世界最古の宿とされる、「法師」を擁する、歴史ある北陸の名泉、粟津温泉。温泉ブームの恩恵を授かっているとは言いがたいこの温泉地では、賑わっているとは言えぬまでも、しっとりとした温泉地の情緒を感じることができます。
この温泉地で泉質には評価の高い「かめたに」に宿泊することにしました。お隣の純和風旅館「法師」とは対照的に、鉄筋コンクリートの近代的な造りながら、ここは源泉掛け流しを頑なに維持しています。仲居さんの案内で部屋に通されてお茶をいただくが、温泉への期待で実は気もそぞろ。お茶もそこそこにして、早速お湯に浸かってみる。
蛍長石貼りの深めの浴槽に、澄明でほんの少し匂いのあるお湯が掛け流されています。湯の花はないが、湯口の辺りに析出物がこびりついています。この旅館は自家源泉。湧出場所から女湯で5m、男湯で12mとのこと。これなら湯の花を形成する暇もないほどの新鮮さですね。
もちろん飲むことも可能で、僅かな匂いと塩分を感じるが、実に美味しい。これならグビグビ飲むこともできるでしょうが、通しやすいので、お腹の弱い人には要注意です。源泉を浪費する露天風呂を、敢えて造らない姿勢にも共感を覚えます。温泉へのこだわりのある旅館、リピート必至ですね。
- 泉質:ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉 50.9度
- 場所:小松バス・粟津温泉北口BS
- 訪問日:2009年1月12日
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