この元湯は温泉津温泉を代表する共同湯です。薬師湯に比べて建物は小さく、何気ない単なる古びた建物だが、控えめな唐破風が歴史ある温泉を主張している。そう。ここが温泉津の温泉のスタンダードなのです。
浴槽は三つに分かれていて、左側は浅い浴槽、真ん中が適温、右側が熱い浴槽となっています。この熱いお湯に地元の爺さんが何気なく浸かっているが、慣れない旅行者にはとてもムリ。やや緑がかった褐色お湯は、かなりの金気臭と塩分。浸かっていると体が浮きそうになるぐらいです。
飲泉はできるものの、とても不味くて飲みづらい。浴場の床は温泉成分が茶色に染み付いていて、実に濃厚なお湯を体現していますね。脱衣所には鍵の付いたロッカーがなく、名前の入ったマイ洗面器がキープされている…地元の方々と湯治客が主な利用者なのでしょうが、ワタシのようなバスで訪れる旅行者には少々不便です。
この温泉津の温泉街、茶色い甍の建ち並ぶ昔ながらのしっとりとした佇まいが情緒豊かです。泉質を求められるいま、再びホンモノの温泉を求める湯治客で栄えることを期待します。ぜひとも今度は一週間ぐらい湯治したいところですね。
- 泉質:カルシウム・ナトリウム‐硫酸塩・塩化物泉 49.4度
- 場所:温泉津町営バス・温泉津温泉BS
- 訪問日:2009年4月13日