びすた~り、びすた~り。

のんびりゆっくり歩いていこう。Kana-catの、日々のつぶやき。

赤道の夜明け⑮ あぁ、神様・・・

2012-03-06 21:02:45 | Ecuador
 今日は温かったですねー。外で作業をしていたら汗をかきました。



◆1月6日 夜中雪、朝から晴れ時々曇り サミットプッシュは・・・

 5日22時、起床の時間。外に出ると結構降っている。がーん。これは無理だろ、と思う。とりあえず支度をして食堂に下りるが、ガイドたちは全く出る気がなさそうだ。他のパーティも出発を見合わせている。降っていても明るいから雲は薄いのだろうが、止む保証がない以上出られない。1時間待つ。止む気配なし。どのパーティもクライアントは塞ぎ気味だが、ガイドたちは明るく騒いでいる。・・・ちょっと気に触る。やっぱりセバスチャンの言うとおり、前日小屋に入ればよかったのか・・・。そしたらチャンスをものにして、今頃はキトのホテルで暖かいベットで眠っていたはずだ。あーあ。我々は賭けに負けたのね・・・。やっぱり無茶して休暇を取ったから罰が当たったのかしらとか色々色々、後ろめたいことが浮かんでくる(普段の素行が悪いもので・・・汗)。

 日付が変わって午前1時。中止が決定される。でも眠れそうにないので、食堂に下りていくとよっちゃん、ひーちゃん、平岡さんも起きていた。ここで平岡さんから“残された可能性“について提案される。もう1日残ってチャンスを待ち、下山後空港へ直行するというものだった。ただし現地ガイドは1名しか残らないのでクライアントは4名まで、足の速い者だけに絞るという。・・・ここはエクアドルで北アルプスじゃないのだ。登れなかったらじゃあまた来週来るか、というわけには行かない。リベンジのうえ2度とも山に取り付いてもいないのではやりきれない。・・・うーんどうしたものか。

 外に出てみると雪は降っているものの、ぼんやり月が透けて見えている。凄く悪いわけじゃないのに・・・。少し登れば雲から抜けられるんじゃないか、明け方には晴れるんじゃないか・・・。これくらいなら出発できるのでは、という意見も実際に出た。でも私はやっぱり一瞬でも止んでくれないと出たくない、と思う。
 起きていても仕方がないのでシュラフに入る。もう水分を摂るのも頭痛予防も面倒だな、と思う。でも可能性はゼロじゃないし・・・。色々考えているうちに少しウトウトしたようだ。重い頭でトイレに出る。・・・するとそこにあったのは素晴らしい星空!思わず悲鳴。ヤラレタ・・・。
 部屋に戻るがもう眠れない。晴れたということはラストチャンスがもらえるのだ。でも体調は下降線。明るくなって三々五々起き出したので私も食堂へ行く。改めて平岡さんが全員の意向を確認し、よっちゃん、Oさん、私の3名が再挑戦、ひーちゃんとIさんはもこさんと共に下山して一足先にキトに向かうことになった。ガイドはマウリシオが残ってくれることになる。私は体調がなんとなくすっきりせず、色々不安要素があったのだけど、ダメなら小屋で待機すればいいからと自分に言い聞かせて残留する。せっかく得たチャンスなのだ。粘らずにどうする。

<このお天気がもう少し早くやって来てくれていたら、みんなで登れたのに。>


<あーあ。天気の回復は嬉しいけどやはりショック・・・>


 下山組とともに、残留組もカレル小屋まで下る。2泊するつもりで荷揚していないので、足りないものを補充するためだ。迎えに来てくれたバスの中から必要なものを引っ張り出す。運転手のハビエルとドメニカとはここでお別れ。バスはボロかったけどハビエルはいい人だった。ドメニカは・・・頑張っていいガイドになってね?!他の皆には翌日会えると分かっているのに見送るのはなんとも寂しい。Iさんもひーちゃんももこさんも登りたかっただろうに頑張ってね、と励ましてくれてとても嬉しかった。申し訳ない気持ちでいっぱい。

<ウィンパー小屋を離れる前に>


<すぐにまた会えるのにお見送りするときはじ~ん・・・>


 見送った後、カレル小屋で遅めの朝食&早めの昼食を頂く。よっちゃん提供のカップ麺。胃が小さくなっているようで1杯が食べきれない。お茶を頂いて、しっかり休んでからウィンパー小屋に戻る。

<じゃぱにーずそうるふーど?(笑)でも、これが1個食べきれないなんて・・・。普段ならありえません(ていうか足らないでしょ)>


<再びウィンパー小屋へ。気持ちを切り替えて、ベストを尽くします!>


 残留したのは我々とアメリカ人のカップルだけだったので小屋は閑散としている。こんな天気が続いているから上がってくる人も少ないだろうと、ベッドの下段を4人で占拠。そして少し寒くなったのでダウンを着ようと思ったら・・・ない!ない!!ない~!!!
 シュラフをひっくり返し、マットをひっくり返し、ベットの上段も確認したけれどない。ほかの皆のところにまぎれてないか見て貰ってもない。急いで食堂に行って、打合せをしていたマウリシオと平岡さんに割り込む。「ダウンがなくなったんです~!」
 体調がうんぬんどころではない。ダウンがなければ寒がりの私はもう登れない。高度障害でボケてるんじゃないかともう一度皆の前で荷物をひっくり返してもやっぱりない。ほかの部屋にも当然ない。こんなところで足元をすくわれるとは・・・。と、そこに平岡さんとマウリシオが登場。「ありましたよ!」えーっえーっどこに?・・・観光客が小脇に抱えているところを小屋番さんが発見し、取り返してくれたのだそう。悪いやつがいるんだ、とマウリシオさんが身振り手振りを交えて説明してくれる。荷物を引っ掻き回して持っていくほどではないが、シュラフの上にぽん、と乗っていたので手を出したのだろう。街中ではともかく、山小屋だからと油断していたのが間違い。チンボラソはエクアドルで一番高い山だし、道路も整備されているので観光客も氷河を眺めにたくさん上がってくるのだ。

<小屋に戻ってきてやれやれと転がったところ。この時点ではまだダウンを盗まれたことに気づいてません>


 一段落したところで、お茶を頂き、そのまま食事。マウリシオがスープとラビオリを作ってくれた。マオリシオ、無愛想な人かなと思っていたらとんでもない。ジョークを交えながら自分のことを色々話してくれてとても面白かった。どうやらチンボラソをメインにガイドしていて(100回は登っているそうだ)、普段はアンバトの自動車学校で教員をしているらしい。普段は奥さんに頭が上がらないようで、ガイドは「息抜きできて嬉しいよ」だそうだ。きっといい奥さんなのね(笑)。

<ほぼ貸切状態。10時間ほど後の出発に備えて、心身をほぐしてまーす>


 21時に起床なので、16時に就寝。明るいので眠れないが。幸い山はずっと見え隠れしていてこのままいけば出発できそうだ。閑散としていた小屋も、夕方になると続々と登山者が到着して前日とは打って変わって盛況だ。皆この天気を読んでいたのか?だとしたらその根拠や情報源はどこなんだろう。なんだかすごく悔しい。
 21時起床。寝ている人に悪いので階下に降りるとここにも寝ている人が居てびっくり。お湯を貰い、急いで食事する。他のパーティもちらほら起きてくる。

<身支度も随分手早くなりました☆なんか顔が白塗りオバケみたい・・・>


 22時、トップで出発。しばらくは緩やかな雪原を歩く。前日の偵察隊のトレースがあるので道は明瞭。飛行機の時間を気にしているのかマウリシオは結構ハイペースだ。少し傾斜が出てきたところでアイゼンを装着する。ここからカスティージョと呼ばれる岩峰の右を巻いて稜線に出るまでは落石が多く、危険なので急いで通過しなければならない。このペースだとあとで絶対バテるな、と思ったが仕方がない。半分くらい登ったところでアンザイレンし、後続パーティに先行して貰う。今回はマウリシオによっちゃんと私、平岡さんにOさんという組み合わせだ。

<フードつきのフリース、今回は結構重宝しました☆右はマウリシオ>
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