別府駅から駅前通りを進み国道11号に至ると、なんだかノスタルジックなスタイルのタワーが姿を現わします。この何ともレトロなモニュメントこそ「別府タワー」。竣工は昭和32年、名古屋テレビ塔、通天閣に次ぎ、日本で3番目に建てられた高層タワーです。
初めて別府を訪れたときに、そのレトロでどこか懐かしい姿に共感を覚え、いちど登ってみたいと思ってました。シンパシーを感ずるのも、それもそのはず。設計者が大阪のアイコン「通天閣」と同じ、内藤多仲だからですね。道理で見覚えが…
この内藤多仲、「塔博士」とも呼ばれ、このほかに名古屋と札幌のテレビ塔、博多のポートタワー、そしてあの東京タワーを作った、日本のタワーの父みたいにお方です。
これらの中で別府タワーはたったの90mと最も低い塔ではあるが、今や国の登録有形文化財に指定されているというから大したもんです。低いながらも、展望台からは別府の市街や美しい海岸線が眺望できます。
1960年代には別府観光のシンボルとして年間100万人に及ぶ観光客と修学旅行生で賑わっていたのだが、1970年代に入ると入場者数が減少。さらに、大きな収入源だった広告ネオンサインの契約打ち切りが追い討ちをかけ、経営危機に陥り、一時は解体撤去も検討されたとか。
現在もあまり賑わってるとは言えず、窓ガラスもひび割れたまま。いささか侘しい状態。展望室内には建築当初の別府タワーや、その時期の別府の様子を描き出した写真展が開かれていて、人の表情もみんなキラキラ輝いている賑わうタワーの姿から、余計に侘びしくなる…
展望室内には建築当初の別府タワーや、その時期の別府の様子を映し出した写真展が開かれていました。昭和30年代の賑わうタワーの様子、人の表情もみんなキラキラ輝いている…
一時は閑散となっていた通天閣もあの手この手でV字回復を果たしている例もあるので、なにかしら逆転の手段もあるんではないかと思ってしまいます。
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