それでは、連載第258回目は、交直両用機関車、EF30 1をお届けします。
戦時中に開通した関門トンネルは、直流電化であり、EF10等が使用されてきましたが、九州は20000V60Hzで交流電化されることとなり、新たな関門の守りとして製造されたのがEF30で、1号機はその試作も兼ねていました。
門司港レトロ観光線「関門海峡めかり」駅近くにて保存される同機(写真)、海水による腐食防止のため、ステンレスボディですが、一般的なEF30のイメージとは異なります。
後の旧客との編成での姿(写真)。コルゲートステンレスによる車体強化は行われておらず、フラットなまま、鋼製車とほぼ同じ構造のようです。
EF30は、関門海峡区間用とされ、交流区間は門司駅構内での移動しか考えられていない関係で、交流運転時には格段に力が落ちるのが特徴です。当時は交流も直流も同様に走れる機関車が、製造出来ませんでした。
なお、同機は関門橋の袂にあることから、例年、九州遠征の最後に撮る写真です。これを撮ると、九州とのお別れの実感が沸いてきます。
それでは、次回をお楽しみに。