は拠点になっています。
65歩14歩64香、右玉を目指して攻められては苦しいです。
駒得が消えて玉の薄さだけ残りました。先手のねらいは46角と41銀~74金なので
41香は攻防で良さそうな手です。しかし松浦先生は63歩を打って
金を呼んでから74銀、後手の金をはがして
65金、単純ですが後手玉の上から攻めることができます。
64歩も入り
銀を受けさせて角が取れます。
一度35角を逃げておいて、74歩をねらいます。大山先生は64飛のほうが良かったのだと思いますが
我慢の74歩に、24歩同歩11歩成同銀36角。銀取りで
63歩に14角というのがいかにも好手順です。31歩を打ちますが、どうやっても二枚換えにされるのです。
金香交換で玉が薄く、攻められるだけでは勝ち目がありません。
25歩を突いたら、あっさり21成香
角を取ってもまだ駒損ですし、先手の飛成を防ぎにくいです。
反撃を試みます。
矢倉を乱して飛を使い
追われたら切り捨てます。
69角も厳しくはありますが、銀を打たれて、角を切るには早いです。
桂を使い、攻め駒は増えました。これで寄せ合いがどうか。
12飛成に34角よりは42金31成香34角とするほうが優ります。
32竜42金のほうが先手を取っているようですが、松浦先生は飛を渡しても良い形です。
73歩81銀の利かしが入り、44桂もぴったり。
飛を渡さずに攻め続けることができます。
反撃が来ますが
また金を埋めておきます。
食いつかれたようでも
金を打たせれば先手玉はまだ安泰です。
ちょっと長くなりましたが、角銀と飛桂香香の交換で駒得です。
攻防に香2本を打たれて、大山先生は投了です。
角換わり棒銀は単純なようでもバリエーションがあって、松浦先生が玉を固めてから攻める作戦がうまくいきました。大山先生は我慢するところを間違えています。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1955/11/14
手合割:平手
先手:松浦卓三8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 3二金(41)
5 7六歩(77)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(88)
12 2二銀(31)
13 5八金(49)
14 3三銀(22)
15 3八銀(39)
16 6二銀(71)
17 6八玉(59)
18 7四歩(73)
19 7八金(69)
20 6四歩(63)
21 9六歩(97)
22 6三銀(62)
23 2七銀(38)
24 4四歩(43)
25 2六銀(27)
26 1四歩(13)
27 1六歩(17)
28 9四歩(93)
29 7九玉(68)
30 5二金(61)
31 6八金(58)
32 6二玉(51)
33 1五歩(16)
34 同 歩(14)
35 同 銀(26)
36 同 香(11)
37 同 香(19)
38 1三歩打
39 1二歩打
40 2二銀(33)
41 6六角打
42 7三角打
43 4四角(66)
44 3三銀打
45 1七角(44)
46 6五歩(64)
47 8八玉(79)
48 8四飛(82)
49 6六歩(67)
50 7五歩(74)
51 同 歩(76)
52 3五歩(34)
53 6五歩(66)
54 1四歩(13)
55 6四香打
56 同 銀(63)
57 同 歩(65)
58 同 飛(84)
59 3五角(17)
60 4一香打
61 6三歩打
62 同 金(52)
63 7四銀打
64 同 金(63)
65 同 歩(75)
66 同 飛(64)
67 6三歩打
68 同 玉(62)
69 6五金打
70 3四飛(74)
71 6四歩打
72 5二玉(63)
73 7四金(65)
74 7二銀打
75 7三金(74)
76 同 桂(81)
77 2六角(35)
78 7四歩打
79 2四歩(25)
80 同 歩(23)
81 1一歩成(12)
82 同 銀(22)
83 3六角打
84 6三歩打
85 1四角(36)
86 3一歩打
87 3二角成(14)
88 同 歩(31)
89 1一香成(15)
90 2五歩(24)
91 2一成香(11)
92 2六歩(25)
93 同 飛(28)
94 2五歩打
95 1六飛(26)
96 1五歩打
97 同 飛(16)
98 8六歩(85)
99 同 歩(87)
100 8七歩打
101 同 金(78)
102 6四飛(34)
103 5六桂打
104 6八飛成(64)
105 同 銀(77)
106 6九角打
107 7八銀打
108 5八角成(69)
109 6九歩打
110 6五桂(73)
111 1二飛成(15)
112 3四角打
113 3二龍(12)
114 4二金打
115 7三歩打
116 8一銀(72)
117 4四桂(56)
118 6二玉(52)
119 5二金打
120 7三玉(62)
121 4二金(52)
122 7六金打
123 7一飛打
124 7二銀(81)
125 7六金(87)
126 同 馬(58)
127 8七金打
128 6六馬(76)
129 7七歩打
130 5七桂成(65)
131 4一金(42)
132 6一金打
133 9一飛成(71)
134 6八成桂(57)
135 同 歩(69)
136 4四馬(66)
137 6七香打
138 6四歩(63)
139 5九香打
140 投了
まで139手で先手の勝ち
下手番加藤先生の手を考えます。
第1問
まだ序盤のようですが、下手十分になります。
A 14歩 B 57銀右 C 36歩
第2問
どれがより良いでしょうか。
A 34同飛 B 23飛成 C 23成香
第3問
難しくなったようですが。
A 32成香 B 43歩成 C 15馬
第4問
58銀の打ち込みにも対応しています。
A 25角 B 13角 C 48金打
今日の棋譜20210125
昭和30年11月、加藤一二三先生と京都新聞(の棋戦)です。加藤先生はプロ入り2年目で五段になり、手合いは香落ちです。
香落ち下手は上手に35の位を取られてはいけない、と升田先生が言っていました。
大山先生は3筋の位を取ったのに中飛車ではバランスが悪いでしょう。三間飛車か一間飛車が自然です。
美濃囲いをあきらめて早囲い
9筋も受けずに木村美濃(ツノ銀)を急ぐのですが、34銀を指しておきたかった。
というのは、すぐに端を攻められて面白くないからです。13歩同香成同桂14歩12飛(歩切れなので)という形が嫌で、18飛15香は何とかなりそうですが、24歩同歩18飛あるいは24歩同角同飛同歩23角というのが下手有利になります。34銀型ならば13歩同香成同桂14歩25桂とできた、というのが大きな違いです。
31金18飛45歩、端を破られるので角をさばきます。でも後手の陣形は金銀がまとまっていなくて玉も薄いですから、望んだ展開ではないはずです。
3角成同桂58金右46歩、これは46同歩で十分ですが、
13香成27角で
馬を作れたら大山先生もやる気が出たか。
46歩34馬77角、加藤先生の自陣角は上手の55歩からのさばきを封じた手です。34飛同銀33角成があるので
44歩47銀(56馬が消えた)84歩45歩。45同歩は34飛です。45同桂は46歩、放置もできないので
45同馬に24歩、飛と成香を使おうとします。
24同歩同飛34馬。34同飛はちょっと早く、23成香は24馬同成香32金が案外に難しい。
ということで23飛成が最善のようです。大山先生は55歩ですが、22歩は打ちたくないのでしょうか。
55同角63銀、局面は複雑化しますが、
66角65歩の時に馬を取られ
34同銀44角42金55角打、55同飛とも指しきれず、
57歩59金引43銀、これは二枚換えにされます。
二枚換えで馬を作られても、下手の29桂13成香が働いていないというのが主張なのですが。
44歩42歩22成香、香落ちなので成香だけでも使われたら悪くなります。なので急いで攻めねばならないのですが、
66歩同歩14角、こんな角をひねり出しました。
36歩27飛で両取り。
だけど15馬が角取りで、41角37桂ではだめでしょう。銀を取りましたが角との交換では悪いです。
14馬36歩(歩切れなのでこれくらい)13角。どちらが上手かわからないような指し方をされています。
拠点の57歩を取られては差がつくばかり。
27竜23馬は銀取りで
34銀打(つらい)33馬37歩成
55桂に47と は形つくりでしょう。
63桂成同銀24馬上、馬を逃げたのがぴったりで
加藤先生は67歩を無視して42馬、読み切りました。
この と金を無視しても問題なく
詰めろではないですが、受けなしの2手すき。
86桂をかわして、ここまで。
加藤先生の完勝です。大山先生は駒落ち上手は得意ではなく、勝負将棋だと思っていないからでしょうか。プロの先生の駒落ちの強さは、平手の棋力に比例していないです。現代でも角落ち以下ならば指導棋士の先生のほうが強いと思います。生活がかかっているか+実戦経験の違いでしょう。
香落ちでも平手とはずいぶん違う、というのはこの棋譜並べをしてわかってきました。私は(少し前の)AIの飛落ちにまったく歯が立たないので、駒落ちを指すことはやめました。飛落ち角落ちが難しすぎるので、香落ちのほうがわかりやすいのではないかと思えるくらいです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1955/11/03
手合割:香落ち
下手:加藤一二三5段
上手:大山名人
手数----指手--
1 3四歩(33)
2 7六歩(77)
3 4四歩(43)
4 2六歩(27)
5 5四歩(53)
6 4八銀(39)
7 4二銀(31)
8 1六歩(17)
9 4三銀(42)
10 1五歩(16)
11 3五歩(34)
12 2五歩(26)
13 3三角(22)
14 6八玉(59)
15 5二飛(82)
16 5六歩(57)
17 6二玉(51)
18 7八玉(68)
19 7二玉(62)
20 6八銀(79)
21 6二銀(71)
22 9六歩(97)
23 7四歩(73)
24 9五歩(96)
25 6四歩(63)
26 1四歩(15)
27 同 歩(13)
28 同 香(19)
29 3一金(41)
30 1八飛(28)
31 4五歩(44)
32 3三角成(88)
33 同 桂(21)
34 5八金(49)
35 4六歩(45)
36 1三香成(14)
37 2七角打
38 1四飛(18)
39 4五角成(27)
40 4六歩(47)
41 3四馬(45)
42 7七角打
43 4四歩打
44 4七銀(48)
45 8四歩(83)
46 4五歩(46)
47 同 馬(34)
48 2四歩(25)
49 同 歩(23)
50 同 飛(14)
51 3四馬(45)
52 2三飛成(24)
53 5五歩(54)
54 同 角(77)
55 6三銀(62)
56 6六角(55)
57 6五歩(64)
58 3四龍(23)
59 同 銀(43)
60 4四角(66)
61 4二金(31)
62 5五角打
63 5七歩打
64 5九金(58)
65 4三銀(34)
66 3三角成(44)
67 同 金(42)
68 同 角成(55)
69 5四銀(43)
70 4四歩打
71 4二歩打
72 2二成香(13)
73 6六歩(65)
74 同 歩(67)
75 1四角打
76 3六歩(37)
77 2七飛打
78 1五馬(33)
79 4七飛成(27)
80 1四馬(15)
81 3六歩(35)
82 1三角打
83 4五銀(54)
84 5七角成(13)
85 2七龍(47)
86 2三馬(14)
87 3四銀打
88 3三馬(23)
89 3七歩成(36)
90 5五桂打
91 4七と(37)
92 6三桂成(55)
93 同 玉(72)
94 2四馬(57)
95 6七歩打
96 4二馬(33)
97 6八歩成(67)
98 同 金(59)
99 5七と(47)
100 6四金打
101 7二玉(63)
102 6三銀打
103 8二玉(72)
104 5二馬(42)
105 8六桂打
106 8八玉(78)
107 投了
まで106手で下手の勝ち
本日は第213回名南将棋大会(壱)を行いました。結果速報です。
A級優勝
渡邊俊幸さん
B級優勝
森七郎さん
本郷聰弘さん
C級優勝
柿田昌美さん
優勝された方々おめでとうございます。
参加された皆様ありがとうございました。
過去12回分の優勝記録です。
左半分拡大
右半分拡大
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
寄せ合いに移っていくのですが、今は攻め駒は1枚だけです。
A 37馬 B 19馬 C 53飛
第2問
馬取りです。
A 43金 B 88馬 C 45馬
第3問
この24歩が甘い手でした。
A 31歩 B 77歩 C 48金
第4問
詰みがあると言われたらわかります。
今日の棋譜20210124
昭和30年10月、升田幸三先生と読売全八段戦決勝第2局です。
大山先生の先手で矢倉です。
5筋を突き合う(現代では)当たり前の形ですが、
升田先生は64歩~63銀~72飛、この頃の流行(おそらく升田先生が広めた)でしょう。
袖飛車で7筋の歩を交換すると、右銀を前に出ることができます。
大山先生は角で3筋の歩を交換、これも当時の新しい指し方です。
升田先生の53金の意味が分からなかったのですが
44に出るとは。
中飛車にして先手の46角を追い払おうという構想でした。
後手陣が薄いですが、中央を制圧できたか。大山先生は75歩~76銀と指しているのですが、玉を囲っておく方が現代的でした。
57銀56歩46銀、強気ですが7筋の位とは合っていないでしょう。
銀金を交換するのは少し得です。銀を打たせるのも少し得なのですが
68角65歩、65同歩は66歩が痛いです。自然に指したら悪くなるというのは先手の作戦失敗の可能性が高いのですが。
37桂に64角、この桂取りは受けた形が悪くなります。53歩は飛を横に逃げられて損得が良くわかりませんが、
45桂28角成、大山先生は飛金交換でも右桂をさばいています。
53金39飛59歩。53金は銀取りのほうを受けにくいし、そこ歩も利いたので先手よしか。
66歩同金37馬、57歩成を受けねばなりません。
67金上に42銀の催促。52金同銀では57銀が残って後手有利。
63金55飛に55銀しかないのか。これは
57歩成同金55飛で二枚換えになります。
これでほぼ駒の損得はありません。玉の堅さは同等とみて、攻め駒は4対4ですから形勢は互角です。ここからは寄せ合いの速度勝負になるでしょう。
61飛51歩53桂成、この前に33歩を利かせたいところですが、45馬32歩成同玉は後手が良いところだったか。
53同銀同金31玉
51飛成22玉43金、馬取りです。
88馬と潜って先手玉は詰めろでした。77角同馬32金同飛成77桂というのもあったでしょう(先手有利か)が79銀を打ちます。
78銀同銀43金、先手玉は2手すきで、後手玉は詰めろはかけにくい形です。ならば77角で馬を消しておくのが安全策でした。
24歩は(王手がいっぱいかかるけれど)詰めろではありませんでした。この48金は詰めろ。大山先生の24歩は悪い手でしょうね。1手ずつ進めてからでは受けにくくなっています。
77角55歩、77角は移動制限があります。馬を消すタイミングを失っていたというわけです。先手玉はまだ詰めろなので受けるのですが
68銀は59飛成、詰んでいますね。79銀は68歩以下が難しかったのですが詰んでいたようです。
一手違いの寄せ合いでしたが、大山先生の93手目24歩が甘くて逆転しています。寄せ合いが何手違うかと数えるとわかるのですが、実戦の中で冷静に数えるのは難しいです。大山先生は最後の59飛成をうっかりしていたということかもしれません。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1955/10/29
手合割:平手
先手:大山名人
後手:升田幸三8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 7八金(69)
12 5二金(61)
13 6九玉(59)
14 4一玉(51)
15 5八金(49)
16 7四歩(73)
17 3六歩(37)
18 5四歩(53)
19 5六歩(57)
20 6四歩(63)
21 1六歩(17)
22 9四歩(93)
23 9六歩(97)
24 6三銀(62)
25 2五歩(26)
26 3三銀(42)
27 7九角(88)
28 7二飛(82)
29 6六歩(67)
30 7五歩(74)
31 同 歩(76)
32 同 飛(72)
33 7六歩打
34 7二飛(75)
35 6七金(58)
36 3一角(22)
37 3五歩(36)
38 同 歩(34)
39 同 角(79)
40 7三桂(81)
41 4六角(35)
42 5三金(52)
43 7五歩(76)
44 4四金(53)
45 7六銀(77)
46 5二飛(72)
47 6八角(46)
48 5五歩(54)
49 同 歩(56)
50 同 金(44)
51 5七銀(48)
52 5六歩打
53 4六銀(57)
54 同 金(55)
55 同 角(68)
56 4五銀打
57 6八角(46)
58 6五歩(64)
59 3七桂(29)
60 6四角(31)
61 4五桂(37)
62 2八角成(64)
63 5三金打
64 3九飛打
65 5九歩打
66 6六歩(65)
67 同 金(67)
68 3七馬(28)
69 6七金(78)
70 4二銀(33)
71 6三金(53)
72 5四飛(52)
73 5五銀打
74 5七歩成(56)
75 同 金(67)
76 5五飛(54)
77 同 金(66)
78 同 馬(37)
79 6一飛打
80 5一歩打
81 5三桂成(45)
82 同 銀(42)
83 同 金(63)
84 3一玉(41)
85 5一飛成(61)
86 2二玉(31)
87 4三金(53)
88 8八馬(55)
89 7九銀打
90 7八銀打
91 同 銀(79)
92 4三金(32)
93 2四歩(25)
94 4八金打
95 7七角(68)
96 5五歩打
97 6八銀打
98 5九飛成(39)
99 投了
まで98手で後手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
ここを攻めるのは現代的です。
A 56歩 B 66歩 C 95歩
第2問
攻め込まれて危ないところですが、どうにかバランスを保ちます。
A 43同金 B 74香 C 98飛成
第3問
後手有利とはいきませんが、これで難しいです。
A 57同香成 B 78金 C 25角
今日の棋譜20210123
昭和30年10月、五十嵐豊一先生と名人A級選抜勝継戦です。
五十嵐先生の先手で相掛りです。
もう珍しくなっている旧型で
大山先生は73桂、五十嵐先生は早繰り銀です。戦前と違って攻撃を重視するようになりました。
五十嵐先生は手損ですが26飛と浮いて35歩の攻めをねらえば、大山先生は飛を浮いてそれをけん制します。
37桂44歩55歩、後手に雁木などに組まれないうちに、五十嵐先生が動きます。
55同歩同銀45歩、ここはいろいろありそうです。45同桂54歩同銀88角成同銀55飛は後手よしか。64銀ならばありそうですがちょっと怖いです。
75歩は同飛には64銀か66銀か、大山先生は86歩と合わせて
86同歩同飛87歩には56飛66銀、というのもうまくいくかわかりませんが、先手が歓迎するところでもないので五十嵐先生は66銀
65歩87歩
84飛57銀までは妥当ですが、大山先生の55歩はおとなしい感じです。
35歩75歩、飛の横利きは大事です。
46歩に44角というのは軽い対応です。
47金はちょっと危なかったか。大山先生は端攻めです。後手玉は金銀4枚で守っているので手を作れば良くなりそうなところ。
45桂95香96歩同香97香で香を交換し
56歩の味が良いので後手が指しやすいでしょう。この歩を取れないので
48銀に54香、手筋のようですが、ちょっともったいなかったです。
55歩同角53歩
51金75角94飛。これで飛成や角成があるので、やはり後手よしか。
52歩成同金53香
63金に52歩というのはあまり出てこない指し方ですが
香で銀をはがしたので先手が盛り返したか。大山先生は51香成を銀で取らなかったというのが不思議です。
そのため43銀が厳しくなるのですが、74香で返します。
32銀不成75香23飛成
61玉21竜72玉とかわしてまだまだこれから。五十嵐先生はとりあえずは金取りを防いで76歩。
57歩成同銀51歩、大山先生も粘り強く底歩で守り
飛を成り込みます。
先手玉はまだ堅く、74桂は厳しいので先手有利でしょう。
74同金同歩76桂で寄せ合いです。
73歩成同銀23竜、63金を見て先手の寄せ合い勝ちに見えます。
68桂成同銀引56香で詰めろ。56同金は48金や47角が厄介です。
57歩に25角、この応対は悩ましいところですが
36桂57香成
57同金36角47金打、先の36桂は捨て合いの形になりました。この瞬間が怖いですが、56歩は打てませんね。ならば56桂が難しいか。ということで戻って25角に36桂以外を考えるべきだったのかもしれません。
78金58玉68金同銀76桂で詰めろ。五十嵐先生は金をもらったので何とかなりそうです。
63金81玉85香
84歩同香82歩72金打92玉96香、96同竜は先手玉の詰めろが消えます。なるほどですが、99香もあったようです。
93の地点をふさいで82香成
82同銀84桂64金、王手で角を取れました。でも持ち駒は角歩だけなので
94玉36金38銀、もう一枚角を取れましたが、まだ先手玉の詰めろはほどけません。
後手玉を上に追って竜の利きを止めれば詰めろは消えます。でももう入玉されたので寄せ合いにはなりません。
48玉89玉、ここは78歩のほうが楽だと思うのですが、
38玉68竜58歩55香、受けきれないので先手も入玉を目指すことになります。
37玉25歩同金57香成、駒を取られながらの入玉はうれしくないです。
26玉47銀27銀58竜。ここは34歩~35玉と、なりふり構わず入玉を目指すべきところです。
33桂成はちょっとおかしくて、28竜で詰めろ。54角というのもおかしいですよね。63角打か63角成で馬を作るほうが良いです。
45歩同角44歩44同竜には52桂ということでしょう。
34歩45歩35玉52桂
同角成同歩44玉、これで入玉できそうですが、角2枚を取られています。
点数が足りなくて投了です。
終盤の寄せ合いは難しいながらも五十嵐先生の勝ちなのでしょうが、受け間違えています。最後も角を捨てずに相入玉できていたと思うのですが。二重に悔しい負け方でした。
長い将棋ですが、攻防を楽しんで並べられます。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1955/10/24
手合割:平手
先手:五十嵐豊一8段
後手:大山名人
先手省略名:五十嵐
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7八金(69)
6 3二金(41)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2八飛(24)
12 3四歩(33)
13 7六歩(77)
14 8六歩(85)
15 同 歩(87)
16 同 飛(82)
17 8七歩打
18 8四飛(86)
19 4八銀(39)
20 6二銀(71)
21 5六歩(57)
22 9四歩(93)
23 9六歩(97)
24 5四歩(53)
25 6九玉(59)
26 4一玉(51)
27 5七銀(48)
28 5二金(61)
29 3六歩(37)
30 7四歩(73)
31 1六歩(17)
32 7三桂(81)
33 4六銀(57)
34 1四歩(13)
35 5八金(49)
36 6四歩(63)
37 2六飛(28)
38 8五飛(84)
39 3七桂(29)
40 4四歩(43)
41 5五歩(56)
42 同 歩(54)
43 同 銀(46)
44 4五歩(44)
45 7五歩(76)
46 8六歩打
47 同 歩(87)
48 同 飛(85)
49 6六銀(55)
50 6五歩(64)
51 8七歩打
52 8四飛(86)
53 5七銀(66)
54 5五歩打
55 3五歩(36)
56 7五歩(74)
57 4六歩(47)
58 4四角(22)
59 4七金(58)
60 9五歩(94)
61 同 歩(96)
62 9七歩打
63 4五桂(37)
64 9五香(91)
65 9六歩打
66 同 香(95)
67 9七香(99)
68 同 香成(96)
69 同 角(88)
70 5六歩(55)
71 4八銀(57)
72 5四香打
73 5五歩打
74 同 角(44)
75 5三歩打
76 5一金(52)
77 7五角(97)
78 9四飛(84)
79 5二歩成(53)
80 同 金(51)
81 5三香打
82 6三金(52)
83 5二歩打
84 4二銀(31)
85 5一歩成(52)
86 同 銀(42)
87 同 香成(53)
88 同 玉(41)
89 4三銀打
90 7四香打
91 3二銀(43)
92 7五香(74)
93 2三飛成(26)
94 6一玉(51)
95 2一龍(23)
96 7二玉(61)
97 7六歩打
98 5七歩成(56)
99 同 銀(48)
100 5一歩打
101 7五歩(76)
102 7七歩打
103 6八金(78)
104 9八飛成(94)
105 5六歩打
106 6四角(55)
107 7四桂打
108 同 金(63)
109 同 歩(75)
110 7六桂打
111 7三歩成(74)
112 同 銀(62)
113 2三龍(21)
114 4三歩打
115 同 龍(23)
116 6八桂成(76)
117 同 銀(57)
118 5六香(54)
119 5七歩打
120 2五角打
121 3六桂打
122 5七香成(56)
123 同 金(47)
124 3六角(25)
125 4七金打
126 7八金打
127 5八玉(69)
128 6八金(78)
129 同 銀(79)
130 7六桂打
131 6三金打
132 8一玉(72)
133 8五香打
134 8四歩打
135 同 香(85)
136 8二歩打
137 7二金打
138 9二玉(81)
139 9六香打
140 9四歩打
141 同 香(96)
142 9三歩打
143 8二香成(84)
144 同 銀(73)
145 8四桂打
146 8三玉(92)
147 6四金(63)
148 9四玉(83)
149 3六金(47)
150 3八銀打
151 9五歩打
152 同 玉(94)
153 9六歩打
154 同 玉(95)
155 9七歩打
156 8七玉(96)
157 9六角打
158 8八玉(87)
159 4八玉(58)
160 8九玉(88)
161 3八玉(48)
162 6八龍(98)
163 5八歩打
164 5五香打
165 3七玉(38)
166 2五歩打
167 同 金(36)
168 5七香成(55)
169 2六玉(37)
170 4七銀打
171 2七銀打
172 5八龍(68)
173 3三桂成(45)
174 2八龍(58)
175 5四角打
176 4五歩打
177 同 角(54)
178 4四歩打
179 3四歩(35)
180 4五歩(44)
181 3五玉(26)
182 5二桂打
183 同 角成(96)
184 同 歩(51)
185 4四玉(35)
186 8六角打
187 6三龍(43)
188 2七龍(28)
189 投了
まで188手で後手の勝ち
先手番升田先生の手を考えます。
第1問
8筋の攻防です。千日手含みで粘られてしまうのですが、とりあえずは手筋。
A 84同歩 B 75歩 C 72歩
第2問
3筋桂頭を攻めさせたのが誘いの隙でした。
A 36同金 B 25桂 C 35桂
第3問
前々からねらっていた筋です。
A 23金 B 62角成 C 45桂打
第4問
簡単に見えますが。
A 32飛成 B 23金打 C 79玉
第4問
もう少しで勝ちですが、気は抜けません。
A 88玉 B 69金 C 69銀