温泉と灯台・本州最南端をゆくバスの旅(1)の続きです。
適当な時間のバスがなく、仕方なくタクシーを使って勝浦温泉から車で10分ほど、美しい湖…実は海水の潟、「ゆかし潟」に向かいます。この美しい潟の畔にはの滔々と湧き出る、恐ろしいほどの湯量を誇る温泉があるからですね。湯川温泉です。
ゆかし潟の反対側には、海のホテル「一の滝」が運営する立ち寄り湯も…
湯川温泉から歩いて小さい峠を越えると、ここは太地町の飛び地の夏山地区。ここにも温泉があるんです。
湯川温泉からは昨日「特急スーパーくろしお」で通過したルートを、今度はバスで辿ります。バスはまたまたレインボー。ただし今度はノンステップの最新の車です。
クジラ漁で今、国際的に議論を沸騰させている太地を過ぎ再び海沿いへ。関西屈指の清流を誇る古座川を渡るとJR古座駅前に着きます。ここには清流で育てられた旨いうなぎがあるんですね。
古座からの車窓には広がる海と、時折現れる奇岩が見える。鯛島は、鯛の形というか、鯛焼きみたいです。これは癒し系の奇岩ですね!
紀伊半島から対岸の大島に向かって端の杭の如く、点々と連なっている奇岩が見えます。橋杭岩ですね。
串本駅を経由して、そのまま潮岬へ向かいます。バスは広い観光道路をではなく、町内の狭い道をユルユルと抜けていきます。車両は日野の中型バス「レインボー」。こんな狭い道には大型車は入れません。潮岬の集落では、どの家も石やレンガのがっしりした塀に囲まれています。この辺り、太平洋に突き出しているので風が強いからですね。
集落をすり抜けたら車窓に太平洋が広がっています。灯台前でバスを降りました。ここから歩いて直ぐのところの潮岬灯台へ。根元は灯台の資料館になっていて、海上交通を守る灯台の役割について詳しい展示があって興味深い。
この灯台は登れるようになっており、そこは360度の眺望です。海には黒潮に乗って、あるいは黒潮に抗って多数の船舶が往来、ここは海上交通の要衝です。
灯台から潮岬の先端に向かって歩いてみました。岬の先端にある潮岬タワーは、昭和の香りがむんむん漂う一時代前の観光施設といった感じの建物で、今は閑散としています。それでも、付随する食堂は団体バスツアーのお客で賑わっています。団体客の話す言葉は中国語。外国人観光客も多くなりましたね…
いっぽう、串本駅から樫野崎行きのバスに乗れば、「ここはぁ串本ぉ・向かいはぁ大島ぁ…」の大島の先端、樫野崎に行くことができます。バスは日野のリエッセ、地元の老人や、幼稚園児を乗せて走ります。
以前なら「仲をぉ取り持つぅ巡航船」に乗って島に渡っていたのだが、くしもと大橋の開通によって、バスで直行することができるようになりました。運転士は足元の覚束ない老人や、元気いっぱいの幼稚園児に細かな目配りをしている。これは福祉バスと言ってもいいな。
終点の樫野崎では青い空、碧い海、そして白い灯台のコントラストが目を楽しませてくれる。この日(11月1日)はたまたま「灯台の日」とのことで、普段は入れない灯台の内部を公開しています。超ラッキー!
この樫野崎は明治23年にトルコの軍艦が遭難し、580名余が殉職するという大惨事がありました。この事故で地元の人たちが献身的に救難・看護・埋葬を行ったことにより、日本とトルコとの友好が深まった故事から、例を見ないほどの立派な慰霊碑と共に、トルコ記念館が開設されています。
来たときと同じバスに乗って串本に戻り、ここから「オーシャンアロー」で帰宅です。電車は283系。さすがに新しい車両なので振り子動作もスムーズで、騒音も無くシートの座り心地も上々。20年の進歩を感じますね。
車内販売の小鯛雀寿司が旨い!それにしても、この旅ではいっぱい魚食ったなぁ…
- 最新訪問日:2010年3月27・28日
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