JR紀勢本線・熊野市駅または阿田和駅から熊野市・御浜町広域バスで終点の瀞流荘BSまで乗り、そこから鉱山鉄道の廃線跡を活用した鉱山トロッコ電車で揺られること約10分。谷間の渓流沿いに鄙びた湯治宿のような建物が現れます。
三重県熊野市の旧紀和町にあった紀州鉱山の跡地にあるこの温泉は、開湯は約700年前、後醍醐天皇の指示でこの周辺の金山を開発した際に発見されたとされます。
その後、鉱山開発により温泉が一度は枯れてしまったが、1978年の鉱山の閉山後、ボーリング調査により地下1300mに源泉を発見し、1979年に湯ノ口温泉は復活しました。
この湯元山荘は小川の流れる谷あいに造られた小規模の建物で、山小屋のような簡素な造りで宿泊室もバンガロー程度。湯治もできるよう自炊設備も備えています。
浴場は内湯と清流の畔の露天からなり、温泉はもちろんどちらも掛け流しです。少し塩辛く、清澄なやさしいお湯で、内湯はいささか熱いが、露天は温度が低いので、長湯するにはこちらがいいですね。
この温泉では、最近になって新しい源泉を掘り当てて、赤い湯の花が舞うようになりました。それが一番よく判るのが貸し切りの家族湯です。家庭のお風呂のようで風情はないが、泉質は抜群です。
お湯の質もさることながら、自然豊かな環境や、坑道、トロッコの体験など、ファミリーにも楽しめるこの施設。いささか遠いものの、ぜひともお薦めしたい温泉のひとつです。
・場所:南紀広域バス・瀞流荘BS
・泉質:ナトリウム・カルシウム‐塩化物泉 45.7 ℃
・訪問日:2013年1月28日
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